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書の作品

  • Img_20190628_0001_new
    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2021年8月の16件の記事

2021年8月30日 (月)

知られざる名曲 第92回 交響管弦楽のための音楽~第二楽章/芥川也寸志

このシリーズ2回目の登場となる 芥川也寸志(1925-1989)は、1954年、当時国交がなかったソ連に密入国しました。明らかな不法行為です。(晩年の芥川の紳士的な風貌からは想像できない行動でした)

しかし芥川は、ソ連政府から歓迎を受け、ソ連を代表する ショスタコーヴィチや ハチャトゥリアン、カバレフスキーと親交を深めることになります。

もともと芥川は父(龍之介)の遺品であるSPレコードを愛聴し、とりわけストラヴィンスキーに傾倒したとされますが、ロシア音楽に興味があったからこそ、単身で密入国したのではないでしょうか。

今回ご紹介する「交響管弦楽のための音楽」(1950年)も、ショスタコーヴィチから影響を受けた作品と言われています。

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この作品は、NHK放送25周年記念事業の懸賞応募作として作曲されましたが、審査の結果、團伊玖磨の交響曲第1番とともに特賞入賞し、芥川也寸志の出世作となりました。


テレビのCMにも使われており、どこかで聴いたことがあるかも知れませんが、音楽の持つエネルギーは、やはり若い芥川の面目躍如たる作品です。
演奏は、東京都交響楽団/沼尻竜典(指揮)

■ 第92回 交響管弦楽のための音楽~第二楽章/芥川也寸志

ボリュームを上げてお聴き下さい。迫力が伝わります。



■ ご参考 全編日本情緒があふれる名曲
知られざる名曲 第57回 八つ墓村より/芥川也寸志

2021年8月29日 (日)

知られざる名曲 第91回 君はわが憩い(Du Bist die Ruh, D. 776)/シューベルト

シューベルト( Schubert、1797 - 1828)の とっておきの歌曲「君はわが憩い(Du Bist die Ruh)Op. 59-3, D. 776 )」をご紹介したいと思います。

原曲はもちろん素晴らしいのですが、今回はチェロ版にアレンジしたものを選んでみました。

チェロ:キアン・ソルターニ(1992-) さん、ピアノ:アーロン・ピルサン (1995-)さん。ともに20代の実力派アーティストです。

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Du bist die Ruh, D 776

Du bist die Ruh,
Der Friede mild,
Die Sehnsucht du,
Und was sie stillt.

君こそは憩い、
そして 平和な安らぎです
また 憧れであり、
憧れを癒す人でもあるのです

■ 第91回 君はわが憩い(Du Bist die Ruh, D. 776)/シューベルト



この演奏が気に入った方は、ぜひ原曲の歌曲をお聴き下さい。

↓ 私も、これほど深く崇高な音楽に出会えたことに感謝しながら聴きたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=IY-j9-DjVqk

2021年8月26日 (木)

知られざる名曲を考察する(9)名曲はタイムマシンに乗って

早いもので、この「知られざる名曲」も、90曲に達しました。いつもご覧いただきありがとうございます。

コロナ禍に於いて、このシリーズをアップすることが、日々の楽しみであり、音楽で癒される毎日です。

少し振り返ってみますと、


■ この「知られざる名曲」は、YouTube と Wikipedia で成り立っております。


動画は YouTubeから厳選して貼り付けております。映像的にも素晴らしい動画が多く制作者に感謝です。

記事は主にWikipediaを参考にさせて頂いております。たまに海外のサイトも翻訳ソフトで調べております。

もちろん私の主観も入れて記事を作っておりますが、Wikipediaは大変頼れる存在であり、ネット時代の恩恵を受けております。

画像は、写真のフリー素材サイト ACワークス(株)さんを利用させて頂いております。お勧めのサイトです。


■ 選曲に当たり


私が15年ほど前より選んできた「知られざる名曲」。そのリストは500曲を超えました。

選曲に当たっては、私の長年の趣味である「クラシック音楽鑑賞」から得た(自分に取っての)名曲を中心に、さらにクラシック曲220万曲を配信する ナクソス・ミュージック・ライブラリー (NML) のサイトを参考にさせて頂いております。

