知られざる名曲の宝庫を開ける 番外編(更新中)
■ 知られざる名曲 番外編 1 「Misirlou (ミシルルー)」/ギリシャ伝承曲 (編曲 Gunther Tiedemann)
この曲は、ギリシャ伝承曲ですが、クラシックとは言い難いですから、「番外編」とさせていただきます。
敢えて番外でもこのシリーズに加えた理由は、アップテンポの音楽が気分を高揚させてくれるからです。
すなわち、「ご機嫌なサウンド」が魅力の名曲なのです。
長引くコロナ疲れで精神的に病んでいる方も多いと思います。
本来なら楽しいはずの夏休みやお盆が目の前ですが、気分は落ち込んだままです。
この曲を聴いて、せめて気分だけでも開放されますよう選んでみました。
(期間限定公開)
演奏は、ドイツのチェロオーケストラ、バーデン=ヴュルテンベルク。
すべての年齢と、すべての演奏レベル(プロアマ問わず)の、最大120人のチェリストからなるオーケストラです。
Misirlou(ミシルルー)は、トルコ語のムスルル(Mısırlı)の借用である。これはムスル(Mısır, 「エジプト」を意味するアラビア語で مصرミスル)に、「~出身」を意味する接尾辞~ル(-lı)を加えた語である。したがって、「ミシルルー」は「エジプト出身」という意味にしかならないが、歌詞の内容から「エジプト娘」の意味であることが明らかである。(Wikipediaより)
■「Misirlou (ミシルルー)」/ギリシャ伝承曲
8ビートのリズムに乗って、演奏者本人(チェリストたち)が楽しんでいます。
その様子を見ている聴衆も楽しくなるのです。
ステージも客席も、今では考えられない「密々状態」です。
(コロナ発生約2年前の2018年2月11日のライブ)
写真 ACワークス(株)
■ 知られざる名曲 番外編 2 チェコ国歌 「我が故郷は何処に」/ シュクロウプ
折しも東京2020開催中で、色々な国の国歌を聞くことも多いと思います。
国歌には意外と知られざる名曲があります。
今回は「知られざる名曲 番外編2」として、チェコ共和国の国歌をお聞き下さい。
作曲者は、フランティシェク・ヤン・シュクロウプ (Frantisek Jan Skroup 1801 - 1862)。
チェコ・ロマン派音楽の作曲家。舞台音楽の作曲家として活躍しました。
原曲は、シュクロウプ作曲のオペラ "Fidlovačka aneb Žádný hněv a žádná rvačka " で使用された旋律がベースになっています。
チェコの国歌は、オペラの旋律が使われていたんですね。
ちなみに、チェコスロバキア時代は、1番をチェコ国歌、そして2番をスロバキア国歌で歌われていたそうです。
わが故郷よ いずこ
わが故郷よ いずこ
猛る水は 草地を横切り
松の木々は 岩山にざわめく
庭は 春花に燦然と輝き
眼前に広がる 地上の楽園!
これぞ かの美しき国
わが故郷 チェコの国
わが故郷 チェコの国!
演奏は、ピーター・ブレイナー指揮・スロヴァキア放送交響楽団
■ チェコ国歌 「我が故郷は何処に」/ シュクロウプ
香り高い名品と言えるでしょう。素敵な国歌です。
■ 知られざる名曲 番外編3 交響曲獺祭~磨 migaki / 和田 薫
「交響曲 獺祭(だっさい)~磨 migaki ~」とは、 お酒に聴かせるための楽曲を作り、その音楽を聴かせて熟成させるとどうなるのか!?
そんな前代未聞の発想から生まれたプロジェクトです。
作曲は、和田 薫(わだ かおる 1962 - )氏に委嘱しました。
山口県下関市出身で、クラシックから映画音楽・アニメ音楽まで幅広く手がける作曲家です。
豊中市 https://toyonaka.goguynet.jp/2021/01/04/century-2/
■ 交響曲獺祭~磨 migaki / 和田 薫
「和田 薫:交響曲獺祭~磨 migaki 」
飯森範親 指揮 日本センチュリー交響楽団
旭酒造の名酒「獺祭」
公式サイト(オンラインストア)
余談ですが、安倍晋三 前内閣総理大臣は、2013年(平成25年)10月にロシアの大統領、ウラジーミル・プーチンに、2014年(平成26年)4月に当時のアメリカ合衆国大統領、バラク・オバマに獺祭を贈っています。(Wikipediaより)
※オバマ大統領に贈られた獺祭はコーシャ認証を受けている(獺祭は コーシャ認証 を受けた日本酒第一号)
■ 知られざる名曲 番外編4 天国への階段/レッド・ツェッペリン
ロックファンでなくても、レッド・ツェッペリン( Led Zeppelin 英 1968年デビュー)の名前は聞いたことがあると思います。2度来日して日本人のファンも多く存在します。
いわゆるハードロックにとどまらない楽曲が多く、アコースティックギター中心の曲、バラード調や民族音楽的楽曲、その他様々な音楽を取り入れ、自分たち流に作曲・演奏し、1980年に解散するまで、その音楽的独自性を高めていったバンドです。
ロックバンド レッド・ツェッペリン 画像 Wikipediaより
今回、番外編としてご紹介する「天国への階段(Stairway to Heaven)」は、レッド・ツェッペリンの代表曲、イ短調、4/4拍子、三部構成の曲 です。
アルペジオで静かに始まって徐々に盛り上がってゆく音楽、ヴォーカルの美しいメロディ、単一の要素を繰り返しながら次第にクライマックスに至る構成は、ラヴェルの「ボレロ」がそうであるように、広い意味での変奏曲とも言えます。
ロック界以外の音楽界からも評価が高く、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者でもあるクラシック界の巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤン氏は、この「天国への階段」を “完璧” と絶賛していたと伝えられています。(一部Wikipediaより)
オーケストラにアレンジされたYouTube動画は、とても感動的です。
■ 天国への階段/レッド・ツェッペリン
普遍的な美しさの前には、ロックとかクラシックとかの区別は無意味です。
■ 知られざる名曲 番外編5 ハレルヤコーラス/ヘンデル
番外編5曲目は、誰もが知っている ヘンデルの「ハレルヤコーラス」です。
何故、知られざる名曲の番外編にランクインしたかは、動画を見れば分かります。
クラシック音楽は敷居が高いと言う人がいますが、こんなに楽しい見せ方(魅せ方)があるのです。
この動画は800万回以上も再生されています。何度見ても笑えますが、視覚的に音楽の特徴が分かります。
音の高低や、音の長さ、音楽の進行形など、知らず知らずのうちに「メサイヤ」の構造が分かるのです。
このプラカード方式を最初に考えた人に敬意を表します。
これは、知られざる名曲ではなくて、知られざる「名パフォーマンス」と呼ぶべきでしょう。
■ 知られざる名曲 番外編6 ソナタ ヘ短調 アンダンテ・スピリトーソ / ガルッピ
バロック時代の作曲家 バルダッサーレ・ガルッピ(Baldassare Galuppi, 1706 - 1785)が、今回の主役です。
ガルッピ はイタリアのヴェネツィア生まれ。オペラ作曲家として有名ですが、多くのチェンバロ曲も書き、自身もチェンバロ奏者として活躍しました。
番外編とした理由は、このYouTube動画が、あまりにも「視覚に訴える」要素が大きいことです。音楽もさることながら、グラフィックに惹きつけられました。
■ 「聴覚」+ 「視覚」で聴く音楽
この動画を見ると、音楽は「聴覚」だけでなく「視覚」も重要な要素だと分かります。
風が吹き抜けるようなさわやかな曲ですが、Karim Dabbèche氏のアニメーション映像が見事にマッチしています。
■ 「五感」で聴く音楽
将来、音楽は「五感」で味わう時代が来ると思います。(もう一部あるかも知れませんが)
