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書の作品

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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2021年9月の18件の記事

2021年9月26日 (日)

知られざる名曲 第102回 ピアノ協奏曲2番より/ショスタコーヴィチ

■ かそけき音

現代人は騒音の中に生きています。

もう静けさは何処にもないように思えます。

サントリーホールの音響設計で有名な 永田音響設計事務所の永田穂氏(2018年没)は、著書「静けさ よい音 よい響き」の中で、

「現代の我々は、古代の人々が大切にしてきた小さな音、かそけき音に対しての感性を失いつつある。静けさの中でしか感じ取れない美しい音や響きがあることを忘れてはならないように思う。」 と述べています。
詳しくは当ブログ静けさ よい音 よい響き

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ソビエト連邦の作曲家 ショスタコーヴィチ( Dmitrii Dmitrievich Shostakovich1906 - 1975 )の、ピアノ協奏曲2番の第2楽章(Piano Concerto no.2, II)を聴いていて、ふと、「かそけき音」を思い出しました。

このアンダンテの楽章は 静寂に包まれています。


■ 第102回 ピアノ協奏曲2番より/ショスタコーヴィチ



わが宿のいささむら竹吹く風の 音のかそけきこの夕べかも。 大伴家持(万葉集)

 

2021年9月22日 (水)

コロナウイルス狂騒曲の行方(No.34)

■「国民は、自宅で見殺しにされようとしている」宝島社の意見広告


出版社の「宝島社」は9月22日付の朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞の朝刊3紙に意見広告「国民は、自宅で見殺しにされようとしている。」を見開きで掲載しました。(報道各社)


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国民は、

自宅で見殺しにされようとしている。


今も、ひとりで亡くなっている人がいる。


涙がでる。


怒りと悲しみでいっぱいになる。

この国はいつから、こんなことになってしまったのか。


命は自分で守るしかないのか。


国民の大多数が共感する意見広告だと思います。
本当に日本はいつからこんな国になってしまったのでしょう。

宝島社 公式サイト

2021年9月21日 (火)

知られざる名曲 第101回 2046-Polonaise/梅林 茂

梅林 茂(うめばやし しげる、1951 -  )は、北九州市出身の日本の作曲家です。

今回は、梅林 茂が音楽を担当した 映画「2046(ニーゼロヨンロク)」の Polonaise(ポロネーズ)を聴いてみたいと思います。

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■ 映画「2046」ストーリー

映画の舞台は1967年・香港。ひとりの<男>が、2046年を舞台にした近未来小説を書いている。

そのタイトルは、『2046』。 

小説の中の登場人物たちは<2046>という謎の場所を目指し、ミステリートレインに乗り込む。

この列車の客室乗務員は、美しい女の姿をしたアンドロイドだ。


<2046>に行けば、失われた愛を見つけることができる。

そこを目指す人々は、そう信じていた。だが、それが真実なのかどうかは、誰も知らない・・・

なぜなら、<2046>から帰ってきた者は、いないからだ。


ただひとり、その<男>を除いては。 ※(c) Kinema-Junposha.Co.Ltdサイトより一部転記


劇中の現実世界の主人公をトニー・レオン、劇中劇の主人公を木村拓哉が演じています。


■ 第101回 2046-Polonaise / 梅林 茂



一度聴いたら忘れられないメロディです。101回目を飾るに相応しい名曲です。

梅林 茂は、旋律美が特長です。例えば ↓ 
https://www.youtube.com/watch?v=so63i4Mlr0w

日本のニーノ・ロータと呼んでも良いと思います。

2021年9月20日 (月)

知られざる名曲を考察する(10)心の休日

■ 知られざる名曲シリーズ 100曲に

お陰様で、当シリーズも100曲に達しました。
この100曲の中に、皆様に気に入っていただけた曲はありましたでしょうか?

