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書の作品

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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ6(更新中)

第251回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


イギリスの作曲家 ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams , 1872-1958)が今日の主役です。日本では『グリーンスリーヴスによる幻想曲』が有名で人気の作曲家です。(当知られざる名曲シリーズは初登場)

彼の作品は牧歌的で美しいのですが、この曲はハープと弦楽合奏という編成で、特に弦楽合奏ファンには好まれています。

内容は、新約聖書の一節「富める人とラザロ」によるイングランド民謡の5つの異版をまとめたものです。異版とは変奏曲(ヴァリエーション)のような意味です。 

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画像 ACワークス

 

ちなみに、「富める人とラザロ」とは、 新約聖書「ルカによる福音書」第16章第19節以降に登場する、イエス・キリストが語ったたとえ話である。貧しい病人のラザロに対し同情心を持たなかった、ある金持ちの死後の世界での末路について語られている。

そして名誉と富に執着し、憐れみの心、即ち貧しい人々や弱い人々を愛する心を失うことの危険性を警告している。そして、その警告はまたいつでも悔い改めへの招きの言葉でもあった。(Wikipediaより)



■ 『富める人とラザロ』の5つの異版」/ ヴォーン・ウィリアムズ



演奏の「Orchestra of the Swan(スワン管弦楽団)」 は、ウォリック学校財団を拠点とする英国のプロの室内オーケストラです。

うっとりするような素晴らしいアンサンブル、今回の演奏は、コンサートマスターが指揮を兼ねているようです。






第252回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

私の大好きなフランスの作曲家 ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue 1925 - 1992)の4回目の登場です。

彼は、名門パリ音楽院で本格的に作曲を学び、1949年音楽院卒、ローマ大賞で第2位に選ばれ、その後初のオペラ「Le chevalier de neige(雪の騎士)」を作曲します。そして、短編ドキュメンタリーの仕事の後、1959年、アラン・レネの映画『二十四時間の情事』で初めて映画音楽の世界に入りました。

今回は、1972年に公開されたフランス映画「親愛なるルイーズ 」 のテーマ音楽を取り上げました。この映画は2021年7月、カンヌ国際映画祭クラシック部門にて再公開されたところです。

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画像 映画「親愛なるルイーズ」 監督フィリップ・ド・ブロカのタイトル


ヴァイオリンの魅力を最大限に生かした演奏は、フランスのヴァイオリニスト ルノー・カピュソン
指揮:ダンカン・ウォード
オーケストラ:レ・シエクル
編曲:シリル・レーン 

■ 親愛なるルイーズ(Chère Louise)   / ジョルジュ・ドルリュー



■ ジョルジュ・ドルリュー 

知られざる名曲 229回 メモリーズ・オブ・ミー
https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-5667c7.html

知られざる名曲 239回 別れの協奏曲
https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2024/03/post-a83ee4.html

知られざる名曲 242回 La Melancolie 
https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-f9ddfa.html




第253回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

久しぶりに日本の作曲家にスポットを当てました。この情緒連綿とした音楽は、岩代太郎(1965 - )の作品です。
※岩代太郎は当シリーズ2度目の登場

彼は、中学3年生の夏から本格的に作曲とピアノのレッスンを始め、1989年に東京藝術大学音楽学部作曲科を首席卒業、以後、多彩なジャンルで活動しており、特に近年では映画音楽を数多く手掛けています。(Wikipediaより)

映画「蝉しぐれ」は、第29回 日本アカデミー賞 優秀音楽賞(2005年)を受賞しています。

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当「知られざる名曲」シリーズでは、海外作品を中心に、数々の映画音楽をご紹介してきました。

それは、「映画音楽」にクラシック系の「現代音楽」にはない大衆性があるからです。旋律が美しく、親しみやすく、忘れられない名曲が多く存在するからです。音楽は聴衆に受け入れられて始めて存在するものです。

現代音楽は人間の内面に迫ろうとして、余りに複雑化し、今までの調性音楽を否定したり、不協和音の多用によって既成の音楽様式を破壊したのです。騒音化した現代音楽は、聴衆から支持されなくなりました。

ですから、多くの現代作曲家は映画音楽に活路を見出したと言えます。


■ 蝉しぐれ(映画音楽)/ 岩代太郎



クラシック音楽は芸術性が高く、映画音楽は商業主義で、報酬目当てに作曲をするから、映画音楽には高い芸術性はないとする意見もありますが、私はそうは思いません。

クラシック様式で書かれた映画音楽にも高い芸術性があります。もしベートーヴェンの時代に「映画」があったら、ベートーヴェンも映画音楽を書いたと思います。クラシック音楽と映画音楽に優劣はありません。

古典派やロマン派の作曲家は、芸術を重んじて無報酬で貧乏だった。 映画音楽の作曲家は商売で作曲するからお金持ち。などと言うことはありません。

モーツァルトは、王族、貴族からの注文に応じて報酬を得ていました。ベートーヴェンも献呈先からの報酬は1曲 500 フロリン(約 500 万円)と言われています。つまり、お金のために作曲していた側面もあるのです。生きるためには当然です。

