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書の作品

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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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カテゴリー「知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける」の274件の記事

2023年9月24日 (日)

知られざる名曲 第217回 マドリガル / ゴーベール

フルートの作曲家として知られる フランスの音楽家 ゴーベール(Philippe Gaubert、1879 - 1941)の洒落た小品を取り上げました。

ゴーベール少年は 南フランスのカオールで生まれ、 6 歳のときに両親とともにパリに移りました。彼の母親は家政婦でしたが、その働き先がパリ音楽院のフルート教授ポール・タファネル氏の家でした。

その縁もあって、ゴーベール少年は13歳で本格的にフルートを学ぶことになり、同年 名門パリ音楽院に入学しました。

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画像 ACワークス(株)

彼は、ヨーロッパ史でいう戦間期の作曲家として 時代に翻弄されながらも、フランスで最も著名な音楽家の 1 人になりました。

パリ・オペラ座のフルート奏者として著名なキャリアを積んだ後、1​​919 年、40 歳で彼はフランス音楽界の中心に位置する 3 つの役職に任命されました。

  • パリ音楽院フルート教授(マルセル・モイーズの教師)
  • パリ・オペラ座の首席指揮者
  • パリ音楽院管弦楽団の首席指揮者 (Wikipediaより)


■ マドリガル( Madrigal pour flûte et piano)/ ゴーベール



明らかにフォーレやドビュッシーの影響を受けた音楽ですが、フルートの魅力を最大限に引き出した魅惑的な一曲です。

フルート演奏は、ミュンヘン国際音楽コンクールのフルート部門で第一位となった 韓国の キム・ユビン(Yubeen Kim)さん。

ピアノ演奏は、韓国出身の ソン・ヘリンさん。ソウル音楽大学を経て、ドイツに渡り ベルリン国立音楽大学卒業。国内外のコンクールで常に上位入賞を果たす実力派ピアニスト。

2023年9月17日 (日)

知られざる名曲 第216回 バンドネオン協奏曲第3楽章 / ロベルト・ディ・マリーノ

日本ではアルゼンチンタンゴのイメージが強いバンドネオンですが、ドイツ生まれのこの楽器は海外ではクラシック音楽にも使用されています。どこか哀愁を帯びた独特の音色が特長です。

そんなバンドネオンのための協奏曲。ピアソラの作品は聴いたことがありましたが、今回は イタリアの作曲家 ロベルト・ディ・マリーノ(Roberto Di Marino 1956- )の「バンドネオン協奏曲第3楽章」を選びました。実は私も初めて聴きました。

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画像 ACワークス(株)

彼は、トレント音楽院で、作曲、合唱音楽、合唱指揮、ジャズ、吹奏楽などを専攻しました。
また、国内外の作曲コンクールで優勝するなど、作曲・編曲分野で国際的に評価されています。

ロベルト・ディ・マリーノの作品の一部は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーと日本のヴァイオリニスト古澤巌とで結成されたアンサンブルによって最近録音された3枚のCDに収録されています。

現在はヴェローナ音楽院で教鞭をとり、トレント近郊に住み、ほとんどの時間を作曲と編曲に費やしています。
※Roberto Di Marinoサイト参照


■ バンドネオン協奏曲第3楽章 / ロベルト・ディ・マリーノ



バンドネオン奏者のマリオ・ステファノ・ピエトロダルキ (Mario Stefano Pietrodarchi 1980- )は、イタリアのアテッサで生まれました。彼は 9 歳でアコーディオンを学び始め、その後バンドネオンに転向しました。

フェナローリ市立音楽学校で学び、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院を優秀な成績で卒業。
そのエネルギーが充満した演奏スタイルと音楽性で、世界的バンドネオン奏者の一人として高い人気を得ています。


今回は特別に、この マリオ・ステファノ・ピエトロダルキさんの演奏をもう1曲お聴き下さい。まさに神が降臨した芸術性を感じます。

曲は、Martin Ulikhanyan の「Vocalise(ヴォカリーズ)」です。



バンドネオンの表現力に驚きました。バンドネオンはアルゼンチンタンゴだけの楽器ではないことを再認識した次第です。

2023年9月 8日 (金)

知られざる名曲 第215回 カンタービレ(サムソンとデリラ) / サン=サーンス

フランスを代表する作曲家 サン=サーンス(Saint-Saëns,1835-1921)の、当シリーズ初登場となります。

サン=サーンスは「動物の謝肉祭」で有名です。特にその中でチェロで演奏される「白鳥」は知らない人はいないでしょう。

今回は、オペラ「サムソンとデリラ」の第2幕で歌われるアリア「「あなたの声にわが心は開く」のチェロ編曲版です。

この曲は、オペラファンならご存じの方も多いと思いますが、チェロで聴くとまた違った魅力のある名品です。
深い味わいがたまらないと思います。


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画像 ACワークス(株)

サン=サーンスの詳しい経歴は省略しますが、生後まもなく父は他界して、母親と叔母に育てられ、3歳で作曲を学び、7歳で高名な師匠についてさらに研鑽を積み神童ぶりを発揮し、何と13歳で名門パリ音楽院に入学しました。