「知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける」シリーズは、クラシックのジャンルを超えて「映画音楽」など洋楽・邦楽全般を見渡し、メロディが美しい曲、心に沁みる曲、一度聴いたら忘れられない曲にスポットを当ててまいりました。                 

特に、現代音楽は 映画音楽に活路を見出しており、多くの名曲が存在します。現代音楽は、映画音楽抜きでは成り立たなくなっています。
既成のクラシックコンサートが、映画音楽など、古典にとらわれない選曲を取り上げることで、新たなクラシックファンを獲得するチャンスが到来すると確信しています。

その意味で、微力ながら当シリーズもお役に立ちたいと願っております。

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■ おねがい

さて、当シリーズは、本年(2021年)2月25日にスタートして7か月、約2日に1曲のハイペースで記事をアップしてきましたが、今後は少しペースダウンして、他のブログ記事(壺中日月長)とのバランスを取らせて頂きたいと考えています。ご了承下さい。

また、素晴らしいYouTube動画に恵まれて大変ありがたいのですが、どうしてもリンク切れが生じます。
その場合は、可能な限り 動画を差し替えておりますが、視聴できないこともございます。何卒ご容赦下さい。


■ 今回の10曲

 91.シューベルト( Schubert、1797 - 1828)オーストリア
 92.芥川也寸志(1925-1989)日本
 93.ハンス・ジマー(Hans Zimmer, 1957 - )ドイツ
 94.マスネ Massenet, 1842 - 1912)フランス 
 95.ガエターノ・プニャーニ(Gaetano Pugnani, 1731 - 1798 )イタリア
 96.フェレール・フェラン(Ferrer Ferran) 1966年 -  )スペイン
 97.ジョン・ウィリアムズ(John Williams 1932 -  )アメリカ
 98.ジョヴァンニ・ボッテジーニ(Giovanni Bottesini, 1821 - 1889)イタリア
 99.モーリス・ラヴェル( Maurice Ravel 1875 - 1937)フランス
100.アッラ・パブロヴァ(Alla Pavlova 、1952-)ロシア

没後200年以上のバロック期の作曲家から、まだ50代半ばの若い作曲家まで、今回もタイムマシンを使って、珠玉の名曲を揃えたと自負しておりますが、それもこれも全ては、「心の休日」のためです。

混迷の世の中に生きる私たちは、今何よりも「心の休日」が大事です。
メロディが美しい曲、心に沁みる曲、一度聴いたら忘れられない曲の 根底にあるものは、「心の休日」です。

101曲目のスタートにご期待下さい。 壺中日月長

知られざる名曲 番外編10 ハンガリー狂詩曲2番/オイゲン・キケロ篇

クラシックの名曲をジャズにアレンジして一躍有名になった ピアニストの オイゲン・キケロ(Eugen Cicero ルーマニア 1940-1997)。ジャズファンはもちろん、クラシックファンにも人気のアーティストです。

今回は、お馴染みのリストの「ハンガリー狂詩曲2番」を選びました。

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画像 ACワークス(株)

オイゲン・キケロは、クラシックのピアニストであった母親から幼い頃よりピアノを習い、10歳の時にはリサイタルを開くようになるほどの天才振りを発揮した。(Wikipediaより)

もともとクラシックを勉強した彼は、原曲の風格や表情を崩すことなく、見事にジャズ化に成功しています。

■ 知られざる名曲 番外編10 ハンガリー狂詩曲2番/リスト(オイゲン・キケロ篇)
Hungarian Rhapsody / Eugen Cicero



2021年9月19日 (日)

知られざる名曲 番外編9  Abendlied(夕べの祈り)/ ラインベルガー

今回は、「曲」より「演奏家」に焦点を当てたいと思い、番外編とさせて頂きました。
コロナ禍の今、最も聴いてほしい 声楽グループ  VOCES 8(ボーチェス エイト) の演奏をお聴き下さい。

