知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ 7(更新中)
第301回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
作曲家 ドラ・ペヤチェヴィッチ(Dora Pejačević, 1885 - 1923)の名前はあまり知られていません。
彼女は、クロアチア東部のナシツェという町にある貴族の家系に生まれ、お城(ペヤチェヴィッチ城)で少女時代を過ごしたと言います。なるほど、この「ピアノ三重奏曲ハ長調 作品29」も、どこか気品に満ちています。
36歳で結婚するものの幸せは長く続かず、結婚して1年半後の1923年、男の子を出産した直後に、腎不全により37歳で亡くなりました。
画像 ペヤチェヴィッチ城
写真: マルコ・バニッチ、出典: オシエク・バラニャ県観光局
Wikipediaによると、後期ロマン主義音楽の様式で58曲を後世に遺し、その大半がピアノ曲や室内オーケストラのための作品で、そのほとんどが出版も録音もされずに自筆譜のまま遺されていると言います。
■ ピアノ三重奏曲 ハ長調 作品29 / ペヤチェヴィッチ(Dora Pejačević)
第1楽章冒頭の上品な美しい音楽は特筆に値します。全曲は35分ありますから、BGMとしてお聴きください。
第302回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
ご存じの シューベルトの三大歌曲の一つ、「美しき水車小屋の娘」は、シューベルトが 詩人ヴィルヘルム・ミュラー(Johann Ludwig Wilhelm Müller、独、1794- 1827)の詩に曲を付けた 全20曲からなる歌曲集です。
その中から、リストがピアノ独奏用に編曲した「第19曲 粉屋と小川(Der Müller und der Bach)」を聴いてみたいと思います。
今回は、知られざる名曲というより、知られざる名演奏かも知れません。
※なお、粉屋とは、水車の動力によって、収穫した麦を挽き、粉状にしてパンの材料を作る職人のことです。
画像 ACワークス
W・ミュラー詩
實吉晴夫邦詩
第19曲
「若者と小川」
(Der Müller und der Bach)
この訳詞では、粉屋を若者とする
若者
まことの恋が 破れるとき
百合の花も枯れて 地に落ちる
月は雲間に 隠れてゆく
私の涙を 見せないように
天使もその眼を 閉じたまま
すすり泣きながら 眠りへ誘う
小川
苦しい恋が 過ぎ去れば
夜空に 光る 新しい星
バラの花も 薄桃色に咲く
二度と 枯れない 茨の中の花
天使も翼を 折りたたんで
毎朝 ここに 降りてくる
若者
小川よ 小川よ 心の友
君には分かるね 恋の苦しさ
水に沈めば 憩いがある
小川よ 小川よ 歌い続けてよ
心の小川よ 歌い続けてよ
出典:国際フランツ・シューベルト協会
■ 粉屋と小川(Der Müller und der Bach)/ シューベルト(リスト編)
ピアニストは、ヴァレンティーナ・リシッツァ (Valentina Lisitsa · 1973ー) ウクライナ出身です。
Wikipediaによると、「彼女はウクライナ出身ではあるが、親ロシア・親プーチンの立場をとり、演奏会や録音をキャンセルされるようになった。
2015年4月にはトロント交響楽団の演奏会でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏する予定だったが、楽団側から出演をキャンセルされた。
また2022年6月にはブダペストでグリーグのピアノ協奏曲をハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団と演奏する予定となっていたが、5月にキャンセルされた。2023年4月に予定されていたヴェネツィア・フェニーチェ劇場での演奏会も2022年12月に中止が決まった。
かつてはアメリカを拠点に世界中で演奏活動を行っていたが、2023年1月時点のインタビューでは、夫と別居してモスクワに住み、ロシア国内で演奏活動をしていると語っている。」
不幸なことに、政治的な圧力により、音楽界も不当な影響を受けています。彼女の祈りに満ちた演奏は世界にとってかけがえのないものです。
第303回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
グラズノフ(Aleksandr Konstantinovich Glazunov, 1865 - 1936)は、ロシア帝国末期の作曲家です。当知られざるシリーズは二度目の登場になります。
彼の名前を聞くと、《ライモンダ》や《四季》などのバレエ音楽を思い出す方も多いと思いますが、8つの交響曲と多数の管弦楽曲、5つの協奏曲、歌曲など多彩な才能の持ち主でした。
愁いを含んだこの曲は、ロシア・ロマン主義の作風で味わい深く鑑賞できます。彼は後に「ロシアのブラームス」とも言われましたが、まさに渋さがにじみ出た美しい小品です。
■ 「エレジー」 ト短調 Op.44 / グラズノフ(Glazunov)
演奏は、ギラッド・カルニ(ヴィオラ)と アンナ・カイザーマン(ピアノ)。
「k2k」 と言うデュオ名は、ヴィオラの karni(カルニ)さんと、ピアノの keiserman(カイザーマン)さんのアルファベットから取ったと思われます。