もちろん、その時自分が「ああ、良い曲だなぁ」と感じた曲が「名曲」です。「名曲」に定義などありません。

クラシックのジャンルを超えて「映画音楽」など洋楽・邦楽全般を見渡し、メロディが美しい曲、心に沁みる曲、一度聴いたら忘れられない曲 を選びました。

 

■ 名曲はタイムマシンに乗ってやってくる

作曲家の表現する世界は本当に無限です。今回も素晴らしい作品がアップ出来ました。

この才能ある10人を見ると、音楽はタイムマシンのように時代を超えることも、世界中を旅することも可能だと分かります。

81.セザール・フランク(César Franck、1822 - 1890)ベルギー
82.ヘンリー・パーセル(Henry Purcell、1659 - 1695)英国
83.プッチーニ (Giacomo  Puccini、1858 - 1924)イタリア
84.佐村河内 守(1963 - )/ 新垣 隆(1970 - )日本
85.オラ・イェイロ(Ola Gjeilo、1978年 - )ノルウェー
86.パトリック・ドイル(Patrick Doyle 1953-  )スコットランド
87.貴志 康一(きし こういち、1909 - 1937)日本
88.メンデルスゾーン(Mendelssohn 1809 - 1847)ドイツ
89.アルヴォ・ペルト(Spiegel in Spiegel 1978年)エストニア
90.エルネスト・コルタサール(Ernesto Cortazar  1940–2004)メキシコ


♬音楽で癒されよう

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今までご紹介した記事を、第1回から順に並べて見やすくした「知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ」を、アーカイブとして公開(順次更新)しております。是非ご参照下さい。

知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ

知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ 2

 

コロナウイルス狂騒曲の行方(No.33)

東京オリンピックが終わり、次いでパラリンピックが始まりましたが、その感動をかき消すようにコロナが日本全土を覆ってしまいました。

今や、33都道府県が赤とオレンジに染まっています。日本はこの先どうなってしまうのでしょう。

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画像出典 NHK 4回目の緊急事態宣言 関連情報 より


■ レッドカード


オリンピックもコロナも、結局は一部の人の「金儲け」の道具にされ、国民は怒っています。

度重なる自粛生活で日常は一変しました。この先も不透明のままです。

国民は政治にレッドカードを出しています。あまりに当然です。


■ ワクチンビジネス

切り札のワクチン接種が進んでいます。

しかし感染は爆発して、恐れていた医療崩壊が現実になりました。

デルタ株に対応したワクチンはいつになったら出来上がるのでしょう。

ファイザーCEOに迎賓館で頭を下げても・・・

在庫があるうちは、初期のワクチンしか供給されません。これも当然でしょう。


■ いたちゴッコ

ワクチンだけでは感染は止まりません。アメリカやイスラエルの例を見れば分かります。

思考停止の現政権では、ワクチンオンリーの一本足打法で突き進む方針です。

もしデルタ株に強いワクチンが出来たとしても、次の変異株が現れたらどうなるのでしょう。

ワクチン崇拝では、いたちゴッコです。



■ 急がれる特効薬

インフルエンザ薬のように、服用開始から数日以内にウイルスが消滅する特効薬はいつ出来るのでしょうか。

日常を取り戻すには、特効薬しかありません。

ワクチンで遅れを取った日本が、特効薬を開発すれば、世界に貢献できます。
日本はワクチン接種より特効薬開発に注力すべきと思います。


■ 総裁選と衆院選

来るべき自民党総裁選と衆議院選挙で、日本の将来は決まります。

地に落ちた日本の政治力は、これ以上は落ちないとは思いますが・・・

浮上するカギは有権者が握っています。

特に衆院選挙では、棄権することなく最善の一票を投じて欲しいと思います。

2021年8月23日 (月)

