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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ 5(更新中)

第201回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 

すぎやまこういち(1931ー2021)と言えば、ゲーム音楽 ドラゴンクエストの作曲者として有名です。

彼の生涯は、戦前、戦中、戦後と波乱万丈でした。中学生の頃は戦況の悪化に伴い、岐阜県坂下町に疎開していましたが、その後栄養不良から壊血病に掛かり死にかけたと言われています。

それでも、お父さんが物々交換で手に入れた、ベートーヴェンのレコードやオーケストラの楽譜(交響曲第6番と第7番のスコア)で、独学で勉強したそうです。(Wikipedi情報)

音楽大学への進学を望んでいましたが、ピアノが弾けなかったことから断念し、東京大学に入りました。異色の音楽家です。

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写真 リアルサウンド テックサイトより


すぎやまこういちの楽曲に「おおぞらをとぶ」という美しい作品があります。

ドラクエ3で空を飛ぶ時の音楽に使われました。
不死鳥のラーミアが蘇って空を飛んでいる時に流れる音楽です。

原曲はオーケストラ版ですが、フルートとハープが中心です。今回は、フルートとピアノの二重奏でお楽しみ下さい。


■ おおぞらをとぶ / すぎやまこういち



ドラクエのファンならご存じの曲ですが、旋律は美しく古典的で、「知られざるクラシックの名曲」に相応しい作品と思い、すぎやまこういち氏に敬意を表して選ばせていただきました。

■ ご参考

トヨタ ‶アクア” のCMに使われた「おおぞらをとぶ」https://www.youtube.com/watch?v=1poMrNkVURY

当ブログ「テレビCMで聴くクラシック曲あれこれ」https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-4055.html






第202回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

当「知られざるクラシック名曲シリーズ」、初登場の マーラー(Gustav Mahler, 1860 - 1911)が今回の主役です。

マーラーは交響曲が有名で、日本では演奏機会も多く人気の作曲家ですが、演奏時間が長いことで知られています。
最も短い交響曲で約60分。長いもので1時間40分にも及びます。聴くにも体力が要るのがマーラーです。

ですから、CDのマーラー交響曲全集は持っていても、生の演奏会で全曲を聴いた人は少ないと思います。

今回は、その中でも比較的演奏時間の短い(約55分)の交響曲第4番、その第3楽章の一部をご紹介します。

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画像 ACワークス(株)

マーラーの弟子で高名な指揮者の ブルーノ・ワルターは、この曲を「天上の愛を夢見る牧歌である」と語っています。

天上の愛を夢見るとは、彼岸の世界に想いを馳せるということです。その意味で、同じマーラーの交響曲第5番「アダージェット」とよく似ています。平和で穏やかな安らぎが満ちています。

マーラーは長いからと言って敬遠されていた方に、是非聴いて欲しいマーラーの世界観です。

 

■ 交響曲第4番 第3楽章より / マーラー




■ ご参考

マーラー交響曲第5番 アダージェット    (11分)

 




第203回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 

クラシック曲も YouTube のような動画で見ると面白いものです。

ピアノの動画で良くあるのは、次々とブロックが落ちてくるアニメーションです。
これはゲーム感覚で音楽が聴ける素晴らしいアイデアです。

音の長さや、音の高低、テンポなどが ビジュアルで分かるので、音楽の構造が何となく分かります。


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今回の動画も、この手法を使ったものです。

曲は、ロシアの作曲家 ラフマニノフ( Sergei Vasil'evich Rachmaninov 1873 - 1943)の「イタリアン・ポルカ」です。

彼がイタリアを旅行した際、街で聞いた辻音楽師の演奏から曲想を得たと言われています。

原曲は連弾曲(2台のピアノで演奏)ですが、今回はピアノソロ(アレンジ版)で演奏されます。アレンジしてあるとは言え、二人分を一人で弾く訳ですから、驚異的なテクニックが必要です。


■ イタリアン・ポルカ / ラフマニノフ



この作品は、出来たら3回聴いて欲しいのです。
↑ 上の動画で聴かれたら、

■ 次は吹奏楽で  https://www.youtube.com/watch?v=Nsd5xLmPLeM
ラフマニノフらしくない軽快で乗りの良い音楽です。

■ 最後はアニメを楽しんで下さい https://www.youtube.com/watch?v=3cyS2le3euQ




 


第204回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 

日本では連日のように殺人などの凶悪事件のニュースがテレビで流れています。

悲惨な事件に心が痛む人は多いと思います。テレビを付けると朝から気分が悪くなります。


そんな時、YouTubeで「Consolation(慰め)」という曲に出会いました。美しい旋律に癒されました。

作曲は、ポール・イボットソン(Paul Ibbotson)  というイギリス人です。

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画像 カモミール(花言葉 癒し)ACワークス(株)


初めて聞く名前でしたが、彼の作品はロマンティックで、古典的手法で書かれています。

チェロ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、ピアノソナタなどの他、現在は 最初のピアノ協奏曲に取り組み、最初の交響曲を完成させています。


■ Consolation(慰め)/ ポール・イボットソン



 演奏は、フランスの女性ヴァイオリニスト、エスター・アブラミ(Esther Abrami)さん。

ピアノは、ヨルダン出身のピアニスト、イヤード・スギャエル (Iyad Sughaye)さん。






第205回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

イタリアの作曲家 ドニゼッティ(Gaetano Donizetti 1797 - 1848)は、オペラ「愛の妙薬」で有名です。特に第2幕で歌われる「人知れぬ涙」(テノールのアリア)はオペラファンなら知らない人はいないでしょう。

彼はオペラ作曲家ですが、レクイエム 、弦楽四重奏、協奏曲、シンフォニアなども作曲しました。

そして、最近この「オーボエと弦楽のためのアンダンテ」が発見されたのです。
※原曲はピアノ伴奏曲、後に ヴォルフガング・レンツが弦楽版に編曲

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画像 ACワークス(株)

郷愁を誘うオーボエの音色がとても魅力的な名曲と言えるでしょう。


■ オーボエと弦楽のためのアンダンテ / ドニゼッティ



オーボエ演奏は、クリストフ・ハルトマン氏、 1992年よりベルリン・フィルハーモニー管弦楽団オーボエ奏者として活躍中です。

映像の絵画は、ウクライナ出身の画家 イワン・アイヴァゾフスキー氏の「月明かりのナポリ湾」です。






第206回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

大江 光作曲、ピアノのための第1巻「バルカローレ」(Musicwith Barcarolle, for piano Hikari Oe,Vol 1)

YouTube動画には、「小さな窓の花ごよみ 2 薔薇の季節 ときめきの庭」と副題があります。画面いっぱいの花と、大江光の優しい音楽が素敵です。

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画像 ACワークス(株)

大江 光(おおえ ひかり、1963 - )は、日本の作曲家。父はノーベル賞作家の大江健三郎氏、伯父は映画監督の伊丹十三氏。

幼少時から野外の鳥の声を正確に聞き分けて鳥の名前を当てたり、クラシック音楽に極めて強い関心を示した。
11歳のときピアノレッスンを受け始める。13歳で作曲を始める。その後、CD「大江光の音楽」を多数リリース。日本ゴールドディスク大賞を受賞した。

1996年には伯父の伊丹十三監督の「静かな生活」で、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。(以上Wikipediaより一部抜粋)


■ バルカローレ / 大江光 
 小さな窓の花ごよみ 2 薔薇の季節 ときめきの庭



演奏は、ショパンコンクールでも度々審査員を務めたピアニストの海老彰子氏。

大江光の2枚のCDが、日本ゴールドディスク大賞を受賞した際には、ピアニストとして NHKなどで放映され話題になりました。






第207回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


曲名は、Flocks a Mile Wide(フロックス・ア・マイル・ワイド=1マイルの幅の群れ)。

作曲は、クリストファー・ティン(Christopher Tin 1976 - アメリカ)。

この クリストファー・ティンの名前は覚えておいたほうが良さそうです。

タイム誌は彼の音楽を「興奮する」「賛歌的」と評し、ガーディアン誌は 「メロディーとテーマの知的な出会い」 と評しています。

彼の音楽は、リンカーン センター、ケネディ センター、ハリウッド ボウル、国連、カーネギー ホールなど、世界的に権威のある会場で演奏されており、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団など一流オーケストラとも共演しています。

