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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2024年10月の6件の記事

2024年10月25日 (金)

知られざる名曲 第270回 ロマンス 変ホ長調 / ステファン・エルマス

日本では無名の アルメニア人の作曲家 ステファン・エルマス(Stéphan Elmas 1862 - 1937)の、二度目の登場です。

前回は、鮮烈な音楽とロマン的音楽で、音楽のドラマティックな表現を楽しみましたが、今回は水彩画のような美しいピアノ小品です。

フルコースを食べた後の フルーツのデザート感覚があります。

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画像 ACワークス


速筆だったエルマスは、オーケストラ曲、ピアノ協奏曲、ピアノ作品から室内楽まで多くの作品を遺しました。

中でも、今回の「ロマンス」のように、優雅で粋なサロン風小品においては、彼は大きな成功を収めたと言えます。

■ ロマンス 変ホ長調(Romance for Piano)/ ステファン・エルマス



ピアノ演奏は、アルメニア生まれの ミカエル・アイラペティアン氏。モスクワ国立チャイコフスキー音楽院で学び、その後、多くのアルメニア作曲家の作品を演奏するコンサート活動を展開。彼はアルメニアのクラシック音楽の発展と普及への多大な貢献により、アルメニア共和国国家賞を受賞しました。



■ ご参考

知られざる名曲 第245回 ピアノ協奏曲第1番 / ステファン・エルマス

 

 

2024年10月19日 (土)

知られざる名曲 第269回 おお、私の不滅の竪琴よ / グノー

本日の主役 シャルル・フランソワ・グノー(Charles François Gounod、1818 - 1893)はフランスの作曲家です。最も有名な曲は、「アヴェマリア」でしょう。

グノーのアヴェ・マリアは三大アヴェマリア(グノー、カッチーニ、シューベルト)の一つで、 誰もがご存じだと思います。

この作品は、バッハの《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》の「前奏曲 第1番 ハ長調 BWV 846」を伴奏に、ラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた歌曲です。

この曲が余りにも有名なため、グノーの他の作品は、オペラ「ファウスト」以外は、このアヴェ・マリアの陰に隠れてしまいました。

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画像 カルチェラタン ACワークス

グノーはパリに生まれ、ピアノ奏者の母に音楽の手ほどきを受ける。パリ音楽院に学び、ローマ大賞を得てローマに3年間留学。同地でパレストリーナの教会音楽やJ.S.バッハらのドイツ音楽に開眼し、帰国後しばらくは教会オルガン奏者を務める一方聖職者を志して神学を学び、宗教音楽に打ち込んだ。

のちオペラに向かい,1851年に最初のオペラ「サッフォー(英語版)」を作曲した。その後オペラ「ファウスト」で成功。一時期ロンドンで活動するが、晩年は再び宗教音楽に専心し、オラトリオなどを完成した。ベルリオーズが切り開いたフランス近代音楽の継承者として、その節度ある音楽美学はのちのフランスの作曲家の範となった。

グノーは、ビゼーなどの多くの作曲家から尊敬され、慕われる人物ではあり続けたが、晩年には時代遅れと評され、その後『ファウスト』以上の成功を記録することはなく、彼の名は徐々に忘れ去られていった。彼はパリ近郊のサン=クルーの自宅で75歳の生涯を閉じた。(コトバンク、Wikipedia参照)


今回は、そんな グノーの知られざる名曲として、オペラ「サッフォー」より、メゾソプラノのアリア「おお、私の不滅の竪琴よ」を選びました。

■ おお、私の不滅の竪琴よ "Ô ma lyre immortelle"/ グノー(Gounod)


このオペラは、古代ギリシアの女流詩人サッフォーが,美貌の青年ファオンを恋するあまり海に身を投じたという伝説によるものです。芸術の理想と現実生活との対立を描いた格調高い作品と評価されています。

サッフォーの最後の独白「おお、私の不滅の竪琴よ」には、グノーが以前に作曲した名歌「漁師の歌」のメロディーが使用されています。

オペラは大ヒットしませんでしたが、アリア「おお、私の不滅の竪琴よ」は、それ自体で非常に人気を博し、多くの名歌手によって録音されています。オランダの編曲家 ロジャー・ニーゼは、このアリアをメゾソプラノと管弦楽用に編曲しました。

歌っているのは、スイス出身のメゾソプラノ歌手 マリーナ・ヴィオッティ。両親は音楽家です。彼女は好奇心旺盛な性格で、ジャンルにとらわれず、クラシック音楽だけでなく、ジャズ、メタル、シャンソンも研究しました。

2024年10月15日 (火)

知られざる名曲 第268回 アレグレット・ブリランテ / 山田耕筰

久しぶりに邦人作品にスポットを当てます。日本の作曲家では一番有名と言っても良い 山田耕筰ですが、こんな軽快な小品も作っていたのですね。

アレグレット・ブリランテ Allegretto Brillante とは、「輝かしく、やや軽快に」という意味です。

そして、山田耕筰( ※Kósçak Yamada 、1886~1965 ) は意外にも当「知られざる名曲シリーズ」初登場です。
※山田は、1913年(大正2年)以降、自分の名前のアルファベット表記を「Kósçak Yamada」としています。(Wikipediaより)

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画像 からたちの花 ACワークス


山田耕筰は、歌曲や童謡に知られた曲が多く、「
からたちの花(作詞:北原白秋)」「この道(作詞:北原白秋)」「赤とんぼ(作詞:三木露風)」「砂山(作詞:北原白秋)」「ペチカ(作詞:北原白秋)」「待ちぼうけ(作詞:北原白秋)」などが有名です。