知られざる名曲 番外編5 ハレルヤコーラス/ヘンデル

番外編5曲目は、誰もが知っている ヘンデルの「ハレルヤコーラス」です。

何故、知られざる名曲の番外編にランクインしたかは、動画を見れば分かります。

■ 知られざる名曲 番外編5 ハレルヤコーラス/ヘンデル



クラシック音楽は敷居が高いと言う人がいますが、こんなに楽しい見せ方(魅せ方)があるのです。

この動画は800万回以上も再生されています。何度見ても笑えますが、視覚的に音楽の特徴が分かります。
音の高低や、音の長さ、音楽の進行形など、知らず知らずのうちに「メサイヤ」の構造が分かるのです。

このプラカード方式を最初に考えた人に敬意を表します。
これは、知られざる名曲ではなくて、知られざる「名パフォーマンス」と呼ぶべきでしょう。

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2021年8月22日 (日)

知られざる名曲 番外編4 天国への階段/レッド・ツェッペリン

ロックファンでなくても、レッド・ツェッペリン( Led Zeppelin 英 1968年デビュー)の名前は聞いたことがあると思います。2度来日して日本人のファンも多く存在します。

いわゆるハードロックにとどまらない楽曲が多く、アコースティックギター中心の曲、バラード調や民族音楽的楽曲、その他様々な音楽を取り入れ、自分たち流に作曲・演奏し、1980年に解散するまで、その音楽的独自性を高めていったバンドです。

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ロックバンド レッド・ツェッペリン 画像 Wikipediaより

今回、番外編としてご紹介する「天国への階段(Stairway to Heaven)」は、レッド・ツェッペリンの代表曲、イ短調、4/4拍子、三部構成の曲 です。

アルペジオで静かに始まって徐々に盛り上がってゆく音楽、ヴォーカルの美しいメロディ、単一の要素を繰り返しながら次第にクライマックスに至る構成は、ラヴェルの「ボレロ」がそうであるように、広い意味での変奏曲とも言えます。

ロック界以外の音楽界からも評価が高く、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者でもあるクラシック界の巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤン氏は、この「天国への階段」を “完璧” と絶賛していたと伝えられています。(一部Wikipediaより)

オーケストラにアレンジされたYouTube動画は、とても感動的です。


■ 知られざる名曲 番外編4 天国への階段/レッド・ツェッペリン



普遍的な美しさの前には、ロックとかクラシックとかの区別は無意味です。

2021年8月21日 (土)

知られざる名曲 第90回 Autumn Rose(秋の薔薇)/エルネスト・コルタサールⅡ

エルネスト・コルタサール(Ernesto Cortazar  1940–2004)は、メキシコの作曲家、編曲者、ピアニストで、メキシコ作曲家協会の創設者で初代会長でした。(父親 エルネスト・コルタサールも作曲家)

13歳のとき、彼は自動車事故で両親を亡くしましたが、その後音楽の勉強を終え、早くも17歳で映画音楽の仕事(作曲)に就きました。
成人期のほとんどをロサンゼルスで過ごしましたが、晩年メキシコに戻り、63歳で癌により他界しました。生涯に作った映画音楽は500本を超えます。

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センチメンタルなイージーリスニングとは違って、この音楽には、人生の喜びや悲しみにそっと寄り添うような無上の愛を感じます。
作曲家には神が宿る瞬間があるのでしょうか。

 

■ 第90回 Autumn Rose(秋の薔薇)/エルネスト・コルタサールⅡ



風がそよぐようなピアノのタッチが印象的です。

そのピアノのメロディラインを、ほんの少し遅れて弦楽器が優しくなぞっています。

人生のワンシーンを映像化してくれる音楽です。




■ 参照 Wikipedia 写真 ACワークス(株)