VOCES 8  (ヴォーチェス エイト)は、ウェストミンスター寺院聖歌隊出身者で結成された英国の8人の若手歌手による、ア・カペラ・グループです。

その素晴らしいパフォーマンスと洗練された歌唱力、紡ぎ出すハーモニーは国際的にも高い評価を得ています。そしてヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア(日本含む)などの演奏旅行は大成功を収めています。

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画像出典 https://anam.com.au/anam-blog/shared-experience-voices8

■ 心の平安が免疫力を高める

当シリーズでは度々、宗教曲をご紹介してきましたが、これは私たちの心の平安を得るためです。

世界は、分断と格差の中にあり、コロナ、覇権争い、異常気象、病気が暗い影を落としています。
しかし、その解決策はなく、狂気と無関心が蔓延しています。

この救いようのない混沌とした世界で、私たちは日々不安にさらされているのです。

せめて数分間、曲の流れている間だけでも 純粋な音楽の世界に浸り、癒されたいと思うのは、私たちの「内なる声」ではないでしょうか。


■ 知られざる名曲 番外編9  Abendlied(夕べの祈り)/ ラインベルガー

ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(Josef Gabriel Rheinberger、1839 - 1901)は、リヒテンシュタインの首都ファドゥーツに生まれ、ドイツ帝国のミュンヘンに没した作曲家、オルガン奏者、指揮者。

「Abendlied(夕べの祈り)」は、ラインベルガーの作品のなかでも最も人気の高い 六声の無伴奏作品です。



2021年9月17日 (金)

知られざる名曲 番外編8 チェロ協奏曲ハ長調より/ハイドン 

■ ショートストーリー

allegro molto(非常に速く)のテンポに乗って繰り広げられる 実写によるショートストーリー。

スーパーマンもどきの「スーパーチェロマン」を演じているのは、スウェーデンの若きチェリスト エミル・ヴェークベルク 君です。

曲は、ハイドン( Joseph Haydn, 1732 - 1809 ウィーン生まれ)のチェロ協奏曲第1番ハ長調第3楽章です。

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ヴィオラ奏者が悪役になっているのは気の毒ですが、ストーリーはとても楽しめます。

普段あまり聴くことのない ハイドンチェロ協奏曲も、ショートストーリーと一緒なら、自然に覚えてしまいます。


■ 知られざる名曲 番外編8 チェロ協奏曲ハ長調より/ハイドン 
Cello Concerto in C major, movement 3, Allegro molto



同曲のお勧めのYouTube動画は ↓
https://www.youtube.com/watch?v=cHlS19g1fkY


2021年9月16日 (木)

知られざる名曲 番外編7 群青/谷村新司(編曲:服部克久)

番外編7「群青/谷村新司」  作詞・作曲:谷村新司  編曲:服部克久

この曲は言うまでもなくクラシック曲ではありません。

もちろん、知られざる名曲でもありません。どなたもご存じと思います。

作曲の谷村新司さんもクラシック畑の作曲家ではありません。

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画像 Copyright© 島根県邑南町の城跡 

敢えて言うなら、編曲の服部克久さんはパリ音楽院に留学していて、クラシックを勉強した人です。
確かに、編曲が素晴らしいので、完成度の高い重厚な作品に仕上がっています。

もともとこの曲は、映画『連合艦隊』(1981年 東宝製作)の主題歌として作られ ヒットしたものです。
ですから歌詞も、兵士への追悼歌として書かれています。

■ 歌詞の一部

手折れば散る 薄紫の
野辺に咲きたる 一輪の
花に似て 儚なきは人の命か
せめて海に散れ 想いが届かば
せめて海に咲け 心の冬薔薇

歌詞は、どことなく文語調で格調の高さを感じます。
日本歌曲の風格を感じます。

■ 知られざる名曲 番外編7 群青/谷村新司(編曲:服部克久)


歌唱は、今や日本を代表するコーラスグループ「フォレスタ」の皆さんです。 メンバー全員音大を卒業した実力派です。

澄んだ歌声、美しい男声ハーモニー、流れるようなピアノ、この曲はジャンルを超えて私たちの心に迫ります。

2021年9月15日 (水)