グラミー賞を 2 回受賞して、世界的に最も注目される音楽家ではないでしょうか。

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画像 ACワークス(株)

動画に付随した説明によれば、この音楽は人間の活動による鳥の 種の喪失 を哀悼するものです。

新しいレクイエムとも言えます。美しさ、希望、平和、再生の象徴としての鳥たちを讃えるものであると同時に、鳥たちの不在を悼むものでもあるのです。


■ Flocks a Mile Wide / クリストファー・ティン



音楽に同期する背景の映像は、絶滅した鳥たちの羽毛を視覚的に表現したものです。

経済を優先するあまり、地球上の自然を破壊し、動植物を駆逐する人間の所業を思う時、私たちは深い悲しみに包まれるのです・・・

 

 

 


第208回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

今回は、ブラジルの作曲家 ディレルマンド・レイス(Dilermando Reis 1916 - 1977)のギター曲です。

原題:エテルナ・サウダージ(Eterna Saudade)邦訳 「永遠の憧れ」または「遥かなる郷愁」 / ディレルマンド・レイス曲

彼はサンパウロで生まれましたが、人生のほとんどをリオデジャネイロで過ごしました。日本では知られていませんが、ブラジルで最も知られたギタリストでした。

典型的なブラジルの「サウダージ」の作風は、憧れと悲しみの感覚を表現しています。感傷的でノスタルジックなレイスの音楽は、多くの人に過ぎ去った時代の思い出を呼び起こします。

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画像 リオデジャネイロ遠景  ACワークス(株)


演奏は、中華人民共和国・北京市出身のギター奏者 スーフェイ・ヤン(楊 雪霏 Xuefei Yang 1977-)。

2000年、中国人初の奨学生として、イギリスの王立音楽アカデミー大学院に留学。「アランフェス協奏曲」で王立音楽院オーケストラと共演、「ある貴紳のための幻想曲」ではBBCコンサートオーケストラと共演し、特集が放送されました。

在学中から、中国をはじめ、香港、マカオ、スペイン、オーストラリア、台湾、日本、ポルトガルで、コンサート・ツアーを行っています。

 

 ■ 永遠の憧れ / ディレルマンド・レイス

使用楽器は、ヴィンテージの銘器、1925年製 サントス・エルナンデスです。






第209回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

今回の知られざる名曲シリーズでは、北ドイツ・ポメラニア州(現在はポーランド)出身の作曲家 オスカー・リーディング(Oskar Rieding、1846 - 1916)のヴァイオリン曲にスポットを当てました。

※余談ですが、日本人の大好きな犬種ポメラニアンは、このポメラニア州が原産です。

オスカー・リーディングは、ベルリンの音楽芸術アカデミーに通い 、さらにライプツィヒ音楽院に通いました。その後、1884年から32年間、ブタペスト国立歌劇場の第1ヴァイオリンの職にありました。

その間、ヴァイオリン協奏曲を始め、ヴァイオリンとピアノのための多くの作品を作曲しました。

これらの多くは、初級から中級レベルのヴァイオリン学習者に適しており、現在でも世界中のヴァイオリン学習者によって演奏されています。

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画像 ACワークス(株)

3分ほどの小品ですが、とても愛らしい一曲です。
技巧的な曲ではありませんが、親しみやすい旋律美は名曲に値します。

■ ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op. 35 第1楽章 / オスカー・リーディング



演奏は、Miguel Chamorro (ミゲル・チャモロ)さん、その自然な音楽性に拍手です。






第210回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

クラシックファンなら誰もが知っている ドイツの作曲家 リヒァルト・シュトラウス(Richard Strauss、1864 - 1949) がついに、当「知られざる名曲シリーズ」に登場することになりました。

後期ロマン派を代表する R・シュトラウス の作品は、一般的には意外と馴染みが薄いと言うか、難解に思われる節(ふし)があります。私は、1968年のアメリカ映画「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック監督)で使用された曲「ツァラトゥストラはかく語り」で初めて、R・シュトラウスを知りました。

その後、ウィーン国立歌劇場の日本公演で「ナクソス島のアリアドネ」を、カラヤン・ベルリンフィル日本公演で「英雄の生涯」などを聴きましたが、重厚な音楽の渦に浸りながらも、緻密で計算された音楽に 親しみを覚えることはなく、R・シュトラウスの音楽を好んで聴くことは避けてきました。

しかし、今回ご紹介する「 Morgen ( 明日 あした!)4つの歌 Op.27-4 より」は、旋律を奏でるヴァイオリンが極めて美しく、ロマンティックな名品です。

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画像 ACワークス(株)

この曲は、R・シュトラウスが、新婚の妻パウリーネのために書いた曲です。当時彼は30歳でした。

明日、輝く太陽のもとで、愛し合う二人が再び一つになるだろう、という希望に満ちた愛の詩は、やや感傷的ですが、儚く、繊細な詩でもあります。シュトラウスもそれを受けて、繊細の極みといってよい音楽を付けました。

ピアニストのジェラルド・ムーアは、この曲について『壊れものにつき、取扱注意』のラベルを張るべきである、と述べています。(Wikipedia参照)


■ Morgen ( 明日!)/ リヒァルト・シュトラウス



Morgen !

John Henry Mackay

Und Morgen wird die Sonne wieder scheinen,
und auf dem Wege, den ich gehen werde,
wird uns, die Glücklichen, sie wieder einen
inmitten dieser sonnenatmenden Erde...

そして明日、太陽はまた輝くだろう
僕が行く道で 再び僕たちは出会い
幸せになる
この太陽の輝きにみちた大地で…

(対訳 ArtoneMagさんのサイトよりhttps://masenoblog.com/strauss-morgen/


演奏は、アラベラ・スタインバッハー(ヴァイオリン)、 アンドリュー・ステイプルズ(テノール)
2014年の「ハノーバー・プロムス」 の映像 (2022/06/20公開)







第211回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

スタマティス・スパノウダキス  (Stamatis Spanoudakis 1948- )は 現代ギリシャの古典作曲家です。ギリシャでは国民的作曲家ですが、日本での知名度はありません。

Wikipedia(海外版)によると、
彼は早い段階でクラシックギターを学び、その後ヴュルツブルク国立音楽院に通い、アテネではさらにクラシック音楽の研究を続けたそうです。そして、ビザンチン音楽(宮廷や宗教儀式のために作曲された歌と賛美歌)も勉強しました。

現在は、インストゥルメンタル、宗教音楽、映画音楽など多方面に活躍中です。

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画像 ACワークス(株)

この作品は、1919年~1922年、ギリシアがトルコの スミルナ に侵攻した戦争を題材にしています。

最終的には、トルコが撃退に成功して スミルナ を奪回しましたが、3年に及ぶ戦争で双方に多大な犠牲者が出ました。今の国際社会と同じで、和平の道のりは遠かったようです。この戦争が日本の高校教科書に載っていたかは不明ですが、学ぶべき点はあったはずです。


■ スミルナのために / スパノウダキス


 

 


第212回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

チプリアン・ポルムベスク(Ciprian・Porumbescu 1853 - 1883)は、ルーマニアの作曲家(生まれは隣国ウクライナ)です。全く聞き慣れない名前ですが、Wikipediaによると、当時ルーマニアでは人気のある作曲家だったそうです。

幼少の頃より楽才を現してウィーンに留学し、ブルックナーにも師事しました。

しかし、愛国者であったポルムベスクは、オーストリア-ハンガリー帝国に支配されていたルーマニア独立運動に参加して逮捕投獄されます。

曲は獄中で故郷を偲び、恋人に思いを馳せながら書き上げた哀切のメロディーであり、29歳の若さで薄倖の生涯を閉じた チプリアン・ポルムべスクの代表作になりました。※ブログ「日々遥か」2009・7・2記事参照