その他、クラシック作曲家は、パトロンからの報酬、入場料、ピアノ講師など副業による収入もありました。この構図は、今日の音楽界とあまり変わりません。

当「知られざる名曲」シリーズは、これからも名曲を求めて長い旅をしてまいりますが、主にバロックから後期ロマン派、近現代までの名曲を探訪すると共に、映画音楽のジャンルにさらなる名曲を求めて行く所存です。

また、映画音楽の先には近年若者に人気の「ゲーム音楽」も視野に入れて、クラシックスタイルによる隠れた名曲を発掘してまいります。ご期待下さい。





第254回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


フランスの作曲家でチェリストの オーギュスト・フランショーム(Auguste-Joseph Franchomme 1808 - 1884)の夜想曲を聴いてみましょう。うっとりするような美しさです。


彼は12歳から音楽の専門教育を受け、17歳でパリ音楽院で才能が開花し、さまざまなオーケストラと共演するようになり、20歳でサント・シャペル(聖なる礼拝堂)のチェリストに就任しました。

そして、メンデルスゾーンとも親交を結び、ショパンとも親しくなりました。ショパンは、自身の唯一のチェロ作品である「チェロ・ソナタ ト短調」作品65をフランショームに献呈しています。やがて彼はパリ楽壇の中心人物になっていきます。

1846年には、恩師ノルブランの後任として、パリ音楽院チェロ科の主任教授に就任、フランショームは当時の最も著名なチェリストであり、弓奏法の技術を洗練させるのに寄与しました。彼はフランスのチェロ楽界に、優雅さ、甘美さ、軽やかさという特色をもたらしたのです。

作曲家としてはチェロ協奏曲を含む 55曲のチェロ作品を遺しており、1884年に音楽界への貢献が認められ、レジオン・ドヌール勲章(ナポレオンにより1802年に制定されたフランスの栄典)を授与されました。(Wikipedia参照)

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画像 ACワークス


演奏は、ベルギー系フランス人の カミーユ・トマ。
チェロの女神とも言われ日本でも人気のチェリストです。2022年には初来日も果たしています。

■ 3つの夜想曲 Op. 14:No.1 / フランショーム



優雅で洗練された演奏です。






第255回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

今から50年以上も前に買った1枚のレコード。
カラヤンの「オペラ間奏曲集」でした。

その中に入っていた マスカーニ 歌劇「友人フリッツ 間奏曲」 が今回の知られざる名曲です。


19世紀後半、豊かな田園が広がるフランスアルザス地方を舞台とする初々しい恋の物語ですが、何と言ってもマスカーニの旋律美が心を打ちます。この間奏曲は、演奏機会は少ないものの、ご存じの方もあると思います。

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画像 当時のレコードジャケット


■ 知られざる名曲は、過去と現在からやってくる

知られざる名曲と出会う旅は、過去と現在の二方向にある「音楽の光」を見つける旅です。

古典派やロマン派など 過去の作曲家が書いた膨大なクラシック曲の中に、陽の目を見なかった美しい名曲はたくさんあります。

そして現代の作品の中にも、調整音楽の体系の中で書かれたクラシック的な美しい名曲は生まれつつあります。
映画音楽というジャンルもその一つです。


埋もれていた過去の名曲も、生まれつつある現代の名曲も「美しい光」を放っています。

すでに誰かが 演奏したり、CD化したり、YouTubeにUPした時点で「美しい光」は、この世に生を受けます。

知られざる名曲は、今日も「ボクを見つけてー」と、「美しい光」を放っています。

 

■ 歌劇「友人フリッツ」序曲 / マスカーニ(Pietro Mascagni 1863-1945)



演奏は、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団。

比類なき名演です。

 

 

 


第256回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

ドイツの作曲家で ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン(Ludwig August Lebrun, 1752 - 1790)に焦点を当てます。ルブランは当シリーズ初登場です。

彼は、オーボエのヴィルトゥオーソとしても高名で、マンハイムのオーケストラの首席オーボエ奏者としても活躍していました。バレエ音楽や室内楽曲などを残しましたが、中でも6曲のオーボエ協奏曲は、今日オーボエの重要なレパートリーとなっています。

モーツァルト(1756 - 1791) と同世代で、ルブランがウィーンに行ってモーツァルトの家に泊まったりするほど親しい関係にありました。この二人が35歳(モーツァルト)、38歳(ルブラン)と、短命だったのは残念としか言いようがありません。

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画像 ACワークス

ご存じの通り、オーケストラのコンサートに行くと、先ずオーボエが最初の標準音(A音=標準音) を担当します。オーボエはオーケストラに取って無くてはならない大事な存在です。

モーツァルトやルブランが活躍した18世紀は、オーボエが独奏楽器として最も華やかに活躍した時代でもありました。


■ オーボエ協奏曲第1番 ニ短調 第1楽章 / ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン



甘美な中にも古典派らしい格調の高さが輝く名曲です。心の充足感を覚えました。

演奏は、オーボエの名手 ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger 1939 - )です。


続きは

第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=LGyFS6S1VoI
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=PdoJhT9MAxo

 