知られざる名曲 番外編6 ソナタ ヘ短調 アンダンテ・スピリトーソ / ガルッピ

バロック時代の作曲家 バルダッサーレ・ガルッピ(Baldassare Galuppi, 1706 - 1785)が、今回の主役です。

ガルッピ はイタリアのヴェネツィア生まれ。オペラ作曲家として有名ですが、多くのチェンバロ曲も書き、自身もチェンバロ奏者として活躍しました。

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番外編とした理由は、このYouTube動画が、あまりにも「視覚に訴える」要素が大きいことです。音楽もさることながら、グラフィックに惹きつけられました



■ 「聴覚
」+ 「視覚」で聴く音楽

この動画を見ると、音楽は「聴覚」だけでなく「視覚」も重要な要素だと分かります。

風が吹き抜けるようなさわやかな曲ですが、Karim Dabbèche氏のアニメーション映像が見事にマッチしています。


■ 「
五感」で聴く音楽

将来、音楽は「五感」で味わう時代が来ると思います。(もう一部あるかも知れませんが)

例えば、美しい花園で聴く音楽「聴覚」なら、色とりどりの花「視覚」や、ただよう花の香り「臭覚」、さわやかな風「触覚」、つまんで食べた野イチゴの甘さ「味覚」、といった具合です。

屋外で、ワインを飲みながら音楽を聴くシチュエーションなら、まさに「五感」を刺激する体験が可能です。

もう、耳だけで音楽を楽しむ時代は終わり、いずれホールの中でも「五感」を感じることが可能なコンサートが当たり前になる時代が到来するかも知れません。現代のテクノロジーなら十分出来そうです。


■ 心(感性)で聴く音楽

もともと音楽は、耳で聴くと同時に「心」に響くものでした。ですから感動が生まれたのです。

そこへ映像技術の進化や動画配信、ネット環境の拡充などで、ビジュアル(視覚に訴える)が加わったのです。

さらに音楽の感じ方が多面的になるとしたら、それは歓迎すべきことかどうか 意見が分かれるかも知れません。

 

上手くまとめることが出来ませんでしたが、要はそんなことを考えさせられる動画が次の作品です。

■ 知られざる名曲 番外編6 ソナタ ヘ短調 アンダンテ・スピリトーソ / ガルッピ


この動画が気に入った方は、同じKarim Dabbèche氏のアニメーション映像で、プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(4分8秒)をご覧下さい。↓ 自分の脳が活性化されるような動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=YDZlF7a_OJY

2021年9月13日 (月)

知られざる名曲 第100回  ピアノと弦楽器のためのエレジー/ アッラ・パヴロヴァ

■ 女性の作曲家

女性の作曲家が非常に少ないのが クラシック音楽の世界です。

思い当たるのは、「乙女の祈り」を作ったポーランドの作曲家、バダジェフスカ (1834 or 1838–1861) と、シューマンの奥さんだった クララ・シューマンくらいではないでしょうか。

しかし近年では女性の作曲家も増えています。政治の世界と似ているかも知れません。

今回は、その中から ウクライナ出身のロシア人作曲家 アッラ・パブロヴァ(Alla Pavlova 、1952-)さんを選びました。現在はニューヨーク在住の注目の作曲家です。


パブロヴァの作品は、ロマンティックな雰囲気、心地よいメロディアスな音楽が特長です。

その中から今回は、ピアノと弦楽器のためのエレジー(Elegy for Piano and Strings. 1998)を選曲しました。


■ 第100回  ピアノと弦楽器のためのエレジー/ アッラ・パヴロヴァ

心が休まる音楽です。何かから解放されて 慰められる音楽です。

必ずひとりで聴いて下さい。



■ 仏教哲学「八正道」の精神を表現

パヴロヴァは 交響曲4番で、チベットの神話上の王国「シャンバラ」を題材にしたスピリチュアルな音楽も手掛けました。

とても魅力的な作品です。八つの聖なる道「八正道」の精神をロシア人作曲家が学んでいたとは驚きです。

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アッラ・パヴロヴァ:交響曲第4番 “シャンバラへの道”(Alla Pavlova: Symphony No. 4 "Path to Shambala" 2002年)
 ↓
https://www.youtube.com/watch?v=L3NW6jPawow