第304回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
今回はポーランド、ワルシャワ出身の20世紀の作曲家 ミェチスワフ・ヴァインベルク( Mieczysław Wajnberg、1919-1996 )にスポットを当てます。
日本での知名度は全くありませんが、作曲家として多くの作品を遺しました。
主な作品には、22曲の交響曲、管弦楽曲、17の弦楽四重奏曲、8つのヴァイオリンソナタ、チェロの為の24の前奏曲、6つのチェロソナタ、6つのピアノソナタ、他の器楽曲、そして7つのオペラ、多くの映画音楽があります。
画像 ワルシャワ ACワークス
第二次世界大戦(ナチスのポーランド侵攻)の影響で数奇な運命をたどった人物でしたが、詳細な足跡はWikipediaに載っていますので、ここでは触れません。
ただ晩年は、クローン病を発症し、長い闘病生活の末、1996年2月26日に亡くなりました(享年76歳)。
■ アリア Op 9 ( Aria, Op. 9 ) / ヴァインベルク ( Weinberg )
リトアニア出身の指揮者 ミルガ・グラジニーテ=ティーラは、ヴァインベルクの交響曲第2番と第21番に捧げたアルバムでドイツ・グラモフォンからのレコーディング・キャリアをスタートさせました。数々の賞を受賞し、グラモフォン誌の年間最優秀録音賞や、オーパス・クラシック年間最優秀指揮者賞も受賞しました。
このアルバムは、忘れ去られた作曲家ヴァインベルクの生誕100周年を記念してリリースされました。彼女はヴァインベルク:交響曲第3番、第7番などの作品を通して、ワルシャワ生まれの作曲家の音楽への認知を広めるという使命をもっています。(YouTube動画の説明より)
この作品は彼の人生を投影して純粋で調和が取れている美的感覚を有するものの、映像で見ると指揮者の内的エネルギーが放出されて、祈りにも似た高揚感を味わうことが出来ます。
オーケストラ演奏は、度々来日しているフランス放送フィルハーモニー管弦楽団。
第305回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
イラン系アメリカ人の作曲家、ヴァイオリニスト、ピアニスト、そして指揮者の シャーダッド・ロハニ(Shahrdad Rohani 1954- )の "Mother" (お母さん)を聴いてみましょう。
名前は初めて聞く作曲家でしたが、ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団など、世界トップクラスのオーケストラを指揮しています。
ウィーン音楽アカデミーで学び、その間数々の栄誉ある賞を受賞しています。 2016年から2020年にかけて、ロハニはテヘラン交響楽団の首席指揮者兼芸術監督を務め、同楽団の国際舞台における芸術的存在感を高めました。
2024年には、ロサンゼルスにルーダキー・オーケストラを設立し、自身の指揮の下、全米各地でクラシック音楽の演奏活動を行っています。 チャイコフスキーのバレエ作品を含むロハニの録音は、高い評価を得ています。現在はロサンゼルスを拠点に活動しているとの事です。
画像 ACワークス
YouTube動画に張り付けられた説明には下記のように書かれています。
シャーダッド・ロハニによるクラシックの傑作「マザー」の、心に響く美しさに浸りましょう! 才能あふれるシャーダッド・ロハニによる、深く心を揺さぶるクラシック音楽「マザー」で、心の奥底にある記憶を巡る感動の旅へお連れしましょう。幼少期の温かさ、郷愁を呼び覚まし、優しく穏やかなメロディーで心を揺さぶる作品です。
■ "Mother"(お母さん)/ シャーダッド・ロハニ
指揮とピアノ演奏は、作曲家の シャーダッド・ロハニさんです。
第306回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
フランスの大作曲家ベルリオーズの「知られざる名曲シリーズ」初登場です。
この作品は、ルイ・エクトル・ベルリオーズ(Louis Hector Berlioz、1803 - 1869)が、ヴァイオリンと管弦楽のための楽曲として作りました。副題は「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」。クロイツァーの弟子であるヴァイオリニストのアレクサンドル=ジョセフ・アルトーに捧げられています。
ベルリオーズの協奏的作品は『イタリアのハロルド』と、この作品の2曲のみで、Wikipediaによると、演奏されることは稀で、滅多に聴くことはできない作品との事です。題名通りに夢のあふれる非常にロマンティックな名曲です。
画像 ACワークス
尚カプリッチョとは奇想曲と訳され、イタリア語で「気まぐれ」を意味します。カプリッチョと呼ばれる音楽に特定の音楽技法や形式があるわけではなく、むしろ形式に縛られない例外的で気まぐれな性格を表しています。
■ 夢とカプリッチョ(Rêverie et Caprice)/ ベルリオーズ(Berlioz)
ヴァイオリンの マリア・ドゥエニャス・フェルナンデス(María Dueñas)はスペインのヴァイオリニスト兼作曲家です。