第257回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

今回は、合唱曲 「さよならケンブリッジ(再別康橋)」を聴いてみたいと思います。

作曲は、李達濤(アントニオ・リー 台湾 1941 - )、作詞は中国の有名な詩人 徐 志摩(ジョシマ、1897 - 1931)、編曲は周鑫泉(チョウ)です。

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画像 ACワークス

この詩は、題名が暗示するように中国の詩人がケンブリッジを訪れ、離れる時に感じた切ない心を詠う。

私は静かに静かに去る/静かにここに来たように/そっと手を振って/西の空の赤い雲に別れを告げる。

こう始まる詩は、穏やかなケンブリッジ川の水草になりたいが、思い出がつまったここを離れなければならない寂しい思いを中国語の韻律にのせる。(東亜日報 記事https://www.donga.com/jp/article/all/20220406/3297184/1参照)


■ さよならケンブリッジ(再別康橋) / 李達濤(アントニオ・リー)



台北室内合唱団は、1992 年に設立された台湾を代表する世界的合唱団 で、数々の国際合唱コンクールで優勝するなど活躍しています。

レパートリーは古楽から現代作品、声楽アンサンブルなど広範囲で、高度な芸術性を発揮してきました。

デンマーク、イギリス、フランス、イタリア、オーストリア、ドイツ、スペイン、ハンガリー、スロベニア、アメリカ、日本、中国、マカオ、香港で公演を行い、世界中に歌の足跡を残しています。




西洋音楽に対する造形も深いと思われます。

https://www.youtube.com/watch?v=fWNAyS3T_jg






第258回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


■ 質問です

パッヘルベルと言えば「パッヘルベルのカノン」が有名ですが、それ以外にはどんな曲がありますか? 



はい、答えは今日のタイトル「シャコンヌヘ短調」だと思います。

当シリーズ初登場の パッヘルベル(Johann Pachelbel、1653 - 1706)は、バロック期のドイツの作曲家です。
オルガニストとしても活躍して、オルガン曲を含む宗教曲、非宗教曲など200曲ほど作曲しましたが、あまりにも「パッヘルベルのカノン」が有名なので、他の作品が全く知られていません。

ある意味気の毒な気もしますが、いわゆる「一発屋」は多く存在します。しかし、「一発屋」にしてしまったのは後世の聴衆や評論家、演奏家、出版社などで、もっと発掘すべきでした。

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画像 ニュルンベルク ACワークス

演奏は、ミュンヘンプロアルテ管弦楽団 、指揮及び編曲は、クルト・レーデルです。
来日公演を聴いた人も多いと思います。


■ シャコンヌ ヘ短調 / パッヘルベル








第259回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


8月31日放送の NHK 新プロジェクトX「祈りの塔 1300年の時をつなぐ〜国宝薬師寺東塔 全解体修理」を見ました。


冒頭、「凍れる音楽」と称された 薬師寺の東塔が映りました。その時流れた音楽が、本日の知られざる名曲です。

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画像 薬師寺東塔 ACワークス


ペルゴレージ(Giovanni Battista Pergolesi, 1710 - 1736)は、イタリアのナポリ楽派オペラ作曲家。当知られざるシリーズ初登場です。

モーツァルトやロッシーニらに継がれるオペラ・ブッファの基礎を築き、甘美な旋律にあふれたオペラを作曲した。短い生涯であったのにも拘らず、古典派音楽の様式を最も早く示した人物として音楽史に名を遺している。(Wikipediaより)

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画像 ナポリ王宮 ACワークス

■ ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 ラルゴ / ペルゴレージ



ゆったりとした上品な音楽で、このテレビ番組にピッタリでした。

NHKの制作スタッフの方の選曲は素晴らしいと思いました。





第260回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける


今回は、ヘンリー・パーセル(英国:Henry Purcell、1659 - 1695)の歌劇「インドの女王」から、"They tell us that your mighty powers above"(直訳=彼らはあなたが偉大な力を持っていることを私たちに伝えます)にスポットを当てます。バロック期に活躍した パーセル は当シリーズ2度目の登場です。


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画像 ACワークス


このYouTubeを見ると、グラミー賞を受賞したアメリカのソプラノ歌手 ジュリア・ブロック(
Julia Bullock 1987-) の圧倒的歌唱力に心が震えます。
そして、「ムジカエテルナ」合唱団員一人一人の演技力に引き込まれてしまいます。まるで絵画を見るようなパフォーマンスに感銘を受けました。大きな画面で見るとより楽しめます。


■ インドの女王 Z. 630 (第4幕より一部抜粋) / ヘンリー・パーセル ※Zはパーセルの作品番号


演奏 ムジカエテルナ

常に創造性の限界を超えるパフォーマンスで世界中を熱狂させ、今もっともオファーの絶えないアンサンブル。2004年にロシアのノヴォシビルスクでテオドール・クルレンツィスによって創設された。  2011年から2019年まで、クルレンツィスが芸術監督を務めていたペルミ国立歌劇場のレジデント・オーケストラ&合唱団として活動。2019年に同歌劇場より独立し、サンクトペテルブルクに拠点を移して民間オーケストラとして新たな一歩を踏み出した。

楽団および合唱団は、ロシアの20都市、さらにドイツ、スペイン、イタリア、ギリシャ、スイス、ベラルーシ、カザフスタンなど12カ国から集まる音楽家たちで構成されており、さまざまな様式や時代の楽曲を自在に演奏する実力をもつ希少なアンサンブルである。往年の傑作から19-20世紀の作品、さらに実験的な現代曲に至るまで幅広いレパートリーを誇る。

https://www.kajimotomusic.com/artists-projects/musicaeterna/ サイトより
株式会社KAJIMOTOは東京、北京、パリに事務所を構える国内最大手のクラシック専門のアーティスト・マネージメント会社

