知られざる名曲 第99回 序奏とアレグロ / モーリス・ラヴェル
フランス近代音楽を代表する作曲家 モーリス・ラヴェル( Maurice Ravel 1875 - 1937)。
ラヴェルは「ボレロ」でとても有名ですが、それ以外の曲は意外と知られていません。
実は、『スペイン狂詩曲』やバレエ音楽『ダフニスとクロエ』などの管弦楽曲から、ピアノ、声楽、室内楽、協奏曲、オペラまであらゆるジャンルのクラシック作品を書きました。もっと日本でも知られて良い作品がたくさんあります。
今回は、是非聴いていただきたい作品「序奏とアレグロ」を選びました。この曲の主役はハープですが、フルート、クラリネットおよび弦楽四重奏が加わった七重奏曲となります。
ラヴェルも初登場ですが、ハープにスポットを当てた曲も当シリーズ初めてとなります。
そしてボレロは、ラヴェルが50歳を過ぎた晩年の作品になりますが、この「序奏とアレグロ」はラヴェル30歳の豊かな感性が表出した作品です。
■ 第99回 序奏とアレグロ / モーリス・ラヴェル
Ravel Introduction and Allegro for Harp, Flute, Clarinet and String Quartet
大人のフランス映画のような官能的な音楽から始まります。
まさにラヴェルの真骨頂と言えますが、洗練された曲想、お洒落で高雅、印象派の絵画のような色彩感(※)など、若いラヴェルの繊細な感性が随所に散らばっています。
(※)一般的に印象派(マネ、モネ、ルノアール など)の自然描写では、光の効果を描く観点から、「黒」はパレットから除外しています。ラヴェルの色彩感も同様に光を意識したものです。一方、東洋には墨の文化があり、「黒」の美しさを生かした芸術があります。
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