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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2023年7月の7件の記事

2023年7月26日 (水)

知られざる名曲 番外編35 平和のための祈り / 山本直忠 

今年も8月15日「終戦記念日」が近づいてきました。

今回は、日本の作曲家 山本直忠(1904 - 1965)による「平和のための祈り」を聴いて、戦没者を追悼し平和を祈念したいと思います。

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画像 ACワークス(株)

山本直忠は、実業家の父と小説家の母のもとに生まれる。幼時から幸田延にピアノを師事。暁星中学在学中から近衛秀麿に師事し、近衛の外遊中は短期間ながら山田耕筰にも師事。

成長して、東京高等音楽専門学校(現・国立音楽大学)の教師となる。このとき学生の大橋浪江(のちピアニストとなる)と知り合い、後に結婚。浪江との間に生まれた長男が山本直純である。

高崎市民オーケストラ(群馬交響楽団)の初代常任指揮者を務め、映画化もされた(今井正監督「ここに泉あり」)。

1950年に受洗してカトリック教徒となり、洗礼名フランシスコを授かった。晩年は南山大学教授を務める傍ら、宗教音楽の創作をライフワークとし、グレゴリアン・チャント音楽学会理事長として宗教音楽を研究。

南山大学での教え子の饗庭孝男は、山本を「音楽上の覚醒者」と呼んでいる(饗庭孝男『恩寵の音楽』音楽之友社、1984年)。
(コトバンク、Wikipedia参照)


■ 平和のための祈り / 山本直忠 

■ ご参考

フランシスコの平和の祈り

主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。

憎しみのある所に 愛を
争いのある所に 許しを
分裂のある所に 調和を
誤りのある所に 真実を
疑いのある所に 信頼を
絶望のある所に 希望を

闇のある所に あなたの光を置かせてください
悲しみのある所に 喜びを置かせてください

主よ 慰められるよりも慰め
理解されるより理解し
愛されるよりも愛することを求めさせてください

なぜならば
与えることで人は受け取り
忘れられることで人は見出し
許すことで人は許され
死ぬことで人は永遠の命に復活するからです


■ ご参考2

テノール 新垣勉の日本語の歌唱 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=J_lw6-_JkAc


2023年7月23日 (日)

知られざる名曲 第210回 Morgen ( 明日!)/ リヒァルト・シュトラウス

クラシックファンなら誰もが知っている ドイツの作曲家 リヒァルト・シュトラウス(Richard Strauss、1864 - 1949) がついに、当「知られざる名曲シリーズ」に登場することになりました。

後期ロマン派を代表する R・シュトラウス の作品は、一般的には意外と馴染みが薄いと言うか、難解に思われる節(ふし)があります。私は、1968年のアメリカ映画「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック監督)で使用された曲「ツァラトゥストラはかく語り」で初めて、R・シュトラウスを知りました。

その後、ウィーン国立歌劇場の日本公演で「ナクソス島のアリアドネ」を、カラヤン・ベルリンフィル日本公演で「英雄の生涯」などを聴きましたが、重厚な音楽の渦に浸りながらも、緻密で計算された音楽に 親しみを覚えることはなく、R・シュトラウスの音楽を好んで聴くことは避けてきました。

しかし、今回ご紹介する「 Morgen ( 明日 あした!)4つの歌 Op.27-4 より」は、旋律を奏でるヴァイオリンが極めて美しく、ロマンティックな名品です。

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画像 ACワークス(株)

この曲は、R・シュトラウスが、新婚の妻パウリーネのために書いた曲です。当時彼は30歳でした。

明日、輝く太陽のもとで、愛し合う二人が再び一つになるだろう、という希望に満ちた愛の詩は、やや感傷的ですが、儚く、繊細な詩でもあります。シュトラウスもそれを受けて、繊細の極みといってよい音楽を付けました。

ピアニストのジェラルド・ムーアは、この曲について『壊れものにつき、取扱注意』のラベルを張るべきである、と述べています。(Wikipedia参照)


■ Morgen ( 明日!)/ リヒァルト・シュトラウス



Morgen !