2021年8月20日 (金)

知られざる名曲 第89回 鏡の中の鏡/ペルト

今回は、アルヴォ・ペルトの稀有な音楽作品「鏡の中の鏡」(Spiegel in Spiegel 1978年) にスポットを当てます。

アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt, 1935年9月11日 - )は、エストニア生まれの作曲家で現在85歳、この作品は彼が43歳の時に作られました。
現代の作品ですが、現代音楽とは明らかに一線を画した清澄な音楽が展開します。


■「鏡の中の鏡」と言うことは、鏡の中に鏡が何重にも映っていて「無限の画像」を生成する様子を指しています。
同名の文学作品に、やはり鏡の世界を描いた、 ミヒャエル・エンデ(Ende,Michael 独1929 - 1995 ) の「鏡の中の鏡ー迷宮」があります。
読者をめくるめく意識の迷宮へと導きながら人間存在の神秘と不可思議さを映し出す名作と言われています。

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画像 鏡の中の鏡展(2006年、名古屋市内) https://atsunao.exblog.jp/4053531/


音楽は、4分の6拍子、ピアノによる上昇する4分音符の分散和音が延々と続き、弦楽器の旋律は弱音の持続音で行きつ戻りつ、上昇と下降を繰り返します。そして、ピアノ左手の低い減衰音と、夜空に閃光が走るような高音の減衰音。

音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽で、ミニマル・ミュージック (Minimal Music)と呼ぶそうですが、聴き手は不思議な音楽空間をしばし彷徨って深遠なる意識の世界を垣間見るのです。


■ 第89回 「
鏡の中の鏡」/ アルヴォ・ペルト



ある批評家は、この作品を「沈潜する静謐な音楽」と言いましたが、まさにArvo Pärt の美学の結晶です。




■ 参照
Wikipedia、エディクラシック記事https://edyclassic.com/1616/

2021年8月18日 (水)

知られざる名曲 第88回 ヴェネツィアの舟歌 op.30-6/メンデルスゾーン

メンデルスゾーン(Mendelssohn 1809 - 1847) 作曲の「無言歌」全48曲。
ドイツロマン派の中でも穏やかで優美な曲想が人気のピアノ小品集です。一番有名な曲は、春の歌  です。誰もが聴いたことがあるでしょう。

しかし全48曲を通して聴く機会は少なく、意外と知られていない曲も存在します。
今回は、その中から「ヴェネツィアの舟歌 op.30-6」を選んでみました。

48曲すべてに表題が付いていますが、実はメンデルスゾーン自身が付けた表題は5曲しかありません。
「ヴェネツィアの舟歌」は、そのうちの1曲です。

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演奏は、特にメンデルスゾーンの演奏で評価の高い イタリア出身のピアニスト ロベルト・プロッセダ(1945- )さんです。

使用されているピアノは、イタリア製の「ファツィオリ( Fazioli社 1981創業)」です。近年、ショパンコンクールを始め、著名な国際ピアノコンクールで公式ピアノに選定されています。

■ 第88回 ヴェネツィアの舟歌 op.30-6/メンデルスゾーン

この演奏には詩情を感じます。とても繊細で美しいピアノです。
リスナーの皆様はどうお感じになったでしょうか。

舟歌は、ショパンやチャイコフスキーにもありますが、どの曲も素晴らしく情感に溢れています。



写真 ACワークス(株)

2021年8月17日 (火)

