一陽来復
新年あけましておめでとうございます 壺中日月長
冬が去って春が来ることを「一陽来復」と言います。令和二年が皆様にとって陽光輝く素晴らしい一年になることを祈念いたします。
令和二年(2020年)は、東京オリンピックの「オリンピックイヤー」であります。
クラシック音楽の世界では、ベートーヴェン生誕250年の「ベートーヴェンイヤー」であります。
そして、5年に1度のショパンコンクールが開かれる「ショパンイヤー」でもあります。
そんなスポーツと音楽の記念すべき1年を皆様とご一緒に楽しく過ごして参りたいと願っております。
その前に、昨年をちょっと振り返ってみると・・・
■ 世を送り人を送りてこの一年(ある寺の山門にあった俳句)
楽しいこと、辛いことが交錯する人生にあって、一番悲しいのは肉親や親しい人との別れです。
私も昨年、人生の大先輩を亡くしました。彼と一緒に風呂に入り、共に食事して、共に音楽を聴きました。まさに「世を送り人を送りてこの一年」でした。
それにしても一年が早いです。今日はもう大晦日、紅白を見ながらブログを書いています。
■ ジャネーの法則 (仏教ウェブ入門講座 より一部転記させていただきました )
ジャネーの法則とは、「年をとるほど時間が経つのが早く感じられる」という現象を数式化したものです。
19世紀の心理学者ジャネーの考えた仮説です。
ジャネーの法則によると、時間の過ぎる速さは、年齢に比例して加速します。
たとえば1歳のときの1年間を基準とすると、2歳のときの1年間は、2倍早く感じます。
5歳になると5倍早く感じ、10歳になると10倍です。
その計算で行くと、人生80年の半分は、40才ではなく、約10歳です。
分かりやすいように図に表すとこうなります。
これは光陰矢の如しです。
10歳を過ぎたらあっという間に人生後半です。もっとも近年は人生100歳時代ですから、まだまだ十分楽しめますが。
■ 人生の主人公は誰か
ジャネーの法則通り、あっと言う間の一年でしたが、私は退職以来最も多忙な一年でした。
趣味の音楽に加え、4月からは自治会関係のボランティア業務が次々舞い込みました。
次第にやりたいことが出来なくなり、ストレスばかりが溜まるようになりました。人との交流が増えたことや、誰かに頼られることは嬉しいのですが、時間が取れず、ブログの更新も途絶え、好きな読書も出来ません。CDを聴く時間もなく、スマホのかすかな音でクラシックを聴きました。サークル活動も休み、書の教室も辞めました。
多分どんなに忙しくても時間は作れるはずです。その証拠に、コンサートだけは欠かさず出掛けました。
しかし、情報過多の時代、山のような資料に囲まれ気持ちだけが焦りました。そのうち体調もおかしくなりました。
その打開のために「ヨガ」を習おうと決心しました。丹田を鍛え精神力を養うためです。しかしわずか2か月で壁にあたっています。
一体、人生の主人公とは誰のことでしょうか? もちろん、それは自分のことです。
昨年、私は人生の主人公を意識して、自己の2019年の詳細な指針を作りましたが、その大半は実行出来ませんでした。
社会貢献はとても大事ですが、完全にバランスを崩してしまいました。
その反省から、令和二年は、1.情報の取捨選択、2.優先順位を決める(やりたいことを最優先する)、3.断捨離、の三点を掲げたいと思います。そして、いつの間にか60代後半になり、古希への準備が視野に入ってきました。
人生の主人公と、古希への準備は重なっているように思います。
■ 古希への準備
「古希(こき)」とは、古くて稀(まれ)と書きます。
中国唐代の詩人・社甫の曲江詩の中の「人生七十古來稀」の一節によるものとされています。当時は平均寿命が40歳~50歳で、「人生を70才まで生きることは稀なこと」と言われた訳です。
その意味で、健康で生きがいのある人生を送る原点は「古希70歳」にあると思います。古希まであと1年ですが、満年齢なら約2年あります。その助走にこの一年を当てたいと思います。
■ 自分が一番好きだ
ある障害を持った方が書かれた「五行詩」に出会いました。
あまりに素晴らしいので、風景写真を入れて小冊子を作ることにしました。
その中の一編、
青い空が好きだ
美味しいものが好きだ
暑い日の風が好きだ
きれいなものが好きだ
そして自分が一番好きだ
この素直な感性を見習い、「自分が一番好きだ」と胸を張って言える一年にしたいと思います。
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