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  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2021年11月28日 (日)

合唱団 CORMI のフォーレとラターを聴く

理想の音楽を追い求める 合唱団 CORMI の第4回演奏会に行ってきました。(2021・11・27 しらかわホール)

コロナ禍で演奏会を開くことは容易なことではありません。練習が出来ないからです。多くの演奏団体が自分たちのコンサートの中止を余儀なくされました。

その中にあって、合唱団 CORMI はオンラインによる練習を取り入れるなど、練習継続のために不断の努力を重ねてきたようです。
音楽の灯を絶やさないという信念が結実したことで、今日のこの日が迎えられたのではないでしょうか。会場のしらかわホールはほぼ満席でした。

■ 気高い美しさ「フォーレ レクイエム」

フォーレの傑作「パヴァーヌ」の調べに乗って合唱団員が入場するシーンは、教会の儀式を思わせるようで厳かな幕開けとなりました。典礼的な演出は次のレクイエムへの導線として印象に残りました。

合唱団は全員マスクを付けていましたが、声は清澄で柔らかく、第1曲目からフォーレの世界に引きずり込まれました。この曲の真髄に迫る表現は、まさに指揮者井崎氏の音楽性の表出でもあります。彼自身が書いた詳細な楽曲解説にそれが読み取れます。

演奏は気高い美しさで満たされ、理想の音楽つくりを標榜する 合唱団 CORMI のプライドを掛けた素晴らしい演奏でした。

■ ソリストの圧倒的存在感

毎回思いますが、舞台に現れた瞬間に会場の視線を釘付けにする存在感はソプラノ飯田みち代氏です。豊かな声量、上質で多彩な表現力、そして美貌、まさに天性の歌姫(ディーヴァ)と言えるでしょう。

バリトンの与那城 敬(けい)氏は初めて聴かせていただきましたが、その風格に圧倒されました。渋くて重みのある声質ですが、パワーがある分響きは明るく感じられます。益々のご活躍に期待します。


■ フォーレとラターの絶妙なプログラム

今回のプログラムは、フォーレのレクイエムを前半に、ラターのレクイエムを後半に組まれていましたが、この組み合わせは実に面白い選曲です。

慰めに満ちた静謐なフォーレ。その流れをくむようなラター(1945-)の美しいレクイエムですが、その音楽は明るく開放的でヒーリング的な要素が特長です。ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊のCDを初めて聴いた時そう思いました。

ラターは「癒し系」というフォーレの要素を継承しながらも、親しみやすくポップでさえあるのです。ですから、後半のステージは合唱団員、ソリストとも衣装をがらりと替えました。クラシックと言えどもビジュアルはとても大事です。

フォーレとラターの同質さと異質さが絶妙に表現されたプログラムの構成と演奏力にも 合唱団 CORMI の実力を見る思いでした。

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尚、コンサートの成否を握るオルガンは、吉田 文氏。温かい音色から硬質な音色まで、音楽シーンに合わせて弾き分けるなど演奏をリードしました。パーカッションの窪田健志氏、ヴァイオリンの松岡大地氏も好演でした。

私事ですが、終演後の帰路、自分の膝の痛みが消えていることに気が付きました。
今宵の「祈り」のオーラが、癒してくれたとしたら、それほど演奏の波動が高かった証拠です。本物の音楽の持つ力に感謝いたします。

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