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書の作品

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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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カテゴリー「知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける」の377件の記事

2025年7月 5日 (土)

知られざる名曲 第309回 沈黙のセレナーデより ”あなたなしで” / コルンゴルト

オーストリア出身の作曲家 コルンゴルト(Erich Wolfgang Korngold, 1897 - 1957) の2度目の登場です。

この作品は、喜歌劇『沈黙のセレナード』の美しい1曲 “あなたなしで~嗚呼あなたは~" を、ヴァイオリンとピアノ用に編曲したものです。(原曲は声楽と管弦楽)

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屋根の上の蒼ざめた
雲の間から月が覗いてる
ひとりの学生が向こうの路地で
歌っている恋人の家の前

泉は再びざわめく
静かな孤独の間でそして
山の森の間を
昔の美しい時のように(歌詞一部 2017.09.05 藤井宏行氏訳 )


■ 沈黙のセレナーデより "
あなたなしで " / コルンゴルト



演奏は、韓国のヴァイオリニスト キム・ボムソリ(Bomsori Kim)です。



■ 知られざる名曲 コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 コルンゴルトの説明あり

https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2022/07/post-ee9a11.html


2025年6月13日 (金)

知られざる名曲 第308回 時代は変わったが、私たちは変わらない/ ダリボル・グルバチェヴィッチ

久しぶりに更新します。

この作品は、クロアチアの作曲家 Dalibor Grubačević(ダリボル・グルバチェヴィッチ)が作曲した 映画「世界の果ての橋(2014年)」のオリジナル音楽にインスピレーションを得たザグレブ・ソロイスツ合奏団 による「音楽のライブパフォーマンス」です。

ダリボル・グルバチェヴィッチ(クロアチア生まれ、1975 - )は、映画音楽の分野での作品で知られていますが、幼い頃から並外れた音楽の才能を示し、6歳でギターとピアノを習い始めました。

そして、クラシック音楽の形式やクラシック音楽の作曲家の作品を学ぶことで、音楽教育と音楽的発見の旅を続けるのです。1993年、ザグレブ大の法学部で社会福祉学を学び始めましたが、2年後、音楽に完全に専念するために学業を中断します。

クロアチアの著名な監督たちとコラボレーションし、彼らの映画のために音楽を作曲してきました。映画音楽の作曲において、グルバチェヴィッチは様々な音楽ジャンルとクラシックオーケストラを見事に融合させています。(Wikipediaより一部和訳)


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『世界の果ての橋』は、ブランコ・イシュトヴァンチッチ監督による映画で、ヨシップ・ムラキッチの小説『橋の番人』を原作としてています。

この映画は、小説と同様に、クロアチア戦争中の人々の不幸な運命を描いています。セルビア人亡命者が故郷(ボスニアから逃れてきたクロアチア人が住むようになった)に戻る中、老人が失踪し、セルビア人の家に住み着いた警察官の捜査は、時とともにますます個人的な問題になっていくのです。

■ 時代は変わったが、私たちは変わらない/ ダリボル・グルバチェヴィッチ


今なお続く「ウクライナ・ロシア戦争」、そしてガザ地区の惨状が痛ましい「パレスチナ・イスラエル戦争」など、この世界は戦争が絶えません。
国連も無力、世界の指導者も、ローマ法王も戦争を止めることは出来ません。この曲を聴くと、そんな悲しい現実に心が痛みます。

2025年5月13日 (火)

知られざる名曲 第307回 月華の円舞曲 / 下村陽子 

今回はゲーム音楽からクラシック的な名曲を選んでみました。

Final Fantasy XV(ファイナルファンタジーXV)より「月華の円舞曲」です。

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日本の作曲家 下村陽子(1967ー )は、大阪音楽大学短期大学部音楽科器楽専攻卒業。

4歳の頃にピアノを始める。小学6年生の時に本人いわく「スイッチが入って」練習に熱を入れるようになり、中学からは音楽漬けの生活を送る。高校の時には指揮を習い、ブラスバンドではフルートを担当した。大阪音楽大学短期大学部でピアノを専攻。また、副専攻で作曲を学んだ。

卒業後、カプコンに入社。『ストリートファイターII』など数々の音楽を手がける。その後スクウェアに転職。念願のファンタジーRPGである『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』をはじめ数々の音楽を手がける。

