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  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2020年4月 8日 (水)

コロナウイルス狂騒曲 Ⅶ 特別編「コロナウイルスから学ぶこと」

■ 足元に忍び寄るコロナウイルス
わが家から自転車で5分ほどの近所でコロナの感染者が出ました。その店は消毒され当分の間休業になりました。そのニュースは瞬く間に広がり、誰もその周辺に近寄りません。すぐそばのカルチャー教室はすぐ休校になりました。まるで恐ろしい疫病のような騒ぎです。また昨日は、地元の百貨店でも感染者が出たようです。その百貨店は直ちに臨時休業になりました。

初めはただの風邪の一種だと思っていたコロナウイルスは、この2か月で全世界に拡散して140万人が感染し8万人が亡くなりました(2020・4・8現在)。あの志村けんさんも亡くなりました。確かに恐ろしい感染病です。日本も昨夜「緊急事態宣言」が発出されました。恐怖心を煽るメディアの報道が現実になった形です。

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新型肺炎の患者に対応する医療従事者ら=27日(新華社=共同)

私たちの生活は一変し外出もままならない毎日です。医療崩壊も叫ばれ、国民の不安は頂点に達しています。諸外国では野戦病院(野外の臨時病棟)が開設され、さながら戦時下の様相を呈しています。また地球規模の経済損失は「コロナ恐慌」と言われています。

猛威を振るうコロナウイルスが忌み嫌われるのは当然ですが、私たちはこの未曾有のコロナ惨禍から学ぶべきことは無いのでしょうか。亡くなった方や闘病中の方には申し訳ないのですが、志村けんさんの死を無駄にしないためにも敢えてこの問いに向き合ってみようと思いました。


■ 自国第一主義と世界の分断・二極化

3年前に登場したトランプ大統領の、アメリカ第一主義(アメリカファースト)、白人至上主義は多くの世界的な対立を生みました。
メキシコとの国境には壁が作られ、中国とは「貿易戦争」が始まりました。高い関税を掛けて「貿易戦争」を仕掛けたのはアメリカです。日本や韓国も犠牲者です。

また、イギリスのEU離脱は国内世論を二分し、ヨーロッパ連合は分断されました。若者を中心とする香港の反中国デモは深刻ですし、中台の緊張も深刻です。そして中国の覇権主義は東アジア全体の緊張を高めています。北朝鮮の不穏なミサイル発射は朝鮮半島の統一を阻むものです。中東でも核開発をめぐる米国対イランの緊張は続いています。内戦による難民問題、さらにウクライナ問題や欧米によるロシアへの制裁など、世界は対立の真っ只中にいるのです。

このように自国優先、経済優先の結果、今日の世界は分断され緊張状態にあります。富裕層と低所得者層の二極化も顕著です。


■ 人類の危機
大国の覇権争いは地球だけに止まらず、昨年トランプ大統領は「宇宙軍」の創設に踏み切りました。何という愚かな選択でしょうか。
一方、近年頻発する「地球規模の災害」は人命を奪うばかりか動植物や環境にも甚大な被害をもたらしています。

そして今回の新型コロナウイルスの出現で、世界は「人類の危機」に直面しています。主な大都市は封鎖され、軍が出動し、医療は崩壊し、棺が並べられた写真が公開されています。


■ 対立から連帯へ
昨年のG7では首脳宣言も出せなかった各国ですが、この16日に緊急テレビ会議で開かれたG7で首脳らは、コロナウイルスに対し「医療資源の共有」や「中央銀行間の連携」で合意し、終了後の共同声明では協調行動によって「保健、経済面のリスクを解決」し、力強い回復に向けた環境整備を図ると表明しました。

そして、「適切な国境管理」を調整し、「治療薬とワクチンの共同研究」を促進することも約束しました。協調して対策を進めるとの共同声明を発表したのです。

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アジアでも、韓国の文在寅大統領は日本に対し「共に危機を克服しよう」と、新型コロナウイルスをめぐっての両国の協力を呼びかけました。そして、中国外交担当トップ 楊潔篪中国共産党政治局員は自民党の二階幹事長との会談で、日中両国の協力を確認しています。

ウイルス発生の早い時期に日本も中国に支援を行っていますが、今ではウイルスが収まった中国が、イタリアをはじめ多くの欧州諸国に支援を送っています。日本はじめ世界中に大量のマスクを支援しているのも中国です。これは「マスク外交」と言われるほどです。

そして欧州から制裁を受けているロシアさえも欧州諸国に支援を実施しているのです。
医療支援を行うロシア軍の車両がローマで見られたといいます。トルコも、多くの国に支援を送っている国のひとつです。振り返ってみると、中国でウイルス流行が最もひどかった時期に最初に支援を送ったのはトルコでした。トルコ政府は、対立するアメリカをはじめ多くの欧州や中東諸国に医療支援を送りました。(TRT記事参照)

このように、利害を超えて多国間の連携と協力が始まり国際的な「支援の輪」が広がっています。

もちろん日本国内に於いても隣接する地域(都道府県)同士の連携や支援、さらに民間企業も携帯電話3社が25歳以下のデータ通信を無料にする措置、ホテルチェーンの軽症者の受け入れ表明、トヨタの人工呼吸器生産、シャープのマスク増産、ソニーの100億円基金創設などが決まっています。



■ コロナウイルスから学ぶこと まとめ
ウイルスは国境を越えて地球全体に広がりましたが、もともと地球は一つです。国家間の利害で国境が定められ、過去2度の世界大戦が起きましたが、その反省から国際連合(国連)が創設され以来、世界大戦は回避されてきました。

しかし近年、米中の覇権争いは激化し、民族は分断され、自国優先の風潮が台頭してきました。自分たちの利益を最優先する意識は、世界に蔓延してしまったのです。コロナウイルスは、そんな人類に「地球は一つ」という意識を目覚めさせ、「世界の連帯」を呼び掛けているのではないでしょうか。

かつてない危機に直面した人類は、自国優先、経済優先ではなく、相互扶助と博愛の精神に基づき「地球は一つ」の意識に目覚めるときです。

医療資源(医薬品、呼吸器、防護服マスク、医療スタッフ)の提供から 治療薬・ワクチンの早期開発、経済的支援、連携(中央銀行)、さらに情報の共有、専門家の派遣など、世界各国は協力体制を築きつつあります。自国だけではこの危機を乗り越えられないからです。

私たちは、コロナウイルスから多くのことを学びました。感染症の恐ろしさを知ると同時に、今更ながら「命の尊さ」を知りました。「自粛」の二文字から、自分勝手は許されないと知りました。そして生活が制限されることの不安を通して、今までの「自由な生活」の有り難味が分かりました。テレワークやオンラインは一挙に普及しました。

コロナウイルスの惨禍は決して肯定できませんが、もし人類が「地球意識」に目覚めるきっかけになれば、そして「連帯意識」が、「自国第一主義」を駆逐する大きな波になれば、それは人類にとっての「福音」になるかも知れません。

 

コロナウイルス狂騒曲の行方シリーズ

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