例えば、美しい花園で聴く音楽「聴覚」なら、色とりどりの花「視覚」や、ただよう花の香り「臭覚」、さわやかな風「触覚」、つまんで食べた野イチゴの甘さ「味覚」、といった具合です。
屋外で、ワインを飲みながら音楽を聴くシチュエーションなら、まさに「五感」を刺激する体験が可能です。
もう、耳だけで音楽を楽しむ時代は終わり、いずれホールの中でも「五感」を感じることが可能なコンサートが当たり前になる時代が到来するかも知れません。現代のテクノロジーなら十分出来そうです。
■ 心(感性)で聴く音楽
もともと音楽は、耳で聴くと同時に「心」に響くものでした。ですから感動が生まれたのです。
そこへ映像技術の進化や動画配信、ネット環境の拡充などで、ビジュアル(視覚に訴える)が加わったのです。
さらに音楽の感じ方が多面的になるとしたら、それは歓迎すべきことかどうか 意見が分かれるかも知れません。
上手くまとめることが出来ませんでしたが、要はそんなことを考えさせられる動画が次の作品です。
■ ソナタ ヘ短調 アンダンテ・スピリトーソ / ガルッピ
この動画が気に入った方は、同じKarim Dabbèche氏のアニメーション映像で、プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(4分8秒)をご覧下さい。↓ 自分の脳が活性化されるような動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=YDZlF7a_OJY
■ 知られざる名曲 番外編7「群青/谷村新司」 作詞・作曲:谷村新司 編曲:服部克久
この曲は言うまでもなくクラシック曲ではありません。
もちろん、知られざる名曲でもありません。どなたもご存じと思います。
作曲の谷村新司さんもクラシック畑の作曲家ではありません。
画像 Copyright© 島根県邑南町の城跡
敢えて言うなら、編曲の服部克久さんはパリ音楽院に留学していて、クラシックを勉強した人です。
確かに、編曲が素晴らしいので、完成度の高い重厚な作品に仕上がっています。
もともとこの曲は、映画『連合艦隊』(1981年 東宝製作)の主題歌として作られ ヒットしたものです。
ですから歌詞も、兵士への追悼歌として書かれています。
■ 歌詞の一部
手折れば散る 薄紫の
野辺に咲きたる 一輪の
花に似て 儚なきは人の命か
せめて海に散れ 想いが届かば
せめて海に咲け 心の冬薔薇
歌詞は、どことなく文語調で格調の高さを感じます。
日本歌曲の風格を感じます。
■ 「群青/谷村新司」 作詞・作曲:谷村新司 編曲:服部克久
歌唱は、今や日本を代表するコーラスグループ「フォレスタ」の皆さんです。 メンバー全員音大を卒業した実力派です。
澄んだ歌声、美しい男声ハーモニー、流れるようなピアノ、この曲はジャンルを超えて私たちの心に迫ります。
■ 知られざる名曲 番外編8 チェロ協奏曲ハ長調より/ハイドン
Cello Concerto in C major, movement 3, Allegro molto
■ ショートストーリー
allegro molto(非常に速く)のテンポに乗って繰り広げられる 実写によるショートストーリー。
スーパーマンもどきの「スーパーチェロマン」を演じているのは、スウェーデンの若きチェリスト エミル・ヴェークベルク 君です。
曲は、ハイドン( Joseph Haydn, 1732 - 1809 ウィーン生まれ)のチェロ協奏曲第1番ハ長調第3楽章です。
ヴィオラ奏者が悪役になっているのは気の毒ですが、ストーリーはとても楽しめます。
普段あまり聴くことのない ハイドンチェロ協奏曲も、ショートストーリーと一緒なら、自然に覚えてしまいます。
■ チェロ協奏曲ハ長調より/ハイドン
同曲のお勧めのYouTube動画は ↓
https://www.youtube.com/watch?v=cHlS19g1fkY
■ 知られざる名曲 番外編9 Abendlied(夕べの祈り)/ ラインベルガー
今回は、「曲」より「演奏家」に焦点を当てたいと思い、番外編とさせて頂きました。
コロナ禍の今、最も聴いてほしい 声楽グループ VOCES 8(ボーチェス エイト) の演奏をお聴き下さい。
VOCES 8 (ヴォーチェス エイト)は、ウェストミンスター寺院聖歌隊出身者で結成された英国の8人の若手歌手による、ア・カペラ・グループです。
その素晴らしいパフォーマンスと洗練された歌唱力、紡ぎ出すハーモニーは国際的にも高い評価を得ています。そしてヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア(日本含む)などの演奏旅行は大成功を収めています。
画像出典 https://anam.com.au/anam-blog/shared-experience-voices8
■ 心の平安が免疫力を高める
当シリーズでは度々、宗教曲をご紹介してきましたが、これは私たちの心の平安を得るためです。
世界は、分断と格差の中にあり、コロナ、覇権争い、異常気象、病気が暗い影を落としています。
しかし、その解決策はなく、狂気と無関心が蔓延しています。
この救いようのない混沌とした世界で、私たちは日々不安にさらされているのです。
せめて数分間、曲の流れている間だけでも 純粋な音楽の世界に浸り、癒されたいと思うのは、私たちの「内なる声」ではないでしょうか。
ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(Josef Gabriel Rheinberger、1839 - 1901)は、リヒテンシュタインの首都ファドゥーツに生まれ、ドイツ帝国のミュンヘンに没した作曲家、オルガン奏者、指揮者。
「Abendlied(夕べの祈り)」は、ラインベルガーの作品のなかでも最も人気の高い 六声の無伴奏作品です。
■ Abendlied(夕べの祈り)/ ラインベルガー
■ 知られざる名曲 番外編10 ハンガリー狂詩曲2番/リスト(オイゲン・キケロ篇)
Hungarian Rhapsody / Eugen Cicero
クラシックの名曲をジャズにアレンジして一躍有名になった ピアニストの オイゲン・キケロ(Eugen Cicero ルーマニア 1940-1997)。ジャズファンはもちろん、クラシックファンにも人気のアーティストです。
今回は、お馴染みのリストの「ハンガリー狂詩曲2番」を選びました。
画像 ACワークス(株)
オイゲン・キケロは、クラシックのピアニストであった母親から幼い頃よりピアノを習い、10歳の時にはリサイタルを開くようになるほどの天才振りを発揮した。(Wikipediaより)
もともとクラシックを勉強した彼は、原曲の風格や表情を崩すことなく、見事にジャズ化に成功しています。
■ ハンガリー狂詩曲2番/リスト(オイゲン・キケロ篇)
■ 知られざる名曲 番外編11/ Stille Nacht(シュティーレ・ナハト)
今年もXmasの時期になりました。
知られざる名曲の番外編として、 ドイツ語の讃美歌「Stille Nacht(シュティーレ・ナハト)」を選びました。
もちろん、日本では「きよしこの夜」としてよく知られ、世界中で愛されているこのXmasキャロルは、たった一日で作曲された曲で、しかも原曲はギター伴奏だったのです。
画像 「きよしこの夜」記念礼拝堂
https://4travel.jp/os_shisetsu/10382667
■ 事のいきさつ
1818年12月24日、オーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会でのこと。
その朝、なんと教会の大事なオルガンが、ネズミにかじられて壊れていることが判明!