知られざる名曲 第82回 ディドの嘆き/パーセル(ストコフスキー篇)






第261回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

エルガーと言えば、ヴァイオリン曲「愛の挨拶」や、行進曲「威風堂々」が有名です。まさにイギリスを代表する名曲ですが、今回の「月明かりのもとで」も、描写音楽として第一級作品であり、知られざる名曲と言えるでしょう。

当知られざる名曲シリーズ初登場のエルガー(Sir Edward William Elgar 1857 - 1934)は、イギリスの作曲家、指揮者。そして音楽教師でありヴァイオリニストでもありました。

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画像 ウスター (イングランド) Wikipediaより

エルガーが29歳のとき、彼はアリスという 新しい弟子を取りました。エルガーより8歳年上のアリスは 3年後に彼の妻となります。

婚約の証として、エルガーはヴァイオリンとピアノのための小品『愛の挨拶』を彼女に捧げたのでした。

このときからこの世を去るまでの間、彼女はエルガーの仕事のマネージャー、社会的な秘書となり、彼の気が動揺すればなだめ、音楽には的確な批評を与えたと言います。

エルガーは、1904年(47歳)バッキンガム宮殿に於いてにナイトに叙され、その後は国王の音楽師範を務めました。

1920年、夫人アリスが肺がんで死去(72歳) 。妻を失ったエルガーは途方に暮れ、世間からは新作を期待する声もなく、妻からもたらされていた絶えざる献身と霊感を失った彼は、つい作曲から遠ざかりがちになります。

その後、徐々に作曲活動を再開した晩年のエルガーは、劇音楽や歌劇など専らイギリスの聴衆を訴求の対象とした大作を手掛けますが、いずれも未完成のままでした。

1931年(74歳)、エルガーは準男爵になりました。1934年2月23日に大腸がんのため76年の生涯を閉じたエルガーは、St. Wulstan's Churchで妻の隣に埋葬されました。最後の完成作品は愛犬をモチーフにした小品『ミーナ(Mina)』でした。(Wikipediaより抜粋)

■ 月あかりのもとで / エルガー



今回は、音楽はもちろんですが、音楽のバックを飾る絵画が際立って美しいのです。

薄暗いガスランプに照らされたイングランドとスコットランドの大都市の雨に濡れた霧の街をリアルに描写しています。

時々寂しい夜のムードにもかかわらず、ある種の陽気さを醸し出し、神秘的で、ほとんどシュールに見えます。


英国の画家 ジョン・アトキンソン・グリムショー(John Atkinson Grimshaw、1836 - 1893)
 ヴィクトリア朝美術 サイト参照



■ ご参考 最後の完成作品、愛犬をモチーフにした小品『ミーナ(Mina)』

 




第262回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

ロベルト・シューマン(独: Robert Alexander Schumann, 1810 - 1856)の作曲した この曲のタイトルは、「小さな子供と大きな子供のための12の連弾小品 夕べの歌 Op.85-12」です。

原曲は ピアノ連弾曲ですが、小さな子供と大きな子供とは、生徒に体格の良い子供と、小柄な子供がいるという前提で、その二人がピアノの前に座って連弾で演奏する作品だと思いますが、面白い曲名です。

この連弾曲集の12番目の曲が「夕べの歌」というわけです。

今回の知られざる名曲は、原曲の連弾曲を、チェロとオーケストラに編曲(編曲者不詳)した演奏版を選びました。

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画像 ACワークス

原曲にない深い詩情を感じます。演奏は名手 キアン・ソルターニ(Kian Soltani 1992- )、イランのチェリストです。



■ 小さな子供と大きな子供のための12の連弾小品 夕べの歌 Op.85-12 / ロベルト・シューマン

 

 

 


第263回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

今回の知られざる名曲は、ロシアの作曲家 パフムートワ( 1929- )の代表作「メロディ」です。

彼女は、日本ではうたごえ運動の時代に「心さわぐ青春の歌」の作曲者として名が知られています。現在94歳。

そして作詞は、詩人でパフムートワの夫 であった ニコライ・ドブロンラヴォフ(1928ー1923)です。

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画像 ACワークス

歌っているのは、ロシアのバス歌手 イルダール・アブドラザコフ(1976ー )です。

日本でも人気の世界的オペラ歌手です。


メロディ歌詞一部

あなたは私のメロディー、
私はあなたの献身的なオルフェウスです。
私たちが過ぎた日々、
彼らはあなたの優しさの光を覚えています。
全てが煙のように溶けて消えてしまった
君の声は遠くに消えてしまった...
どうして君は
愛のメロディーを忘れてしまったのか

 

