菅総理誕生しても残念な政局
安倍首相が退陣表明すると、直後の内閣支持率が急上昇しました。
この珍現象を、ジャーナリストの池上彰さんは、「としまえん現象」と解きました。
それまで誰も見向きもしなかったのに、遊園地がなくなるとなったとたんに、みんなが殺到して最後は大勢の人が列を作るという。日本人というのは、なくなるとわかると急に惜しくなるんです。(池上彰)
画像 東京新聞記事 2020年8月31日、東京としまえん(戸田泰雅氏撮影)
そして数々の疑惑に蓋をしたまま、菅新内閣が誕生しました。
雪深い秋田の農家出身の 菅義偉(よしひで)新総理は、自分で働いて学費を稼ぎ志望大学を卒業した苦労人です。2世3世ばかりの国会議員の中では異色の存在と言えるでしょう。
年配者の多くは、新潟県の農家出身だった あの田中角栄元総理を思い出すのではないでしょうか。菅さん本人も多少は意識しているかも知れません。
画像 Wikipediaより
問題は今後の政局ですが・・・
菅新総理が誕生しても、自民党も、若手議員も、野党議員も、本当に日本のため、国民のために働いてくれるのか心配です。
■ 老醜政治家が牛耳る日本の未来
今回の菅総理誕生の陰には、自民党の二階俊博(81)幹事長と、麻生太郎(80)副総理が大きな役割を果たしたことは言うまでもありませんが、人生の大先輩に失礼とは言え、やはり高齢なのが気になります。
画像 Wikipedia 西日本新聞
いくら長寿大国日本にしても、国を動かしているのが80歳とか81歳というのは恥ずかしいと思います。余程人材不足なのか、後継者が育っていないのか、政治の世界の異常性を感じました。
■ 若手政治家の無駄なパフォーマンス
来月(2020・10月)からの酒税法改正に伴い、いわゆる「第3のビール」が、350ミリリットル換算で9.8円の増税となり、タバコも増税で50円ほど高くなります。※従来のビール、日本酒は減税しますが、良く売れている発泡酒が標的になっています。
昨年10月に消費税が上がったばかりですが、日本では増税することはあっても減税することはありません。
しかし日本には、庶民の味方、減税を訴える自民党の若手集団(安藤裕衆議院議員など衆参の国会議員100人以上 )がいます。彼らは、コロナ対策として、消費税減税を求める緊急声明を発表しました(下写真)。声明では「景気の致命的な下降を食い止めるには、消費税の減税が欠かせない」として、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めていました。
しかし、その主張は何処へ消えてしまったのでしょう。
また、今回の新総裁の選出方法に関しても、自民党若手有志(発起人 村井英樹衆院議員)は二階俊博幹事長に対し、党員・党友らの直接投票を求める署名を提出し、申し入れを行いました。この申し入れには小泉進次郎環境相も名を連ねています。
与党である自民党の若手議員のこのような行動は、国民目線に立ったものと言えるでしょう。しかし老醜政治家によって、ことごとく退けられ、見るも無残な状況です。まさに老醜政治家が牛耳る日本の未来を見る思いでした。
結果的に、この自民若手政治家の主張は全く受け入れてもらえず、ただのパフォーマンスに終わってしまいました。申し訳ないですが、本当に改革をする意思はあったのか疑問に思ってしまいます。
■ 期待ゼロの野党政治家
70代、80代の年寄りが中枢にいる与党に対し、野党は巻き返しを図れるでしょうか。
期待の合流新党の党名は「立憲民主党」、代表は枝野幸男氏に決まりました。新鮮味ゼロです。
しかもこの代表選挙は、党員やサポーターを加えず国会議員だけで行われたのです。余程 自民党総裁選のほうがマシと言わねばなりません。
毎日新聞と社会調査研究センターが9月8日に実施した全国世論調査では、
新党結成で野党に対する期待は高まったか、という設問に対し、
期待は高まった 24%
期待は低くなった 10%
もともと期待していない 65%
何と! 75%が「野党に期待しない」という、哀れな結果となりました。
当然です。自民党は冷笑を浮かべていることでしょう。
このように、国民に取って残念な政局は当分続きそうです。
若手が無視され、年寄りが幅を利かせる自民党と、国民から全く期待されない立憲民主党の不幸な構図。
たとえ衆議院選挙があっても、野党に「政権を取る気概がない」ことと、投票をしない国民がいる限り、日本は変わりません。
今後は自民党若手議員の奮起に期待したほうが良いかもしれません。皆様はどうお考えでしょうか?
■ 週刊文春 2021年7月8日号 では、安藤議員を「自民党“魔の3回生”56歳 引退の理由は50代タレントと“W不倫”」と報じる。
真偽は定かでないが、またしても情けない日本の政治家の現状が明るみに。
やはり誰も期待できません!