神父 ヨゼフ・モールは、事の重大さに頭を抱えました。明日25日がミサの当日です。
ヨゼフ・モールは、教会の専属オルガニストだった フランツ・クローバーに、大至急 ギター伴奏で2声の合唱曲を作曲してくれるよう頼みました。幸い、歌詞は以前作った自作の詩(ドイツ語)がありました。
急場しのぎで作られた曲は、ミサの数時間前に完成し、集まった人々によって歌われましたが、その親しみ易く美しいメロディはドイツからヨーロッパ全土、アメリカ、日本にも広まり、クリスマスには無くてはならないXmasキャロルになりました。
■ Stille Nacht(シュティーレ・ナハト)
オーベルンドルフはドイツと の国境沿いのこじんまりとした町ですが、その地にあった聖ニコラウス教会は洪水を避けるため移築され、今は「きよしこの夜」記念礼拝堂として生まれ変わりました(1937年)。
例年12月24日17時からのミサで 「きよしこの夜」が歌われ、世界中から人々が参加しています。
このYouTube動画は「きよしこの夜」記念礼拝堂前で収録されたものです。
※オルガン故障の原因は、洪水によるものなど諸説あります。
参照した記事 ↓ 下記
ヨーロッパ旅行情報https://euro.typepad.jp/blog/2018/09/oberndorf_stille_nacht_kapelle.html
世界の民謡・童謡http://www.worldfolksong.com/christmas/song/silent-night.html
TAP THE POPhttp://www.tapthepop.net/day/72376
■ 知られざる名曲 番外編12/ 弦楽四重奏第8番 第2楽章(ショスタコーヴィチ 1906-1975)
ショスタコーヴィチは当シリーズ3度目の登場です。
しかし今までと違って、とてもシリアスで深刻な曲です。
したがって番外編といたしましたが、聴く価値はあると思います。
この弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 作品110 は、ドミートリイ・ショスタコーヴィチが1960年に作曲した弦楽四重奏曲ですが、作品的には全15曲あるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の中で、最も重要な位置づけとなっています。
彼は「ファシズムと戦争の犠牲者の想い出に」捧げるとしていますが、実はショスタコーヴィチ自分自身のために書かれた作品と言われています。実際この作品には「Dmitri Schostakovich」のイニシャルが、音名「D-S(Es)-C-H」(DSCH音型)で織り込まれており、密かに作曲者自身をテーマにしていることを暗示させています。
ソビエト軍によるドレスデンのナチスからの解放の場面のための音楽を書くためにドレスデンに行ったショスタコーヴィチは、戦争の惨禍を目の当たりにし、自身の精神的荒廃と重ね合わることになるのです。
そして、圧政により精神的に追い込まれた自身への献呈として、同年7月12日から14日のわずか3日間でこの曲を作曲したのです。(一部Wikipediaより)
今回は2楽章をピックアップしましたが、全曲は(すべて短調からなる)5楽章で、演奏時間は約20分。是非全曲をお聴き下さい。
■ 弦楽四重奏第8番 第2楽章 /ショスタコーヴィチ
強烈なインパクトを感じさせる激しい音楽です。
第1ヴァイオリンの ジャニーヌ・ヤンセン(Janine Jansen、1978ー )が、これでもかと言うくらいのテンションで弾きまくります。
普段は穏やかなチェロの ミッシャ・マイスキー(Mischa Maisky, 1948ー )も厳しい表情を見せています。
ショスタコーヴィチが親友に送った手紙によると、「私が死んだときには誰かが弦楽四重奏曲を私に捧げてくれるとは思えないので、私は自分自身のために書くことにしました」とあり、この曲を書いたあと自殺するつもりであるということを示唆しているのです。
ショスタコーヴィチの悲痛な叫び声が聞こえてくるような作品でした。
■ 知られざる名曲 番外編13/ララのテーマ(ドクトルジバゴ)/モーリス・ジャール
番外編として、フランスの作曲家 モーリス・ジャール(Maurice Jarre, 1924- 2009)の映画「ドクトル・ジバゴ/ララのテーマ」を選びました。1965年アカデミー賞 “作曲賞” の輝かしい名曲です。
モーリス・ジャールは、ソルボンヌ大学の工学部に入学しましたが、その後音楽コースに進み、やがてはパリ国立高等音楽院に入学して作曲と和声を学びました。クラシック作品も多くありますが、英国の映画監督デビッドリーンとのコラボレーションで、映画音楽に才能を発揮しました。
ドクトル・ジバゴは、ロシアの文豪ボリス・パステルナーク(ノーベル文学賞を政治的な理由で辞退した作家)の同名小説を映画化した長編大作。
時はロシア革命前後の動乱期。医者で詩人の ジバゴを主人公に、ララとトーニャという2人の女性への愛を通して波瀾に満ちた生涯を描いてゆく。
人生の軌跡を、多彩な登場人物を交えながら時代のうねりと共に描く壮大な一大叙事詩。M・ジャールによる美しい“ララのテーマ”も忘れがたい。(参考 allcinema)
■ ララのテーマ(ドクトルジバゴ)/モーリス・ジャール
中学生のある日、母に連れられて「ドクトル・ジバゴ」を観に行きました。
よく意味が分かりませんでしたが、音楽だけはとても印象に残りました。
あの時のロシアの民族楽器バラライカの音色が忘れられません。
この微笑ましい動画を見ると、「音楽は楽しんだ者の勝ち!」 が良く分かります。
■ 知られざる名曲 番外編14 ヘレニズム/エヴァンシア・レブツィカ
エヴァンシア・レブツィカ (Evanthia Reboutsika 1958- ) はギリシャの人気作曲家、ヴァイオリニストです。
昨年(2021年)彼女が作曲した歌が、今回番外編として取り上げた「ヘレニズム」という曲です。
この曲は、世界中に「ヘレニズム=ギリシア風の文化」を発信する目的で作られました。
歌詞は、詩人・作詞家の エヴァンゲリア・ニコラコプロウ(LINA NIKOLAKOUPUL 1958- ) が手掛けました。
特に海外にいるギリシャ人への讃美歌であり第2の国歌のような存在です。
■ ヘレニズム/エヴァンシア・レブツィカ
演奏は、カテリーナ・ヴァシリコウ指揮のアリオソ合唱団。
何処かで聴いたことがあるような懐かしい歌です。
エヴァンシア・レブツィカさんの曲は、どの曲も感傷的です。当シリーズで今後ご紹介します。
■ 知られざる名曲 番外編15 交響曲88番第4楽章 / ハイドン
これぞ番外編です。
■ 顔で指揮をする
指揮者を「棒振り」とも言いますが、文字通り指揮棒を振るのが指揮者の仕事です。
著名なアメリカ人(ユダヤ系)指揮者 レナード・バーンスタイン (Leonard Bernstein、1918 - 1990)は、顔の表情だけで、名門ウィーンフィルを指揮(?)しました。
その曲は、ハイドン(1732 - 1809)の交響曲第88番 ト長調の第4楽章 。交響曲『V字』の愛称で知られています。
■ 交響曲88番第4楽章 / ハイドン
これがまた名演奏なのです(^^♪
■ 知られざる名曲 番外編16 松明と蛇で武装して/ ヴィヴァルディ
前回の番外編は「顔で指揮をする」でしたが、今回は「顔で歌う」です。