2002年末にスクウェアを退社し、フリーとして活動を行い現在に至る。(Wikipedia参照)

■ 月華の円舞曲 / 下村陽子

ヴァイオリンは、フランス出身の Esther Abrami (エスター・アブラミ 1996 -  )。

イレーネ・デルガド=ヒメネス指揮、ウィーン放送交響楽団の演奏です。

2025年5月11日 (日)

知られざる名曲 第306回 夢とカプリッチョ / ベルリオーズ

フランスの大作曲家ベルリオーズの「知られざる名曲シリーズ」初登場です。

この作品は、ルイ・エクトル・ベルリオーズ(Louis Hector Berlioz、1803 - 1869)が、ヴァイオリンと管弦楽のための楽曲として作りました。副題は「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」。クロイツァーの弟子であるヴァイオリニストのアレクサンドル=ジョセフ・アルトーに捧げられています。

ベルリオーズの協奏的作品は『イタリアのハロルド』と、この作品の2曲のみで、Wikipediaによると、演奏されることは稀で、滅多に聴くことはできない作品との事です。題名通りに夢のあふれる非常にロマンティックな名曲です。

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画像 ACワークス

尚カプリッチョとは奇想曲と訳され、イタリア語で「気まぐれ」を意味します。カプリッチョと呼ばれる音楽に特定の音楽技法や形式があるわけではなく、むしろ形式に縛られない例外的で気まぐれな性格を表しています。

 

■ 夢とカプリッチョ(Rêverie et Caprice)/ ベルリオーズ(Berlioz)



ヴァイオリンの  マリア・ドゥエニャス・フェルナンデス(María Dueñas)はスペインのヴァイオリニスト兼作曲家です。

2021年、彼女はユーディ・メニューイン・コンクールのシニア部門で優勝しました。彼女はスペインのヴァイオリニストとして国際的に最も知名度が高く、同世代で将来有望な音楽家の一人であると考えられています。(Wikipediaより)


「このような魂のこもった表現力豊かな演奏は、19歳ではできないはずだが、彼女は、はるかに長い経験歴のある音楽家のような感情の深みを表した。」- タイムズ紙 (2022年)

マリア・ドゥエニャスはドイツ音楽財団から貸与された17?4年製ニコロ・ガリアーノと日本音楽財団から貸与された1710年製ストラディヴァリウス「カンポセリーチェ」を使用しています。 (ユニバーサルミュージックジャパンサイトより)

 

2025年5月 2日 (金)

知られざる名曲 第305回  お母さん / シャーダッド・ロハニ 

イラン系アメリカ人の作曲家、ヴァイオリニスト、ピアニスト、そして指揮者の シャーダッド・ロハニ(Shahrdad Rohani 1954- )の   "Mother" (お母さん)を聴いてみましょう。

名前は初めて聞く作曲家でしたが、ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団など、世界トップクラスのオーケストラを指揮しています。

ウィーン音楽アカデミーで学び、その間数々の栄誉ある賞を受賞しています。 2016年から2020年にかけて、ロハニはテヘラン交響楽団の首席指揮者兼芸術監督を務め、同楽団の国際舞台における芸術的存在感を高めました。

2024年には、ロサンゼルスにルーダキー・オーケストラを設立し、自身の指揮の下、全米各地でクラシック音楽の演奏活動を行っています。 チャイコフスキーのバレエ作品を含むロハニの録音は、高い評価を得ています。現在はロサンゼルスを拠点に活動しているとの事です。

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画像 ACワークス

YouTube動画に張り付けられた説明には下記のように書かれています。

シャーダッド・ロハニによるクラシックの傑作「マザー」の、心に響く美しさに浸りましょう! 才能あふれるシャーダッド・ロハニによる、深く心を揺さぶるクラシック音楽「マザー」で、心の奥底にある記憶を巡る感動の旅へお連れしましょう。幼少期の温かさ、郷愁を呼び覚まし、優しく穏やかなメロディーで心を揺さぶる作品です。

■ "Mother"(お母さん)/ シャーダッド・ロハニ 



指揮とピアノ演奏は、作曲家の シャーダッド・ロハニさんです。

2025年4月26日 (土)

知られざる名曲 第304回 アリア Op 9 / ヴァインベルク

今回はポーランド、ワルシャワ出身の20世紀の作曲家 ミェチスワフ・ヴァインベルク( Mieczysław Wajnberg、1919-1996 )にスポットを当てます。