2021年9月12日 (日)

知られざる名曲 第99回 序奏とアレグロ / モーリス・ラヴェル

フランス近代音楽を代表する作曲家 モーリス・ラヴェル( Maurice Ravel 1875 - 1937)。

ラヴェルは「ボレロ」でとても有名ですが、それ以外の曲は意外と知られていません。

実は、『スペイン狂詩曲』やバレエ音楽『ダフニスとクロエ』などの管弦楽曲から、ピアノ、声楽、室内楽、協奏曲、オペラまであらゆるジャンルのクラシック作品を書きました。もっと日本でも知られて良い作品がたくさんあります。

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今回は、是非聴いていただきたい作品「序奏とアレグロ」を選びました。この曲の主役はハープですが、フルート、クラリネットおよび弦楽四重奏が加わった七重奏曲となります。

ラヴェルも初登場ですが、ハープにスポットを当てた曲も当シリーズ初めてとなります。

そしてボレロは、ラヴェルが50歳を過ぎた晩年の作品になりますが、この「序奏とアレグロ」はラヴェル30歳の豊かな感性が表出した作品です。

■ 第99回 序奏とアレグロ / モーリス・ラヴェル
Ravel Introduction and Allegro for Harp, Flute, Clarinet and String Quartet



大人のフランス映画のような官能的な音楽から始まります。

まさにラヴェルの真骨頂と言えますが、洗練された曲想、お洒落で高雅、印象派の絵画のような色彩感(※)など、若いラヴェルの繊細な感性が随所に散らばっています。


(※)一般的に印象派(マネ、モネ、ルノアール など)の自然描写では、光の効果を描く観点から、「黒」はパレットから除外しています。ラヴェルの色彩感も同様に光を意識したものです。一方、東洋には墨の文化があり、「黒」の美しさを生かした芸術があります。

 

2021年9月10日 (金)

「怺える」日々から学ぶ

「怺える」とは「こらえる」と読みます。※耐えてがまんすることの意

 

「どうして、おれはこう不運なんだろう」

病院の門を出ると、怺(こら)えこらえた鬱憤(うっぷん)を アスファルトの路面に叩きつけた 月田半平 だった。

※海野十三(うんの じゅうざ、明治30年 - 昭和24年) 小説「幸運の黒子(ほくろ)」YouTube の冒頭より


コロナの緊急事態宣言が延長されました。国民の鬱憤(うっぷん)は溜まるばかりです。

これまで政府の言うように、自粛~自粛の生活を受け入れ、ワクチンを2回接種して、本当は収まるはずのコロナが、以前にも増して猛威をふるっているのです。「曲がりなりにも収束している」と発言した大臣もいますが、どこが収束しているんですか?


「どうして、コロナはいつまでも収束しないんだろう」

ニュースを見れば、コロナコロナ、でも ニュースを見ないと落ち着かない。

小説の月田半平のように、その鬱憤をアスファルトの路面に叩きつけることが出来れば良いのですが・・・
私たちはニュースを見て ジッと怺(こら)えるしかないのです。会食も旅行もコンサートも全部中止になりました。施設に入居中の母にも会えません。

つい愚痴をこぼしたり、些細なことに突っかかったり、とげとげしい言葉が飛び出したり。
「怺える」とは、そんな副作用もあるのです。


■ 怺えることは許すこと

しかし、「怺える」という言葉には、「許す」という意味があることを知りました。

[1] 苦しみ・痛みなどを我慢する、耐える、辛抱する。 
[2] 悲しみ・苦しみ・怒りなどの感情を、外に出さない。 
[3] 外から加えられた力に耐える。 もちこたえる。 
[4] 罰したり、叱ったりすべきところを、許す。 堪忍する。
※難読漢字ナビより