2021年、彼女はユーディ・メニューイン・コンクールのシニア部門で優勝しました。彼女はスペインのヴァイオリニストとして国際的に最も知名度が高く、同世代で将来有望な音楽家の一人であると考えられています。(Wikipediaより)
「このような魂のこもった表現力豊かな演奏は、19歳ではできないはずだが、彼女は、はるかに長い経験歴のある音楽家のような感情の深みを表した。」- タイムズ紙 (2022年)
マリア・ドゥエニャスはドイツ音楽財団から貸与された17?4年製ニコロ・ガリアーノと日本音楽財団から貸与された1710年製ストラディヴァリウス「カンポセリーチェ」を使用しています。 (ユニバーサルミュージックジャパンサイトより)
第307回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
今回はゲーム音楽からクラシック的な名曲を選んでみました。
Final Fantasy XV(ファイナルファンタジーXV)より「月華の円舞曲」です。
日本の作曲家 下村陽子(1967ー )は、大阪音楽大学短期大学部音楽科器楽専攻卒業。
4歳の頃にピアノを始める。小学6年生の時に本人いわく「スイッチが入って」練習に熱を入れるようになり、中学からは音楽漬けの生活を送る。高校の時には指揮を習い、ブラスバンドではフルートを担当した。大阪音楽大学短期大学部でピアノを専攻。また、副専攻で作曲を学んだ。
卒業後、カプコンに入社。『ストリートファイターII』など数々の音楽を手がける。その後スクウェアに転職。念願のファンタジーRPGである『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』をはじめ数々の音楽を手がける。
2002年末にスクウェアを退社し、フリーとして活動を行い現在に至る。(Wikipedia参照)
■ 月華の円舞曲 / 下村陽子
ヴァイオリンは、フランス出身の Esther Abrami (エスター・アブラミ 1996 - )。
イレーネ・デルガド=ヒメネス指揮、ウィーン放送交響楽団の演奏です。
第308回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
この作品は、クロアチアの作曲家 Dalibor Grubačević(ダリボル・グルバチェヴィッチ)が作曲した 映画「世界の果ての橋(2014年)」のオリジナル音楽にインスピレーションを得たザグレブ・ソロイスツ合奏団 による「音楽のライブパフォーマンス」です。
ダリボル・グルバチェヴィッチ(クロアチア生まれ、1975 - )は、映画音楽の分野での作品で知られていますが、幼い頃から並外れた音楽の才能を示し、6歳でギターとピアノを習い始めました。
そして、クラシック音楽の形式やクラシック音楽の作曲家の作品を学ぶことで、音楽教育と音楽的発見の旅を続けるのです。1993年、ザグレブ大の法学部で社会福祉学を学び始めましたが、2年後、音楽に完全に専念するために学業を中断します。
クロアチアの著名な監督たちとコラボレーションし、彼らの映画のために音楽を作曲してきました。映画音楽の作曲において、グルバチェヴィッチは様々な音楽ジャンルとクラシックオーケストラを見事に融合させています。(Wikipediaより一部和訳)
『世界の果ての橋』は、ブランコ・イシュトヴァンチッチ監督による映画で、ヨシップ・ムラキッチの小説『橋の番人』を原作としてています。
この映画は、小説と同様に、クロアチア戦争中の人々の不幸な運命を描いています。セルビア人亡命者が故郷(ボスニアから逃れてきたクロアチア人が住むようになった)に戻る中、老人が失踪し、セルビア人の家に住み着いた警察官の捜査は、時とともにますます個人的な問題になっていくのです。
■ 時代は変わったが、私たちは変わらない/ ダリボル・グルバチェヴィッチ
今なお続く「ウクライナ・ロシア戦争」、そしてガザ地区の惨状が痛ましい「パレスチナ・イスラエル戦争」など、この世界は戦争が絶えません。
国連も無力、世界の指導者も、ローマ法王も戦争を止めることは出来ません。この曲を聴くと、そんな悲しい現実に心が痛みます。
第309回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
オーストリア出身の作曲家 コルンゴルト(Erich Wolfgang Korngold, 1897 - 1957) の2度目の登場です。
この作品は、喜歌劇『沈黙のセレナード』の美しい1曲 “あなたなしで~嗚呼あなたは~" を、ヴァイオリンとピアノ用に編曲したものです。(原曲は声楽と管弦楽)
屋根の上の蒼ざめた
雲の間から月が覗いてる
ひとりの学生が向こうの路地で
歌っている恋人の家の前
泉は再びざわめく
静かな孤独の間でそして
山の森の間を
昔の美しい時のように(歌詞一部 2017.09.05 藤井宏行氏訳 )
■ 沈黙のセレナーデより " あなたなしで " / コルンゴルト
演奏は、韓国のヴァイオリニスト キム・ボムソリ(Bomsori Kim)です。
■ 知られざる名曲 コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 コルンゴルトの説明あり
https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2022/07/post-ee9a11.html
