知られざる名曲 第92回 交響管弦楽のための音楽~第二楽章/芥川也寸志
このシリーズ2回目の登場となる 芥川也寸志(1925-1989)は、1954年、当時国交がなかったソ連に密入国しました。明らかな不法行為です。(晩年の芥川の紳士的な風貌からは想像できない行動でした)
しかし芥川は、ソ連政府から歓迎を受け、ソ連を代表する ショスタコーヴィチや ハチャトゥリアン、カバレフスキーと親交を深めることになります。
もともと芥川は父(龍之介)の遺品であるSPレコードを愛聴し、とりわけストラヴィンスキーに傾倒したとされますが、ロシア音楽に興味があったからこそ、単身で密入国したのではないでしょうか。
今回ご紹介する「交響管弦楽のための音楽」(1950年)も、ショスタコーヴィチから影響を受けた作品と言われています。
この作品は、NHK放送25周年記念事業の懸賞応募作として作曲されましたが、審査の結果、團伊玖磨の交響曲第1番とともに特賞入賞し、芥川也寸志の出世作となりました。
テレビのCMにも使われており、どこかで聴いたことがあるかも知れませんが、音楽の持つエネルギーは、やはり若い芥川の面目躍如たる作品です。
演奏は、東京都交響楽団/沼尻竜典(指揮)
■ 第92回 交響管弦楽のための音楽~第二楽章/芥川也寸志
ボリュームを上げてお聴き下さい。迫力が伝わります。
■ ご参考 全編日本情緒があふれる名曲
知られざる名曲 第57回 八つ墓村より/芥川也寸志
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