日本での知名度は全くありませんが、作曲家として多くの作品を遺しました。

主な作品には、22曲の交響曲、管弦楽曲、17の弦楽四重奏曲、8つのヴァイオリンソナタ、チェロの為の24の前奏曲、6つのチェロソナタ、6つのピアノソナタ、他の器楽曲、そして7つのオペラ、多くの映画音楽があります。

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画像 ワルシャワ ACワークス


第二次世界大戦(ナチスのポーランド侵攻)の影響で数奇な運命をたどった人物でしたが、詳細な足跡はWikipediaに載っていますので、ここでは触れません。

ただ晩年は、クローン病を発症し、長い闘病生活の末、1996年2月26日に亡くなりました(享年76歳)。

 

■ アリア Op 9 ( Aria, Op. 9 ) / ヴァインベルク ( Weinberg )



リトアニア出身の指揮者 ミルガ・グラジニーテ=ティーラは、ヴァインベルクの交響曲第2番と第21番に捧げたアルバムでドイツ・グラモフォンからのレコーディング・キャリアをスタートさせました。数々の賞を受賞し、グラモフォン誌の年間最優秀録音賞や、オーパス・クラシック年間最優秀指揮者賞も受賞しました。

このアルバムは、忘れ去られた作曲家ヴァインベルクの生誕100周年を記念してリリースされました。彼女はヴァインベルク:交響曲第3番、第7番などの作品を通して、ワルシャワ生まれの作曲家の音楽への認知を広めるという使命をもっています。(YouTube動画の説明より)

この作品は彼の人生を投影して純粋で調和が取れている美的感覚を有するものの、映像で見ると指揮者の内的エネルギーが放出されて、祈りにも似た高揚感を味わうことが出来ます。

オーケストラ演奏は、度々来日しているフランス放送フィルハーモニー管弦楽団。


2025年4月10日 (木)

知られざる名曲 第303回 「エレジー」ト短調 Op.44 / グラズノフ(Glazunov)

グラズノフ(Aleksandr Konstantinovich Glazunov, 1865 - 1936)は、ロシア帝国末期の作曲家です。当知られざるシリーズは二度目の登場になります。

彼の名前を聞くと、《ライモンダ》や《四季》などのバレエ音楽を思い出す方も多いと思いますが、8つの交響曲と多数の管弦楽曲、5つの協奏曲、歌曲など多彩な才能の持ち主でした。

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画像 ACワークス


愁いを含んだこの曲は、ロシア・ロマン主義の作風で味わい深く鑑賞できます。彼は後に「ロシアのブラームス」とも言われましたが、まさに渋さがにじみ出た美しい小品です。

■ 「エレジー」 ト短調 Op.44 / グラズノフ(Glazunov)



演奏は、ギラッド・カルニ(ヴィオラ)と アンナ・カイザーマン(ピアノ)。

「k2k」 と言うデュオ名は、ヴィオラの karni(カルニ)さんと、ピアノの keiserman(カイザーマン)さんのアルファベットから取ったと思われます。


2025年3月31日 (月)

知られざる名曲 第302回 粉屋と小川(Der Müller und der Bach)/ シューベルト(リスト編)

ご存じの シューベルトの三大歌曲の一つ、「美しき水車小屋の娘」は、シューベルトが 詩人ヴィルヘルム・ミュラー(Johann Ludwig Wilhelm Müller、独、1794- 1827)の詩に曲を付けた 全20曲からなる歌曲集です。

その中から、リストがピアノ独奏用に編曲した「第19曲 粉屋と小川(Der Müller und der Bach)」を聴いてみたいと思います。

今回は、知られざる名曲というより、知られざる名演奏かも知れません。


※なお、粉屋とは、水車の動力によって、収穫した麦を挽き、粉状にしてパンの材料を作る職人のことです。

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画像 ACワークス

W・ミュラー詩
實吉晴夫邦詩

第19曲

「若者と小川」
(Der Müller und der Bach)
この訳詞では、粉屋を若者とする


若者

まことの恋が 破れるとき
百合の花も枯れて 地に落ちる
月は雲間に 隠れてゆく
私の涙を 見せないように
天使もその眼を 閉じたまま
すすり泣きながら 眠りへ誘う