第310回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
「シンフォニーナ」はクラシック音楽の新しいジャンルです。
一番の特長は、演奏時間が短いことです。通常、シンフォニー(交響曲)は4楽章あり、およそ30分から長いもので60分を超えます。
この新ジャンル「シンフォニーナ」は、全曲(3~4楽章)で約10分です。
短いのでとても聴き易く、ある意味でクラシック音楽のポップミュージック化といっても良いでしょう。
小規模でも完成度は高く、特に若いクラシックファンに聴いて欲しい音楽(交響曲)です。
今までクラシック音楽に興味を持たなかった人にも聴いて欲しい音楽です。
クリストファー・リード(1990年生まれ)は、職業的にもプライベートでも「裸足の作曲家」として知られ、ワシントン州シアトルを拠点とする受賞歴のある作曲家、編曲家、オーケストラ奏者です。様々な音楽スタイルにルーツを持つクリスは、あらゆる気分や感情、そして映画、舞台、ライブイベントなど、あらゆる状況に合わせて音楽を巧みにアレンジする優れた才能を持っています。
クリスは幼い頃から音楽が好きで(ジョン・バリーの「Somewhere in Time」のサウンドトラックや「オペラ座の怪人」のオリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディングは、クリスが成長期によく聴いていたアルバムの一部でした)クリストファー・リード公式サイトより
■ シンフォニーナ第2番 / クリストファー・リード(Symphonina No. 2 by Christopher Reed)
小規模で完成度の高いメロディック・シンフォニーです。この新しいジャンルによって、地球上の誰もが、老若男女を問わず、いつでもシンフォニー音楽を楽しむことができます。
デビッド・フォーゲル、CEO兼共同創設者 - シンフォニナ財団
演奏 管弦楽:ブダペスト・スコアリング・オーケストラ 指揮:ペーテル・イレーニ
第311回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
インドネシアの作曲家でピアニストのユーニケ・タンジル(Eunike Tanzil 1998 - )にスポットを当てることにしました。
彼女は北スマトラ州メダンで生まれ育ち、5歳からピアノとエレクトーンを習い始めました。2014年、ヤマハエレクトーンコンクール アジアパシフィックでインドネシア代表となりました。
17歳になると、タンジルはバークリー音楽大学から全額奨学金を得て渡米し、映画音楽と作曲を専攻し、2021年に首席で卒業しました。その後、ジュリアード音楽院で作曲の音楽修士号を取得しました。現在はカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点として活動中です。(一部Wikipedia)
その叙情的な旋律線と感情豊かな和声進行を特徴とする音楽は多くのファンに愛されています。
クラシック、ジャズ、ワールドミュージックなど、様々なジャンルを網羅する音楽的才能を持ち、彼女の作品は聴衆の心に深く響く物語を紡ぎ出します。
ドイツ・グラモフォンとの独占契約に基づき、ユーニケは今年後半にベルリン・ドイツ交響楽団とのライブ録音によるデビューアルバムをリリースする予定です。
ユーニケの作品は、ボストン交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、インディアナポリス交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、デトロイト交響楽団、ルイビル管弦楽団、ジャカルタ・シンフォニア管弦楽団、ロイヤル・バンコク交響楽団、ナッシュビル交響楽団、ケネディ・センター・ナショナル交響楽団など、著名なオーケストラによって演奏されてきました。
2025年には、彼女の最新オーケストラ作品「Ode to the City of Dreams」が、ロサンゼルス・フィルハーモニックによって名門ハリウッド・ボウルで初演される予定です。(詳しくはユーニケ・タンジル公式サイト)
■ ピンクの桜 / ユーニケ・タンジル(Eunike Tanzil - Pink Sakura)
クラシック音楽に、イージーリスニングの要素を取り込んだ傑作です。
ワルツに乗って流れる旋律美。気分は最高です。
第312回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
今回の知られざる名曲は、フランスの作曲家でピアニストの リタ・シュトロール(Rita Strohl 生地ロリアン1865 - 1941 )の 「ソリチュード (Solitude =孤独)」を選びました。
リタ・ストロールは才能豊かな学生で、13歳で名門パリ音楽院に入学し、ピアノとソルフェージュを学びました。作曲と声楽は個人指導で学び、また、音楽編集者協会の会員でもありました。
彼女は数多くの声楽曲、交響曲、室内楽作品を作曲しています。サン=サーンス、ダンディ、フォーレからも支持を受けていました。ジャンヌ・バトーリは彼女の『Chansons de Bilitis』を歌い、パブロ・カザルスは彼女の作品を演奏しました。近年、彼女の音楽は新たな注目を集めています 。(一部Wikipediaより)