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画像 ACワークス(株)

1992年、日本のヴァイオリニスト 天満敦子さんが ルーマニア公演をした際、この曲の存在を知って楽譜を日本に持ち帰り、それ以降日本各地で演奏されることになりました。天満敦子さんのファンなら聴いたことがあるかも知れません。


■ 望郷のバラード / チプリアン・ポルムベスク



切々たるソロヴァイオリンの感傷的な旋律が胸に迫ります。







第213回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

私たちを至福の音楽の旅に誘う 作曲家 ステファン・シカール(Stephen Sicard (Logos) 仏 1964- )。詳しい経歴は分かりませんが、彼自身は独学で音楽を学んだとのことです。

ジャンルはやはり ヒーリングミュージック ですが、ステファン・シカールの音楽的魂は、大地と内なる存在の道を横断することで、インスピレーションの散歩を楽しんでいるのです。そこで彼は自然の精霊たちと出会うのです。

それは、すべての良心の目覚めを助けるこれらの新しい音楽的組成物の恩恵によって、あなたに提供される最も純粋な人生の贈り物でもあるのです。

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画像 ACワークス(株)


自分自身の声を聞いてください

そして無限を見つめてください

時間と空間の

そこで僕らは星の歌を聴く

数字の声

地球の調和

(以上、ステファン・シカールのHPより抜粋)


■ 希望の種(
LES SEMENCES DE L' ESPOIR)/ ステファン・シカール









第214回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

イタリアの作曲家 ジュゼッペ・ミューレ (Giuseppe Mule 1885-1951)の美しい小品「ラルゴ」にスポットを当てました。

彼は、20歳でパレルモのベッリーニ音楽院でチェロの学位を取得し、その後 作曲の学位も取得しました。

1903年、学業を終える前に、チェロとピアノのための「ラルゴ」を作曲しました。

この曲は、イタリアの国営ラジオ放送のオープニング曲として使用されました。


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画像 Wikipediaより

ジュゼッペ・ミューレは、1922 年から1925 年までパレルモ音楽院の院長を務め、その後20年間 ローマのサンタチェチーリア音楽院 の院長も務めました。

彼は国家ファシスト音楽家シンジケートの全国書記であり、ファシスト政権の最も反動的な分野の指導者でした。20年間、彼はあらゆる手段を使ってモダニズムの前衛運動に激しく反対したとされます。

 

彼の作品には、多数の交響曲や室内楽、舞台音楽、7つのオペラ、5 つの映画音楽、オラトリオが含まれます。彼の作品はイタリア民俗主義が浸透したスタイルが特徴ですが、これには海外の資料によると賛否両論あるようです。今日では彼の作品が演奏されることは少ないようです。

しかし指揮者としても活躍して、イタリアで多くのキャリアを積み、同国の一流オーケストラと共演しました。


■ ラルゴ (Largo)/ ジュゼッペ・ミューレ









第215回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

フランスを代表する作曲家 サン=サーンス(Saint-Saëns,1835-1921)の、当シリーズ初登場となります。

サン=サーンスは「動物の謝肉祭」で有名です。特にその中でチェロで演奏される「白鳥」は知らない人はいないでしょう。

今回は、オペラ「サムソンとデリラ」の第2幕で歌われるアリア「「あなたの声にわが心は開く」のチェロ編曲版です。

この曲は、オペラファンならご存じの方も多いと思いますが、チェロで聴くとまた違った魅力のある名品です。
深い味わいがたまらないと思います。


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画像 ACワークス(株)

サン=サーンスの詳しい経歴は省略しますが、生後まもなく父は他界して、母親と叔母に育てられ、3歳で作曲を学び、7歳で高名な師匠についてさらに研鑽を積み神童ぶりを発揮し、何と13歳で名門パリ音楽院に入学しました。

やがてマドレーヌ寺院のオルガニストになったサン=サーンス。 リストは、彼こそが世界最高のオルガニストだと絶賛しました。

彼は、1875年に21歳年下の女性と結婚して2人の息子を授かりましたが、いずれも幼児期に死亡。そして結婚生活は破綻しました。

1877年、サン=サーンスはオペラによってより確固たる成功を手にしましたが、その作品こそが『サムソンとデリラ』でした。


■ カンタービレ(サムソンとデリラ) / サン=サーンス

チェロは ミッシャ・マイスキー(ラトビア)、ピアノは アリス=紗良・オット (ドイツ)さんです。
うっとりするような名演です。


余談ですが、

■ サン=サーンスも、アリス=紗良・オットも、名前の表記に「=」が付いています。他にも有名な作曲家の リムスキー=コルサコフがいます。

サン・サーンス ✖
サン=サーンス 〇

何故「・」ではなく「=」なのでしょう?

実は、外国人の名前の記述方法として「ブランク」の部分は「・」であらわし、「ハイフン」の部分は「=」であらわすという慣例があります。

例えば、Charles Camille Saint-Saëns は、シャルル・カミーユ・サン=サーンスと表記します。

外国人で、もともと名前に「ー(ハイフン)」が付いてる人は、日本語表記では「=(イコール)」となるのです。雑学でした。






第216回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

日本ではアルゼンチンタンゴのイメージが強いバンドネオンですが、ドイツ生まれのこの楽器は海外ではクラシック音楽にも使用されています。どこか哀愁を帯びた独特の音色が特長です。

そんなバンドネオンのための協奏曲。ピアソラの作品は聴いたことがありましたが、今回は イタリアの作曲家 ロベルト・ディ・マリーノ(Roberto Di Marino 1956- )の「バンドネオン協奏曲第3楽章」を選びました。実は私も初めて聴きました。

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画像 ACワークス(株)

彼は、トレント音楽院で、作曲、合唱音楽、合唱指揮、ジャズ、吹奏楽などを専攻しました。
また、国内外の作曲コンクールで優勝するなど、作曲・編曲分野で国際的に評価されています。

ロベルト・ディ・マリーノの作品の一部は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーと日本のヴァイオリニスト古澤巌とで結成されたアンサンブルによって最近録音された3枚のCDに収録されています。

現在はヴェローナ音楽院で教鞭をとり、トレント近郊に住み、ほとんどの時間を作曲と編曲に費やしています。
※Roberto Di Marinoサイト参照


■ バンドネオン協奏曲第3楽章 / ロベルト・ディ・マリーノ



バンドネオン奏者のマリオ・ステファノ・ピエトロダルキ (Mario Stefano Pietrodarchi 1980- )は、イタリアのアテッサで生まれました。彼は 9 歳でアコーディオンを学び始め、その後バンドネオンに転向しました。

フェナローリ市立音楽学校で学び、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院を優秀な成績で卒業。
そのエネルギーが充満した演奏スタイルと音楽性で、世界的バンドネオン奏者の一人として高い人気を得ています。


今回は特別に、この マリオ・ステファノ・ピエトロダルキさんの演奏をもう1曲お聴き下さい。まさに神が降臨した芸術性を感じます。

曲は、Martin Ulikhanyan の「Vocalise(ヴォカリーズ)」です。



バンドネオンの表現力に驚きました。バンドネオンはアルゼンチンタンゴだけの楽器ではないことを再認識した次第です。







第217回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

フルートの作曲家として知られる フランスの音楽家 ゴーベール(Philippe Gaubert、1879 - 1941)の洒落た小品を取り上げました。

ゴーベール少年は 南フランスのカオールで生まれ、 6 歳のときに両親とともにパリに移りました。彼の母親は家政婦でしたが、その働き先がパリ音楽院のフルート教授ポール・タファネル氏の家でした。

その縁もあって、ゴーベール少年は13歳で本格的にフルートを学ぶことになり、同年 名門パリ音楽院に入学しました。

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画像 ACワークス(株)

彼は、ヨーロッパ史でいう戦間期の作曲家として 時代に翻弄されながらも、フランスで最も著名な音楽家の 1 人になりました。

パリ・オペラ座のフルート奏者として著名なキャリアを積んだ後、1​​919 年、40 歳で彼はフランス音楽界の中心に位置する 3 つの役職に任命されました。

  • パリ音楽院フルート教授(マルセル・モイーズの教師)
  • パリ・オペラ座の首席指揮者
  • パリ音楽院管弦楽団の首席指揮者 (Wikipediaより)


■ マドリガル( Madrigal pour flûte et piano)/ ゴーベール



明らかにフォーレやドビュッシーの影響を受けた音楽ですが、フルートの魅力を最大限に引き出した魅惑的な一曲です。

フルート演奏は、ミュンヘン国際音楽コンクールのフルート部門で第一位となった 韓国の キム・ユビン(Yubeen Kim)さん。

ピアノ演奏は、韓国出身の ソン・ヘリンさん。ソウル音楽大学を経て、ドイツに渡り ベルリン国立音楽大学卒業。国内外のコンクールで常に上位入賞を果たす実力派ピアニスト。



 


第218回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

以前 YouTube を見ていて偶然この曲に出会いました。

曲名が「秘密諜報員(The Secret Agent )」? 

