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書の作品

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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2025年1月の8件の記事

2025年1月22日 (水)

知られざる名曲 第289回 ロマンス / ミケーレ・マンガーニ

イタリアの作曲家 ミケーレ・マンガーニ (Michele Mangani,1966- ) の、クラリネットとピアノのための「ロマンス」が本日の知られざる名曲です。

ミケーレ・マンガーニ は、イタリア中部のマルケ州にある小さな世界遺産の町 ウルビーノ出身で、1984年にペーザロ音楽院「ジョアキーノ・ロッシーニ」でクラリネットを学び、1987年にバンド楽器、1990年に作曲、1992年にオーケストラ指揮を学び、1988年にボローニャ音楽院「GB マルティーニ」で合唱音楽とコーラス指揮を学びました。

作曲家としては、デュオから合唱まで室内楽アンサンブルのための作品を多数手がけ、最大の作品は吹奏楽と交響楽団の音楽で、オリジナル作品と編曲を合わせて約200曲を作曲していますが、その多くは吹奏楽やバンドのコンクールで必須曲として取り上げられています。
(公式サイト https://www.michelemangani.it/ 参照)


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画像 イタリア ウルビーノ ACワークス


クラリネットは、音域が約4オクターブと全管楽器中最も広い楽器です。そして、木管の柔らかい音色が特徴的です。

味わいのある豊かな響きと、輝かしい高音域までカバーできるので、オーケストラに無くてはならない楽器です。

吹奏楽ではオーケストラのヴァイオリンに当たるパートを受け持ち、主に旋律を担当します。

そんなクラリネットですが、意外と名曲が少ないのが不思議です。その中でも、モーツァルトのクラリネット五重奏曲や協奏曲、ウェーバーのクラリネット協奏曲はとても名曲です。ブラームスのクラリネット五重奏曲もお勧めです。


■ ロマンス
(Romanza) / ミケーレ・マンガーニ



この曲を聴いて日本的なしっとりとした風情を感じるのは私だけでしょうか・・・


♪クラリネット:ピオトル・デック Piotr Dec

現在、ロンドンの王立音楽アカデミー(RAM)の音楽修士課程の奨学生として、クラリネットを研鑽中。


♪ピアノ:マグダレナ・ドゥシュ  Magdalena Duś


室内楽奏者。 2012年から音楽アカデミーで室内楽のクラスを教えている。カトヴィツェのカロル・シマノフスキ教授のピアノクラスを優秀な成績で卒業した。


2025年1月21日 (火)

知られざる名曲 第288回 「イエローストーン」 テーマ / ブライアン・タイラー

ケヴィン・コスナー主演の人間ドラマ「イエローストーン」。

現代のアメリカ西部モンタナ州を舞台に、イエローストーン国立公園に接する広大な牧場を所有するジョンと開発業者や先住民の、土地をめぐる争いと、家族の葛藤を描くドラマです。

今回は、そのドラマのテーマ音楽をご紹介します。

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画像 イエローストーン ACワークス


作曲は、ブライアン・タイラー(Brian Theodore Tyler, 1972 - )。アメリカ合衆国の作曲家、指揮者、ミュージシャン、編曲家、音楽プロデューサーです。

タイラーは、ピアノ、ギター、ドラム、ベース、チェロ、ワールドパーカッション、ギターヴィオル、チャランゴ、ブズーキなどの演奏に長けたマルチ楽器奏者です。彼は、世界中で自身の映画音楽による交響楽コンサートを指揮しており、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ハリウッド・スタジオ交響楽団を頻繁に指揮しています。(公式サイト参照)


■ 「イエローストーン」 テーマ / ブライアン・タイラー

2025年1月19日 (日)

知られざる名曲 第287回 Melody (メロディ) / ミロスラフ・スコリク

ロシア・ウクライナ戦争は、2022年2月24日に侵攻が始まって以来、もうすぐ3年が経過しようとしています。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道では、両国の兵士の死傷者数は100万人(民間人含まず)を超えたとのこと。
いったい何のための戦争だったのでしょうか? あまりにも不条理で、あまりにも悲惨です。一部の軍需産業が大儲けしたに過ぎません。

今回は、ウクライナの作曲家 ミロスラフ・スコリク ( Myroslav Myxajlovyč Skoryk , 1938 - 2020)の代表作「ヴァイオリンと管弦楽のためのメロディイ短調」にスポットを当てました。