やがてマドレーヌ寺院のオルガニストになったサン=サーンス。 リストは、彼こそが世界最高のオルガニストだと絶賛しました。

彼は、1875年に21歳年下の女性と結婚して2人の息子を授かりましたが、いずれも幼児期に死亡。そして結婚生活は破綻しました。

1877年、サン=サーンスはオペラによってより確固たる成功を手にしましたが、その作品こそが『サムソンとデリラ』でした。


■ カンタービレ(サムソンとデリラ) / サン=サーンス

チェロは ミッシャ・マイスキー(ラトビア)、ピアノは アリス=紗良・オット (ドイツ)さんです。
うっとりするような名演です。


余談ですが、

■ サン=サーンスも、アリス=紗良・オットも、名前の表記に「=」が付いています。他にも有名な作曲家の リムスキー=コルサコフがいます。

サン・サーンス ✖
サン=サーンス 〇

何故「・」ではなく「=」なのでしょう?

実は、外国人の名前の記述方法として「ブランク」の部分は「・」であらわし、「ハイフン」の部分は「=」であらわすという慣例があります。

例えば、Charles Camille Saint-Saëns は、シャルル・カミーユ・サン=サーンスと表記します。

外国人で、もともと名前に「ー(ハイフン)」が付いてる人は、日本語表記では「=(イコール)」となるのです。雑学でした。


2023年9月 5日 (火)

知られざる名曲 第214回 ラルゴ / ミューレ

イタリアの作曲家 ジュゼッペ・ミューレ (Giuseppe Mule 1885-1951)の美しい小品「ラルゴ」にスポットを当てました。

彼は、20歳でパレルモのベッリーニ音楽院でチェロの学位を取得し、その後 作曲の学位も取得しました。

1903年、学業を終える前に、チェロとピアノのための「ラルゴ」を作曲しました。

この曲は、イタリアの国営ラジオ放送のオープニング曲として使用されました。


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画像 Wikipediaより

ジュゼッペ・ミューレは、1922 年から1925 年までパレルモ音楽院の院長を務め、その後20年間 ローマのサンタチェチーリア音楽院 の院長も務めました。

彼は国家ファシスト音楽家シンジケートの全国書記であり、ファシスト政権の最も反動的な分野の指導者でした。20年間、彼はあらゆる手段を使ってモダニズムの前衛運動に激しく反対したとされます。

 

彼の作品には、多数の交響曲や室内楽、舞台音楽、7つのオペラ、5 つの映画音楽、オラトリオが含まれます。彼の作品はイタリア民俗主義が浸透したスタイルが特徴ですが、これには海外の資料によると賛否両論あるようです。今日では彼の作品が演奏されることは少ないようです。

しかし指揮者としても活躍して、イタリアで多くのキャリアを積み、同国の一流オーケストラと共演しました。


■ ラルゴ (Largo)/ ジュゼッペ・ミューレ

2023年8月25日 (金)

知られざる名曲 第213回 希望の種 / ステファン・シカール

私たちを至福の音楽の旅に誘う 作曲家 ステファン・シカール(Stephen Sicard (Logos) 仏 1964- )。詳しい経歴は分かりませんが、彼自身は独学で音楽を学んだとのことです。

ジャンルはやはり ヒーリングミュージック ですが、ステファン・シカールの音楽的魂は、大地と内なる存在の道を横断することで、インスピレーションの散歩を楽しんでいるのです。そこで彼は自然の精霊たちと出会うのです。

それは、すべての良心の目覚めを助けるこれらの新しい音楽的組成物の恩恵によって、あなたに提供される最も純粋な人生の贈り物でもあるのです。

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画像 ACワークス(株)


自分自身の声を聞いてください

そして無限を見つめてください

時間と空間の

そこで僕らは星の歌を聴く

数字の声

地球の調和

(以上、ステファン・シカールのHPより抜粋)


■ 希望の種(
LES SEMENCES DE L' ESPOIR)/ ステファン・シカール



2023年8月21日 (月)

知られざる名曲 第212回 望郷のバラード / チプリアン・ポルムベスク

チプリアン・ポルムベスク(Ciprian・Porumbescu 1853 - 1883)は、ルーマニアの作曲家(生まれは隣国ウクライナ)です。全く聞き慣れない名前ですが、Wikipediaによると、当時ルーマニアでは人気のある作曲家だったそうです。

幼少の頃より楽才を現してウィーンに留学し、ブルックナーにも師事しました。

しかし、愛国者であったポルムベスクは、オーストリア-ハンガリー帝国に支配されていたルーマニア独立運動に参加して逮捕投獄されます。

曲は獄中で故郷を偲び、恋人に思いを馳せながら書き上げた哀切のメロディーであり、29歳の若さで薄倖の生涯を閉じた チプリアン・ポルムべスクの代表作になりました。※ブログ「日々遥か」2009・7・2記事参照

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画像 ACワークス(株)

