知られざる名曲 第233回 「フェドーラ」間奏曲 / ジョルダーノ
今回の「知られざる名曲」は、イタリアのオペラ作曲家 ウンベルト・ジョルダーノ(Umberto Giordano, 1867 - 1948)にスポットを当てます。日本のオペラファンなら、彼の代表作「アンドレア・シェニエ」をご存じの方も多いと思います。
しかし、ジョルダーノの時代(19世紀後半~)には、イタリアオペラの巨匠たちがキラ星のように輝いていました。ヴェルディ、プッチーニ、レオン・カヴァレロ、マスカーニなどです。
その陰になって、どうしても目立たない存在だったジョルダーノが書いた「隠れた傑作」が、今回のオペラ「フェドーラ」です。
この作品「フェドーラ」は、帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグ、パリ、スイスの山荘を舞台にした3幕仕立てで、甘く美しい旋律とドラマティックな劇音楽が魅力です。
画像 ACワークス(株)
実は「フェドーラ」の作者は、名作『トスカ』の戯曲を書いた フランスの劇作家 ヴィクトリアン・サルドゥです。
「トスカ」は、男女の三角関係を描いた単純明快なオペラでしたが、この「フェドーラ」は登場人物も多く、やや複雑です。
フェドーラ王女は、 ウラジーミル伯爵と結婚することになっていましたが、彼は何者かに殺害されてしまいます。
王女は復讐を誓い、容疑者の ロリス伯爵を追ってパリに向かいます。そこでロリスはウラジーミルを殺したことを告白するのです。
王女は警察にロリスを告発しますが、意外にも原因はウラジーミルの不倫と、先に発砲したウラジーミルにあり、ロリスは正当防衛だったことが判明します。~その後色々あり~フェドーラはロリスの腕の中で息を引き取り幕は下りるのです。
要は自分の婚約者を殺した相手を愛してしまったフェドーラの悲劇の物語です。
そんな悲劇のヒロイン フェドーラ、この音楽は、オペラの間奏曲の中でも飛びぬけて美しいものです。
■ オペラ「フェドーラ」間奏曲(Intermezzo from Fedora)/ ジョルダーノ
演奏は、ネーメ・ヤルヴィ 指揮、 ヨーテボリ交響楽団
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