このインパクトのある作品を、知られざる名曲に入れるかどうか迷ったのですが、どこかバッハの無伴奏チェロ組曲風の古典的な作風と、流動的な音楽と映像に新しいクラシック音楽の可能性を感じ、今回このシリーズに加えさせて頂くことにしました。是非お聴き下さい。

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画像 ACワークス(株)

作曲家のフィリップ・グラス(Philip Glass 1937-   アメリカ合衆国 メリーランド州 ボルチモア出身)は、ユダヤ系一家に生まれ、子供の頃からピーボディ音楽院でフルートを習いました。

15歳でシカゴ大学に入学。卒業後、ジュリアード音楽院に進み、そこでは主に鍵盤楽器を弾くようになります。

卒業後フランスで、著名な音楽家 ナディア・ブーランジェに師事し、ラヴィ・シャンカール(インドのシタール奏者)と共に働いた後、宗教的な理由から北インドへ旅行し、そこでチベット難民と出会います。

1972年、グラスは仏教徒となり、ダライ・ラマ14世に面会しました。グラスはチベット問題に強い関心を持ち、チベット難民を強力に支援しています。(一部Wikipediaより)


作品は、交響曲(12曲)を始め、オペラ作品、協奏曲、室内楽、弦楽四重奏から映画音楽まで多岐に及びます。

■ 秘密諜報員 (アルバム ガラスの反射より)
/ フィリップ・グラス

演奏は、 コンフント・イベリコ・チェロ八重奏団[イベリア・チェロ八重奏団]。
ピアソラの演奏に定評があります。






第219回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

ギリシャの女性作曲家  エレニ・カラインドルー(Eleni Karaindrou 1941- ) の当シリーズ2度目の登場です。

タイトルは「Waltz By The River(川辺のワルツ)」。ヴァイオリンとギターによるノスタルジックな曲です。


彼女は、7歳のときに両親とともにアテネに移住しました。彼女の父親は数学者でアンペロキピの学校で教え始めましたが、母親は数か月後 (1948 年) 南北戦争中に亡くなりました。

その頃、エレニ・カインドロウさんは学校でピアノを見つけ、それが音楽への第一歩を踏み出すきっかけとなりました。彼女はピアノのレッスンを始め、10歳で最終的にギリシャ音楽院に入学し、そこで17年間滞在しました。

ギリシャ音楽院を経て、今度はアテネのカポディストリアン大学で歴史と考古学を学びました。

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画像 ACワークス(株)

さらに、スコラ カントルムでオーケストレーションと指揮を学び、パリの高等教育学校で民族音楽学を学びました。
彼女の作品は、映画音楽、劇場音楽、バレエ音楽など多彩です。

そして、24 歳で彼女はパリに定住し、フランス政府から奨学金を受けていました。
現在はギリシャに戻っています。


■ Waltz By The River(川辺のワルツ)/ エレニ・カラインドルー

ヴァイオリンの Mahsar Barzin さんは、イラン東アゼルバイジャン出身。端正な顔立ちのヴァイオリニストです。
ギターの Ali Amjadi さんは、クラシックギターの名手ですが、詳しい経歴は分かりません。

二人の演奏には何の飾り気もありません。素朴で静かな表情はただ音楽の本質を表しています。


※ご参考 
知られざる名曲 By the sea エレニ・カラインドルー

 

 



第220回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

知られざる名曲 220回目は、日本の作曲家 岩代太郎(いわしろ たろう 東京都出身 1965-  )の映画音楽「うたかたの絆」にスポットを当てることにしました。

この音楽は、2005年に第29回日本アカデミー賞で優秀音楽賞を受賞しています。

■ あらすじ

時代は大正初期、まだ日本に華族や爵位の残る時代。

侯爵家の一人息子・松枝清顕(妻夫木聡)と伯爵家の一人娘・綾倉聡子(竹内結子)は、両思いの幼なじみである。

そんな中、聡子は宮家の子息に求婚される。それは断ることなど許されないものであった。

聡子は手紙を出し、清顕の気持ちを何度も確かめようとするが、不器用な愛情表現しかできない清顕はそれを読まずに突き放す態度をとってしまう。失望した聡子は宮家との縁談を受け入れる決意をする。

清顕はようやく聡子への深い愛に気づくが、それは皮肉にも聡子の結婚に勅許が下りた後であった。

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画像 映画.com

しかし清顕は諦めきれず、聡子の愛を取り戻したいとひたすら願う。清顕への愛を諦めていた聡子も彼との密会を受け入れ、二人は激しく愛し合う。しかしそれはつかの間の禁断の愛であった。

やがて聡子は妊娠するが、お互いの両親に二人の秘密が知れ、聡子の中絶は隠密に処理された。聡子の苦しみは深く、奈良の門跡寺院で出家する。

出家した聡子に一目会おうと清顕は、春の雪の降る中、寺に行くが門前払いで会えない。なおも清顕は聡子との面会を希望するが、聡子はそれを拒絶する。そして、雪中で待ち続けたことが原因で、清顕は20歳の若さで亡くなる。


清顕が見ていた夢の中の蝶が滝の下で二羽飛んでいく。

(Wikipediaより一部転記)

原作は三島由紀夫の長編小説『豊饒の海』4部作の第1部にあたる同名小説『春の雪』。


■ うたかたの絆(映画「春の雪」より) / 岩代太郎



三島由紀夫の情念の世界を美しく表現した岩代太郎。

指揮は作曲者自身です。

岩代太郎は、1989年に東京藝大音楽学部作曲科を首席卒業、1991年に同大学院修士課程を首席修了の俊才。

以後、クラシックから映画音楽など多彩なジャンルで活躍中です。






第221回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 
この曲は、世界的に大人気の音楽ユニット「シークレット・ガーデン」のデビューアルバムにある作品です。


「Song From A Secret Garden」(訳すと、秘密の花園の歌)は、シークレット・ガーデンのひとり、ノルウェー出身の ロルフ・ラヴランドによって作曲されました。

彼はクリスティアンサン音楽学校で学び、後にオスロのノルウェー音楽院で博士号を取得しています。

作品は、新古典主義の音楽カテゴリーに分類されますが、非常にロマン的で旋律も美しく、どちらかと言うとクラシック的イージーリスニング(癒し系音楽)と言えると思います。

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画像 ACワークス(株)

 

ピアノ演奏は、牛牛/ニュウニュウ(NiuNiu)

1997年中国福建省厦門(アモイ)の音楽一家に生まれる。3歳で才能の片鱗を見せ始め、音楽教師の父より手ほどきを受ける。2003年8月、6歳になった直後にデビューコンサートを行い、モーツァルトのピアノ・ソナタやショパンのエチュードを演奏。8歳で上海音楽院に史上最年少で入学。その後ニューイングランド音楽院等を経て、2018年ジュリアード音楽院(米国)卒業。

 

