映画「蜜蜂と遠雷」を観る
10月4日封切りの映画「蜜蜂と遠雷」を観てきました。
当ブログでも取り上げてきた音楽映画ですが、国際ピアノコンクールを舞台にした4人の若きピアニストの人間模様を描いた作品で、直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸氏の小説が映画化されたものです。
4人の俳優のピアノ演奏を、日本を代表するピアニストの河村尚子氏、福間洸太朗氏、金子三勇士氏、藤田真央氏が担当し、課題曲「春と修羅」を国際的に評価の高い作曲家・藤倉大氏が手掛けたことで話題を呼びました。
画像 ONTOMOサイトより
松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士のそれぞれのピアノ演奏シーンは驚くほどリアルで、見ごたえ(聴きごたえ)十分です。
特に、栄伝亜夜(松岡茉優)の弾くプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」は圧巻でした。コンクールのシーンはドキュメンタリーのような緊張感があり、映像化は不可能とまで言われたこの作品を、よくここまで音楽的に表現できたのか不思議なくらいです。
わきを固める俳優陣も素晴らしく、審査委員長役の斉藤由貴、指揮者役の鹿賀丈史、クロークのおばさん役の片桐はいり、 ステージマネージャー役の平田満など役柄にピッタリでした。
©2019映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会
ピアノ曲に関係のない「バッハ 無伴奏チェロ組曲」や「ブラームス 交響曲第1番」、「モーツァルト レクイエム」も挿入されていて、音楽映画としても大変面白い作品です。
また、窓越しに映る月を見ながら、栄伝亜夜(松岡茉優)と風間塵(鈴鹿央士)が、ドビュッシーの「月の光」を弾くシーンは、とてもロマンティックでした。しかも、いつしか曲はベートーヴェンの「月光ソナタ」に・・・、音楽が静かに流れていきます。
肝心のコンクールの結果は、ぜひ映画館に足を運んで下さい。
─「世界はこんなにも音楽で溢れている」栄伝亜夜のセリフが印象的でした─
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