しかし彼は、交響曲や管弦楽曲、室内楽曲、合唱曲からオペラまで幅広く作曲し、西洋音楽の普及に努めました。

今回の選曲にあたり、本当は「長唄交響曲第3番『鶴亀』(1934)」と迷ったのですが、美しい小品から聴いていただくことにしました。


■ アレグレット・ブリランテ / 山田耕筰



演奏は、 印田千裕(ヴァイオリン)さんと 澤田まゆみ(ピアノ)さんです。

尚、動画背景の絵画は、黒田 清輝 の「鉄砲百合」(1909年)です。


■ 関連サイト

知られざる名曲 第173回 秋の月(山田耕筰編曲)

当ブログ記事「社名と宗教」 山田耕筰は、カルピスの名付け親 だった


2024年10月 9日 (水)

知られざる名曲 第267回 おとぎの絵本 Op.113 第1曲 / シューマン

ロベルト・シューマン(Robert Alexander Schumann, 1810 - 1856)の「おとぎの絵本」Op.113 第1曲(1851年作曲)は晩年の室内楽作品の1つで、ヴィオラとピアノのために書かれました。

この曲は、デュッセルドルフ管弦楽団のコンサートマスター、ヴァシレフスキ(1822 - 1896)に捧げられています。

ヴァシレフスキは、メンデルスゾーンやシューマンのもとで学んだヴァイオリニストで、シューマンの死まで傍にいたのち、最初のシューマンの伝記本を書いたと言われています。

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画像 ACワークス

この曲が作られた デュッセルドルフ時代(1850年 - 1854年)のシューマンは、創作意欲はあったものの、精神を病んで ライン川に投身自殺を図りました。救助されたシューマンはボン近郊のエンデニヒの療養所に収容され、2年後の1856年7月に46歳で生涯を閉じました。

死の直前、シューマンの妻 クララ・シューマンが書いた日記( 1854年2月)には、

「かわいそうなロベルト、ひどく辛いらしい。彼にはどんな音も音楽に聞こえてしまうのだ。……これが止まらなければ気が狂ってしまうと何度も訴えている。巨大な管弦楽のようなものが聞こえ、それが終わるかと思えば、また次の音楽が彼の幻想の中に聞こえてくるという具合で、幻聴はひどい状態に達している」とあります。 

しかしこの音楽は安らぎに満ち、すでにシューマンの精神は天国の花園にいたようです。


■ おとぎの絵本 Op.113 第1曲 / シューマン

読書家だった シューマンが絶えず読んだ ジャン・パウルの全集の次のような部分にアンダーラインを引いています。

「花は生きていて眠るからには、きっと子供や動物と同じように夢を見る。結局、生物はすべて夢を見るのだ」

 

2024年10月 7日 (月)

知られざる名曲 第266回 りんごの島/ アディンセル

イギリスの作曲家 リチャード・アディンセル(Richard Addinsell, 1904 - 1977)の当シリーズ初登場です。

彼は、オックスフォード大学ハートフォード校に学んだ後、1925年に王立音楽大学に進み、さらにベルリン、ウィーン、米国に留学して音楽修業を積みました。

管弦楽曲『南国狂詩曲』のようなクラシック作品も遺していますが、主に映画音楽の作曲家として活躍しました。(Wikipedia参照)

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画像 ACワークス

アディンセルの代表作は、何と言っても 映画『危険な月光』(Dangerous Moonlight 1941年制作)のために作曲した『ワルソー・コンチェルト』です。ナチスによるポーランド侵攻に対する闘争を描いたもので、ラフマニノフのピアノ協奏曲を模したと言われています。

参考 ワルソーコンチェルト



■ りんごの島(The Isle of Apples)/ アディンセル(R. ダグラスによる管弦楽編)

この動画の背景の画像は、澄み切ったイギリス クリクキエスのマリンビーチです。

音楽も澄み切っています。とても透明感があり、クリスタルな響きです。

この素晴らしい曲は発見が遅く、おそらくアディンセルの生前中には演奏されなかったと言われています。
知られざる名曲に相応しいと思い選曲しました。ナクソスに感謝です。

2024年10月 4日 (金)

知られざる名曲 第265回 Spectrum of Violet / ビル・ダグラス

カナダの作曲家 ビル・ダグラス( Bill Douglas 1944- )の2回目の登場です。もう一度、彼の美しい音楽に浸ってほしいのです。

※ビル・ダグラスの詳しい経歴は、知られざる名曲 第192回 A Place Called Morning / ビル・ダグラス をご覧ください

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画像 カナダの夕陽 ACワークス

彼のアルバム「A Place Called Morning(朝と呼ばれる場所)」に、この曲「Spectrum of Violet」は収録されています。

ピアノ、オーボエ、ファゴット、クラリネット、フルート 、チェロによる癒しの音楽です。この曲には、すべてを受け入れる深い愛情と、すべてを許す無償の愛が内包しています。

特にダブルリードの管楽器、オーボエ、ファゴットの優しい旋律と音色に私たちは魅了されるのです。

この路線に沿った ダグラスの創作意欲は、最近の作品に表れています。

参考 2024年 発表作品(一例)

オーボエ、ファゴット、ピアノのための三重奏曲第3番
ファゴットとピアノのための平和への祈り
オーボエ独奏のための3つの舞曲
合唱とファゴット四重奏のための3つの地球の歌
オーボエとピアノのためのソナタ第3番
ファゴット四重奏のための祝典ダンス

■ Spectrum of Violet / ビル・ダグラス


音楽は、思いやり、優しさ、強さ、高貴さ、高揚感、喜びなどのポジティブな感情を呼び起こすことができます。

すべての生き物が幸せでありますように。 


ビル・ダグラス ホームページより

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