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画像 ウクライナ リヴィウ街並み ACワークス


あまり知られていませんが、この曲は1982年のソ連の戦争映画『ヴィソキー・ペレヴァル』 "Vysokyy pereval" のために作曲された映画音楽です。

元々はフルートとピアノのために作曲されましたが、その後、多くの楽器用に編曲されています。

近年は、ロシアのウクライナ侵攻に関連して、平和を希求するチャリティコンサートなどで頻繁に演奏されています。


■ Melody (メロディ) イ短調 / ミロスラフ・スコリク



演奏は、ヘルマン・マカレンコ 指揮、キエフ・クラシック管弦楽団


2025年1月18日 (土)

知られざる名曲 第286回 チェロ協奏曲ニ短調 Op82 II. Romanza / カール・ライネッケ

前回と今回286回は、チェロ曲が続きます。今回は、チェロ協奏曲ニ短調 Op82 II. Romanza(1864年作曲)を選びました。

作曲は、ドイツの作曲家 カール・ライネッケ(Carl Heinrich Carsten Reinecke, 1824 - 1910 )です。彼は昨年(2024年)生誕200年でしたので、名前をご存じの方もあるかと思います。

彼は、ドイツロマン派の重鎮として、シューマン、メンデルゾーン、リスト、ブラームスとも親交がありました。そして、85歳で亡くなるまで作曲家、ピアニスト、指揮者、教育者として活躍しました。

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画像 ACワークス


音楽家としては才能と長寿に恵まれたライネッケでしたが、必ずしも幸福な人生を歩んだわけではありませんでした。彼は人生で3度結婚していますが、ケルン時代1852年に結婚した妻は8年で他界しました。62年に再婚した妻も10年足らずで亡くなっています。そして72年にマルガレーテ・シッフリンと3度目の結婚をしました。

愁いを含んだこの作品を聴くと、ライネッケの心情が伝わってきます。


■ チェロ協奏曲ニ短調 Op82 II. Romanza / カール・ライネッケ



チェロ演奏は、アメリカ出身の マイケル・サミス (Michael Samis ) 、グレゴリー・ウォリネック指揮の ゲートウェイ室内管弦楽団。

 

2025年1月13日 (月)

知られざる名曲 第285回 美しい夕暮れ / ドビュッシー

フランスの大作曲家 ドビュッシー(Claude Achille Debussy  1862-1918)の「知られざる名曲シリーズ」初登場となります。

今回の曲は、「美しい夕暮れ(Beau soir 詩:ポール・ブールジェ)」。

この作品はドビュッシーが18歳の時に書いたアートソング(芸術歌曲)です。

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画像 ACワークス

3分ほどの小品ですが、きっとロマンティックな雰囲気に満たされると思います。今回はチェロでお聴き下さい。

沈む夕日の中、川が真っ赤に染まり
暖かくさざめく波が小麦畑の上を渡るとき
あらゆるものが「幸せになれよ」と言っているようだ
揺れ動く心にはそう聴こえてくる(歌詞一部)


■ 美しい夕暮れ / ドビュッシー


演奏は、オーストラリアのチェロ奏者リチャード・ナローウェイ氏です。グラモフォン誌で「魅惑的な感性」と「爽快な権威」と称えられ、同世代で最も注目されるアーティストの一人として国際的な評価を得ています。

2017年、リチャードはバッハの6つの無伴奏チェロ組曲でレコーディングデビューを果たし、リリース以来、アルバムは100万回以上ストリーミングされ、世界中で注目を集め続けています。

カナダ人ピアニスト、ケビン・アファット氏は、温かく洗練された演奏力で、この演奏をサポートしています。

 

■ ご参考 ヴァイオリン:髙木 凜々子  ピアノ:五十嵐 薫子

https://www.youtube.com/watch?v=nIKYTxA5bXQ

 

2025年1月12日 (日)

知られざる名曲 第284回 ピアノ三重奏第2番ホ短調第1楽章 / サン=サーンス

サン=サーンス(Charles Camille Saint-Saëns、1835-1921)は、動物の謝肉祭とか、交響曲第3番「オルガン付き」が有名ですが、室内楽の世界でも多大の功績を遺しました。今回取り上げる作品は、19 世紀のフランスでは最高ランクのピアノトリオと評された名曲ですが、日本のコンサートで演奏されることは滅多にありません。

第1楽章、美しくも何かを予感させるような冒頭のメロディは何度も繰り返され、フランス音楽らしいエレガントな雰囲気を持ちながらも適度な緊張感を生んでいます。雄弁で感情の起伏が複雑に絡み合うのですが、冒頭の主題が出てくると、どこか叙情的で優雅な気分になれます。スケールの大きなピアノトリオですが、細部にまで生き生きとした輝きを感じます。

