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  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2023年11月28日 (火)

知られざる名曲 第226回 レクイエム / コズロフスキー

「3大レクイエム」とは、モーツァルト、フォーレ、ヴェルディのレクイエムを指します。
もし、4大レクイエムなら、ブラームスを加えたいところです。この4曲は演奏機会も多いと思います。

多くの著名な作曲家が「死者のためのミサ曲(レクイエム)」を作曲しましたが、今回は非常にマイナーな "ヨゼフ・コズロフスキー Józef Kozłowski 1757- 1831)" のレクイエムにスポットを当てます。彼は、ロシアで大きな名声を博したポーランド出身の作曲家です。 

コズロフスキーは、ポーランド国王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ(1798年没)の死を悼んで この"レクイエム変ホ短調”を作曲し、1798年2月25日にサンクトペテルブルクで初演されました。そして、最後に演奏されたのは 1804 年と記録されています。

その後演奏されることもなく、1825年にはロシア皇帝アレクサンドル 1 世の葬儀のために改定(第2版)されましたが、最後に演奏されて200年間、眠ったまま放置されてきました。

そして、1988年にウラジーミル・イェシポフ指揮 ソビエト国立文化省交響楽団(現ロシア国立交響楽団)/  国立モスクワ合唱団で約200年ぶりに演奏されました。ただこの時の版はオリジナルではありません。

しかし、モーツァルトのレクイエムに匹敵する古典期の名曲であることが判明して、完全なオリジナル版での再演が待たれることになりました。

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画像 ACワークス(株)

近年、このレクイエムの再演と出版を目指して大きな動きがあり、専門家などによる懸命な調査と詳細なスコアの編纂作業を経て、コズロフスキーのレクイエムは、オリジナルスコアに忠実な形で蘇ることに成功し、このほどシンガポール交響楽団(指揮 ハンス・グラフ)、シンガポール交響楽団青少年合唱団によってアジア初演という快挙を成し遂げたのです。

現在このオリジナル版で レクイエムの全曲を聴くことは出来ません。
シンガポール交響楽団のメンバーに入会して、月額いくらか会費を払えば聴くことが出来るようです。

■ レクイエム 変ホ短調より " ディエス・イレ” 抜粋 / ヨゼフ・コズロフスキー




■ ご参考 全曲 https://www.youtube.com/watch?v=Ik8ktuRwIRo
イェシポフ指揮 ソビエト国立文化省交響楽団(現ロシア国立交響楽団)/  国立モスクワ合唱団

この曲を聴いたら、あまりの完成度の高さに圧倒されると思います。


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