さようなら 安倍総理(安倍総理辞任に思う)
健康不安が表面化していた安倍晋三総理が、本日(令和2・8・28)辞意を表明しました。
会見は1時間余に及びましたが、安倍総理は極めて紳士的に話し、質問にも丁寧に答えていました。
任期を1年余り残しての突然の退陣表明でしたが、7年8か月にわたる政権運営、先ずはお疲れさまでした。
記者会見テレビ画面より
安倍総理は、予想もしなかった「コロナウイルス」で大きくつまずいた訳ですが、「アベノマスク」など お粗末なコロナ対策による支持率低下と、赤信号のついた東京オリンピックで、この夏は「失意の夏」だったと思います。
本来なら、東京オリンピックが、安倍総理の退陣の花道となるはずでした。
加えて、盟友だったトランプ大統領の再選が厳しい中、胸中は穏やかではなかったと思います。
グラフ 2020/7/30 18:57日本経済新聞 電子版より
思えば、アベノミクスで株価は上がったものの、国民の生活は楽にならず格差は広がるばかりでした。そして、社会保障の名のもと、消費税は5%から10%に増税されました。
外交では一定の成果を上げ、日本の存在感を世界にアピールしましたが、北朝鮮の拉致問題、ロシアとの北方領土問題、韓国との関係悪化など、問題は積み残したままとなりました。(この点は安倍総理の責任とは言えません)
また、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したり、平和安全法制(戦争法案)の強行採決、沖縄辺野古新基地の建設など、日本の政治の右傾化はより鮮明になりました。同時に、平和安全法案の強行採決を許した野党の不甲斐なさに、多くの国民は落胆しました。
画像 日本経済新聞より 2015/7/15付
さらに安倍総理の悲願ともいえる憲法改正に向けて大きく舵を切りましたが、さすがに「9条改正」を含む憲法改正は、国民の理解を得ることは難しかったようです。
野党が離合集散を繰り返す中、安倍政権は盤石となり、「安倍一強」と言われるようになりましたが、権力の私物化と言われるような事案が次々と明るみに出るようになりました。森友・加計はその顕著な例です。総理周辺が忖度した結果、隠蔽や虚偽答弁が常態化し、公文書改ざんにまで至りました。近畿財務局の職員が自殺したのもこの頃でした。
最近では、黒川賭けマージャン問題で、官邸の腐敗ぶりが露呈したばかりでした。長期政権の「おごり」「弊害」が頂点に達した感があります。今回の退陣は起こるべくして起こった政界浄化作用かもしれません。
今後の政局ですが、次期総理は誰がなるのでしょうか。
政治家に「清廉潔白」を求めることはナンセンスです。正直、次期総理に相応しい人物は皆無です。期待が裏切られることは目に見えています。批判はあっても、安倍総理の手腕に勝る人は今の政治家にはいないでしょう。
それでも敢えて一人選ぶとすれば、当ブログは、菅(官房長官)さんを選びます。最も安倍政権に近いからです。裏の裏まで知っている菅さんなら、安倍総理も安心して任せられます。過去の悪だくみが露呈することもないでしょう。
ただ、令和おじさんが固辞したらどうしようもありません。その場合は石破さんしかいないでしょう。この人、目つきは悪いですが人物はさほど悪くはなさそうです。
言いたいことを言って申し訳ありませんでしたが、これは、辞任表明を聞いた個人の感想です。お付き合いありがとうございました。
画像の一部 ©時事通信社より
さようなら 安倍総理、笑顔で官邸を去る日も近いと思いますが、一日も早いご回復をお祈りします。
本当にお疲れ様でした。
« 歩く質を考える | トップページ | 安倍長期政権を支えたのは野党 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 書を再開しました(2023.05.14)
- チャイコフスキーコンクール に ウクライナが参加 ?(2023.05.01)
- テロメアとは(2022.07.26)
- 東洋文庫ミュージアムへ行く(2022.07.19)
- 日本音楽コンクール、ピアノメーカー指定に(2022.07.12)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 菅総理誕生しても残念な政局(2020.09.22)
- 安倍長期政権を支えたのは野党(2020.08.31)
- さようなら 安倍総理(安倍総理辞任に思う)(2020.08.29)
- スパコン 果てしない競争の先には(2020.06.23)
- 日本の民主主義は大丈夫か(2020.06.21)