知られざる名曲 第81回 天使の糧 /セザール・フランク
この曲は、題名は知らなくても何処かで聴いたことがあるような懐かしい曲です。
作曲したのは、セザール・フランク(César Franck、1822 - 1890)、ベルギー出身ですが、フランスで活躍した作曲家・オルガニスト です。
フランクは、無欲で善良、つまりトルストイの描くところの聖者のような人物だったとされ、つましい生活を送りました。
フランクの無私の人間性について、フランク伝(ダンディ著)によれば、「彼の作曲の動機は、栄光でもなく金でもなく、安易な成功でもなかった。彼の目的は、芸術を手がかりに自らの思考と感情を表現しようとすることだった。そして、何よりも真の意味で彼は謙虚な人だった」、と表されています。
フランクの生涯は、オルガニストとして評価はされたものの、決して脚光を浴びることはありませんでした。
しかし、フランクの死後、彼の名声は急速に高まり始め、多くの作品が絶賛されるようになりました。
そして1922年、フランク生誕100周年の記念コンサートにはエリザベート王妃が臨席し、自国が生んだ「フランス近代音楽の父」に敬意を表したと言われています。
Panis Angelicus
Panis angelicus
fit panis hominum;
Dat panis coelicus
figuris terminum:
O res mirabilis!
Manducat Dominum
Pauper, servus et humilis.
天使の糧(パン)は人々の糧となり
天上のパンは形あるものとなった
何と驚くべきことだ!
憐れな者、僕(しもべ)、卑しき者たちに
天は自らを糧として与えられた
■ 第81回 天使の糧(天使のパン)Panis Angelicus /セザール・フランク
心洗われる讃美歌、歌っているのは、シセル(Sissel、1969年6月24日 - )さん。ノルウェー出身の国民的歌手で来日経験もあります。
演奏は、タバナクル合唱団と同オーケストラ。とても豪華なステージです。
※参考資料 Wikipedia、「セザール・フランクの生涯と作品」 Tomoyuki Sawado (Sonetto Classics)及び 世界の民謡・童謡サイト
※写真 ACワークス(株)
« 知られざる名曲を考察する(8)クラシック音楽が嫌われる理由 | トップページ | 知られざる名曲 第82回 ディドの嘆き/パーセル(ストコフスキー篇) »
「音楽」カテゴリの記事
- 知られざる名曲 第259回 ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 ラルゴ / ペルゴレージ(2024.09.01)
- 知られざる名曲 第260回 月あかりのもとで / エルガー(2024.09.08)
- 知られざる名曲 第258回 シャコンヌ ヘ短調 / パッヘルベル (2024.08.29)
- 知られざる名曲 第257回 さよならケンブリッジ(再別康橋) / 李達濤(アントニオ・リー)(2024.08.24)
- 知られざる名曲 第256回 オーボエ協奏曲 第1番 / ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン(2024.08.21)
「知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける」カテゴリの記事
- 知られざる名曲 第259回 ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 ラルゴ / ペルゴレージ(2024.09.01)
- 知られざる名曲 第260回 月あかりのもとで / エルガー(2024.09.08)
- 知られざる名曲 第258回 シャコンヌ ヘ短調 / パッヘルベル (2024.08.29)
- 知られざる名曲 第257回 さよならケンブリッジ(再別康橋) / 李達濤(アントニオ・リー)(2024.08.24)
- 知られざる名曲 第256回 オーボエ協奏曲 第1番 / ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン(2024.08.21)