知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ 7(更新中)
第301回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
作曲家 ドラ・ペヤチェヴィッチ(Dora Pejačević, 1885 - 1923)の名前はあまり知られていません。
彼女は、クロアチア東部のナシツェという町にある貴族の家系に生まれ、お城(ペヤチェヴィッチ城)で少女時代を過ごしたと言います。なるほど、この「ピアノ三重奏曲ハ長調 作品29」も、どこか気品に満ちています。
36歳で結婚するものの幸せは長く続かず、結婚して1年半後の1923年、男の子を出産した直後に、腎不全により37歳で亡くなりました。
画像 ペヤチェヴィッチ城
写真: マルコ・バニッチ、出典: オシエク・バラニャ県観光局
Wikipediaによると、後期ロマン主義音楽の様式で58曲を後世に遺し、その大半がピアノ曲や室内オーケストラのための作品で、そのほとんどが出版も録音もされずに自筆譜のまま遺されていると言います。
■ ピアノ三重奏曲 ハ長調 作品29 / ペヤチェヴィッチ(Dora Pejačević)
第1楽章冒頭の上品な美しい音楽は特筆に値します。全曲は35分ありますから、BGMとしてお聴きください。