自分だけが辛いわけでもなく、誰が悪いわけでもなく、世界は大きな試練の中にあります。

誰かに当たってみても何も状況は変わりません。

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怺えることは許すこと

許すとは、他人だけでなく自分も含みます。

今ある現実を受容して、心静かに過ごす日々。

学びの日々は続きます。

2021年9月 9日 (木)

知られざる名曲 第98回 コントラバス協奏曲 第2番 / ボッテジーニ

コントラバスは縁の下の力持ちです。いつもアンサンブルを支える大切な楽器です。

クラシックコンサートで、コントラバスをソロで聴く機会はほとんどありません。

でも、そんなコントラバスが主役の曲も存在します。
今回はその中から、ジョヴァンニ・ボッテジーニ(Giovanni Bottesini, 1821 - 1889)の「コントラバス協奏曲 第2番 ロ短調」を選びました。

是非、コントラバスの落ち着いた渋い音色に浸って下さい。

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■ コントラバスのパガニーニ

ボッテジーニは、イタリアの作曲家、指揮者、 そして著名なコントラバス奏者として活躍しました。

ヴェネツィアの劇場で首席コントラバス奏者を務めたあと ソロ活動に転じ、ニューオーリンズ、ニューヨーク、ロンドン、ウィーン、サンクトペテルブルクなど各地で演奏活動を行い、コントラバスを巧みに操る腕前は評判となり、その卓越した技巧から「コントラバスのパガニーニ」と言われるほどでした。

また、オペラ指揮者としても活躍し、ヴェルディの名作『アイーダ』の世界初演(於カイロ、1871年)を指揮しました。

■ 第98回 コントラバス協奏曲 第2番 ロ短調 / ボッテジーニ
Concerto For Double Bass In B Minor, No. 2



技巧的なところもありますが、全体的にはイタリアらしい「旋律美と歌心」が満載の素晴らしいコンチェルトに仕上がっています。


※記事 Wikipedia参照
 画像 ACワークス(株)

2021年9月 8日 (水)

知られざる名曲 第97回 アクロス・ザ・スターズ「愛のテーマ」/ ジョン・ウィリアムズ

ジョン・ウィリアムズ(John Williams 1932 -  )は2回目の登場です。

今回は、映画『スター・ウォーズ/クローンの攻撃』から、アクロス・ザ・スターズ「愛のテーマ」です。

この映画は、スター・ウォーズシリーズ 5作目(2002年アメリカ、ジョージ・ルーカス監督、興行収入93億5千万円)の大ヒット作です。
(一部Wikipedia参照)


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もともとこの曲は、ジョン・ウィリアムズが 親友であるヴァイオリンのスーパースター、アンネ=ゾフィー・ムターのために新たに編曲し直し、自ら指揮もおこなって、ハリウッドで録音されたものです。

「今回アンネ=ゾフィーとの録音作業をとおして、私はまさにインスピレーションそのものを与えられました。彼女はこれらの有名なテーマ曲に、生き生きとした命をもたらしたのです。それは、曲を書いた私にとって 大いなる喜びでした」 ─ジョン・ウィリアムズ─


ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター(Anne-Sophie Mutter)
オーケストラ:ロサンゼルス・レコーディング・アーツ・オーケストラ
指揮:ジョン・ウィリアムズ

■ 第97回 アクロス・ザ・スターズ「愛のテーマ」/ ジョン・ウィリアムズ



なにも言えないほど美しい。

新鮮で生命力にあふれ。

幻想的映像、神性の宿る音楽、これは後世に残るアート作品と言える。

2021年9月 6日 (月)