John Henry Mackay

Und Morgen wird die Sonne wieder scheinen,
und auf dem Wege, den ich gehen werde,
wird uns, die Glücklichen, sie wieder einen
inmitten dieser sonnenatmenden Erde...

そして明日、太陽はまた輝くだろう
僕が行く道で 再び僕たちは出会い
幸せになる
この太陽の輝きにみちた大地で…

(対訳 ArtoneMagさんのサイトよりhttps://masenoblog.com/strauss-morgen/


演奏は、アラベラ・スタインバッハー(ヴァイオリン)、 アンドリュー・ステイプルズ(テノール)
2014年の「ハノーバー・プロムス」 の映像 (2022/06/20公開)


2023年7月19日 (水)

知られざる名曲 第209回 ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op. 35 / オスカー・リーディング

今回の知られざる名曲シリーズでは、北ドイツ・ポメラニア州(現在はポーランド)出身の作曲家 オスカー・リーディング(Oskar Rieding、1846 - 1916)のヴァイオリン曲にスポットを当てました。

※余談ですが、日本人の大好きな犬種ポメラニアンは、このポメラニア州が原産です。

オスカー・リーディングは、ベルリンの音楽芸術アカデミーに通い 、さらにライプツィヒ音楽院に通いました。その後、1884年から32年間、ブタペスト国立歌劇場の第1ヴァイオリンの職にありました。

その間、ヴァイオリン協奏曲を始め、ヴァイオリンとピアノのための多くの作品を作曲しました。

これらの多くは、初級から中級レベルのヴァイオリン学習者に適しており、現在でも世界中のヴァイオリン学習者によって演奏されています。

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画像 ACワークス(株)

3分ほどの小品ですが、とても愛らしい一曲です。
技巧的な曲ではありませんが、親しみやすい旋律美は名曲に値します。

■ ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op. 35 第1楽章 / オスカー・リーディング



演奏は、Miguel Chamorro (ミゲル・チャモロ)さん、その自然な音楽性に拍手です。

2023年7月11日 (火)

知られざる名曲 第208回 永遠の憧れ / ディレルマンド・レイス

今回は、ブラジルの作曲家 ディレルマンド・レイス(Dilermando Reis 1916 - 1977)のギター曲です。

原題:エテルナ・サウダージ(Eterna Saudade)邦訳 「永遠の憧れ」または「遥かなる郷愁」 / ディレルマンド・レイス曲

彼はサンパウロで生まれましたが、人生のほとんどをリオデジャネイロで過ごしました。日本では知られていませんが、ブラジルで最も知られたギタリストでした。

典型的なブラジルの「サウダージ」の作風は、憧れと悲しみの感覚を表現しています。感傷的でノスタルジックなレイスの音楽は、多くの人に過ぎ去った時代の思い出を呼び起こします。

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画像 リオデジャネイロ遠景  ACワークス(株)


演奏は、中華人民共和国・北京市出身のギター奏者 スーフェイ・ヤン(楊 雪霏 Xuefei Yang 1977-)。

2000年、中国人初の奨学生として、イギリスの王立音楽アカデミー大学院に留学。「アランフェス協奏曲」で王立音楽院オーケストラと共演、「ある貴紳のための幻想曲」ではBBCコンサートオーケストラと共演し、特集が放送されました。

在学中から、中国をはじめ、香港、マカオ、スペイン、オーストラリア、台湾、日本、ポルトガルで、コンサート・ツアーを行っています。

 

 ■ 永遠の憧れ / ディレルマンド・レイス

使用楽器は、ヴィンテージの銘器、1925年製 サントス・エルナンデスです。

 

2023年7月 9日 (日)