1992年、日本のヴァイオリニスト 天満敦子さんが ルーマニア公演をした際、この曲の存在を知って楽譜を日本に持ち帰り、それ以降日本各地で演奏されることになりました。天満敦子さんのファンなら聴いたことがあるかも知れません。


■ 望郷のバラード / チプリアン・ポルムベスク



切々たるソロヴァイオリンの感傷的な旋律が胸に迫ります。

2023年8月17日 (木)

知られざる名曲 第211回 スミルナのために / スパノウダキス 

スタマティス・スパノウダキス  (Stamatis Spanoudakis 1948- )は 現代ギリシャの古典作曲家です。ギリシャでは国民的作曲家ですが、日本での知名度はありません。

Wikipedia(海外版)によると、
彼は早い段階でクラシックギターを学び、その後ヴュルツブルク国立音楽院に通い、アテネではさらにクラシック音楽の研究を続けたそうです。そして、ビザンチン音楽(宮廷や宗教儀式のために作曲された歌と賛美歌)も勉強しました。

現在は、インストゥルメンタル、宗教音楽、映画音楽など多方面に活躍中です。

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画像 ACワークス(株)

この作品は、1919年~1922年、ギリシアがトルコの スミルナ に侵攻した戦争を題材にしています。

最終的には、トルコが撃退に成功して スミルナ を奪回しましたが、3年に及ぶ戦争で双方に多大な犠牲者が出ました。今の国際社会と同じで、和平の道のりは遠かったようです。この戦争が日本の高校教科書に載っていたかは不明ですが、学ぶべき点はあったはずです。


■ スミルナのために / スパノウダキス

2023年8月16日 (水)

知られざる名曲 番外編40 鳥の歌 / パブロ・カザルス(カタロニア民謡)

「カタルーニャの鳥たちは、青い空に飛びあがると Peace (ピース)、Peace (ピース) といって鳴くのです。」

昨日(8月15日)は 終戦記念日でした。久しぶりにこの曲のCDを聴きました。


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画像 ACワークス(株)


今、世界は混迷を極めています。

山火事などの自然災害、ウクライナの戦争、コロナ後遺症・・・

この曲を聴いて、世界平和を祈りたいと思います。


■ 鳥の歌 / パブロ・カザルス(カタロニア民謡)



知られざる名曲ではありませんが、今回は敢えて選曲いたしました。

2023年8月 8日 (火)

知られざる名曲 番外編39 エチュード Op.25,No.7 / ショパン(グラズノフ編) 

ショパン(Chopin 1810-1849)は、生涯に258曲作曲したとされます。
尚この曲は、短命だったショパン24歳の作品です。

ショパンはピアノの詩人と言われましたが、もちろん ピアノ曲は大人気で、幻想即興曲、別れの曲、ノクターン2番、革命エチュード、英雄ポロネーズ、子犬のワルツなどは、知らない人はいないと思います。

今回の エチュード(練習曲 嬰ハ短調) Op.25,No.7 は、ショパンの人気ランキングの ベスト50には入りません(※)が、その深い味わいは聴く人の心をとらえて離しません。
※ランキングは調査機関によって違います

この曲は、二つの旋律がオペラの二重唱のように寄り添う構成から、「恋の二重唱」と呼ばれることがあります。

また、練習曲ですが、特に左手の完璧な音とフレージングに焦点を当てていることから 左手で演奏されるメロディーラインのため、海外では、音域的に『チェロ(Cello)』の愛称で呼ばれることがあります。

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画像 ACワークス(株)


ロシア帝国末期からソビエト連邦建国期の作曲家 グラズノフ(Glazunov 1865 - 1936) は、この作品を、チェロとピアノ演奏用に編曲しました。

その秀逸なアレンジによって 今では世界中のチェロ奏者によって演奏されています。


■ エチュード Op.25,No.7 / ショパン(グラズノフ編)



チェロは、アルゼンチンのソル・ガベッタさん。ピアノは、ロシアの ポリーナ・レスチェンコさん。二人は1981年生まれ(同い年)です。


この曲を聴いて 好きになった方は、原曲のピアノソロを聴いてみて下さい。

 ↓

https://www.youtube.com/watch?v=OpBdHWGoyug

2023年8月 7日 (月)

知られざる名曲 番外編38 般若心経(心の経典) / Tinna Tinh 

般若心経と音楽との融合と言えるのでしょうか。

今までにない不思議な感覚を覚えますが、聴いているうちに自然な音楽の流れを感じます。

もともと般若心経には、木魚はもちろん、拍子木や太鼓によってリズミカルに唱える宗派(寺院)もあります。

音楽的要素を持った読経なのかも知れません。

それでも流石に、ピアノやヴァイオリン、ドラムスまでフューチャーされた般若心経は初めてです。

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画像 ACワークス(株)

■ 般若心経(心の経典)/ Tinna Tinh


この マントラミュージック とでも言うべき音楽を作ったのは、チェコ生まれの Tinna Tinh(1982-  )さん。

女優、モデル、脚本家、映画監督など活躍していましたが、現在は ベトナムに渡り真言密教系の修行中との事です(ホーチミン在住)。

 

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