知られざる名曲 第96回 夜明けの閃光(ワルツ)/ フェレール・フェラン

フェレール・フェラン(Ferrer Ferran) 1966年 -  )は、スペインの作曲家、指揮者、 ピアニストです。
日本では主に吹奏楽の作曲家として知られています。

そう、今回は初めて吹奏楽を選んでみました。

フェランは、1966年にバレンシアで生まれ、15歳でピアノと打楽器の学位を取得し、室内楽と伴奏法のディプロマを得たのち、ロンドンの王立音楽大学やハンガリーでも学び、その後スペイン各地でリサイタルや室内楽のコンサート、国内のオーケストラとの協演を行い、作曲家、ピアニスト、指揮者として活躍しています。 

彼の好きな作曲家は、レナード・バーンスタインだそうです。

「レナードはすべてでした。彼は素晴らしい作曲家、素晴らしいピアニスト、そして素晴らしい指揮者である以外に、素晴らしい心と魂を持っていました。」

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■ パフォーマンス

最近、吹奏楽や合唱のステージでは、演奏者がパフォーマンスをすることがあります。
演奏中に、曲に合わせて身体を動かしたり、手拍子を打ったりして客席にアピールするのです。

視覚に訴えることで、より音楽を理解できたり、何より楽しく音楽を鑑賞することが出来きます。もちろん演奏者も楽しんでいます。

ステージと客席の一体感を出す意味で、これらのパフォーマンスはとても効果的です。

 

■ 第96回 夜明けの閃光(バンドのためのシンフォニックワルツ)/ フェレール・フェラン



作曲者 フェレール・フェラン自身の指揮でお聴き下さい。

だんだん面白くなっていきますよ。

~そして、スタンディングオベーションです。


同じ曲、同じ指揮で、客席と一体になった面白動画は ↓
https://www.youtube.com/watch?v=9q88zz9mxA4

2021年9月 4日 (土)

知られざる名曲 第95回 ラルゴ・エスプレッシーヴォ/プニャーニ

今回は、あまり聞きなれない作曲家 ガエターノ・プニャーニ(Gaetano Pugnani, 1731 - 1798 )の ヴァイオリン曲「ラルゴ・エスプレッシーヴォ」を聴いてみましょう。

彼はイタリアはトリノ生まれ、すでに10歳でトリノの由緒あるオペラハウス(レージョ歌劇場・開場は1740年)のヴァイオリン奏者として演奏していたとされ、その俊才ぶりを発揮していました。

ヴァイオリン曲以外にも、器楽、室内楽、声楽、オペラなどを作曲する傍ら、ヴァイオリン奏者、指揮者、軍楽隊楽長を務めました。(一部Wikipediaより)

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画像 ACワークス(株)

■ 映像美

最近のYouTube動画は、映像が美しいものが多く、音楽と融合したかのようなアカデミックな作品が楽しめます。

今回の動画も、冒頭から名画「オフィーリア(ハイザー作 独1857-1921)」が挿入され。格調高い作品に仕上がっています。

尚、演奏は西崎崇子氏(Vn)、テレンス・デニス氏(Pf)です。

■ 第95回 ラルゴ・エスプレッシーヴォ/プニャーニ
Violin Sonata in D major, Op. 8, No. 3より



この動画をアップロードされた方のセンスを感じます。

2021年9月 2日 (木)