フルート演奏は、Cocomi/ここみ

2001年東京都出身。日本のフルート奏者、モデル。本名は木村 心美(きむら ここみ)。両親は木村拓哉と工藤静香
2023年桐朋学園大学音楽学部カレッジ・ディプロマ・コース修了。その後ソリスト・ディプロマ・コースを専攻。

2022年12月26日、デビュー・リサイタル「de l’amour」を東京・紀尾井ホールにて開催。同年12月、第73回NHK紅白歌合戦で母、工藤静香と共演した。

■ Song From A Secret Garden / ロルフ・ラヴランド (Arr. Niu Niu for Flute and Piano)

尚、シークレット・ガーデンは、すでに当シリーズで2度紹介していますので、ご参考にリンクを載せておきます。

知られざる名曲 第76回 Sometimes When It Rains / Secret Garden

知られざる名曲 番外編26 10月の栄光の日に/シークレット・ガーデン

 

 

 


第222回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 

チェコスロバキアの作曲家 オスカル・ネドバル(Oskar Nedbal, 1874 – 1930)の ノスタルジックな名曲「悲しみのワルツ(Valsetriste)」にスポットを当てました。

ネドバルは、ドヴォルザークに作曲を習った数少ない音楽家です。しかし作風はドヴォルザークの民族主義というよりも伝統的なウィーン楽派に近く、洗練されたドイツ古典音楽を思わせます。

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画像 ACワークス(株)

■ 人生の明暗

彼は チェコ四重奏団のヴィオラ奏者として国際的なプロの音楽キャリアを築いていました。また、トーンキュンストラー管弦楽団の指揮者としてウィーンで活躍しました。

さらに、数多くの優れた海外の劇場や交響楽団(チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を含む)と共演し、すぐに世界的な名声を獲得しました。同時に室内楽(歌曲、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための作品)から舞台作品(バレエ、オペレッタ)まで多くの作品を遺しました。

1923年から、彼はスロバキア国立劇場の音楽監督となり、同劇場の芸術レベルを大幅に向上させました。


しかし、ネドバルは個人的な借金が膨れ上がり、 1930年12月24日 Xmasイヴに ザグレブのオペラハウスの窓から飛び降り命を絶ったのでした。

■ 悲しみのワルツ / オスカル・ネドバル



演奏は、ヴァーツラフ・ノイマン指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

 




第223回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 

皆さま良くご存じ、アルゼンチン生まれの作曲家 ピアソラ(Ástor Pantaleón Piazzolla , 1921 - 1992) 当シリーズ2度目の登場です。


タンゴのビートは2拍子が基本ですが、移民を受け入れてきたアルゼンチンには、ヨーロッパから3拍子のワルツのリズムも入ってきました。

したがって、3拍子(ワルツのリズム)のタンゴも存在します。

ワルツのリズムで有名なタンゴが、今回のピアソラ曲「バチンの少年(Chiquilin de Bachin)」ということになります。

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画像 ACワークス(株)

この作品は、ブエノスアイレスの芸術地区のレストラン「バチン」でバラを売って生計を立てるストリートチルドレンの物語を語っています。

バラの花を売る貧しい少年たちに ピアソラは、話かけたり 小遣いをやったりすることもあったようです。

詩人のオラシオ・フェレールは、そんな貧しくても懸命に生きる少年たちのために詩を書きました。その詩に、即興で曲を付けたのが ピアソラの「バチンの少年」です。今回はピアノ、ヴァイオリン、チェロのアレンジ版でお聴き下さい。 


■ バチンの少年(Chiquilin de Bachin) / ピアソラ



この愛情にあふれた音楽は何でしょう~ ピアソラを通じて天から贈られた珠玉の一曲です。

私たち大人が聴くべき一曲です。

守るべき子供たちが犠牲になっていく毎日。考えさせられる一曲です。

 

 


第224回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

いつものようにYouTube動画を見ていて偶然見つけたこの動画。何か掘り出し物を発見したような感動を覚えています。

聞き慣れない グイド・ディーテレン (Guido Dieteren 1974- )は、オランダの作曲家、指揮者、ヴァイオリニスト、音楽監督、プロデューサー、そして彼のオーケストラであるグイドズ・オーケストラの創設者です。

何と、父親、祖父、曽祖父が指揮者という家系に生まれ、彼は幼少よりクラシック音楽の猛勉強を始めたといいます。

6歳のときヘーレン音楽学校でヴァイオリンのレッスンを受け始め、15 歳のとき、ジャンヌ ダルク大学に通い、マーストリヒトで中等教育と音楽院の複合コースを学び、 18歳でVWO(オランダの大学進学準備学校 )の卒業証書を取得して修了しました 。

その頃から国内外で数多くのマスタークラスにも参加しましたが、その後ソプラノ歌手のウェンディ・コッケルコーレンと結婚します。

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画像 デ・キューケンホフ公園 ACワークス(株)

 

指揮者、ヴァイオリニスト、ソリストとしてさまざまなオーケストラと共演してキャリアを重ね、ヨーロッパ、北アメリカをツアーしました。

そして、音楽会社BMG、ソニー、ユニバーサル、ストレングホルト、ザ エンターテイメント グループ、公共放送局トロス、オムロプ MAXなどのために CD やイベントをプロデュースしました。

華々しい活躍の中で作られた「ニューホライゾン(ホライゾンは地平線の意)」は、明るい希望に満ちた輝かしい音楽です。 

■ ニューホライゾン(New Horizon) / グイド・ディーテレン (Guido Dieteren)


オランダと言えばチューリップ。

この美しい庭園は、デ・キューケンホフ公園と呼ばれ、オランダのリッセに位置する世界最大の花の公園です。

マエストロ グイド & ヨーロピアン ポップ オーケストラの新しい自作曲「ニュー ホライズン」に相応しい映像です。






第225回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

今回は、人気のヴァイオリニスト ヒラリー・ハーンが演奏する「微風」を選びました。

作曲は、佐藤聰明(さとうそうめい 1947 - )です。

Wikipediaによると、彼は宮城県仙台市出身。作曲を独学で学ぶ。

作品はアメリカ、ヨーロッパ、環太平洋諸国で幅広く演奏されており、ことにアメリカでは個展が音楽祭等で十数回にわたって催されている。

多くの作品がCD、レコード化されており、1988年、CD作品集「LITANIA[1]」がニューヨークタイムズの年間ベスト・レコードに選ばれ、全米公共放送の第二位にランキングされた。1980年に文化庁芸術祭賞。


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画像 ACワークス(株)

ヒラリー・ハーンの今年(2023年)の日本ツアーで、この作品はアンコール曲でした。

もしかすると聴かれた方もあるかも知れませんが、清澄で美しい曲です。
当「知られざる名曲」シリーズでご紹介出来ることはとても光栄です。

■ 微風 / 佐藤聰明



演奏:ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)Hilary Hahn, コリー・スマイス(ピアノ)Cory Smythe, 






第226回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


「3大レクイエム」とは、モーツァルト、フォーレ、ヴェルディのレクイエムを指します。

もし、4大レクイエムなら、ブラームスを加えたいところです。この4曲は演奏機会も多いと思います。

多くの著名な作曲家が「死者のためのミサ曲(レクイエム)」を作曲しましたが、今回は非常にマイナーな "ヨゼフ・コズロフスキー Józef Kozłowski 1757- 1831)" のレクイエムにスポットを当てます。彼は、ロシアで大きな名声を博したポーランド出身の作曲家です。 

コズロフスキーは、ポーランド国王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ(1798年没)の死を悼んで この"レクイエム変ホ短調”を作曲し、1798年2月25日にサンクトペテルブルクで初演されました。そして、最後に演奏されたのは 1804 年と記録されています。

その後演奏されることもなく、1825年にはロシア皇帝アレクサンドル 1 世の葬儀のために改定(第2版)されましたが、最後に演奏されて200年間、眠ったまま放置されてきました。