■ 顔で歌う
イタリア人のメゾソプラノ歌手 チェチーリア・バルトリさんの顔を見て下さい。すさまじい表情です。
それもそのはず、この歌は強烈な怒りと復讐の歌なのです。
■ このアリアのあらすじ
将軍ホロフェルネスは、抵抗するユダヤ人打倒のため大軍で町に攻め込みます。
しかし美貌の寡婦ユディータは、町を救うため色仕掛けで 敵将ホロフェルネスに近づき、美酒で酔いつぶしてから(侍女の力を借りて)首を切り取ってしまいます。
異常に気づいた従者 ヴァガウス(このアリアの歌手)は、将軍ホロフェルネスのテントの中で首のない主人を発見し、主人を殺害した寡婦ユディータに猛烈な怒りと復讐を誓うのでした。
画像 ウィキメディア・コモンズ Judith Beheading Holofernes by Caravaggio.jpg
現存するヴィヴァルディの唯一のオラトリオ『勝利のユディータ RV.644』からアリア「松明と蛇で武装して」を是非お聴き下さい。
怒りに震える 従者 ヴァガウス(歌手 チェチーリア・バルトリ)の迫真の歌唱です。
■ 松明と蛇で武装して/ ヴィヴァルディ
怒髪天を衝く。
拍手が鳴りやみません。当然です。
■ 知られざる名曲 番外編17 Prayer for the Ukraine / シルヴェストロフ
ウクライナのキエフで生まれた作曲家 ヴァレンティン・ヴァシリョヴィチ・シルヴェストロフ (Valentin Vasylyovych Silvestrov,1937- ) の作品「Prayer for the Ukraine(ウクライナのための祈り)」をお聴き下さい。
演奏は、ドイツの名門オーケストラ バンベルク交響楽団。2022年3月8日にアップされた動画です。
■ Prayer for the Ukraine / シルヴェストロフ
息を吐くだけのフルート、音程はありません。
静かな弦楽器とハープの演奏の中にあって、このフルートの息の音が、「ため息」に聴こえるのです。
■ 知られざる名曲 番外編18 悲愴ソナタ /「ベートーヴェン・ウイルス」より
20%の視聴率を記録した韓国ドラマ「ベートーヴェン・ウイルス(2008年)全18回」。
音楽に挫折した人たちと、世渡りの下手な指揮者が生み出す奇跡をコメディ・タッチで描いたドラマです。日本でもテレビ東京、フジテレビなどで放映されました。
今回の番外編では、GAIA弦楽合奏団(GAIA 女子弦樂團/台湾のユニット)による演奏で、ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」の3楽章を聴いてみようと思います。
amazon DVD BOX画像より
■ 悲愴ソナタ /「ベートーヴェン・ウイルス」より
アレンジの妙 (ダイアナ・ボンチェバ 編曲) 、スタイリッシュな演奏。
現代に蘇ったベートーヴェン・ウイルスの斬新な音楽。
コロナウイルスも吹き飛んでいくことでしょう。
■ 知られざる名曲 番外編19 Bittersweet(直訳=ほろ苦い)/Apocalyptica (アポカリプティカ)
アポカリプティカは、1993年にシベリウス音楽院(フィンランド)で出会ったチェロ奏者4人が結成した ヘヴィメタルバンドです。
彼らの好きなアメリカ合衆国出身のヘヴィメタル・バンド「メタリカ」のカバーをチェロで演奏するバンドとして人気を博しました。
画像 YouTubeより
ヘヴィメタルと聞くと、伝統的なクラシック音楽とは対極にある音楽のようですが、この曲は決してそうではありません。
そもそも音楽にジャンルという壁を作ることに意味はあるのでしょうか。この曲を聴くと誰しもそう感じるでしょう。
■ Bittersweet(直訳=ほろ苦い)/Apocalyptica (アポカリプティカ)
彼らの卒業したシベリウス音楽院は、学費が無料(すべて国費)なことで有名です。もちろん外国人にも開かれており、日本人留学生もいるそうです。
ドイツも全て国立なので学費はほとんど掛からないと聞きます。ヨーロッパの音大は学費の負担が少なく、世界中から優秀な人材が集まるようです。
日本の音大は私立が多くとても真似ができません。また国公立の音大であっても学費は安くないのが現状です。
■ 知られざる名曲 番外編20 Legato - Staccato Movement/ ブルーノ・ラコ
この曲は、イタリア生まれのピアニスト兼作曲家の ブルーノ・ラコ(Bruno Raco 1979- )によって作られました。彼はバーゼル劇場の伴奏者、フリーランサーの作曲家、そして 2013年からは「ローザンヌ国際バレエコンクール」と「北京国際バレエコンクール」のワークショップに参加して音楽教師として活躍しています。
特に彼の作曲したバレエ音楽と、実験的な現代スタイルの作品は国際的に評価されています。
Bruno Raco https://www.brunoraco.com/?lang=ja
そして、カップの動きは、Daniela Stroppolatini が創りました。詳しいことは分かりませんが、子供の音楽教材として考案されたようです。
カップの動きによって音楽の表情を楽しく表現できる面白い試みです。子供ばかりでなく大人も楽しめそうです。
■ Legato - Staccato Movement/ ブルーノ・ラコ
■ 知られざる名曲 番外編21 地球星歌/ミマス
この「地球星歌」は、音楽ユニット「アクアマリン」の作詞・作曲担当 、キーボード、ギター奏者として活動している ミマス氏 (1971-、神奈川県茅ヶ崎市生まれ) が作りました(作詞作曲)。音楽は高校生のときに独学で始めたそうです。
そしてこの曲は、富澤裕氏により合唱曲に編曲され、全国の学校や合唱団で歌われていますので、合唱ファンならご存じの方も多いと思います。
画像 ACワークス(株)
ミマスさんは、奥様との世界一周新婚旅行中にこの曲を書きあげたと言います。
あなたの毎日が 世界を創り
愛する想いが 地球へと広がる
世界の平和を願う気持ちがあふれ、人間愛が無限に広がります。
そう 誰にでも愛する人がいる
誰の心にも 大切な場所がある
さあ その気持ちをむげんに広げて
この星をぜんぶ ふるさとと言おう
■ 地球星歌/ミマス
■ 知られざる名曲 番外編22 愛は面影の中へ/イワン・マッコール
前後しましたが、番外編をもう1曲追加します。
英国出身のシンガーソングライターのイワン・マッコール(Ewan MacCol 1915– 1989)の作詞・作曲による「La Prima Volta」です。
日本では、ロバータ・フラックが歌った「愛は面影の中に」で知られています。
画像 ACワークス(株)
この曲を、同じく英国のテノール歌手 ポール・ポッツ(Paul Potts、1970 - )が歌います。
彼はテレビのオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出て優勝し、一躍世界的なテノール歌手の仲間入りをしました。世界ツアーで来日もしていますからご存じの方も多いと思います。
■ 愛は面影の中へ/イワン・マッコール
この曲はクラシック曲ではありませんが、実にドラマティックでスケールの大きな曲です。
オペラアリアとしても感動的な名曲と言えます。
知られざる名曲の番外編としてアップすることにしました。
ちなみに、動画の劇場はウクライナのキエフ(キーウ)にある国立歌劇場です。
ウクライナ国立歌劇場 公式サイト