ロリアン(仏) 画像出典 By The original uploader was Jackmame at French Wikipedia. - Transferred from fr.wikipedia to Commons., CC BY-SA 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2077012
以下は、AI による概要です。(ご参考)
リタ・シュトロールは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの作曲家、ピアニスト、音楽評論家です。彼女は、ワーグナーの影響を受けながらも、独自の音楽スタイルを確立しました。
室内楽曲から壮大な叙情詩、交響曲まで幅広いジャンルの作品を手がけ、特に詩的な要素を音楽に取り入れることに長けていました。彼女の作品は、象徴主義的な雰囲気を持つことで知られています。
■ 象徴主義(この文もAI による概要です)
象徴主義(しょうちょうしゅぎ、Symbolisme)とは、19世紀後半にフランスを中心にヨーロッパで起こった芸術運動で、目に見えない感情や観念を、神話や象徴的なイメージを用いて表現しようとしたものです。現実をありのままに描写するのではなく、内面的な世界や精神的な状態を象徴的に表現することを重視しました。
第313回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
今回は、メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn 1809 - 1847 独)の有名な 無言歌集作品30-16「ベニスのゴンドラの歌」をクラリネットと弦楽合奏による演奏でお楽しみ下さい。
同じ曲でもアレンジ(編曲)によって、雰囲気が変わります。場合によっては、原曲より美しく感じることもあるでしょう。その意味で、有名な曲も「知られざる名曲」と言えるかも知れません。
クラリネット演奏は、アンドレアス・オッテンザマー。オーストリアの世界的クラリネット奏者兼指揮者です。
彼は、つい最近までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者を務めていました。
■ 無言歌集 ベニスのゴンドラの歌 / メンデルスゾーン(アレンジ版)
第314回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
昨年、ジャパンツアーを行った 作曲家・ピアニストの フランツ・ゴードン(Franz Gordon スウェーデン 1971- )の新しい感覚のピアノ曲にスポットを当てます。今までにない新鮮な魅力を感じました。
スウェーデンの静謐な情景を映し出す ゴードンの知られざる名曲をお聴き下さい。
ピアノリサイタル ジャパンツアー 2024》東京・大阪チラシ
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フランツ・ゴードンは1971年、スウェーデンの小さな村、ラムフルトで生まれました。幼い頃から音楽に興味を持ち、母親と一緒にオルガンを弾き始めました。やがて音楽学校に通い、本格的に音楽を勉強します。
そして、1995年にはストックホルムに移り、スウェーデン音楽院で学びました。
フランツは長年にわたり、ポップスからジャズまで、様々なジャンルの音楽を作曲してきました。シンフォニーオーケストラとのアルバムも制作しました。
そして、バッハ、ドビュッシー、ショパン、ラヴェルといったクラシック音楽の巨匠たちにインスパイアされたクラシックのメロディーを届けています。フランツ・ゴードンは、インスピレーションに満ちた新感覚の作品と、卓越したピアノ演奏で聴衆を魅了しました。(公式サイト参照)
来日公演では、1部で「協奏曲 ニ短調 BWV 974 (バッハ)」や「トロイメライ(シューマン)」、「ジムノペディ(サティ)」などクラシック音楽を、2部で フランツ・ゴードン自ら作曲の美しい作品を披露しています。
■ The Art Teacher(音楽教師)/ フランツ・ゴードン(Franz Gordon)
※Franz Gordon氏の詳しい資料はなく、名前もFranz Bengtsson氏と記載した資料もあります。
第315回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
エセル・スマイス(Ethel Mary Smyth , 1858 - 1944) は、イギリスの作曲家。
19世紀後半の女性作曲家としては、パイオニア的存在である。
軍人で厳格な父親への反感からドイツに渡り、短期間ライプツィヒ音楽院で学ぶが、校風になじめず退学。のちウィーンに渡って、ヨハネス・ブラームスの友人ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクの個人指導のもとに作曲技法を磨いた。
ブラームスのことを「音楽界の救世主」と呼んだほどに熱烈なブラームスの崇拝者であった。初期の器楽曲にはフェリックス・メンデルスゾーン、ロベルト・シューマン、ブラームスの影響が見られる。
生涯を通じ、主に歌曲や合唱曲、とりわけオペラ作曲家として活躍した。
画像 ACワークス