そして、1988年にウラジーミル・イェシポフ指揮 ソビエト国立文化省交響楽団(現ロシア国立交響楽団)/  国立モスクワ合唱団で約200年ぶりに演奏されました。ただこの時の版はオリジナルではありません。

しかし、モーツァルトのレクイエムに匹敵する古典期の名曲であることが判明して、完全なオリジナル版での再演が待たれることになりました。

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画像 ACワークス(株)

近年、このレクイエムの再演と出版を目指して大きな動きがあり、専門家などによる懸命な調査と詳細なスコアの編纂作業を経て、コズロフスキーのレクイエムは、オリジナルスコアに忠実な形で蘇ることに成功し、このほどシンガポール交響楽団(指揮 ハンス・グラフ)、シンガポール交響楽団青少年合唱団によってアジア初演という快挙を成し遂げたのです。

現在このオリジナル版で レクイエムの全曲を聴くことは出来ません。
シンガポール交響楽団のメンバーに入会して、月額いくらか会費を払えば聴くことが出来るようです。

■ レクイエム 変ホ短調より " ディエス・イレ” 抜粋 / ヨゼフ・コズロフスキー




■ ご参考 全曲 https://www.youtube.com/watch?v=Ik8ktuRwIRo
イェシポフ指揮 ソビエト国立文化省交響楽団(現ロシア国立交響楽団)/  国立モスクワ合唱団

この曲を聴いたら、あまりの完成度の高さに圧倒されると思います。






第227回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

日本では無名の台湾の音楽家 羅 大佑(ルオ・ダーヨウ 1954 - )が作曲した、台湾映画「輝ける日々(闪亮的日子)」のテーマ音楽を合唱バージョンでお楽しみいただきます。

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画像 ACワークス(株)

羅大佑は、医師の家庭に生まれました。父親は彼が医師になることを望んでいましたが、彼は音楽も好きで、5 歳でピアノを習い始めました。

成長した彼は、学生時代に皮膚科を選択しました。父親から音楽をやることは許可されていましたが、医師としてのキャリアを諦めることはできなかったらしくその後、羅大佑は父親の希望により中国医科大学医学部に入学しました。

大学卒業後、台北の病院の放射線科に勤務しましたが、一方で 羅大佑は作曲や歌も勉強しました。しかし、医師も音楽家も高度な専門職であり、音楽をやりながら医師になることは不可能だと彼は考えるに至りました。
最終的に、彼は医師をやめて音楽家になることを決意したのでした。音楽への愛を捨てきれなかったのです。
それは、この曲を聴けば分かります。


■ 輝ける日々テーマ曲 / 羅 大佑(ルオ・ダーヨウ)



しっとりとした美しい作品です。
合唱ファンなら、歌ってみたくなる曲ではないでしょうか。

演奏は、海南リスニング合唱団、海南リンクストリングオーケストラ






第228回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

今回はスペインの作曲家 ジェロニモ・ヒメネス(Gerónimo Giménez 、1854 - 1923)にスポットを当てます。

彼は17世紀にセビリアで生まれたスペインの伝統的な舞台芸術「サルスエラ」の作曲家として名声を博しました。

「サルスエラ」は、スペインの叙情的オペラ音楽といわれますが、オペラではなく大衆エンターティンメント音楽劇です。サルスエラ宮殿で上演されたことから「サルスエラ」と呼ばれています。

イタリアオペラと違う点は、スペインが舞台である点、悲劇ではなく喜劇である点、上演時間が短い点(1幕もの)、歌があまり技巧的でない点などです。それだけ大衆に親しまれてきました。

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画像 ACワークス(株)

■「ルイス・アロンソの結婚式」あらすじ

舞台は1840年、街で最も有名なダンス教師ルイス・アロンソ(50過ぎの気のいいおじさん)の結婚式が行われようとしていた。ルイス・アロンソは自分よりずっと若い女性と結婚することになっている。ただ、その女性には彼氏(元カレ)がいる。

何と結婚式当日に、元カレが牛を連れて式場に乱入! ちょっと脅かしてやるつもりだったのですが、客は一斉に避難し、式場は大騒ぎになります。

ルイス・アロンソは、花嫁を置いて逃げ出しますが、ケガをするやら、面目を失うやら、踏んだり蹴ったりとなります。

■ 「ルイス・アロンソの結婚式」間奏曲 / ヒメネス

演奏は、パブロ・エラス=カサド 指揮 / フランクフルト放送交響楽団 

 

■ ご参考

知られざる名曲「くちづけの伝説」間奏曲






第229回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

フランスの作曲家 ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue 1925 - 1992)は、奨学金を得て1949年名門パリ音楽院を卒業すると、作曲家の登竜門として世界的に知られる「ローマ賞」を受賞(2位)してイタリアに留学しました。

1957年には、初のオペラ「Le chevalier de neige」を作曲。その後も 短編ドキュメンタリーなどを手掛けましたが、1959年、日仏合作映画二十四時間の情事で初めて映画音楽の作曲をして注目を集めました。

フランス国民からは、映画のナンバー・ワン・コンポーザーは、ミシェル・ルグランでもなく、フランシス・レイでもなく、ジョルジュ・ドルリューだと愛されました。そしてミシェル・ルグランは、彼を『最高の作曲家』と称賛したと言われています。

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普遍的な美しさに満ちた ジョルジュ・ドルリューの音楽を聴きながら、この1年を振り返りたいと思います。

いつしか心が浄化され、感謝でいっぱいになる自分を発見することでしょう。


■ メモリーズ・オブ・ミー / ジョルジュ・ドルリュー



ヴァイオリン演奏は、1976年生まれのフランスのヴァイオリニスト ルノー・カプソン(カピュソン)。

指揮は、作曲家としても活躍する英国の若手指揮者ダンカン・ウォード。
オーケストラは「レ・シエクル」管弦楽団です。






第230回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

インドの詩人、思想家 タゴール(Rabindranath Tagore, 1861 - 1941)。

インド国歌の作詞作曲者としても知られています。1913年にはアジア人初のノーベル文学賞を受賞しました。

そのタゴールが書いた「海の沈黙 地のざわめき 空の音楽」という有名な言葉(詩)があります。

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意味は、単純に解すると以下のようになります。

海の魚は、喋ることができないので沈黙しています。
地上の人間(獣)は、騒がしくざわめいています。
を飛ぶ鳥たちは、さえずり歌い音楽を奏でます。


クラシック音楽には、空を飛ぶ鳥たちを音楽にしたものが多くあります。
作曲家には、鳥たちのさえずりが音楽に聞こえたのでしょう。

鳥からインスピレーションを得て作られた音楽の中から、今回は当シリーズ初登場の、イギリスの作曲家 ディーリアス(Frederick Theodore Albert Delius CH, 1862 - 1934)を選びました。
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ディーリアスはクラシック音楽の表舞台では目立たない存在でしたが、その自然描写的な作風にはヒーリング音楽といえる安らぎがあります。

彼はフランスに移住して本格的に作曲家としてのキャリアをスタートさせたものの、晩年は盲目と全身麻痺に苦しみながらも弟子に口述筆記させることで作曲しつづけた作曲家です。美しい音楽ばかりですが、彼の晩年の苦悩はあまり知られていないようです。

■ 高い庭園の鳥 / ディーリアス
イギリスのチェロ奏者ジュリアン・ロイド・ウェバー(1951-)によるチェロ編曲版



当ブログ 海の沈黙 地のざわめき 空の音楽 ご参照下さい







第231回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

日本のクラシック音楽界では、年末は「第九」、そして正月は「ウインナワルツ」が定番です。

~「第九」を聴いて、色々あった1年を振り返り ~
~ ウインナワルツで明るい新年を迎える ~

クラシックのファンだけでなく市民の多くが、「第九」と「ウインナワルツ」を楽しむという習慣は、素晴らしい国民性だと思いますが、やや個性に欠けるとか、ややマンネリ化しているという声も聞かれます。

2024年を迎え最初の「知られざる名曲」は、ユダヤ系ドイツ人作曲家 マイヤベーア(Giacomo Meyerbeer, 1791 - 1864)にスポットを当てることにしました。マイヤベーアは当シリーズ初登場です。