■ 知られざる名曲 番外編23 ぜんぶ(無伴奏混声合唱)/ 相澤直人(作曲)・さくらももこ(作詞)
この曲は、合唱コンクール経験者や合唱ファンならご存じの方も多いと思います。今回は初めて聴かれる方のために、番外編としてご紹介することにしました。心温まる合唱曲です。
作曲の相澤 直人(あいざわ なおと、1978 - )は、日本の作曲家、合唱指揮者。
4歳からピアノを始め、高等学校在学中に入部していたコーラス部で合唱を経験したことで、音楽家を志すようになる。
東京芸術大学では8年間をかけて作曲科・指揮科の双方に在学し、現在は自身が常任指揮者を務める「あい混声合唱団」「女声合唱団 ゆめの缶詰」「AZsingers」を始め、様々な合唱団で指揮者を務める。
作曲家として、混声合唱曲と女声合唱曲を中心に現在までに100曲近くを作成しており、合唱曲集も多数刊行している。(Wikipediaより一部抜粋)
画像 ACワークス(株)
作詞のさくら ももこ(1965- 2018)は、日本の漫画家、エッセイスト、作詞家、脚本家。
自身の少女時代をモデルとした代表作のコミック『ちびまる子ちゃん』の主人公の名前でもある。
代表作のコミック『ちびまる子ちゃん』の単行本の売上は累計3000万部を超える。(Wikipediaより一部抜粋)
■ ぜんぶ(無伴奏混声合唱)/ 相澤直人(作曲)・さくらももこ(作詞)
大切なことは
ぜんぶここにある。
泣くこと
笑うこと
怒ること
喜ぶこと
人間には喜怒哀楽がありますが、泣くことで癒され、笑うことで元気をもらい、怒ることでストレスを発散し、喜ぶことで感謝の念が湧きます。
それが生きている人間です。当たり前の人間です。神様は私たちに、この世という学びの場を与えて下さったのです。
■ 知られざる名曲 番外編24 即興曲第3番変ト長調 / シューベルト
番外編24回は、暑い夏にお届けする「爽快な映像」と共にお聴き下さい。
フランス ピレネー山脈のシルク ド ガヴァルニーの壮大な風景の中で、「シューベルトの即興曲第 3 番」を演奏しているのは、フランスのピアニスト ダヴィッド・フレイ (David Fray 1981- )。
彼は、ピレネー山脈近くの小さな町 タルブで生まれました。すなわちこの映像は彼の生まれ故郷で撮影されたものです。
では果たして、ヤマハのフルコンサートピアノはどうやってピレネー山脈まで運んだのでしょう?ヘリコプターで運んだのでしょうか。
それとも、この映像は「CG」でしょうか?? 今日の技術なら可能でしょう。
画像 ピレネー山脈 ACワークス(株)
たとえどちらであっても、今回はただ映像に溢れる「爽快感」を感じていただければ幸いです。
演奏は抜粋です。ご容赦ください。
■ 即興曲第3番変ト長調 / シューベルト
クラシックではありませんが、もう一曲、気分爽快になる音楽と映像をご覧下さい。
■ プリンセス・オブ・ザ・ナイト / オリヴィエ・トゥーサン
あのリチャード・クレイダーマンも68歳、もう高齢者の仲間入りです。
■ 知られざる名曲 番外編25 海辺の少女 / ヴァンゲリス
つい先日、コロナ感染症で亡くなったとされる ギリシャの音楽家 ヴァンゲリス(Vangelis, 1943 - 2022)の二度目の登場です。
今回は、ほのぼのとした詩情と心休まる音楽に癒されると思います。
尚、映像のウエイトが高いので番外編と致しましたが、音楽も素晴らしいものです。
画像 ACワークス(株)
ヴァンゲリスは、画家であったお父さんの影響もあって、作曲の傍ら、抽象画の画家としても活動し、スペイン・バレンシア市などで個展を開催するほどでした。
そんな彼の思いの詰まった映像とともに、この音楽(動画)をご覧下さい。
■ 海辺の少女(La Petite Fille De La Mer)/ヴァンゲリス ( Vangelis )
この茶目っ気のある少女が、海辺の町で起こす不思議なショートストーリー。お楽しみいただけましたでしょうか。
■ ご参考
■ 知られざる名曲 番外編26 10月の栄光の日に/シークレット・ガーデン
10月に入って、今朝9時の気温は16℃、さすがに秋らしくなってまいりました。
番外編26回は、「10月の栄光の日に」を聴いて、秋の自然を感じて下さい。
この曲の元は、 シークレット・ガーデン(Secret Garden )という二人組の音楽家によって作られ、韓国でヒットした歌になります。
その題名は「10月のある素敵な日に(10월의 어느 멋진 날에)」
とてもハッピーな気分になれる動画です。7,8年前に初めて視聴してこの歌のファンになりました。
↓
ご参考 https://www.youtube.com/watch?v=99kCzHwdzFQ
今回は、チェロとピアノのデュオでお聴き下さい。チェロの演奏は韓国の人気チェリスト 조윤경(チョ・ユンギョン)です。
■ 10月の栄光の日に / シークレット・ガーデン
もっと秋を感じたい方は
■ 10月の最後の夜を
■ 知られざる名曲 番外編27 讃美歌「主は私の羊飼い」/アーバイン
イギリス最北端 スコットランド生まれの作曲家 ジェシー・シーモア・アーバイン(Jessie Seymour Irvine、1836-1887) 、スコットランド教会の牧師の娘として生まれた彼女が35歳の時作曲したミサが、今回ご紹介する讃美歌「主は私の羊飼い」です。
「主は私の羊飼い」は、旧約聖書の詩篇 23 篇の言葉に基づき、アーバインが作曲しましたが、敬虔で美しい讃美歌として非常に人気が高く1947 年のエリザベス王女とフィリップ マウントバッテン(フィリップ殿下)の結婚式など、多くの注目すべき宗教行事で歌われており、2022 年 9 月に96歳で亡くなったエリザベス 2 世女王の国葬で再び歌われました。
Jessie Seymour Irvine
主は私の羊飼いです。私は欲しません。彼は私を緑の牧草地に横たえさせ、静かな水のそばに私を導きます。( 詩篇 23 篇より)
■ 讃美歌「主は私の羊飼い」/アーバイン
(YouTube動画は、2022・9・19 ウエストミンスター寺院 )
参列者とウエストミンスター寺院合唱団、「24 人の聖歌隊員(少年) と、12 人のプロの歌手(成人)で構成」によって歌われる 讃美歌「主は私の羊飼い」、なんと荘厳な響きでしょう。
世界最高峰 ウエストミンスター寺院合唱団 公式サイト
※全くの余談ですが、同時期に行われた「どこかの国の国葬」では献花の際、マスカーニ作曲の歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が使われました。とても甘美な曲ですが、この歌劇は 不倫や復しゅうなど、三角関係のもつれが描かれた音楽です。
恋人がいるのに人妻と不倫の恋をした男が、その妻の夫と決闘し殺されるという結末は、国葬の音楽として適当ではありません。
なにもイタリアの曲を使わなくとも、日本の作曲家 須賀田礒太郎(すがた いそたろう)が、昭和16年に作った「葬送曲・追想」があるのです。この曲は、山本五十六の国葬の際演奏されました。
知られざる名曲 第56回 須賀田礒太郎
2021年6月18日当サイト記事
■ 知られざる名曲 番外編28 交響的幻想曲 イ短調 Op. 21「Genesis」/ AI 音楽作曲家 AIVA(エイヴァ)
これは驚くべき音楽です。ついにこんな時代が来たのです。
交響的幻想曲 イ短調 Op. 21「Genesis」! 作曲したのは AIVA?