■ メロディ «Мелодия»/ パフムートワ



哀愁のある曲です。ピアノを弾いている おばあちゃんが作曲者の パフムートワさんです。



渋い魅力の イルダール・アブドラザコフですが、ハンサムな彼が見たい方は必見です。
 ↓








第264回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

アイスランドの作曲家  シグヴァルディ・カルダロン(Sigvaldi Kaldalóns 1881 - 1946 )の静かな名曲「アヴェマリア」を選びました。

彼は母国では歌曲の作曲家として有名で、生涯に350曲も書きましたが、この「アヴェマリア」もそのうちの一曲です。

今回は、同じアイスランドのピアニスト  ヴィキングル・オラフソン(Víkingur Ólafsson 1984- )のピアノソロでお聴き下さい。

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画像 レイキャビク ACワークス

音楽一家に生まれた オフラソンは、12歳のとき、新聞配達をして貯めたお金で、カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニーの「ベートーヴェン交響曲全集」を買って、中でもハ長調の第1番が最も好きで、購入した1年間で100回は聴いたとblogに書いています。(Wikipediaより)

作曲家の音楽を読み取り、最大限に美しく表現する彼の音楽は少年時代に育まれたのでしょうか。

オフラソンの祈りの演奏です。

■ アヴェマリア / シグヴァルディ・カルダロン

 




第265回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

カナダの作曲家 ビル・ダグラス( Bill Douglas 1944- )の2回目の登場です。もう一度、彼の美しい音楽に浸ってほしいのです。

※ビル・ダグラスの詳しい経歴は、知られざる名曲 第192回 A Place Called Morning / ビル・ダグラス をご覧ください

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画像 カナダの夕陽 ACワークス

彼のアルバム「A Place Called Morning(朝と呼ばれる場所)」に、この曲「Spectrum of Violet」は収録されています。

ピアノ、オーボエ、ファゴット、クラリネット、フルート 、チェロによる癒しの音楽です。この曲には、すべてを受け入れる深い愛情と、すべてを許す無償の愛が内包しています。

特にダブルリードの管楽器、オーボエ、ファゴットの優しい旋律と音色に私たちは魅了されるのです。

この路線に沿った ダグラスの創作意欲は、最近の作品に表れています。

参考 2024年 発表作品(一例)

オーボエ、ファゴット、ピアノのための三重奏曲第3番
ファゴットとピアノのための平和への祈り
オーボエ独奏のための3つの舞曲
合唱とファゴット四重奏のための3つの地球の歌
オーボエとピアノのためのソナタ第3番
ファゴット四重奏のための祝典ダンス

■ Spectrum of Violet / ビル・ダグラス


音楽は、思いやり、優しさ、強さ、高貴さ、高揚感、喜びなどのポジティブな感情を呼び起こすことができます。

すべての生き物が幸せでありますように。 


ビル・ダグラス ホームページより





第266回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

イギリスの作曲家 リチャード・アディンセル(Richard Addinsell, 1904 - 1977)の当シリーズ初登場です。

彼は、オックスフォード大学ハートフォード校に学んだ後、1925年に王立音楽大学に進み、さらにベルリン、ウィーン、米国に留学して音楽修業を積みました。

管弦楽曲『南国狂詩曲』のようなクラシック作品も遺していますが、主に映画音楽の作曲家として活躍しました。(Wikipedia参照)

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画像 ACワークス

アディンセルの代表作は、何と言っても 映画『危険な月光』(Dangerous Moonlight 1941年制作)のために作曲した『ワルソー・コンチェルト』です。ナチスによるポーランド侵攻に対する闘争を描いたもので、ラフマニノフのピアノ協奏曲を模したと言われています。

参考 ワルソーコンチェルト



■ りんごの島(The Isle of Apples)/ アディンセル(R. ダグラスによる管弦楽編)

この動画の背景の画像は、澄み切ったイギリス クリクキエスのマリンビーチです。

音楽も澄み切っています。とても透明感があり、クリスタルな響きです。

この素晴らしい曲は発見が遅く、おそらくアディンセルの生前中には演奏されなかったと言われています。
知られざる名曲に相応しいと思い選曲しました。ナクソスに感謝です。





第267回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

ロベルト・シューマン(Robert Alexander Schumann, 1810 - 1856)の「おとぎの絵本」Op.113 第1曲(1851年作曲)は晩年の室内楽作品の1つで、ヴィオラとピアノのために書かれました。

この曲は、デュッセルドルフ管弦楽団のコンサートマスター、ヴァシレフスキ(1822 - 1896)に捧げられています。

ヴァシレフスキは、メンデルスゾーンやシューマンのもとで学んだヴァイオリニストで、シューマンの死まで傍にいたのち、最初のシューマンの伝記本を書いたと言われています。

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画像 ACワークス

この曲が作られた デュッセルドルフ時代(1850年 - 1854年)のシューマンは、創作意欲はあったものの、精神を病んで ライン川に投身自殺を図りました。救助されたシューマンはボン近郊のエンデニヒの療養所に収容され、2年後の1856年7月に46歳で生涯を閉じました。

死の直前、シューマンの妻 クララ・シューマンが書いた日記( 1854年2月)には、

「かわいそうなロベルト、ひどく辛いらしい。彼にはどんな音も音楽に聞こえてしまうのだ。……これが止まらなければ気が狂ってしまうと何度も訴えている。巨大な管弦楽のようなものが聞こえ、それが終わるかと思えば、また次の音楽が彼の幻想の中に聞こえてくるという具合で、幻聴はひどい状態に達している」とあります。 

