知られざる名曲 第45回 優雅なインドの国々/ラモー
知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける
今回は、フランスのバロック時代の作曲家 ラモーの作品を選んでみました。バロック音楽が好きな方はご存じではないでしょうか。当サイト2度目の登場です。
ジャン=フィリップ・ラモー(1683 - 1764)は、カンタータ、モテットなどの声楽曲、クラブサンなどの鍵盤音楽、そして彼のキャリアの最後の30年間を占める「オペラ」などの舞台作品を作曲する一方で、オルガニストや理論家としても活躍しました。
しかし、ラモーの人生の詳細は、特にパリに永住する前の40年間に関しては、あまり記録がありません。彼は秘密主義であったとされ、妻でさえ彼の初期の人生について何も知りませんでした。
ラモーは死ぬまで理論家および作曲家としての活動を続けましたが、死後に部屋に残されたものは、使い古した服、一足の靴、古い家具、それに老朽化したチェンバロ一台、そして金貨少々だったと言われています。
晩年は孤独な人生を歩んだ ラモーですが、ご紹介する 舞踏歌劇「優雅なインドの国々(1735年作曲)」は、大成功を収めました。
この曲は、彼が1725年にパリで見た米国イリノイ州のミチガメア(Michigamea)族の酋長による民族ダンスに刺激されて作った曲で、「インド」はヨーロッパ以外の異国の民、異教徒、原住民の意味です。要するに「インド国」とは関係ありません。
■ 第45回 舞踏歌劇「優雅なインドの国々」より 未開人の踊り ジャン=フィリップ・ラモー(Jean-Philippe Rameau)
ビントゥ・デンベレ(Bintou Dembélé )の振付が斬新で、この動画「パリオペラ座の350周年記念公演(2019・9月)」は、ニューヨークタイムズによって2019年の最高のオペラ作品に選ばれました。
日本の歌舞伎「連獅子」の、頭をぐるぐる回して髪の毛を振り回すシーンによく似たところがあり、興味深いです。
この振付によって、300年前の作品とは思えない現代感覚のオペラに生まれ変わったのではないでしょうか。
特に、ダンサーたちの驚異的な(ヒップホップ)ダンスに、観客から熱狂的な声援が送られ、拍手は鳴りやみません。そして、ラモーの独特のリズムが頭から離れません。名曲であると同時に、歴史に残る名舞台だと思います。
今までご紹介した記事を、第1回から順に並べて見やすくした「知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ」を、アーカイブとして公開(順次更新)しております。是非ご参照下さい。
知られざるクラシック名曲の宝庫を開けるシリーズ
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