知られざる名曲 第175回 NADA TE TURBE(恐れるな煩うな)/ マルコ・フリジーナ
この曲に出会えて本当に幸せを感じます。
バッハ以来、これほどの宗教音楽はあったでしょうか?
作曲したのは、イタリアの マルコ フリジーナ (Marco Frisina 1954 - ) 、作曲家 兼 ローマ カトリック教会の司祭です。
画像 ACワークス(株)
フリジーナはローマのサピエンツァ大学で文学を専攻し、その後名門サンタ チェチーリア音楽院で作曲を学びました。
さらに、教皇庁グレゴリオ大学で神学を学び、ローマ教皇庁聖書研究所で聖書のライセンスを取得。1982 年に司祭に叙階され、サンタ チェチーリア教会の牧師に就任しました。 彼は教皇庁の聖十字架大学と教皇庁の宗教音楽研究所の教授でもあります。
現在彼は、32人の聖歌隊員と2人のオルガニストで構成された合唱団である聖ヨハネ・ラテラノ大聖堂のラテラン教皇敬虔礼拝堂の監督を務めています。マルコ・フリジーナ 公式サイト(Wikipediaより一部転記)
今回選曲した「NADA TE TURBE(恐れるな煩うな)」は、アビラの聖テレサ(洗礼名 Teresa de Cepeda y Ahumada,1515 - 1582)の詩によるものです。
Nada te turbe,
nada te espante,
quien a Dios tiene
nada le falta.
Solo Dios basta.
Todo se pasa,
Dios no se muda,
la paciencia
todo lo alcanza
あなたを邪魔するものは何もありません
あなたを怖がらせるものは何もありません
恐れることもわずらうこともないのです
あなたはすでに神によって満たされています
■ NADA TE TURBE(恐れるな煩うな)/ マルコ・フリジーナ
司祭たちが皆んな放心状態で曲に聴き入っています。
「感動」とは、このような曲のためにある言葉でしょうか。
この音楽は、ドラマティックで色彩豊かです。
そして強力なメッセージを発しながらも、敬虔な祈りに満ちています。
ソリスト、合唱、管弦楽の見事なアンサンブルに引き込まれます。
(余談ですが、聴衆の中にミュージカル「オペラ座の怪人」の作曲者 アンドリュー・ロイド・ウェバー がいたようです。)
尚、素晴らしい歌唱は、メゾソプラノ: Serena Scarinzi テノール: Sebastiano Giotta。
合唱団&オーケストラ「ニコラ・ヴィターレ」指揮は作曲者自身です。
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