しかしこの音楽は安らぎに満ち、すでにシューマンの精神は天国の花園にいたようです。


■ おとぎの絵本 Op.113 第1曲 / シューマン

読書家だった シューマンが絶えず読んだ ジャン・パウルの全集の次のような部分にアンダーラインを引いています。

「花は生きていて眠るからには、きっと子供や動物と同じように夢を見る。結局、生物はすべて夢を見るのだ」

 



第268回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

久しぶりに邦人作品にスポットを当てます。日本の作曲家では一番有名と言っても良い 山田耕筰ですが、こんな軽快な小品も作っていたのですね。

アレグレット・ブリランテ Allegretto Brillante とは、「輝かしく、やや軽快に」という意味です。

そして、山田耕筰( ※Kósçak Yamada 、1886~1965 ) は意外にも当「知られざる名曲シリーズ」初登場です。
※山田は、1913年(大正2年)以降、自分の名前のアルファベット表記を「Kósçak Yamada」としています。(Wikipediaより)

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画像 からたちの花 ACワークス


山田耕筰は、歌曲や童謡に知られた曲が多く、「
からたちの花(作詞:北原白秋)」「この道(作詞:北原白秋)」「赤とんぼ(作詞:三木露風)」「砂山(作詞:北原白秋)」「ペチカ(作詞:北原白秋)」「待ちぼうけ(作詞:北原白秋)」などが有名です。

しかし彼は、交響曲や管弦楽曲、室内楽曲、合唱曲からオペラまで幅広く作曲し、西洋音楽の普及に努めました。

今回の選曲にあたり、本当は「長唄交響曲第3番『鶴亀』(1934)」と迷ったのですが、美しい小品から聴いていただくことにしました。


■ アレグレット・ブリランテ / 山田耕筰



演奏は、 印田千裕(ヴァイオリン)さんと 澤田まゆみ(ピアノ)さんです。

尚、動画背景の絵画は、黒田 清輝 の「鉄砲百合」(1909年)です。


■ 関連サイト

知られざる名曲 第173回 秋の月(山田耕筰編曲)

当ブログ記事「社名と宗教」 山田耕筰は、カルピスの名付け親 だった






第269回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

本日の主役 シャルル・フランソワ・グノー(Charles François Gounod、1818 - 1893)はフランスの作曲家です。最も有名な曲は、「アヴェマリア」でしょう。

グノーのアヴェ・マリアは三大アヴェマリア(グノー、カッチーニ、シューベルト)の一つで、 誰もがご存じだと思います。

この作品は、バッハの《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》の「前奏曲 第1番 ハ長調 BWV 846」を伴奏に、ラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた歌曲です。

この曲が余りにも有名なため、グノーの他の作品は、オペラ「ファウスト」以外は、このアヴェ・マリアの陰に隠れてしまいました。

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画像 カルチェラタン ACワークス

グノーはパリに生まれ、ピアノ奏者の母に音楽の手ほどきを受ける。パリ音楽院に学び、ローマ大賞を得てローマに3年間留学。同地でパレストリーナの教会音楽やJ.S.バッハらのドイツ音楽に開眼し、帰国後しばらくは教会オルガン奏者を務める一方聖職者を志して神学を学び、宗教音楽に打ち込んだ。

のちオペラに向かい,1851年に最初のオペラ「サッフォー(英語版)」を作曲した。その後オペラ「ファウスト」で成功。一時期ロンドンで活動するが、晩年は再び宗教音楽に専心し、オラトリオなどを完成した。ベルリオーズが切り開いたフランス近代音楽の継承者として、その節度ある音楽美学はのちのフランスの作曲家の範となった。

グノーは、ビゼーなどの多くの作曲家から尊敬され、慕われる人物ではあり続けたが、晩年には時代遅れと評され、その後『ファウスト』以上の成功を記録することはなく、彼の名は徐々に忘れ去られていった。彼はパリ近郊のサン=クルーの自宅で75歳の生涯を閉じた。(コトバンク、Wikipedia参照)


今回は、そんな グノーの知られざる名曲として、オペラ「サッフォー」より、メゾソプラノのアリア「おお、私の不滅の竪琴よ」を選びました。

■ おお、私の不滅の竪琴よ "Ô ma lyre immortelle"/ グノー(Gounod)


このオペラは、古代ギリシアの女流詩人サッフォーが,美貌の青年ファオンを恋するあまり海に身を投じたという伝説によるものです。芸術の理想と現実生活との対立を描いた格調高い作品と評価されています。

サッフォーの最後の独白「おお、私の不滅の竪琴よ」には、グノーが以前に作曲した名歌「漁師の歌」のメロディーが使用されています。

オペラは大ヒットしませんでしたが、アリア「おお、私の不滅の竪琴よ」は、それ自体で非常に人気を博し、多くの名歌手によって録音されています。オランダの編曲家 ロジャー・ニーゼは、このアリアをメゾソプラノと管弦楽用に編曲しました。

歌っているのは、スイス出身のメゾソプラノ歌手 マリーナ・ヴィオッティ。両親は音楽家です。彼女は好奇心旺盛な性格で、ジャンルにとらわれず、クラシック音楽だけでなく、ジャズ、メタル、シャンソンも研究しました。