知られざる名曲 第207回 Flocks a Mile Wide / クリストファー・ティン

曲名は、Flocks a Mile Wide(フロックス・ア・マイル・ワイド=1マイルの幅の群れ)。

作曲は、クリストファー・ティン(Christopher Tin 1976 - アメリカ)。

この クリストファー・ティンの名前は覚えておいたほうが良さそうです。

タイム誌は彼の音楽を「興奮する」「賛歌的」と評し、ガーディアン誌は 「メロディーとテーマの知的な出会い」 と評しています。

彼の音楽は、リンカーン センター、ケネディ センター、ハリウッド ボウル、国連、カーネギー ホールなど、世界的に権威のある会場で演奏されており、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団など一流オーケストラとも共演しています。

グラミー賞を 2 回受賞して、世界的に最も注目される音楽家ではないでしょうか。

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画像 ACワークス(株)

動画に付随した説明によれば、この音楽は人間の活動による鳥の 種の喪失 を哀悼するものです。

新しいレクイエムとも言えます。美しさ、希望、平和、再生の象徴としての鳥たちを讃えるものであると同時に、鳥たちの不在を悼むものでもあるのです。


■ Flocks a Mile Wide / クリストファー・ティン



音楽に同期する背景の映像は、絶滅した鳥たちの羽毛を視覚的に表現したものです。

経済を優先するあまり、地球上の自然を破壊し、動植物を駆逐する人間の所業を思う時、私たちは深い悲しみに包まれるのです・・・


2023年7月 7日 (金)

知られざる名曲 第206回 バルカローレ / 大江光 

大江 光作曲、ピアノのための第1巻「バルカローレ」(Musicwith Barcarolle, for piano Hikari Oe,Vol 1)

YouTube動画には、「小さな窓の花ごよみ 2 薔薇の季節 ときめきの庭」と副題があります。画面いっぱいの花と、大江光の優しい音楽が素敵です。

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画像 ACワークス(株)

大江 光(おおえ ひかり、1963 - )は、日本の作曲家。父はノーベル賞作家の大江健三郎氏、伯父は映画監督の伊丹十三氏。

幼少時から野外の鳥の声を正確に聞き分けて鳥の名前を当てたり、クラシック音楽に極めて強い関心を示した。
11歳のときピアノレッスンを受け始める。13歳で作曲を始める。その後、CD「大江光の音楽」を多数リリース。日本ゴールドディスク大賞を受賞した。

1996年には伯父の伊丹十三監督の「静かな生活」で、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。(以上Wikipediaより一部抜粋)


■ バルカローレ / 大江光 
 小さな窓の花ごよみ 2 薔薇の季節 ときめきの庭



演奏は、ショパンコンクールでも度々審査員を務めたピアニストの海老彰子氏。

大江光の2枚のCDが、日本ゴールドディスク大賞を受賞した際には、ピアニストとして NHKなどで放映され話題になりました。

2023年7月 3日 (月)

知られざる名曲 第205回 オーボエと弦楽のためのアンダンテ / ドニゼッティ

イタリアの作曲家 ドニゼッティ(Gaetano Donizetti 1797 - 1848)は、オペラ「愛の妙薬」で有名です。特に第2幕で歌われる「人知れぬ涙」(テノールのアリア)はオペラファンなら知らない人はいないでしょう。

彼はオペラ作曲家ですが、レクイエム 、弦楽四重奏、協奏曲、シンフォニアなども作曲しました。

そして、最近この「オーボエと弦楽のためのアンダンテ」が発見されたのです。
※原曲はピアノ伴奏曲、後に ヴォルフガング・レンツが弦楽版に編曲

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画像 ACワークス(株)

郷愁を誘うオーボエの音色がとても魅力的な名曲と言えるでしょう。


■ オーボエと弦楽のためのアンダンテ / ドニゼッティ



オーボエ演奏は、クリストフ・ハルトマン氏、 1992年よりベルリン・フィルハーモニー管弦楽団オーボエ奏者として活躍中です。

映像の絵画は、ウクライナ出身の画家 イワン・アイヴァゾフスキー氏の「月明かりのナポリ湾」です。



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