小川

苦しい恋が 過ぎ去れば
夜空に 光る 新しい星
バラの花も 薄桃色に咲く
二度と 枯れない 茨の中の花
天使も翼を 折りたたんで
毎朝 ここに 降りてくる

若者

小川よ 小川よ 心の友
君には分かるね 恋の苦しさ
水に沈めば 憩いがある
小川よ 小川よ 歌い続けてよ
心の小川よ 歌い続けてよ

出典:国際フランツ・シューベルト協会


■ 粉屋と小川(Der Müller und der Bach)/ シューベルト(リスト編)



ピアニストは、ヴァレンティーナ・リシッツァ (Valentina Lisitsa ·  1973ー) ウクライナ出身です。

Wikipediaによると、「彼女はウクライナ出身ではあるが、親ロシア・親プーチンの立場をとり、演奏会や録音をキャンセルされるようになった。

2015年4月にはトロント交響楽団の演奏会でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏する予定だったが、楽団側から出演をキャンセルされた。

また2022年6月にはブダペストでグリーグのピアノ協奏曲をハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団と演奏する予定となっていたが、5月にキャンセルされた。2023年4月に予定されていたヴェネツィア・フェニーチェ劇場での演奏会も2022年12月に中止が決まった。

かつてはアメリカを拠点に世界中で演奏活動を行っていたが、2023年1月時点のインタビューでは、夫と別居してモスクワに住み、ロシア国内で演奏活動をしていると語っている。」



不幸なことに、政治的な圧力により、音楽界も不当な影響を受けています。彼女の祈りに満ちた演奏は世界にとってかけがえのないものです。

 

2025年3月29日 (土)

知られざる名曲 第301回  ピアノ三重奏曲 ハ長調 作品29 / ペヤチェヴィッチ

作曲家 ドラ・ペヤチェヴィッチ(Dora Pejačević, 1885 - 1923)の名前はあまり知られていません。

彼女は、クロアチア東部のナシツェという町にある貴族の家系に生まれ、お城(ペヤチェヴィッチ城)で少女時代を過ごしたと言います。なるほど、この「ピアノ三重奏曲ハ長調 作品29」も、どこか気品に満ちています。

36歳で結婚するものの幸せは長く続かず、結婚して1年半後の1923年、男の子を出産した直後に、腎不全により37歳で亡くなりました。

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写真: マルコ・バニッチ、出典: オシエク・バラニャ県観光局



Wikipediaによると、後期ロマン主義音楽の様式で58曲を後世に遺し、その大半がピアノ曲や室内オーケストラのための作品で、そのほとんどが出版も録音もされずに自筆譜のまま遺されていると言います。


■ ピアノ三重奏曲 ハ長調 作品29 / ペヤチェヴィッチ(Dora Pejačević)



第1楽章冒頭の上品な美しい音楽は特筆に値します。全曲は35分ありますから、BGMとしてお聴きください。


2025年3月24日 (月)

知られざる名曲 第300回  トリストローザ / ヴィラ=ロボス

ブラジル(リオデジャネイロ生まれ)の作曲家 エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos 1887 - 1959)を取り上げます。

彼は独学で作曲を勉強し、南米のみならず、20世紀を代表する作曲家の一人として活躍しましたが、指揮者、チェリスト、クラシックギタリスト としても才能を発揮しました。

作品は、クラシックの技法にブラジル独自の音楽を取り込んだ作風で知られていますが、多作家としても知られ、作品数は1000曲を超えます。

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画像 リオデジャネイロの朝焼け  ACワークス  


ヴィラ=ロボスが23歳の頃に作曲したワルツ「トリストローザ(悲しみに満ちて)」は、原曲はピアノ曲ですが、ヴィラ=ロボスらしく、ギターで演奏したものを選びました。


■ トリストローザ / ヴィラ=ロボス
( H. Villa-Lobos  Tristorosa )



音楽をいつくしむかのようにギターを奏でる表情がとても美しいですね。

視聴回数190万回、この演奏は、Tatyana Ryzhkova (タチアナ・リツコヴァ)さん、ベラルーシの女性ギタリストです。


クラシックギター曲と言えば、「禁じられた遊び」とか「アルハンブラの思い出」が有名ですが、皆様のギター名曲リストに、是非この「トリストローザ」を入れていただければ嬉しく思います。


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