第270回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

日本では無名の アルメニア人の作曲家 ステファン・エルマス(Stéphan Elmas 1862 - 1937)の、二度目の登場です。

前回は、鮮烈な音楽とロマン的音楽で、音楽のドラマティックな表現を楽しみましたが、今回は水彩画のような美しいピアノ小品です。

フルコースを食べた後の フルーツのデザート感覚があります。

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画像 ACワークス


速筆だったエルマスは、オーケストラ曲、ピアノ協奏曲、ピアノ作品から室内楽まで多くの作品を遺しました。

中でも、今回の「ロマンス」のように、優雅で粋なサロン風小品においては、彼は大きな成功を収めたと言えます。

■ ロマンス 変ホ長調(Romance for Piano)/ ステファン・エルマス



ピアノ演奏は、アルメニア生まれの ミカエル・アイラペティアン氏。モスクワ国立チャイコフスキー音楽院で学び、その後、多くのアルメニア作曲家の作品を演奏するコンサート活動を展開。彼はアルメニアのクラシック音楽の発展と普及への多大な貢献により、アルメニア共和国国家賞を受賞しました。



■ ご参考

知られざる名曲 第245回 ピアノ協奏曲第1番 / ステファン・エルマス

 




第271回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

イタリアの作曲家 タルティーニ(Giuseppe Tartini, 1692 - 1770)の、当シリーズ初登場です。

自らもヴァイオリン奏者ですが、彼の作品は ヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンソナタがほとんどで、200曲に及びます。中でも最も有名な曲は、ヴァイオリン曲「悪魔のトリル」です。非常に難易度の高い作品とされますが、演奏会のプログラムに採用されることが多い人気曲です。

それに対して今回取り上げる「サラバンド」又は「ト短調のサラバンド」は、やはり知られざる名曲と言えるでしょう。300年近く前に作られた美しい小品です。

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画像 ACワークス


ヴァイオリンは弾くものではなく、歌うもの。タルティーニ の音楽のロマンチックな叙情性を表しています。

プラハ滞在の経験から、スラブの民俗的要素も加わって、彼の豊かな音楽性は育まれました。

タルティーニは、ヴィヴァルディと並んで、18世紀の偉大な作曲家、ヴァイオリニスト、理論家の一人として名を馳せました。

レオポルド・モーツァルトは、1756 年に開校したヴァイオリン学校で、タルティーニの体系的学習法を教えたとされます。


■ サラバンド / タルティーニ (
Tartini - Sarabande)


演奏は、アルメニアのヴァイオリン・アンサンブル。ピアノはアンナ・アトシェミャン、指揮者はアナヒト・アトシェミャン。

絵画は、ソフォニスバ・アングイッソラの「ソフォニスバ・アングイッソラを描いたベルナルディーノ・カンピ」(1559年頃)
詳しくは https://www.youtube.com/watch?v=arRNe_QAn10





第272回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

バンジャマン・ゴダール(Benjamin  Godard, 1849 – 1895)は 19世紀フランスの作曲家。

オペラ作曲家としての成功を望み、おびただしい数の作品を遺したが、今日ではほとんどが忘れられており、かろうじてサロン小品の作曲家として記憶されているにすぎない。(Wikipediaより)

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彼は、4つの歌劇をはじめ、交響曲、管弦楽曲やバレエ音楽、協奏曲、器楽曲、歌曲、演奏会用序曲など膨大な数の作品を遺しました。

今回の、歌劇「ジョスラン」子守歌 も、そのうちの愛すべき1曲です。ピアノ教則本で弾いたことのある方もみえるかもしれません。


■ ジョスランの子守歌 / ゴダール(Benjamin Godard: Berceuse)チェロ&オーケストラ


ジョスランの子守歌
作曲:Benjamin Godard  訳詞:近藤朔風

 
むごきさだめ 身にあふりて
汝れと眠る 呪われの夜
胸の憂い 夢に忘れん
祈らばや ゆらぐ星のもと
夢のまきまきに あこがれよ み空へ
眠れいとし子よ 眠れ今は小夜中(さよなか)
ああ夢ぞいのち マリアよ守りませ


晩年のゴダールは結核に苦しみ、1892年にコート・ダジュールへ隠棲して1895年にカンヌで死去しました(享年45歳)。






第273回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

アメリカの作曲家 クリストファー・ティン (Christopher Tin、別名ドゥルス・ポンテス 、中国名 田志仁 1976ー)の、当シリーズ3度目の登場です。 

今回の曲は2分45秒の短い作品ですが、高揚感のあるスケールの大きな曲です。

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画像 ACワークス


アップしたYouTube動画の説明によると、この曲は、人類で初めて宇宙に飛び出した 宇宙飛行士 ユーリイ・ガガーリンの言葉から作られました。

すなわち、「地球は青かった」です。

1961年4月12日、ユーリイ・ガガーリン(ソビエト連邦、1934-1968)は地球の外観を肉眼で見た最初の人間となりました。

そして、帰還した際、彼は私たちにこう語りました。 「宇宙船で地球を周回しながら、この惑星がいかに美しいかを知りました。皆さん、この美しい惑星をいつまでも守っていきましょう。」

壮大な地球賛歌ともいえる「The Power of the Spirit」は、ガガーリンを称えてロシア語で歌われます。

演奏は、ロイヤル・オペラ合唱団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団。


■ The Power of the Spirit / クリストファー・ティン



大気汚染、海洋汚染、自然破壊、環境汚染、異常気象、そして繰り返される戦争で、人類はもちろん、地球上のあらゆる動植物も悲鳴を上げています。
とりわけ、この美しい「地球と言う惑星」が破壊される危機が迫っています。この曲を聴いて祈りましょう。






