コロナウイルス狂騒曲の行方 Ⅲ
先ずは、ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)によるコロナウイルスグローバル最新情報をご覧ください。
このサイトによると、イタリアの感染者は何と2万人を超えました。スペイン(6391人)、ドイツ(4585人)、フランス(4481人)、そしてアメリカ(2952人)の感染者がいつの間にか急増しています。イギリス(1143人)や北欧諸国も日本(773人)を超えました。
感染は欧米を中心に世界中に広がっています。3/15/2020 PM4:33 現在
5年に一度のショパンコンクールも、4月に予定していた予選が9月まで延期されました。
WHOは致死率を3.4%としていますが、米国保健省は1%以下と発表しています。いずれにしても決して高い数字ではありません。ほとんどの人は治る病気です。
しかし、たとえ2%~3%でも分母が大きいと大変なことになります。それが100年前のスペイン風邪でした。
スペイン風邪は、当時の世界の人口の3割近い人が感染したと言われ、なんと5000万人(日本45万人)が亡くなりました。やはり致死率は2.5%位でしたが、感染力が強く世界中に拡散したことが原因でした。
したがってWHOは「パンデミック」を宣言しました。これ以上感染者を増やさない意味での警告です。
これまで当ブログでは、必要以上に不安を煽るメディアの報道に苦言を呈するとともに、ただの風邪の一種なのに余りにも社会が過剰に反応していると指摘してきました。
しかし、欧米諸国に感染が急拡大している現状を見るにつけ、楽観視できないと判断するに至りました。
そのような中、日本では、昨日の安倍首相の記者会見のように、ある一定の抑え込みには成功しているようです。確かに爆発的な感染拡大には至っておらず、クルーズ船を除けば、感染者は1000人を切っています。
そして、もし世界中で大流行の兆しがあれば、徳川時代の鎖国政策を断行するしかありません。幸い日本は島国です。
ただ現状、もう国民生活が大混乱、経済が大打撃、社会生活が成り立っていません。
東京オリンピックにも黄信号が点り始めました。
この未曾有の難局を乗り切るには、政治の決断と国民の一致団結が不可欠です。今後の経済対策にはかつてない数十兆円規模の予算を投入し、この際、消費税も一時的に0%にすべきです(与党の一部議員からも要請あり)。そうです余程のカンフル剤を打たないと日本の経済は立ち直れません。財務省が抵抗してもやるしかありません。
今回のコロナウイルスは思わぬ災厄でしたが、安倍首相のリーダーシップを発揮するチャンスであり、日本の危機管理体制を見直す良い機会になるかも知れません。転売禁止などの法整備も必要です。
また、感染症に対する検査能力の不備や初期の対応力の未熟さなどが露呈して、医療先進国日本にも大きな弱点があることが分かりました。治療薬の開発能力も欧米に比べ著しく低いことも分かりました。今後の教訓になったと思います。
良い点では、マスクを寄贈したり、子供のいる家庭に食事を提供したり、助け合いの輪が広がりました。
さらに在宅ワークによって、通勤ラッシュが避けられ、体力の消耗と時間の効率UPが図られました。家族が家庭にいる時間が増えることは幸せなことです。ネットによるライブ配信が盛んに行われ、びわ湖ホールのオペラは延べ30万人が楽しみました。
多くの予定がキャンセルになりましたが、その分自分の時間が持てました。読書をしたりCDを聴いたり、家の掃除をしたり、いつもと違う日常があったはずです。
このコロナ事件は、低迷していた日本経済を転換するチャンスかも知れません。医療先進国日本を取り戻せるチャンスかも知れません。人に優しい心を取り戻せるチャンスかも知れません。災い転じて福とする英知が、いま日本人に問われています。
新型コロナウイルス最新情報サイト(CSSE)
3/16/2020 12:33:03 現在
感染者は世界で約17万人、死者は6513人ですが、回復した人も77000人います。(上記)
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