知られざる名曲 第296回 奇想曲イタリアより「Qui Son Nato」/ 久保田 孝
久しぶりに日本の作曲家、それもマンドリン界にスポットを当ててみようかと思いました。
マンドリンは、イタリアで生まれましたが、日本は世界一マンドリンが盛んな国です。
ただ、近年はマンドリン音楽は衰退しています。学校のギターマンドリン(ギタマン)クラブは、部員が足りず、指導者も不足していて、廃部に追い込まれています。地方ではマンドリンのコンサートも滅多に聴けなくなりました。
日本のマンドリン界の草分け的存在として知られ、名古屋にゆかりのあった故中野二郎さんは、
日本のマンドリン音楽の在り方が、総体に演奏会を開くためのものゝのようで、勢い大編成の大掛かりなものばかりに眼が行って、無数に存在する佳曲が埋もれた儘(まま)に忘れられています。それどころか楽器店にはマンドリンも無く、書店には何一つ関係書籍は見あたらずという現状では、どうにも発展のしようがないのですが、又それをさして痛傷とも感じないようなところに致命的なものがあります。(1993.2)
と語り、マンドリン界の現状に憂慮しています。(マンドリンアンサンブル・ヴォールテンペリーレンHPより転記)
マンドリンを応援する意味で、今回の「知られざる名曲」は、久保田 孝 (1942- ) 作曲の「奇想曲イタリアより "Qui Son Nato" 」を選曲しました。
画像 ACワークス
久保田 孝は、古賀政男が創設した 明治大学マンドリン倶楽部出身で、大学卒業後の1968年 西ドイツへ留学し、カールスルーエ音楽大学指揮科、その後 1972年ウィーン国立音楽大学指揮科で ハンス・スワロフスキーに師事。指揮者としての研鑽を積みました。
帰国後、指揮者として活動し、東京フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、群馬交響楽団、新星日本交響楽団、日本新交響楽団などを指揮して高評価を得ました。
作曲家としては、マンドリンオーケストラ曲の活動は明治高等学校在学中より始まり、現在に至るまで数多くの曲を手掛け、マンドリン界で好評を博し日本全国各地のマンドリン楽団での演奏機会も多数あります。(一部Wikipediaより)
■ 奇想曲イタリアより「Qui Son Nato」/ 久保田 孝
チェロ独奏:髙橋 麻理子
指揮:久保田 孝
演奏:EUPHORIA 上智大学ソフィアマンドリーノ 合同オーケストラ
チェロの独奏が、哀愁のあるマンドリンの音色に良くマッチしています。