第274回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

イタリアの作曲家、ニコロ・パガニーニ(Niccolò Paganini, 1782 - 1840)は、5歳からヴァイオリンを弾き始めましたが、何と13歳になると、もう学ぶべきものが無くなったと言われるほど天才的な才能の持ち主でした。

その後は、作曲のかたわら、ヴァイオリンの名手としてもヨーロッパ中で名声を博しました。

今回は、そのパガニーニのヴァイオリン協奏曲第5番の ロマンティックな第2楽章にスポットを当てました。名曲ですが意外と知られていない作品です。

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ちなみに、彼はヴァイオリン協奏曲を生涯に6曲作りましたが、そのうち第2番の3楽章主題が、有名な「ラ・カンパネラ」(リスト作曲)の元になった曲で、リストがピアノ用にアレンジしたと言えます。 

フランツ・シューベルトは、パガニーニがウィーンに来た際に、家財道具を売り払って高いチケットを買って、パガニーニの演奏を聴きましたが、この時にシューベルトが聴いたといわれているのが『ヴァイオリン協奏曲第2番』とのことです。

ご参考に「ラ・カンパネラ」の原曲になった ヴァイオリン協奏曲2番第3楽章はココです。

 

■ ヴァイオリン協奏曲第5番 イ短調 MS 78 第2楽章 / パガニーニ









第275回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

ロシアの作曲家 アレクサンドル・スクリャービン( Aleksandr Nikolaevich Skryabin , 1872 - 1915)の、当「知られざる名曲シリーズ」初登場となります。

スクリャービンは現代音楽の先駆者といわれますが、ショパンの音楽に傾倒し、初期の作品は「ロシアのショパン」と呼ばれるようなロマンティックな作風でした。

彼の作品には、エチュード、前奏曲、夜想曲、マズルカなどショパンが用いた多くのジャンルの音楽が含まれています。

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この曲の原曲は「ホルンとピアノのためのロマンス」で、主役はホルンでしたが、今回はチェロとピアノ版でお聴き下さい。


■ ロマンス (遺作) / スクリャービン









第276回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

アメリカの作曲家 ジェームズ・ホーナー(James Horner、1953 - 2015)にスポットを当てます。(当シリーズ初登場)

曲は、1995年日本公開の映画「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」の音楽「ラドロー」です。

※「ラドロー」とは、元騎兵隊大佐だった主人公ラドローが、牧場で三人の息子と先住民ともに牧場で暮らしていたものの、第一次世界大戦勃発で三人兄弟は出兵、その後禁酒法時代へ。ラドロー家の激動の50年の物語です。

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画像 ACワークス

作曲家 ジェームズ・ホーナーは5歳でピアノを始め、幼少よりヴァイオリンも弾いたと言います。やがて、王立音楽大学に入学し、作曲を学び、後に南カリフォルニア大学で音楽学士号を取得しました。

そして、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で博士号取得に向けて勉強を始め、UCLAでは音楽理論の教鞭を執りました。その後映画音楽作曲に転向しました。

ホーナーの最大の成功は、1997年のジェームズ・キャメロン監督の映画『タイタニック』の音楽で、第70回アカデミー賞及び最優秀オリジナル音楽賞を受賞し、「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」で最優秀オリジナル歌曲賞に輝いたことです。

さらに、ゴールデングローブ賞を2回、サ​​テライト賞を3回、サターン賞を3回、グラミー賞を6回受賞し、英国アカデミー賞に3回ノミネートされました。

クラシックでは、ヴァイオリン、チェロ、オーケストラのための二重協奏曲『パ・ド・ドゥ』、4本のホルンのための協奏曲『コラージュ』なども手掛けており、一流のオーケストラで演奏されています。


■ ラドロー / ジェームズ・ホーナー


ホーナーは、2015年6月22日、自身で操縦していた飛行機がカリフォルニア州にあるロス・パドレス国立森林公園内に墜落。損傷の激しい身元不明の遺体が見つかり、アシスタントによってホーナー本人であることが確認されました。(享年61歳)






第277回 知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける

ヴィヴァルディと同時期に活躍した イタリア後期バロック時代の作曲家 フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(Francesco Maria Veracini, 1690 - 1768)。

ヴィヴァルディは、超ヒット作「四季」がありますが、実力ではヴィヴァルディと肩を並べた ヴェラチーニも、知名度ではヴィヴァルディにかないませんでした。

今回は、そんな ヴェラチーニにスポットライトを当てようと考えました。曲は、ヴァイオリン・ソナタ イ長調 op.2「ラルゴ( largo)」です。バロック期の名曲としてご存じの方もあると思います。

■ ご参考
ヴェラチーニ Wikipedia(海外)より

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ヴァイオリン演奏は、クロエ・チュア(Chloe Chua 、2007- )さん17歳、シンガポールの世界的ヴァイオリニストです。

今回、YouTubeにアップされましたので、早速この素晴らしい動画をご紹介いたします。


■ ラルゴ / ヴェラチーニ(Veracini’s Largo)