知られざる名曲 第87回 ヴァイオリン曲「月」/ 貴志康一

どうしても忘れてはいけない日本の音楽家がいます。

その名は、貴志 康一(きし こういち、1909 - 1937)。吹田市出身の作曲家、指揮者、ヴァイオリニストです。

■ 名家出身、夭折の天才音楽家 貴志康一

祖父は貴志 彌右衛門氏、松花堂弁当の考案者で知られています。祖父はとても信心深く、京都妙心寺・徳雲院を修復して、貴志家の菩提寺としました。

父は東京帝国大学卒業後、教育の振興に熱心で、私立甲南高等女学校の創設に関わり名誉教授をつとめました。また茶道について研究した文化雑誌「徳雲」を発行して、知識人や文化人と親交を深めました。父は商人であり学者でもあり、芸術・文化への理解が深かったことが康一を音楽家に導いたといえます。

母は、琴やヴァイオリンを習う才女でしたが、実家である西尾家は吹田市にあり、代々天皇家に献上米を納めてきた豪農・庄屋の旧家です。
西尾家住宅は、文化的価値が高く評価され、現在は文化遺産として「吹田市文化創造交流館」となり、一般公開されています。

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甲南学園 甲南高等学校・中学校 サイトより

このような名家に生まれた貴志康一は、16歳でヴァイオリニストとしてデビュー、ジュネーヴ音楽院に入学しました。
19歳より、ベルリン高等音楽学校で学び、その後、1710年製のストラディヴァリウス(※)を購入しました。

当時の時価で6万円、現在の貨幣価値に換算すると1~2億円もするストラディヴァリウス。このヴァイオリンは、19世紀初めにはイギリスの国王ジョージ3世が所有していた貴重なものでした。

恵まれた環境で育った康一は、三度の留学を果たし、1932~35年のベルリン滞在時に作曲家・指揮者として活躍し、ドイツテレフンケン社に自作作品19曲を貴志自身の指揮でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と録音しました。この頃、巨匠フルトヴェングラーとも親交があったことは良く知られています。

1935年に帰国した後は、新交響楽団(現NHK交響楽団)で、日本初の暗譜指揮による「第九」演奏を行うなど指揮者として活躍するものの、1年後に虫垂炎をこじらせ、1937年、腹膜炎の為、28歳の若さで亡くなりました。

没後も、湯川秀樹のノーベル物理学賞受賞の後の晩餐会の時に、貴志康一の楽曲「竹取物語」が使われたと言われています。

■ 第87回 ヴァイオリン曲「月」/ 貴志康一
Koichi Kishi - Six Compositions for Violin and Piano - 1. "Tsuki" (Moon) (1933)

演奏は、小栗まち絵(ヴァイオリン)さん、戎洋子(ピアノ)さん。

この曲を聴くと、貴志康一がいかに才能豊かで並外れた音楽家であったかが分かると思います。
この機会に、是非↓もお聴き下さい。

月:貴志康一 マンドリン演奏(嶋直樹編)

小松/都響:貴志康一:交響曲「仏陀」


■ 資料参照
Wikipedia、大阪市都島区ホームページ

コロナウイルス狂騒曲の行方(No.32)

東京オリンピックも終わりました。

「復興五輪(安倍前総理)」が、いつの間にか「コロナに打ち勝った証(菅総理)」にすり替わったりしましたが、終わってみれば、打ち勝つどころか「感染爆発」状態です!

不祥事のオンパレードだった東京オリンピック。国民の多くの声を無視して強行された東京オリンピック。 ── そして医療崩壊。

本来なら、メダルラッシュで祝福ムードの東京オリンピックも、素直に喜べない大会になってしまいました。

今、開催都市 東京では、感染しても入院できず、自宅療養を余儀なくされている人が2万人を超えています。自宅療養中に症状が急変して亡くなった方も十数人(全国)に増えました。ある人は、これは「自宅療養」ではなく「自宅放置」だと言っています。

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「東京オリンピックはコロナのせいで失敗した」という認識が広がっています。もちろん、その側面はありますが、本当にそうでしょうか。

今回の大会で、スポーツが金儲もうけの道具にされていることが露呈しました。

日本では猛暑の8月に開催したのは、アメリカの『4大スポーツ』が盛んな秋を避けることで、IOCが多額の放送権料を得るためです(スポーツライター・玉木正之氏)。※次回パリ大会も、次々回ロス大会も夏の開催が決まっています。

