知られざる名曲 第231回 戴冠式行進曲 / マイアベーア
日本のクラシック音楽界では、年末は「第九」、そして正月は「ウインナワルツ」が定番です。
~「第九」を聴いて、色々あった1年を振り返り ~
~ ウインナワルツで明るい新年を迎える ~
クラシックのファンだけでなく市民の多くが、「第九」と「ウインナワルツ」を楽しむという習慣は、素晴らしい国民性だと思いますが、やや個性に欠けるとか、ややマンネリ化しているという声も聞かれます。
2024年を迎え最初の「知られざる名曲」は、ユダヤ系ドイツ人作曲家 マイヤベーア(Giacomo Meyerbeer, 1791 - 1864)にスポットを当てることにしました。マイヤベーアは当シリーズ初登場です。
2023年は、イギリス国王チャールズ3世の戴冠式が、ロンドンで行われたことは記憶に新しい出来事でしたが、今回の知られざる名曲は、約170年前に作られたマイヤベーアの「戴冠式行進曲」です。輝かしい新年に相応しい選曲です。
画像 ACワークス(株)
マイヤベーアは裕福な家庭に生まれ、高度な音楽教育を受けるも、作曲家としてのスタートは不遇でした。
しかし、イタリアオペラでは成功して名声を得ると、華やかな音楽界を求めてパリへ進出します。
そこでは次々と新作がヒットし、ついに国際的な名声を確立したのです。
ビゼーはマイアベーアを ベートーヴェンまたはモーツァルトと同列に置き「雷神のような劇的天才」と称賛しました。
この頃の人気は、あのヴェルディにも匹敵するほどだったと言われています。そう言えば、この曲は「アイーダ」行進曲と似ています。
しかし時が経つと、反ユダヤ主義思想に基づくワーグナーの批判もあり、マイヤベーアのオペラは退廃音楽のレッテルが貼られ弾圧されたのです。また資料によると、シューマンンも露骨にマイヤベーアを批判したとされます。音楽家の世界も醜い側面があったようです。
マイヤベーア は1864年に亡くなりましたが、やっと近年になって彼の業績が見直され、欧米各地でのオペラ公演が世界中から注目を集めています。
この「戴冠式行進曲」も、グランドオペラ「預言者」の第4幕の音楽で、18本ものサクソルン(サクソフォンの一種)が使われる華やかな音楽です。上演回数は200回を超え、第3幕で太陽が昇るシーンにおいて、オペラ史上初めて電力による照明が試みられました。(以上Wikipediaより一部参照)
■ 戴冠式行進曲(Coronation March)/ マイアベーア
演奏は、スロバキア・フィルハーモニー管弦楽団。
4分足らずの曲ですが、特に 0:42 からの旋律はとても美しく、気分が爽快になります。
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