AIVAは Artificial Intelligence Virtual Artist の頭文字の略で、すなわち人工知能(AI)による バーチャルアーティスト が作曲したのです。
画像出典 NVIDIA
https://www.nvidia.com/en-us/research/ai-art-gallery/artists/aiva/
先ずは聴いてみて下さい。
■ 交響的幻想曲 イ短調 Op. 21「Genesis」/ AI 音楽作曲家 AIVA(エイヴァ)
「AIVA」はフランスの SACEM(音楽作詞家・作曲家・出版者協会)に登録を許可されており、世界で初めて協会に登録されたバーチャル作曲家です。当然、曲の著作権はAIVAが所有します。
この曲は、実際のオーケストラによるYouTube動画もあるようですが、このAIの演奏の方が出来が良いようです。
■ 絵画のコンクールでAIが優勝
音楽の次は、絵画をご覧下さい。
この絵画は、ジェイソン・アレンさんがAIを使って制作した絵 「Courtesy Jason M. Allen」です。
出典 2022.09.08 Thu posted at 06:59 JST
クリックで拡大
人工知能(AI)を使って制作した絵画がコンクールで優勝作品に選ばれたことをきっかけに、芸術作品がコンピューターで生成できるのか、そして芸術家とは何かという論議が巻き起こっています。
(CNN Business https://www.cnn.co.jp/tech/35192929.html )
芸術分野に進出するAIの才能に驚嘆するばかりです。芸術家もうかうかしていられない時代が迫っています。
■ 知られざる名曲 番外編29 私のお父さん/プッチーニ
世にも珍しい "鳥の演奏家" が今回の主役です。
曲は、イタリアの作曲家 プッチーニの歌劇「ジャンニ・スキッキ」のアリア「私のお父さん O mio babbino caro」です。
歌劇の舞台となったフィレンツェ 画像ACワークス(株)
■ 私のお父さん/プッチーニ( Puccini 1858 - 1924)
鍵盤の光ったところを、くちばしでつつくだけのようですが、ちゃんと曲になっているので驚きです。
ちなみにキーボードはヤマハ製です。
■ 猫のピアニスト
少し古い動画ですが、何と猫のピアニストがいました。初めて見る映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=zeoT66v4EHg
後半、だんだんピアニストらしくなります。
ちなみにピアノはヤマハ製です。
■ 知られざる名曲 番外編30 Cum dederit / ヴィヴァルディ
ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi/1678-1741)の、『ニシ・ドミヌス Nisi Dominus』(RV608)は、旧約聖書「詩篇(詩編)」第127篇に基づく宗教音楽です。
その第4曲「Cum dederit」が、1975年のソビエト映画でタルコフスキー監督の「鏡」に使われました。
映画「鏡」の映像を中心にご紹介しようと考え、番外編としましたが、映像を替えて再アップいたしました。
実に美しい映像です。
■ ニシ・ドミヌス(Nisi Dominus)より「Cum dederit」/ ヴィヴァルディ
歌っているのはパリ生まれのソプラノ歌手 サンドリーヌ・ピオー(Sandrine Piau, 1965 – )さん。特にバロックオペラには定評があり、来日経験もある世界的な名歌手です。
■ 知られざる名曲 番外編31 You're In My Chair(美しく青きドナウ)/ 歌う猫たち
面白いビデオを見つけました。これは新年に相応しいパロディ動画です。
画像 ACワークス(株)
世界的なコロナパンデミックで、どの飼い主も在宅時間が増えました。
猫たちは嬉しい反面、ストレスを感じています。
主人が留守の間、いつもは猫たちが座っている椅子も、主人に占領されたままです。
18匹の猫たちが歌うヨハン・シュトラウス二世の「美しく青きドナウ」。
お楽しみ下さい。(猫が苦手な方には m(__)m)
■ You're In My Chair(美しく青きドナウ) / 歌う猫たち
■ 知られざる名曲 番外編32 ヴァイオリンソナタ 第1楽章 / エックレス
エックレスは有名ではありませんが、鈴木ヴァイオリンメソッド第8巻に出てきますので、ヴァイオリンを習っている方はご存じかも知れません。
何も説明の要らないト短調で始まる美しい曲です。
■ エックレス ヴァイオリンソナタ 第1楽章( Eccles Violin Sonata 1st mov.)
■ 知られざる名曲 番外編33 亡き王女のためのパヴァーヌ(アレンジ版)/ ラヴェル
ラヴェル作曲の有名な「亡き王女のためのパヴァーヌ Pavane pour une infante défunte, M. 19」を、ヴァイオリンとピアノ用に編曲した作品です。 (arranged by Ketan Bhatti)
「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、ラヴェルが ベラスケスの描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲したとされます。
王女マルガリータの肖像 ベラスケス(ルーブル美術館)
ノスタルジックな音楽、ほのぼのとしたアニメーションに胸が熱くなります。
■ 亡き王女のためのパヴァーヌ(アレンジ版)/ ラヴェル
ヴァイオリンは、フランスの女性ヴァイオリニスト エスター・アブラミ(Esther Abrami 1996- )さん。
英国のクラシック専門のラジオ局「クラシックFM」で作曲家ジュリアン・ロイド・ウェバーが選定した「30歳未満の30人のクラシックアーティスト」の1人に選ばれ、同世代の最も有望な若いクラシック音楽アーティストの1人として認められています。(タワーレコード記事)
ピアノは、パレスチナの男性ピアニスト イヤード・スギャエル(Iyad Sughayer 1993- )さん。
5 歳でピアノを弾き始め、ヨルダンのアンマンにある国立音楽院で学びました。アンマン交響楽団のピアノ作曲家兼指揮者。現在欧米で活躍する俊英ピアニストです。
■ 知られざる名曲 番外編34 タンゴ / エフゲニー・ドガ
ロシアによる侵攻が続くウクライナの隣国、モルドバの作曲家 エフゲニー・ドガ(Eugen Doga、1937- )の軽快な名曲「タンゴ」です。
画像 ACワークス(株)
演奏は、モルドバの首都にある キシナウ音楽院のヴァイオリン合奏団です。
■ タンゴ / エフゲニー・ドガ
どこかの国にも同じようなヴァイオリンのユニット(結成2006年)がありますね。
■ 知られざる名曲 番外編35 平和のための祈り / 山本直忠
今年も8月15日「終戦記念日」が近づいてきました。
今回は、日本の作曲家 山本直忠(1904 - 1965)による「平和のための祈り」を聴いて、戦没者を追悼し平和を祈念したいと思います。
画像 ACワークス(株)
山本直忠は、実業家の父と小説家の母のもとに生まれる。幼時から幸田延にピアノを師事。暁星中学在学中から近衛秀麿に師事し、近衛の外遊中は短期間ながら山田耕筰にも師事。
成長して、東京高等音楽専門学校(現・国立音楽大学)の教師となる。このとき学生の大橋浪江(のちピアニストとなる)と知り合い、後に結婚。浪江との間に生まれた長男が山本直純である。
高崎市民オーケストラ(群馬交響楽団)の初代常任指揮者を務め、映画化もされた(今井正監督「ここに泉あり」)。
1950年に受洗してカトリック教徒となり、洗礼名フランシスコを授かった。晩年は南山大学教授を務める傍ら、宗教音楽の創作をライフワークとし、グレゴリアン・チャント音楽学会理事長として宗教音楽を研究。
南山大学での教え子の饗庭孝男は、山本を「音楽上の覚醒者」と呼んでいる(饗庭孝男『恩寵の音楽』音楽之友社、1984年)。
(コトバンク、Wikipedia参照)
■ 平和のための祈り / 山本直忠
■ ご参考
フランシスコの平和の祈り
主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。