米NBCユニバーサルは'14年のソチ五輪から'32年の夏季五輪まで10大会分の米国向け放映権を120億ドル(約1兆3000億円)という莫大な金額で 独占契約をして、IOCに支払っています。

ですから、ぼったくり男爵(ワシントン・ポスト紙)という表現は当たっています。そして、“アスリートファースト”とは真逆のオリンピックが、IOCによって仕組まれているのです。

多くの日本国民はそのことを知りました。

この商業主義こそが、オリンピックを歪め、アスリートにも負担をかけ、開催国に莫大な出費をさせ、IOCはもちろん、大手広告代理店や
竹中〇蔵氏など一部の人だけが儲かるシステムを作ったのです。

一番の問題は、コロナではなく、この商業主義です。利権構造です。

3年後のパリ五輪は、経費節減を打ち出していますが、日本の二の舞にならないよう注意が必要です。そして、健全なオリンピック実現のためにも、IOC貴族との距離を置いて、真のスポーツマンシップとは何かを問いかけて欲しいと思います。

アスリートファースト、観客ファーストで、利権の無い大会が実現することで、今回コロナで亡くなった方々の霊も慰められるのではないでしょうか。

 

2021年8月16日 (月)

知られざる名曲 第86回 愛のワルツ/パトリック・ドイル

日本で2015年公開された ディズニー映画「シンデレラ」を 劇場でご覧になった方も多いと思います。

その劇中使用曲「愛のワルツ (La Valse de L'Amour)」は、スコットランド出身の作曲家 パトリック・ドイル(Patrick Doyle 1953-  )が作曲しました。

彼はクラシック音楽を王立音楽院(ロイヤルコンセルヴァトワール)で学び、のちに音楽院のフェロー(大学教員)になりますが、映画音楽やテレビ音楽、劇音楽など多方面でその才能を発揮させます。

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幸せあふれる ウェディングダンスの YouTube動画でお聴き下さい。

ロケーションが素晴らしく、振り付けが夢のように美しく、特上のワルツです。


■ 第86回 愛のワルツ (La Valse de L'Amour) /パトリック・ドイル



音楽は優雅そのものです。

2021年8月11日 (水)

知られざる名曲 第85回 おお、大いなる神秘よ/オラ・イェイロ

広島、長崎、終戦、お盆、8月は「祈り」の月です。そう言えば日航ジャンボ機事故も8月でした。
「祈り」にちなんで、今回はミサ曲を聴くことにしました。

ミサ曲「おお、大いなる神秘よ(O Magnum Mysterium)」、イエス・キリスト誕生の秘跡を描いた聖歌です。

作曲はオラ・イェイロ(Ola Gjeilo、1978年 - )。
ノルウェー出身、アメリカ・マンハッタン在住の作曲家、ピアニストです。名前を初めて聞いた方も多いと思います。

彼は5歳のときにピアノと作曲を始め、早くから音楽の才能に恵まれました。やがてノルウェー国立音楽院にてクラシック音楽を学び、その後イギリスの王立音楽院、アメリカの名門ジュリアード音楽院へと移り作曲の修士号を得ました。
クラシック音楽が主であり、賛美歌など宗教的な題材をモチーフにした楽曲が多いのが特徴です。(一部Wikipediaより)

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「おお、大いなる神秘よ(O Magnum Mysterium)」