2023年は、イギリス国王チャールズ3世の戴冠式が、ロンドンで行われたことは記憶に新しい出来事でしたが、今回の知られざる名曲は、約170年前に作られたマイヤベーアの「戴冠式行進曲」です。輝かしい新年に相応しい選曲です。


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画像 ACワークス(株)

マイヤベーアは裕福な家庭に生まれ、高度な音楽教育を受けるも、作曲家としてのスタートは不遇でした。

しかし、イタリアオペラでは成功して名声を得ると、華やかな音楽界を求めてパリへ進出します。
そこでは次々と新作がヒットし、ついに国際的な名声を確立したのです。

ビゼーはマイアベーアを ベートーヴェンまたはモーツァルトと同列に置き「雷神のような劇的天才」と称賛しました。
この頃の人気は、あのヴェルディにも匹敵するほどだったと言われています。そう言えば、この曲は「アイーダ」行進曲と似ています。

しかし時が経つと、反ユダヤ主義思想に基づくワーグナーの批判もあり、マイヤベーアのオペラは退廃音楽のレッテルが貼られ弾圧されたのです。また資料によると、シューマンンも露骨にマイヤベーアを批判したとされます。音楽家の世界も醜い側面があったようです。

マイヤベーア は1864年に亡くなりましたが、やっと近年になって彼の業績が見直され、欧米各地でのオペラ公演が世界中から注目を集めています。

この「戴冠式行進曲」も、グランドオペラ「預言者」の第4幕の音楽で、18本ものサクソルン(サクソフォンの一種)が使われる華やかな音楽です。上演回数は200回を超え、第3幕で太陽が昇るシーンにおいて、オペラ史上初めて電力による照明が試みられました。(以上Wikipediaより一部参照)

■ 戴冠式行進曲(Coronation March)/ マイアベーア



演奏は、スロバキア・フィルハーモニー管弦楽団。

4分足らずの曲ですが、特に 0:42 からの旋律はとても美しく、気分が爽快になります。






第232回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

キム・ヒョンソク(金亨錫、김형석、1966年9月27日 - )は、韓国の人気作曲家です。今回は 2006 年 KBSドラマ「Spring Waltz(春のワルツ)」のサウンドトラックの中から「Flashback(フラッシュバック)」をお聴き下さい。

キム・ヒョンソクは、漢陽大学作曲課に入学してクラシック音楽を専攻する予定でしたが、1987年大学先輩でもある歌手ユ・ジェハのアルバムを聞いて感銘を受けて大衆音楽作曲家に進路を変えることになりました。


※ユ・ジェハ
漢陽大学作曲課でクラシック音楽を専攻したが、当時大衆音楽を天視していた一部クラシック音楽専攻者たちとは異なり、大衆音楽に多くの関心を持ってクラシック音楽と大衆音楽の調和を追求した。1987年にアルバム『愛しているから』を発表するも、その3ヶ月後に交通事故に遭い27歳の若さで死亡している。(Wikipediaより)

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画像 ACワークス(株)

キム・ヒョンソクは、数多くの歌手たちのアルバムやドラマ、映画、ミュージカル音楽を手がけ、1988年以来、約1200曲の楽曲を制作しました。韓国音楽著作権料1位を記録しています。

2017年9月、欧米諸国に倣い、文在寅大統領に象徴曲「ミスター・プレジデント(Mr.President)」を献呈。同曲は同年11月7日、ブッシュ米国大統領以来25年ぶりに国賓として訪韓したドナルド・トランプ米大統領の青瓦台公式歓迎式退場曲としてKBS交響楽団により演奏され話題になりました。(一部Wikipediaより)

■ Flashback (Spring Waltz OST )/ キム・ヒョンソク

 

 



第233回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 
今回の「知られざる名曲」は、イタリアのオペラ作曲家 ウンベルト・ジョルダーノ(Umberto Giordano, 1867 - 1948)にスポットを当てます。日本のオペラファンなら、彼の代表作「アンドレア・シェニエ」をご存じの方も多いと思います。


しかし、ジョルダーノの時代(19世紀後半~)には、イタリアオペラの巨匠たちがキラ星のように輝いていました。ヴェルディ、プッチーニ、レオン・カヴァレロ、マスカーニなどです。
その陰になって、どうしても目立たない存在だったジョルダーノが書いた「隠れた傑作」が、今回のオペラ「フェドーラ」です。

この作品「フェドーラ」は、帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグ、パリ、スイスの山荘を舞台にした3幕仕立てで、甘く美しい旋律とドラマティックな劇音楽が魅力です。

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実は「フェドーラ」の作者は、名作『トスカ』の戯曲を書いた フランスの劇作家 ヴィクトリアン・サルドゥです。
「トスカ」は、男女の三角関係を描いた単純明快なオペラでしたが、この「フェドーラ」は登場人物も多く、やや複雑です。

フェドーラ王女は、 ウラジーミル伯爵と結婚することになっていましたが、彼は何者かに殺害されてしまいます。
王女は復讐を誓い、容疑者の ロリス伯爵を追ってパリに向かいます。そこでロリスはウラジーミルを殺したことを告白するのです。
王女は警察にロリスを告発しますが、意外にも原因はウラジーミルの不倫と、先に発砲したウラジーミルにあり、ロリスは正当防衛だったことが判明します。~その後色々あり~フェドーラはロリスの腕の中で息を引き取り幕は下りるのです。

要は自分の婚約者を殺した相手を愛してしまったフェドーラの悲劇の物語です。

そんな悲劇のヒロイン フェドーラ、この音楽は、オペラの間奏曲の中でも飛びぬけて美しいものです。

■ オペラ「フェドーラ」間奏曲(Intermezzo from Fedora)/ ジョルダーノ



 演奏は、ネーメ・ヤルヴィ 指揮、 ヨーテボリ交響楽団 


 

 


第234回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

知られざる名曲、今回は 愛情あふれるカンツォーネ「マレーナ」をお聴き下さい。

この曲は、世界的なテノール歌手 ロベルト・アラーニャ(Roberto Alagna 仏 1963- )が、 娘の誕生を祝って作りました。
作曲は、ロベルト・アラーニャと弟のフレデリコ・アラーニャの共作です。

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そして、アラーニャが愛して止まない娘の名前が「マレーナ」、この曲のタイトルです。

「マレーナは、私の中にある最も深い感情を目覚めさせました。私の青春、幸せが蘇ったのです。」と、アラーニャは語ります。


■ 「マレーナ(Malèna)」 / ロベルト・アラーニャ & フレデリコ・アラーニャ



曲の魅力を最大限引き出した編曲は、フランスの作曲家 イヴァン・カサール(Yvan Cassar  

イヴァン・カサール(ピアノ)
アヴィ・アヴィタル(マンドリン)
ロベール・ル・ガル(マンドリン)
ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
ペドロ・ハビエル・ゴンサレス(ギター)
マティアス・デュプレッシー(ギター)
ローラン・ヴェルネレイ(ダブルベース)
ムラット・コジュクン(パーカッション)
ライオネル・スアレズ(アコーディオン)、ほか






第235回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


当「知られざる名曲」に度々登場する シューベルト。ロマン派を代表するオーストリアの作曲家(Schubert 1797 - 1828)です。


その音楽は、深い叙情性を湛え、豊かな感性がほとばしり、美しい旋律に溢れ、私たちリスナーの心を満たしてくれるのです。

しかし、意外にもシューベルトの音楽は知られていません。

日本では 歌曲王のイメージが強く、「冬の旅」など三大歌曲や「魔王」が有名ですが、その他には交響曲「未完成」、「ザ・グレート」位しか一般的には知られていません。

実はピアノ曲や室内楽に隠れた名曲が多いと思います。

シューベルトは31年の生涯に、モーツァルトより多い 1000曲近い作品を遺しました。
もっと幅広く色々な作品が聴かれても良い作曲家です。

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画像 ACワークス(株)