憎しみのある所に 愛を
争いのある所に 許しを
分裂のある所に 調和を
誤りのある所に 真実を
疑いのある所に 信頼を
絶望のある所に 希望を
闇のある所に あなたの光を置かせてください
悲しみのある所に 喜びを置かせてください
主よ 慰められるよりも慰め
理解されるより理解し
愛されるよりも愛することを求めさせてください
なぜならば
与えることで人は受け取り
忘れられることで人は見出し
許すことで人は許され
死ぬことで人は永遠の命に復活するからです
■ ご参考2
テノール 新垣勉の日本語の歌唱 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=J_lw6-_JkAc
■ 知られざる名曲 番外編36 2つの心の出会い / パベル・ルジツキー
この曲はクラシックではありません。
しかし、ピアノの旋律が心に残る音楽です。今回は番外編としてスポットを当てました。
タイトルは「2つの心の出会い」。
音楽と映像が完全にマッチして、素晴らしい作品に仕上がりました。
たまには、こんな音楽も良いと思います。
クラシックだけが音楽ではありません(笑)。
画像 ACワークス(株)
作曲の パベル・ルジツキー(Pavel Ruzhitsky1972- )は、サンクトペテルブルク市に生まれました。
彼は10歳で音楽に興味を持ち、両親はそんなルジッキーを見て、本格的に音楽を学ばせました。
作曲家としてのジャンルは広く、映画音楽、ヒーリングミュージック、シャンソン、ロシアの民俗音楽など多彩です。
彼は心に響く音楽を書き続け、それは魂を癒し、リスナーに良い気分をもたらします。
では、再生回数 2.743万回の「2つの心の出会い」をお聴き下さい。
■ 2つの心の出会い / パベル・ルジツキー
■ 知られざる名曲 番外編37 ラ・サンタ・エスピナ(La Santa Espina)/ エンリック・モレラ
エンリック・モレラ(Enric Morera 1865 - 1942)は、スペイン カタルーニャ地方出身の作曲家です。
ラ・サンタ・エスピナ = 邦訳 聖なる棘 (とげ) とは、カタルーニャ地方に伝わる古代ギリシャを起源とする 伝統舞踊 ‶サルダナ” を代表する楽曲です。
スペインにはフラメンコ以外にも ‶サルダナ” と言う伝統的な踊りがあるのです。
画像 ACワークス(株)
日本では無名の エンリック・モレラですが、モダニズムの最も代表的な作曲家の一人であり、音楽史において最も重要な人物の一人でした。
彼は生涯に、オペラ、演劇作品、交響曲、協奏曲、合唱作品、サルダナなど、約 800 の作品を作曲しました。
しかしその多くは未だ出版されていません。ある意味忘れ去られた悲運の作曲家かも知れません。
■ ラ・サンタ・エスピナ(La Santa Espina)/ エンリック・モレラ
愛国的な賛歌です。聴衆の熱い思いが伝わります。
手拍子が、日本のそれと大きく違い、音楽的であるのが特長です。
■ 知られざる名曲 番外編38 般若心経(心の経典) / Tinna Tinh
般若心経と音楽との融合と言えるのでしょうか。
今までにない不思議な感覚を覚えますが、聴いているうちに自然な音楽の流れを感じます。
もともと般若心経には、木魚はもちろん、拍子木や太鼓によってリズミカルに唱える宗派(寺院)もあります。
音楽的要素を持った読経なのかも知れません。
それでも流石に、ピアノやヴァイオリン、ドラムスまでフューチャーされた般若心経は初めてです。
画像 ACワークス(株)
■ 般若心経(心の経典) / Tinna Tinh
この マントラミュージック とでも言うべき音楽を作ったのは、チェコ生まれの Tinna Tinh(1982- )さん。
女優、モデル、脚本家、映画監督など活躍していましたが、現在は ベトナムに渡り真言密教系の修行中との事です(ホーチミン在住)。
■ 知られざる名曲 番外編39 エチュード Op.25,No.7 / ショパン(グラズノフ編)
ショパン(Chopin 1810-1849)は、生涯に258曲作曲したとされます。
尚この曲は、短命だったショパン24歳の作品です。
ショパンはピアノの詩人と言われましたが、もちろん ピアノ曲は大人気で、幻想即興曲、別れの曲、ノクターン2番、革命エチュード、英雄ポロネーズ、子犬のワルツなどは、知らない人はいないと思います。
今回の エチュード(練習曲 嬰ハ短調) Op.25,No.7 は、ショパンの人気ランキングの ベスト50には入りません(※)が、その深い味わいは聴く人の心をとらえて離しません。
※ランキングは調査機関によって違います
この曲は、二つの旋律がオペラの二重唱のように寄り添う構成から、「恋の二重唱」と呼ばれることがあります。
また、練習曲ですが、特に左手の完璧な音とフレージングに焦点を当てていることから 左手で演奏されるメロディーラインのため、海外では、音域的に『チェロ(Cello)』の愛称で呼ばれることがあります。
画像 ACワークス(株)
ロシア帝国末期からソビエト連邦建国期の作曲家 グラズノフ(Glazunov 1865 - 1936) は、この作品を、チェロとピアノ演奏用に編曲しました。
その秀逸なアレンジによって 今では世界中のチェロ奏者によって演奏されています。
■ エチュード Op.25,No.7 / ショパン(グラズノフ編)
チェロは、アルゼンチンのソル・ガベッタさん。ピアノは、ロシアの ポリーナ・レスチェンコさん。二人は1981年生まれ(同い年)です。
この曲を聴いて 好きになった方は、原曲のピアノソロを聴いてみて下さい。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=OpBdHWGoyug
■ 知られざる名曲 番外編40 鳥の歌 / パブロ・カザルス(カタロニア民謡)
「カタルーニャの鳥たちは、青い空に飛びあがると Peace (ピース)、Peace (ピース) といって鳴くのです。」
昨日(8月15日)は 終戦記念日でした。久しぶりにこの曲のCDを聴きました。
画像 ACワークス(株)
今、世界は混迷を極めています。
山火事などの自然災害、ウクライナの戦争、コロナ後遺症・・・
この曲を聴いて、世界平和を祈りたいと思います。
■ 鳥の歌 / パブロ・カザルス(カタロニア民謡)
知られざる名曲ではありませんが、今回は敢えて選曲いたしました。
■ 知られざる名曲 番外編41 前奏曲(プレリュード)ホ短調 Op28-4 / ショパン
ピアノの詩人 ショパン(1810-1849)は、ピアノの次にチェロが好きでした。
その理由は、彼の親友でチェリストであったオーギュスト・フランショーム(1808-1884)の存在が大きかったと言われています。
フランショームは、ショパンと10数年来の親交があり、その間ショパンの日常の雑務を手伝うなど、ショパンを支え続けてきた人物でした。
ショパンは、フランショームに感謝を込めて「チェロとピアノのためのソナタ ト短調 作品65」を献呈しましたが、この作品は1848年にショパン自身のピアノとフランショームのチェロにより初演されています。そしてこの演奏は、パリにおけるショパンの生涯最後の公開演奏となりました。
(Wikipedia参照)
さて、ショパンとフランショームの関係はこれ位にして‥‥
画像 ACワークス(株)
今回の知られざる名曲は、ショパンのピアノ曲「前奏曲ホ短調Op28-4」を、フランショームがチェロ用に編曲したものをお聴き下さい。
本来のピアノ曲でなく編曲版ですので、番外編とさせて頂きました。
以前当シリーズで、同じショパンの「練習曲 Op.25,No.7(グラズノフ編)」をご紹介しておりますの(ココ )で、ご参考にお聴き下さい。
■ 前奏曲(プレリュード)ホ短調 Op28-4 / ショパン
フランス系ベルギー人のチェリスト、カミーユ・トマ(Camille Thomas 1988- )は、フランショームの伝説的なチェロ、ストラディバリウス・フォイアマンを演奏しています。
■ 知られざる名曲 番外編42 ムーンライト・ラプソディ/ T.コンスタンチン
誰もがご存じの、ベートーヴェンの「月光ソナタ(1801年作曲)」が、200年の時を超えて生まれ変わりました!