色彩的なオーケストラの用法と自在な転調、凝った和声と旋律の創意が顕著である。第一次世界大戦以降は、ホルストなどの影響のもとに新古典主義に傾いた。生涯を通して、重厚な響きと堅固な構成力、情熱的な表現が特徴的である。(一部Wikipediaより)
■ オペラ「難船略奪者」序曲 / エセル・スマイス
演奏は、NYOCカナダ国立ユースオーケストラ、ヴェロニク・ルシエ指揮
第316回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
風が吹き渡るような爽快感と、郷愁あふれるメロディ。
スウェーデンの作曲家 オスカー・リンドベリ(Oskar Fredrik Lindberg, 1887-1955)の知られざる名曲です。
リンドベリは14歳の頃から、故郷ガグネフのミサでオルガンを演奏していた。1903年から1911年までスウェーデン王立音楽アカデミーで学び、1906年にオルガニストとして卒業した。その後、作曲と指揮を学び、ドイツとオーストリアでさらに専門性を磨いた。
(一部Wikipediaより)

ダーラナ地方 画像サイト
https://siige.net/2018/07/2377/
ガグネフの宣教師会館での会合で、彼はある歌を耳にし、深い感銘を受けました。1936年のラジオ放送用に、彼はこのメロディーに基づいたオルガン曲を編曲しました。これは後に「ダーラナ地方の古い歌(詩編)」として知られるようになります。
■ ダーラナ地方の古い歌(Gammel fäbodpsalm fran Dalarna) / オスカー・リンドベリ
トランペット演奏は、英国のアリソン・ルイーズ・バルサム(Alison Louise Balsom, OBE, 1978 - )。
指揮:エドワード・ガードナー 管弦楽:ヨーテボリ交響楽団
第317回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
今回の作曲家フロリアン・クリストルは次のように語っています。
この「ヴィヴァルディ変奏曲」は、アントニオ・ヴィヴァルディの「弦楽協奏曲ト短調RV156の第1楽章アレグロ」にインスピレーションを得た作品です。
2018年にコンサートでこの曲を聴いた時、とてもモダンな響きを持つこの作品にすぐに魅了されました。
その音楽が私の心に残り、その後すぐにピアノで即興演奏をしている時に、この変奏曲のアイデアが浮かびました。
画像 ACワークス
ドイツの作曲家 フロリアン・クリストル ( Florian Christl 1990 - アンベルク生まれ)は、6歳で初めてピアノのレッスンを受け、幼い頃から作曲に挑戦し始めました。2013年初頭、クリストルは自身の作曲した楽曲をライブで演奏し始めました。
フロリアン・クリストル公式サイト
■ ヴィヴァルディ変奏曲 / フロリアン・クリストル
■ 原曲(ヴィヴァルディ「弦楽協奏曲ト短調RV156の第1楽章アレグロ」)
https://www.youtube.com/watch?v=T0z8XVC2HN4
第318回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
韓国の歌曲に魅了され、以前、韓国のソプラノ歌手 キム・スンヨン (Soon young Kim )が歌う「同心草(トンシムチョ/作曲 金聖泰キム・ソンテ)」をご紹介しましたが、今回は同じキム・スンヨンが歌う「水仙(수선화)」を選びました。
作曲家の キム・ドジン(1913ー2009)は安州市で生まれました。中学校5年生の時にキム・ドンファンの詩<春が来たら>に曲をつけたことから、以後様々な歌曲を作曲することになります。
崇実専門学校卒業後、日本で本格的に音楽を学び、ヴァイオリンを専攻し、卒業後、満州国交響楽団でヴァイオリン奏者兼作曲家として活動しました。
その後、平壌音楽大学教授になりましたが、やがて1950年12月にサラバル芸術大学と慶煕大学で教授として後進の指導に当たります。
この頃、政府に協力し、陸軍歌と祖国賛歌を作曲しましたが(戦時中は日本の作曲家も政府に協力せざるを得なかった)一方で芸術歌曲の作曲も続けて、今回の名歌「水仙」を作曲して、後に彼の代表作になりました。
■ 水仙 / キム・ドンジン (수선화/金森東振)
■ ご参考
第164回 同心草(トンシムチョ)/ 金聖泰(キム・ソンテ)
https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2022/08/post-d1952a.html
第319回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
ジャン・シベリウス( Jean Sibelius , 1865 - 1957)は、フィンランド出身で北欧を代表する作曲家です。
今回の作品は、正確に言うと「ピアノのための13の小品 作品76: II. エチュード」です。シベリウス49歳の最も充実した時期に書かれた13曲の小品の一つです。
画像 ACワークス
今回は、ギターとチェロによる二重奏でお聴き下さい。
チェロ : ジャン・ワン(王 健、Jian Wang、1968 - )中華人民共和国出身.
クラシックギター : イェラン・セルシェル(Göran Söllscher, 1955 - )スウェーデン出身.