今回は、シューベルト最晩年(1828年)に書かれた「幻想曲 ヘ短調 作品103 D 940(Fantasia in F Minor Op. 103, D. 940 )」を選びました。この曲はピアノ連弾曲ですが、初演はシューベルト自身とその友人が弾いたとのことです。

2021年公開のデンマーク映画「アナザーラウンド」の挿入曲に、この曲が使われていますので、その映像を観ながらお聴き下さい。

※アナザーラウンドとは、トマス・ビンターベア監督、マッツ・ミケルセン主演で人生の光と影を描き、第93回米アカデミー国際長編映画賞を受賞した作品です。原題:Druk

■ 幻想曲 ヘ短調 作品103 D 940 / シューベルト



この曲は、本当は20分近くあるのですが、この映像では途中までしか聴けません。
もしよろしければ、是非、坂本彩・坂本リサ 姉妹の名演奏もお楽しみ下さい。
曲の本質に迫った二人の演奏にきっと魅了されるはずです。


超おススメYouTube動画「幻想曲 ヘ短調 作品103 D 940 / シューベルト」

 

 



第236回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

 

今回は、ドイツグラモフォンの新譜から、バロック時代に活躍したイタリアの作曲家 オラツィオ・ミチ( Orazio Michi 1594-1641)の、「愛は私に希望を告げた」をお聴き下さい。この作曲家は私も初めて聞く名前です。


古代ギリシアの叙事詩人 ヘシオドスは、『労働と日々』という叙事詩の中で、大地(ガイア)には、神々から人間にいたる間に、黄金、白銀、青銅、英雄、鉄という5つの種族が次々と現れたとして、それぞれの世代の特徴を述べています。(世界史の窓 参照)

第1時代は「黄金の時代」、第2時代が「白銀の時代」、第3時代が「青銅の時代」、第4時代が「英雄の時代」、第5時代が「鉄の時代」です。


黄金時代、人びとは神々のように、煩わしさを知らず、苦労も心身の痛みも知らず、あわれな老いの悲しみにもさいなまれることはなかった。生は喜びに満ち、死も眠りと変わることなく、麦畑はありあまる稔りをもたらし、人びとは仕事を分かち合い、かずかずの幸いをわかちあった。

しかし時を経て今は「鉄の時代」だと言われています。

鉄の時代、これからの人間はもう鉄の時代だ。陽のあるかぎり、苦労をまぬがれず、夜の一刻も悲嘆をわすれえず、衰滅の道を歩むにちがいない。神々のもとからは手に負えぬ心痛がやってくる。・・・正義は力にありとする輩で、互いにその国を侵すことになるであろう。

私腹を肥やす政治家たち。正義は金。裏金問題で揺れる今の日本のようです。

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この絵画は、フランスの画家 アンリ・フレデリック・ショパンが描いた『黄金の時代』です。
人間も動物も自然もすべてが調和するエデンの園でした。

※本物は岐阜県垂井町の半兵衛ガーデンにあります。



今回の知られざる名曲 オラツィオ・ミチの「愛は私に希望を告げた」を聴いた時、私はこの「黄金の時代」を思い出しました。
平和で、喜びと愛情に満ちています。胎児がお母さんのおなかの中にいるような安心感も感じます。

■ 愛は私に希望を告げた / オラツィオ・ミチ


原曲は恋人の嘆きを歌った声楽曲ですが、バロック・ハープ奏者のルイーゼ・エンツィアンと、サックス奏者のアシャ・ファティエヴァによる演奏は上質なバロック音楽に仕上がっています。

尚、作曲した オラツィオ・ミチはハープ奏者でもありました。ハープとソプラノサックスの音色がこんなに相性がいいとは思いませんでした。ドイツグラモフォンに感謝です。






第237回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

フィリップ・サルド(Philippe Sarde, 1948 - )はフランスの映画音楽作曲家です。

彼の母親は パリ・オペラ座の歌手でした。母親の勧めでフィリップ・サルドは3歳の頃から音楽に興味を持ち、何と4歳の時、パリ・オペラ座でカルメンの短いセクションを指揮したといいます。

そして5歳の時、彼は映画のサウンドレコーディングに興味を持ち、最初の短編映画を制作しました。彼は音楽と映画の両方が大好きでしたが、音楽では、名門パリ音楽院に入学し、和声、対位法、フーガ、作曲を学びました。(Wikipedia海外版参照)

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画像 映画「過ぎ去りし日の……」東京日仏学院サイトより

エレ-ヌの歌 (La chanson d'Hélène) は、1970年 仏伊合作映画「過ぎ去りし日の…(Les choses de la vie)」で用いられた曲です。
監督は、クロード・ソーテ (Claude Sautet) 。


建築家 ピエールは恋人のエレーヌと近々チュニスに行き、二人だけの生活を送る予定になっていたのだが、別れた妻、息子のことも気がかりだった。彼はエレーヌをアパートに帰らせ、再び子供の許へ車を走らせた・・・

自動車事故で死にかけた男
がまさに人生を走馬灯のように回想する。多くの不安を乗り越えて結婚にたどりつく一歩手前で、二人の未来は無惨にも断ち切られてしまう。


本映画は第23回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品です。70年代のフランスを代表する作品として映画史に残る本作はソーテの監督としての名声を確実にしました。(
東京日仏学院サイトより)

■ エレーヌの歌 / フィリップ・サルド

フランスの世界的ヴァイオリニスト ルノー・カピュソン(カプソン)の美音が、フィリップ・サルドの甘く切ない音楽を見事に表現しています。

 



第238回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

イギリスの作曲家 カール・ジェンキンス(Karl Jenkins 1944- )の3度目の登場です。

カール・ジェンキンス卿は、御年80歳ですが、 2023年のユネスコ平和コンサートで、47カ国の数百人の音楽家を集め、壮大なスケールの「ワン・ワールド」という楽曲を自らの指揮で演奏しました。(世界初演)

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画像 ワン・ワールド世界初演(2023)

今回選んだ「知られざる名曲」は、まさに現役作曲家の ジェンキンスが作った Symphonic Adiemus(シンフォニック・アディエマス)の中の1曲「コラール・エレジー」(悲しみのコラール 2017年)です。

アディエマス語と呼ばれる架空の言語を歌詞に用い、クラシックとワールド・ミュージックを融合させたヒーリング系の音楽が聴く人の胸を打ちます。

■ コラール・エレジー / カール・ジェンキンス








第239回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

フランスの作曲家 ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue, 1925 - 1992)、2度目の登場です。

名門パリ音楽院に学んだ彼は、9 つのバレエ、2 つのオペラ (「Le Chevalier de Neiges」、「Medis et Alyssio」)、2 つの室内オペラ (「Ariane」、「Une Regrettable Histoire」) を作曲しましたが、その後は映画音楽に才能を発揮してアカデミー賞も受賞、やがてフランス政府から芸術文化勲章を授与されるに至りました。

今回は、1992年のフランス映画「愛と戦火の大地」(原題:Dien Bien Phu ディエンビエンフー)から「別れの協奏曲」(Concerto de l'Adieu)にスポットを当てました。

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映画「愛と戦火の大地」

54年3月13日、ハノイ。著名な米国人ジャーナリストのシンプソン(ドナルド・プレゼンス)が、取材を続けている。一方、ハノイから350km 離れたディエン・ビエン・フーでは、ある軍曹に率いられた現地人の小隊がヴェトナム砲撃隊の猛攻を受けていた。

第二次大戦後の民族運動期に勃発したインドシナ戦争の実態を、最大激戦地〈ディエン・ビエン・フー〉を舞台にドキュメンタリー・タッチで描いた戦争ドラマ。


■ 別れの協奏曲 / ジョルジュ・ドルリュー

ソロヴァイオリンの シズマロヴィッチは、来日経験もあるスロバキアのヴァイオリニストです。

戦争映画の音楽は、何故美しいのでしょうか。技巧的ではなく、あくまで音楽的なところが心に響きます。