知られざる名曲 番外編27 讃美歌「主は私の羊飼い」/アーバイン
イギリス最北端 スコットランド生まれの作曲家 ジェシー・シーモア・アーバイン(Jessie Seymour Irvine、1836-1887) 、スコットランド教会の牧師の娘として生まれた彼女が35歳の時作曲したミサが、今回ご紹介する讃美歌「主は私の羊飼い」です。
「主は私の羊飼い」は、旧約聖書の詩篇 23 篇の言葉に基づき、アーバインが作曲しましたが、敬虔で美しい讃美歌として非常に人気が高く1947 年のエリザベス王女とフィリップ マウントバッテン(フィリップ殿下)の結婚式など、多くの注目すべき宗教行事で歌われており、2022 年 9 月に96歳で亡くなったエリザベス 2 世女王の国葬で再び歌われました。
Jessie Seymour Irvine
主は私の羊飼いです。私は欲しません。彼は私を緑の牧草地に横たえさせ、静かな水のそばに私を導きます。( 詩篇 23 篇より)
■ 讃美歌「主は私の羊飼い」/アーバイン
(YouTube動画は、2022・9・19 ウエストミンスター寺院 )
参列者とウエストミンスター寺院合唱団、「24 人の聖歌隊員(少年) と、12 人のプロの歌手(成人)で構成」によって歌われる 讃美歌「主は私の羊飼い」、なんと荘厳な響きでしょう。
世界最高峰 ウエストミンスター寺院合唱団 公式サイト
※全くの余談ですが、同時期に行われた「どこかの国の国葬」では献花の際、マスカーニ作曲の歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が使われました。とても甘美な曲ですが、この歌劇は 不倫や復しゅうなど、三角関係のもつれが描かれた音楽です。
恋人がいるのに人妻と不倫の恋をした男が、その妻の夫と決闘し殺されるという結末は、国葬の音楽として適当ではありません。
なにもイタリアの曲を使わなくとも、日本の作曲家 須賀田礒太郎(すがた いそたろう)が、昭和16年に作った「葬送曲・追想」があるのです。この曲は、山本五十六の国葬の際演奏されました。
知られざる名曲 第56回 須賀田礒太郎
2021年6月18日当サイト記事
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