おお、大いなる神秘よ
驚くべき秘蹟よ
動物達は主が生まれたのを見た
飼葉桶(かいばおけ)に横たわっている主を

「馬小屋の扉を開けたら、幼子キリストの周りは柔かく優しい光に包まれている。

そうろくの炎が穏やかに揺らめく。その周りでマリアと動物達がこの秘蹟に賛嘆している。」


演奏は、スロヴェニアフィルハーモニック合唱団。
指揮 ジェリカ・ブコベック氏、 ヴァイオリン独奏は アナ・ドルジャン氏です。

■ 第85回 おお、大いなる神秘よ/オラ・イェイロ



静寂の中でキリストの誕生の喜びと聖母マリアへの讃美が歌われます。

私達は歌詞と音楽でその情景を思い浮かべることが出来ます。
キリストやマリアの美しい魂を感じ取ることが出来ます。

2021年8月 7日 (土)

知られざる名曲 第84回 交響曲第1番 第3楽章より/佐村河内守・新垣隆

2014年2月5日の記事音楽界に衝撃走る 佐村河内氏の告白」以来、当ブログは事件の真相に迫ろうと75本の記事をアップして、佐村河内氏と新垣氏を追いかけてきましたが、あれから7年以上過ぎ、あらためてCDで「交響曲1番(HIROSHIMA)」を聴くと、ちょうど8年前(2013年7月11日)コンサートホールで聴いた感動が蘇ってきました。

広島、長崎に原爆が投下されたこの時期、この曲を風化させないためにも、今回の「知られざる名曲」は、交響曲第1番 第3楽章(佐村河内守・新垣隆)に決めました。事件の騒動と作品自体の完成度は関係がないと考えます。

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画像 Japan Billboard https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/13734/2

佐村河内 守(さむらごうち まもる、1963 - )は、広島県出身の作曲家。
NHKスペシャル「魂の旋律 〜音を失った作曲家」で脚光を浴び、「交響曲第1番」のCD売上がオリコン週間総合チャートで2位を獲得、クラシックCDでは異例の販売枚数17万枚を記録しました。

その後、「交響曲第1番HIROSHIMA」全国ツアーが開始、全国30か所、各地の12のオーケストラが演奏することになりますが、ゴーストライター問題が発覚、2014年3月7日、佐村河内氏による謝罪の記者会見が行わました。(Wikipedia参照)


新垣 隆(にいがき たかし、1970 - )は、日本の作曲家、ピアニスト。
現在は、桐朋学園大学音楽学部講師、桐朋学園大学院大学音楽研究科特任教授、大阪音楽大学短期大学部客員教授、株式会社カンパニーイースト所属。

2014年2月5日、18年にわたり佐村河内守氏のゴーストライターを務めていたことを公表しましたが、代作の実態については「佐村河内氏は実質的にはプロデューサーだった。彼のアイデアを実現するため、私は協力をした」、「彼が依頼し、私が譜面を作って渡すという、そのやり取りだけの関係」、「彼と私の情熱が非常に共感し合えた時もあったと思う」などと語っています。(Wikipediaより)

二人は18年間 音楽的に信頼関係にあり、数々の作品を世に出したわけですが、その頂点とも言える作品が「交響曲第1番HIROSHIMA」でした。


一時間以上の大曲(全曲演奏 YouTube動画 )なので、今回は終楽章(第3楽章)終結部の「天昇コラール」と呼ばれる感動的な音楽をお聴き下さい。

■ 第84回 交響曲第1番 第3楽章より「天昇コラール」/佐村河内守・新垣隆



拍手は鳴りやまず、聴衆の多くは涙しました。

全曲演奏 YouTube動画のフィナーレを、ボリュームを上げて是非ご覧ください。


※当ブログ参考記事 映画「FAKE」を観る

2021年8月 4日 (水)

知られざる名曲 第83回 弦楽四重奏曲「菊の花」/プッチーニ

クラシックファンであっても、室内楽を好んで聴く人は少数派ではないかと思います。特に 弦楽四重奏曲は、難しいと言うイメージが先行します。

※例えば、7楽章まである ベートーヴェンの弦楽四重奏第14番などは、演奏時間も長く(およそ40分)、どうしても敬遠されがちです。

今回は、敢えて 弦楽四重奏曲にスポットを当て、私たちの食べず嫌いを無くす「きっかけ」にしたいと考えました。この曲を聴いたら、室内楽の魅力、とりわけ 弦楽四重奏の良さを分かっていただけると思います。