■ 作品76: II. エチュード / シベリウス
第320回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
イタリアの作曲家 ミケーレ・マンガーニ (Michele Mangani,1966- ) の、当シリーズ二度目の登場です。
彼は、1984年からクラリネットを学び、1987年にバンド楽器、1990年に作曲、その後は指揮法を学びました。
前回、「クラリネットとピアノのための ロマンス」の深い味わいに魅了されましたが、今回はストリングスとクラリネットの美しいアンサンブルです。タイトルは「アルバムのページ」。クラリネットの魅力をお楽しみ下さい。
画像 ACワークス
クラリネット奏者のイ・スンヒとマンハッタン・チェンバー・プレイヤーズが演奏します。
韓国のイ・スンヒ(Seunghee Lee)は、ニューヨークを拠点に多才なレコーディング・アーティスト、プロデューサー、そして音楽起業家として活躍しています。ロンドン交響楽団との共演による最新アルバム『Aspire』はグラミー賞®にノミネートされました。
■ アルバムのページ / ミケーレ・マンガーニ(Mangani: Pagina d’Album)
知られざる名曲 289回
■ ロマンス(Romanza) / ミケーレ・マンガーニ
https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-8820ae.html
第321回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
アルフレート・シュニトケ (Alfred Schnittke、1934-1998)は、ソビエト連邦のドイツ・ユダヤ系作曲家です。
彼の音楽は、旋律が際立って美しいことで知られていますが、当知られざる名曲シリーズは4度目の登場です。
シュニトケは、交響曲や管弦楽曲、協奏曲、室内楽など、あらゆるジャンルで作品が認められていますが、あまり注目されていない分野が一つあります。それはバレエです。
今回はバレエ音楽の中から、「バレエ音楽"スケッチ"よりアダージョ(Adagio from the ballet "Sketches")」を選びました。
<シュニトケを聴いてみよう>
■ シュニトケ 別れのワルツ
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■ シュニトケ タンゴ
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■ シュニトケ 愛の宣言
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第322回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
イタリアの作曲家 ヴェルディ( Verdi、1813 - 1901)と言えば、歌劇「椿姫」の乾杯の合唱や、歌劇「アイーダ」の凱旋の行進曲、さらに「レクイエム」などで、素晴らしい合唱曲を聴いたことがあると思います。
今回は、ヴェルディ中期の傑作!歌劇『イル・トロヴァトーレ』(Il Trovatore)の合唱曲を選びました。
『イル・トロヴァトーレ』の劇中合唱曲では、第2幕の「鍛冶屋の合唱(通称 アンヴィル・コーラス)」が知られていますが、今回は 第3幕から「兵士の合唱(戦いのラッパを鳴らせ、響き渡らせよ)」を選曲しました。
AIによる「トロヴァトーレ」概要
アズチェーナは母の仇討ちのため伯爵家の弟を誘拐しますが、誤って自分の息子を炎に投じてしまいます。
20年後、マンリーコと伯爵の愛する女官レオノーラとの恋が、彼らの運命を狂わせます。レオノーラはマンリーコのために毒を仰ぎ死を遂げ、マンリーコもアズチェーナの暴露によりルーナ伯爵に処刑され、アズチェーナは復讐を遂げます。
■ 歌劇「トロヴァトーレ」兵士の合唱 / ヴェルディ
合唱は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州にある私立大学の ボブ・ジョーンズ大学オペラ合唱団です。
ボブ・ジョーンズ大学は、1927年にキリスト教系の教養教育機関として設立され、「文化、芸術、科学の基礎を若者に教育する」ことに重点を置きました。音楽は最初に開講された専攻の一つであり、神の栄光のために人々が最大限の可能性に到達できるように力づけるという大学のビジョンにおいて、今もなお重要な役割を果たしています。
この伝統と使命に沿って、美術・コミュニケーション学部の音楽部門は、音楽の卓越性と救済の芸術性を通じて神の美を追求し、共有することに専心する学生と教員のコミュニティです。(大学公式サイトより)
第323回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
多くのピアノ学習者が習う「ブルグミュラー25番の練習曲」。
練習曲と言っても、25曲には親しみ易い曲名が付いているので、ピアノ発表会では人気のプログラムとなっています。
特に、「アラベスク」や「タランテラ」「貴婦人の乗馬」などは有名です。
そのブルグミュラー(Burgmüller 1806-1874 独)は、チェロとギターのための「三つの夜想曲」というオリジナル作品を書いていました。今回は、その中から第1番をご紹介します。
演奏は、スコットランド出身の「テン・ストリングス」というギターとチェロのデュオです。
二人とも、ロイヤル・コンセルヴァトワール(王立音楽院)の卒業生で、ギターはイアン・コールマン(Iain Coleman) 、チェロはジャッキー・バクスター(Jackie Baxter)です。
■ 夜想曲 No.1 / ブルグミュラー (Nocturne 1, Burgmuller)
第324回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
日本の作曲家 植松 伸夫(うえまつ のぶお、1959 - 高知県出身)にスポットを当てます。
Wikipediaによると、彼は12歳のときに姉のピアノを勝手に弄り始める。最初の作曲は小学生の時だった。高知学芸高等学校を経て、神奈川大学外国語学部英文学科卒業。CM音楽や映画作品の制作などを経て、1986年、『ファイナルファンタジーシリーズ』を手掛けることになる。
『ファイナルファンタジーシリーズ』の音楽における生みの親であり、世界的に高い評価を受けて、特に海外から「ビデオゲーム界のベートーヴェン」と評される。
第1作で作曲を担当していた植松伸夫の存在は、ゲーム音楽界で大きなウエイトを占めており、2005年には米国の『Time』誌において「現代の音楽における革新者のひとり」として紹介された。
- 現在、ファイナルファンタジー「愛のテーマ」は、小学校高学年の音楽の教科書に掲載されている。
いわゆる“立派”な音楽教育は受けておらず、音楽の成績も中の上であったという。作風は、壮大なクラシック風の曲から、ラウドロックまで多岐にわたる。今日まで、交響組曲ファイナルファンタジー - オーケストラ演奏(1989年7月)など、オーケストラや吹奏楽のコンサート、自身のバンドのライブも積極的に行っている。
■ ザナルカンドにて / 植松伸夫
演奏はチェロ 宮田大 ( Dai Miyata, 1981- ) 。中間部の感情の高まりが素晴らしい。さすが日本を代表する世界の宮田大である。
ピアノは、ジュリアン・ジェルネ( Julien Gernay, 1981- ベルギーのナミュール生まれ)
二人は同い年であった。
第325回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
荘厳とも言える圧倒的な男声合唱の迫力!