知られざる名曲 第94回 「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」/マスネ

ドイツの詩人ゲーテの「若きウェルテルの悩み」。1774年に刊行されて以来、現在も世界中で広く読まれている小説です。

この小説をもとに、フランス人の作曲家マスネが作ったのが、今回ご紹介する オペラ「ウェルテル」です。

マスネと言えば、オペラ「タイス」の劇中で演奏される「タイスの瞑想曲」が有名ですが、オペラアリアにも情熱的でロマンティックな名曲を遺しました。

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『若きウェルテルの悩み』初版本 Wikipediaより

■ あらすじ

ウェルテルは魅力的な女性シャルロッテに出会い、熱烈な恋に落ちますが、ウェルテルの愛したシャルロッテには既に婚約者がいました。

彼女は予定通り婚約者と結婚します。しかし、ウェルテルはどうしてもシャルロッテのことが忘れられずクリスマスイブに彼女に会いに行きます。彼女の心は揺れるのです。

そして、ウェルテルが溢れる胸の内を情熱的な歌で伝えると、こらえきれずシャルロッテは抱き合ってしまいます。実は一目会った時からシャルロッテも好きだったのです。

しかし、理性を取り戻したシャルロッテは妻としての立場を守り通します。「だめ! もう二度とお目にかかりません。」

絶望したウェルテルは、「喪に服せ、おお自然よ!」と叫びつつその場を去り、深夜12時の鐘とともに拳銃で自らの命を絶つのでした。


■ 第94回 「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」/マスネ Massenet, 1842 - 1912)
オペラ「ウェルテル」第3幕 オシアンの歌(通称)



切々たる歌唱は、フランスを代表するテノール歌手 バンジャマン・ベルネーム(1985- )

見知らぬ少女から、車の窓をノックされて我に返る主人公を見事に演じていますが、この見知らぬ少女こそ 優しい「春風」だったのです。
「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」、この曲のタイトルです。

ただ、この映像は賛否両論かも知れません。

コンサート形式のYouTube動画は ↓
https://www.youtube.com/watch?v=Uw8bhAnNObo

2021年9月 1日 (水)

知られざる名曲 第93回 聖杯の騎士/ハンス・ジマー

今回は、ドイツ出身の作曲家で映画音楽でも有名な ハンス・ジマー(Hans Zimmer, 1957 - )の音楽を選びました。

彼は、西ドイツ(当時)のフランクフルトで生まれ、幼い頃は自宅でピアノを学びましたが、10代でイギリス・ロンドンに移住し、キーボードとシンセサイザーの演奏者となりました。
そして、エンニオ・モリコーネの映画音楽に強く影響を受け、映画音楽作曲家を志し成功を収めました。

1994年の映画「ライオンキング」で第67回アカデミー賞を受賞したほか、「クリムゾン・タイド (1995) 」、「ダークナイト (2008) 」で グラミー賞、「グラディエーター  (2000) 」で ゴールデングローブ賞など、4つのグラミー賞、2つのゴールデングローブ賞に輝きました。

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2006年のアメリカ映画「ダヴィンチコード」の中の一曲が、「聖杯の騎士(Chevaliers de Sangreal)」です。

ジマーは、単にBGMとしての映画音楽の役割を、これまで以上に演出効果の一部として音楽に担わせることに成功して大きな評価を受けましたが、まさにこの曲もドラマティックに映画を盛り上げることに成功しています。

■ 第93回 聖杯の騎士/ハンス・ジマー

チューブラーベル(コンサートチャイム)が鳴らす 鐘の音がとても効果的です。

そして、次第に高揚感を増す音楽につい引き込まれてしまいます。


尚、Wikipediaによると、指揮の サラ・ヒックスは日系アメリカ人。ヴァイオリストとピアニストとして訓練を受け、ハーバード大学で音楽の学士号を、カーティス音楽研究所で指揮の芸術学位を取得しているそうです。

余談ですが、世界ランキング1位のハーバード大学に音楽学部があることはご存じでしょうか。実は、1855年から現在まで続く、アメリカで最も古い音楽学部の一つです。
ホール、音楽図書館、、ワールド・ミュージック・アーカイブス、視聴覚設備、高性能の電子音楽スタジオ、民族音楽ラボ、古楽器ルーム、室内楽専用リハーサル室、全室ピアノ付の練習室などが完備されています。

ハーバード大学に限らず、マサチューセッツ工科大学、イェール大学、ペンシルべニア大学など一流大学にも必ずと言って良いほど音楽学科あるいは付属の音楽学校があります。(ピティナ記事参照)

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