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画像 ACワークス


今回演奏しているトリオ Latitude(ラティチュード)41 は、2015 年にこの曲をリリースしました。

このレコーディングについて、評論家のジョン ソベルは次のように語っています。

「このトリオの演奏は、ピアニストのベルナデネ ブラハ、ヴァイオリニストのリヴィア ゾーン、チェロ奏者のルイジ ピオヴァーノの3人であるが、それぞれ技巧に見合う自発性を発揮している。彼らは、熱く、感情にあふれ、技術的に複雑な第 1 楽章に必要な情熱をすべて注ぎ込み、独立性を示す素晴らしい演奏を披露した。」

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トリオ Latitude(ラティチュード)41

■ ピアノ三重奏曲第2番ホ短調 第1楽章 Op.92 / サン=サーンス



2025年1月 6日 (月)

知られざる名曲 第283回 武蔵坊弁慶 オープニングテーマ / 芥川也寸志

前々からこのシリーズの候補だった NHK新大型時代劇 「武蔵坊弁慶」の オープニングテーマ をご紹介します。39年も前のテレビ番組ですが、年配の方は覚えていらっしゃると思います。かく言う私もその一人です。

今では娯楽用の時代劇は全滅してしまいました。昔は、水戸黄門、暴れん坊将軍、必殺仕事人、大奥、遠山の金さん、銭形平次、大岡越前、忠臣蔵など時代劇全盛でした。多くは勧善懲悪で人情豊か、時代劇はテレビの花形でした。

何故時代劇が衰退したかと言うと、先ず製作費に金が掛かるからです。時代劇では建物も衣装も小道具も、何もかも作らねばなりません。昔の所作や殺陣を教える時間と手間も必要になります。

さらに、時代劇を見ているのは高齢者ということで、スポンサーは、購買力のある若い層が見る番組を好み、時代劇を敬遠しがちになったからでしょう。(一部読売新聞オンラインより)

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画像 NHK武蔵坊弁慶 中村吉右衛門(1986年)

この「武蔵坊弁慶」の オープニングテーマは、赤穂浪士のテーマ曲に次ぐ名曲です。芥川也寸志(1925 - 1989)の真骨頂と言える音楽です。

絶え間なく続く打楽器のリズム、前進する軽快な音楽、それでいて旋律は切なく、主人公の悲劇を連想させます。

■ 武蔵坊弁慶 オープニングテーマ / 芥川也寸志

演奏は、指揮:飯守泰次郎 新交響楽団 です。

バックの日本画は、葛飾北斎の「すずめとマグノリア」です。



■ 今まで取り上げた邦人作品リスト

 

 

2025年1月 1日 (水)

知られざる名曲 第282回 私を離さない愛 / エレーヌ・ハーゲンバーグ

新年あけましておめでとうございます。

当「知られざるクラシック名曲シリーズ」も、2021年スタート以来 3年10か月、その間280曲を超える名曲をご紹介して参りました。

知られざる名曲の多くが皆様にご視聴いただけたことで、埋もれていた過去の名曲・近代の新しい名曲が、わずかでも皆様のお耳に触れたことは、私に取っても大きな喜びです。

これからも、皆様と共感できる名曲との出会いを求めて一意専心して参ります。さらなるお引き立てをお願い申し上げます。

 

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画像 ACワークス


2025年最初の一曲は 讃美歌「私を離さない愛」です。

スコットランドの牧師ジョージ・マセソン(George Matheson1842-1906)の作詞による宗教作品です。

マセソン牧師は19歳で失明し婚約者を失いましたが、その後、4年間神学校に通いました。姉妹たちの助けを借り神学校を卒業した後、マセソン牧師はスコットランドの有名な保養地であるイネランの小さな教会の牧師として18年間働き、後にはエディンバラの2000人もの人々が通う聖バーナード教会という大きな教会の牧師となりました。(大久保バプテスト教会サイト参照)


私を放さない愛よ、

私の疲れた魂はあなたに安らぎます。
私が借りている命をあなたに返します。
あなたの海の深みで、その流れが
より豊かに、より満たされますように。

私の行く道をずっと追いかける光よ、
私は揺らめく松明をあなたに譲ります。
私の心は借りてきた光線を取り戻します。
あなたの太陽の輝きで、その日が
より明るく、より美しくなりますように。(出典:日々の礼拝のための賛美歌と祈り)


■ 私を離さない愛 "O Love"/ エレーヌ・ハーゲンバーグ


音楽は、米国アイオワ州出身の 作曲家エレーヌ・ハーゲンバーグ( HAGENBERG, Elaine 1979- )さん。

この讃美歌の言葉に感銘を受け、美しい旋律でマセソン牧師の敬虔な信仰心を表現しました。

 

コロナ、ウクライナ戦争以降、世界は混迷を極めています。
私たちの心に寄り添う癒しの音楽に触れ、皆様と共に平和を祈りたいと思います。

 

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