作曲のグリゴリー・フョードロヴィチ・リヴォフスキー(LVOVSKY, Grigory Fyodorovich、1830 - 1894)は、東ヨーロッパに位置するモルドバで生まれました。
彼は、既存の聖歌を正教会の典礼のために協和音(不協和音の反対語)で作曲して、素晴らしいハーモニーを完成させました。
※ケルビム賛歌とは、正教会の聖体礼儀で大聖入の際に歌われる祈祷文・聖歌です。リヴォフスキーは、サンクトペテルブルク音楽院の理論教授 ニコライ・ザレンバに理論と対位法を学びました。
チャイコフスキーも ニコライ・ザレンバに師事しています。※別のケルビム賛歌がチャイコフスキーの作品にもあります。
今回、このケルビム賛歌を歌っているスレテンスキー修道院聖歌隊は、男声合唱用に編曲された「ケルビム賛歌」を、高音から重低音まで極限のハーモニーで歌います。
今回の 知られざる名曲は、知られざる名演奏とも言えそうです。
余談ですが、スレテンスキー修道院聖歌隊は、2014年の冬季オリンピックソチ大会開会式で国歌を歌うほどの伝統ある名合唱団です。
■音楽からみたソチ五輪開会式(当ブログ記事)
■ ケルビム賛歌 / G. リヴォフスキー
第326回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
ドイツの作曲家 オッフェンバック(Jacques Offenbach, 1819 - 1880)の二度目の登場です。
彼の経歴などは「知られざる名曲第36回」ジャクリーヌの涙 オッフェンバックをご覧ください。
画像 ACワークス
「ミュゼット」とは、フランス発祥の音楽用語です。牧歌的な舞曲として大衆に親しまれました。
演奏は、「現代のジャクリーヌ・デュ・プレ」ともいわれるほど実力と人気をもつアルゼンチンのチェリスト、ソル・ガベッタ(Sol Gabetta 、1981- )と、エストニアの女性ピアニスト イリーナ・ザハレンコワ(Irina Zahharenkova 、1976- )です。
■ ミュゼット 作品24 / オッフェンバック
第327回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
アラン・ルフェーブル(Alain Lefèvre、1962 - ) は、フランス系カナダ人の ピアニストおよび作曲家です。
ですから、作曲は自然なステップ、新たな息吹として現れ、不安、喜び、悲しみ、失望、夢、期待、そして幸福を音楽的に表現するようになりました。」 15歳の時、初めて音楽のテーマが心の奥底から思考の最前線へと昇り詰めました。それ以来、私が作曲した約60曲は、ピアノの椅子の上だけでなく、心の奥底にも眠っています。ツアーで訪れたあらゆる旅の印象や記憶は、常に大きなインスピレーションの源でした。それは、新たな出会い、笑い、ため息、微笑み、悲しみ、勝利といった形で表現されるかもしれません。香り、色彩、音符、風景といった、あらゆる小さなディテールが私の感覚に語りかけます。作曲を通して、私は沈黙を破り、人生の言葉やイメージに新たな声を与えたいと感じていました。
アラン・ルフェーヴルが、力強いピアノソロで「Philotimo」を披露します。ギリシャの精神である名誉、優しさ、そして深い目的意識にインスピレーションを得た作品です。最新アルバムに収録されたこの曲は、力強さ、静けさ、そして優しさに満ちた「癒しの香油」として、人々に寄り添います。ルフェーヴルは、自身の音楽が、不寛容と紛争に苦しむパンデミック後の世界の傷を癒す一助となることを願っています。(YouTube説明文より)









