知られざる名曲 第215回 カンタービレ(サムソンとデリラ) / サン=サーンス
フランスを代表する作曲家 サン=サーンス(Saint-Saëns,1835-1921)の、当シリーズ初登場となります。
サン=サーンスは「動物の謝肉祭」で有名です。特にその中でチェロで演奏される「白鳥」は知らない人はいないでしょう。
今回は、オペラ「サムソンとデリラ」の第2幕で歌われるアリア「「あなたの声にわが心は開く」のチェロ編曲版です。
この曲は、オペラファンならご存じの方も多いと思いますが、チェロで聴くとまた違った魅力のある名品です。
深い味わいがたまらないと思います。
サン=サーンスの詳しい経歴は省略しますが、生後まもなく父は他界して、母親と叔母に育てられ、3歳で作曲を学び、7歳で高名な師匠についてさらに研鑽を積み神童ぶりを発揮し、何と13歳で名門パリ音楽院に入学しました。
やがてマドレーヌ寺院のオルガニストになったサン=サーンス。 リストは、彼こそが世界最高のオルガニストだと絶賛しました。
彼は、1875年に21歳年下の女性と結婚して2人の息子を授かりましたが、いずれも幼児期に死亡。そして結婚生活は破綻しました。
1877年、サン=サーンスはオペラによってより確固たる成功を手にしましたが、その作品こそが『サムソンとデリラ』でした。
■ カンタービレ(サムソンとデリラ) / サン=サーンス
チェロは ミッシャ・マイスキー(ラトビア)、ピアノは アリス=紗良・オット (ドイツ)さんです。
うっとりするような名演です。
余談ですが、
■ サン=サーンスも、アリス=紗良・オットも、名前の表記に「=」が付いています。他にも有名な作曲家の リムスキー=コルサコフがいます。
サン・サーンス ✖
サン=サーンス 〇
何故「・」ではなく「=」なのでしょう?
実は、外国人の名前の記述方法として「ブランク」の部分は「・」であらわし、「ハイフン」の部分は「=」であらわすという慣例があります。
例えば、Charles Camille Saint-Saëns は、シャルル・カミーユ・サン=サーンスと表記します。
外国人で、もともと名前に「ー(ハイフン)」が付いてる人は、日本語表記では「=(イコール)」となるのです。雑学でした。
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