確かに原曲は、あのベートーヴェン作曲のピアノソナタ第14番「月光」の第1楽章ですが、女性作曲家の タマラ・コンスタンチンは、チェロの新しい旋律を加えることで、お洒落でセンスの良い「新たな名曲」を誕生させたのです。
画像 ACワークス(株)
ジョージア(グルジア)で生まれ、幼いころからピアノを学んでいたというタマラ・コンスタンチン。
国立トビリシ音楽院を卒業するも、結局は音楽の道に進むことはなく、石油会社の幹部として忙しい日々を送っていました。
ある時、カナダで聴いた 現代曲(前衛音楽)があまりに酷い曲だったことから、コンスタンチンは現代音楽に失望します。
彼女は夫に冗談で「私ならもっと上手く曲が作れるのに!」と言いました、夫は「なら、やってみたまえ」と答えたと言います。人生で一小節も曲を書いたことはなかった彼女は作曲に挑戦することになりました。
これが彼女の作曲家人生のスタートです。
「現代の作曲家の中には、メロディーよりも構造の複雑さを重視する人もいます。もちろんそれは問題ありませんが、私には当てはまりません。私はメロディーが大好きなので、それを書かなければなりません。」コンスタンチン
■ ムーンライト・ラプソディ/ T.コンスタンチン
「自分の音楽を通じて、個人的な表現を共有し、他の人々に喜びをもたらすことは、私にとっての喜びでもあり、素晴らしいインスピレーションの源となります。」コンスタンチン
■ 知られざる名曲 番外編43 ボエーム / シャルル・アズナブール
■ 噴出する音楽
この曲は シャンソンです。
クラシック音楽ではありませんが、クラシック界では21世紀を代表するチェリスト ゴーティエ・カピュソン(Gautier Capuçon, 1981- )と、ピアニスト ジェローム・デュクロ (Jérôme Ducros, 1974- ) の、まさに「燃焼する音楽」、「噴出する音楽」を聴いていただきたくて、番外編として取り上げました。
画像 ACワークス(株)
この曲を作曲した シャルル・アズナブールは、フランスが誇るシャンソン界のスーパースター。日本でも良く知られています。
貧しいながらも夢と愛に満ちていた画学生の青春時代。その失われた青春の日々に想いを馳せるメロディーがドラマチックです。
(現代ギターサイトより)
■ ボエーム / シャルル・アズナブール (ジェローム・デュクロ 編)
■ 知られざる名曲 番外編44 踊り(Danza)/ ロッシーニ
持ち運びが容易な携帯用ピアノを弾いて、ロッシーニ(Rossini 1792-1868)のパターソング(早口で歌うこっけいな歌)を歌うのは、ドイツ出身のスロバキア人ソプラノ歌手 パトリツィア・ヤネチコヴァ(Patricia Janečková、1998-2023 )さんです。歌っている場所はキッチンのようです。
以前よりこの歌手に注目していて、このシリーズで動画をアップさせていただくつもりでしたが、 ヤネチコヴァさんは 残念ながら今月10月1日に亡くなりました。世界中のファンからお別れのメッセージが届いています。
まだ25歳の若さでした。今回は追悼の意味で、ヤネチコヴァさんにスポットを当てることにしましたが、敢えて番外編と致しました。
画像 ACワークス(株)
■ 訃報
報道によると、ヤネチコヴァさんは、2022年 自身のインスタグラムにおいて、乳がんを患っていることを明かし活動を休止していました。
その後、俳優のヴラスティミラ・ブルドゥ氏と結婚。演奏活動も少しずつ再開していましたが・・・ 本当に残念です。
自身のYoutubeチャンネルでは結婚式の写真が亡くなる前日にアップされ、祝福のコメントが多数寄せられた直後の訃報となりました。
■ 踊り(Danza)/ ロッシーニ
■ 歌詞の一部(Wikipediaより)
今、月は海の向こうにあります。
マンマ・ミーア、私たちは跳躍するよ!
踊るには美しい時間だ、
恋をしている人なら誰でも見逃せないだろう。
今、月は海の向こうにあります。
マンマ・ミーア、私たちは跳躍するよ!
すぐに私たちは踊ります、ぐるぐる、
お嬢さんたち、こちらに来てください、
美しくて遊び心のある若者が
皆と出番を持ちます。
天国で星が輝く限り、
そして月の光が輝くでしょう
最も美しい少年と少女は
一晩中踊ります。
天使の声 パトリツィア・ヤネチコヴァさんの お勧めの YouTube動画
Mozart Laudate Dominum,KV339
■ 知られざる名曲 番外編45 弦楽四重奏曲第1番第3楽章 / コダーイ
番外編が続きますがご了承下さい。
さて、クラシックのジャンルで、一番聴く機会が少ないのが室内楽ではないでしょうか。
例えば「ベートーヴェンの弦楽四重奏」などど聞くと、名前だけで聴く気がしない方も多いと思います。同じベートーヴェンの交響曲や協奏曲は、コンサートで良く演奏されますから、ファンの方も多いでしょう。
しかし、どうしても弦楽四重奏などの室内楽は地味で難しいといったイメージがあります。
ましてや今回の作曲者は、ハンガリーの作曲家で民族音楽学者の コダーイ・ゾルターン(Kodály Zoltán, 1882 - 1967)です。
コダーイの弦楽四重奏は、さすがに聴いたことのある人は少ないと思います。
画像 ACワークス(株)
最近のデジタル技術の進歩で、音楽をグラフィック映像(モーショングラフィックス )で観ることが可能になりました。
今回は、ピアノの音(粒)がキーボードの上にドロップする縦軸の動画を、横軸に動かすグラフィックス技術です。これをグラフィックスコアというそうです。
これは、音楽の構造を知る上でとても分かり易く視覚的にも楽しめます。難しく取っ付きにくい室内楽のイメージを変えてくれました。
■ 弦楽四重奏曲第1番第3楽章 / コダーイ
視覚的に見ると、メロディラインが各パートに受け継がれていく様子が良く分かります。
横軸で見ると、アレクサンダー弦楽四重奏団による演奏は、4人の息が驚くほどピッタリと合っています。
そして最大の発見は、コダーイの音楽が美しく表情豊かに響いていることです。
滅多に聴けない コダーイの弦楽四重奏曲第1番の第3楽章を聴きました。
これであなたも、クラシック通の仲間入りです。
■ 知られざる名曲 番外編46 ふるさとの山に向ひて (混声四部合唱)/新井 満
合唱曲には名曲が多くあります。合唱ファンの一人として、今回は日本の合唱曲「ふるさとの山に向ひて」を選びました。
石川啄木の有名な詩に、作曲家の 新井 満(あらい まん、1946 - 2021年)が曲をつけました。
画像 ACワークス(株)
ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな
石川啄木 第一歌集『一握の砂』より
わずか26歳で生涯を閉じた詩人(歌人) 石川啄木の愛した ふるさとの山は、岩手県の最高峰「岩手山」であると言われています。
啄木は、北上川から望む「岩手山」の美しい景観を見たのでしょうか。
この曲を聴くと、心が洗われるような感動に包まれます。
■ ふるさとの山に向ひて (混声四部合唱)/新井 満
作曲の 新井 満氏は、大ヒット曲「千の風になって」の翻訳と作曲で知られる芥川賞作家です。
上智大学グリークラブ(男声合唱団)出身ですが、重病を患い生死の境目を彷徨ったため入院退部。
何とか治癒して生きる喜びを強く実感します。
それ以降、美しいものを発見して伝えることをライフワークとして生きていきたいと誓いました。
(Wikipediaより)
■ ご参考
↓ 国立台湾大学合唱団が日本語で歌った「千の風になって」
素晴らしいの一言です!
https://www.youtube.com/watch?v=WRK9lc_afY0