その曲は、
プッチーニ (Giacomo  Puccini、1858 - 1924)の作った 弦楽四重奏曲「菊の花(Crisantemi)」です。

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プッチーニは、「トスカ」や「蝶々夫人」などのオペラが有名なイタリアの作曲家ですが、こんな美しい室内楽も残していました。

この小品は、当時プッチーニの友人でパトロンでもあった サヴォイ公国の アマデオ1世(元スペイン国王 44歳で急逝)を偲んで書かれたものです。

嬰ハ短調の哀切極まる音楽ですが、気品に満ちた美しい曲です。

演奏は、数々の国際コンクールで活躍している エンソ弦楽四重奏団(
Enso String Quartet ニューヨーク)です。


■ 第83回 弦楽四重奏曲「菊の花嬰ハ短調 / ジャコモ・プッチーニ



ところで、菊(キク)は天皇家の紋章であり、日本国のパスポートの表紙にも描かれているなど、日本の国章とも言えますが、もともとは外来種(中国)で、日本に伝来したのは平安時代だそうです。

ヨーロッパで広まり出したのは、幕末の頃、日本からイギリスに持ち込まれたのが始まりで、ちょうどプッチーニの時代と重なります。

菊は故人を偲ぶ花とされ、今では日本だけでなく、中国や韓国、フランス、ポーランドなど世界各国で白い菊が、献花や墓参の際に用いられるようになりました。

 

2021年8月 1日 (日)

知られざる名曲 第82回 ディドの嘆き/パーセル(ストコフスキー篇)

今回は、英国のバロック時代の作曲家 ヘンリー・パーセル(Henry Purcell、1659 - 1695)を取り上げます。

彼は若くして音楽の才能に恵まれ、18歳で王室の専属作曲家(兼指揮者)に就任するほか、ウェストミンスター寺院のオルガニストに任命され、充実した人生でしたが、36歳で亡くなっています(死因不明)。

生涯に残した曲はおよそ800曲、今回ご紹介する オペラ「ディドとエネアス(全3幕)」(Dido and Aeneas,Z.626)は、演奏時間1時間ほどの短いオペラですが、バロック期のオペラの最高傑作として評価の高い作品です。 

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パーセルが眠っているウエストミンスター寺院 ACワークス(株)

オペラ「ディドとエネアス」は、カルタゴの女王ディドと、トロイの王子エネアスの悲恋の物語です。

愛を誓った ディドとエネアスでしたが、魔女の策略により引き裂かれてしまう二人。
エネアスに裏切られたと嘆くディドは、「Remember me(私のことだけは忘れないで)」と、深い失意のうちに自らの命を絶ちます。

このアリアを、音の魔術師と呼ばれた レオポルド・ストコフスキー( 1882-1977)が、オーケストラ曲に編曲しました。どうぞお聴き下さい。
尚、動画中にぼんやりと現れるのは、トロイの王子エネアスです。


■ 第82回 ディドの嘆き/パーセル(ストコフスキー篇)



この上なく悲しい曲ですが、この上なく「美しい」曲です。

人は何故、悲しい曲を「美しい」と思うのでしょうか。
以前、「はかないものは美しい。」と言いましたが、「悲しい曲も美しい」のです。

誰でも、辛い思い出が多ければ多いほど、心のセンサーは感傷的になりますが、一方で自分を慰める思考が芽生えます。
その思考が癒しとなり、かえって心の平安を導き出すのではないでしょうか。

悲しみは辛いことですが、思いっ切り感傷に浸ることで、いつしか癒され、浄化されていくと思います。
そのことが本能的に分かっているからこそ、人は「悲しい曲を美しい」と感じるのだろうと思います。

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