対立から見えるもの
米中の貿易摩擦に始まった世界的な対立が拡大している。その対立は宇宙にまで広がりつつある(2019・8・29 米国は宇宙軍を正式に発足させた)。何という愚かな行為だろうか。
人類の危機に対し、世界の指導者は為す術もなく、G7もG20も意味がない。そして、ローマ法王も国連も無力である。
相変わらず、紛争と貧困の中で格差社会は進行している。自然破壊と環境汚染は少しも改善されず、世界は分断され、核兵器の廃絶も遠のいてしまった。
この大きな対立と不信感のうずに、日本も巻き込まれてしまった。
■ 日本 対 韓国
とかく外交は弱腰といわれた日本が初めて本気で怒っている。慰安婦、レーザー照射、徴用工などで散々裏切られた日本がついに反撃に出た。これは政権基盤が盤石な安倍政権だから出来た快挙である。
対立は望まないが、やられっぱなしでは情けない。日本は堪忍袋の緒が切れただけである。
ただ、韓国が逆切れしてしまった。ホワイト国除外が余程「頭にきた」らしい。学校で反日教育をしている韓国では、国民の反応も過激で、日の丸を焼いたり、デモや不買運動が盛んに行われている。
ただ、その反日感情に変化の兆しが出てきた。反日から「反安倍」になり、最近は「反文在寅」の声も多く聞かれるようになったと言うのである。
その傾向は、GSOMIA破棄から端を発し、 文在寅大統領の側近のスキャンダルで徐々に強まっている。
まだ両国の対立の出口は見えず、お互いに振り上げた「こぶし」を下すタイミングに苦慮している。国のメンツが掛かっている以上、そう簡単に「こぶし」は下せないだろう。
しかし、「陰極まれば陽に転ず」のことわざ通り、この対立は収束するしかない。
その理由は、①韓国内の世論の変化(反日感情の鎮静化) ②側近スキャンダルによる「文政権の弱体化」 ③日本の冷静な対応 ④国民レベルでの交流継続 ⑤長期化による両国の経済的損失の認識 ⑥米国の仲介などである。
今回の対立で、両国とも「議論百出」広範な意見が 見られた。自国の政権を支持・擁護する意見。逆に自国の政権に異議を唱える意見。特に歴史認識については、個人団体に関わらず多くの意見が集まった。
日本国内にも、過去を反省し慰安婦や徴用工にもっと理解を示すべきとの声もあれば、韓国国内にも、政府の対応に批判的な意見もある。
それらの意見に接し、日本も韓国も民主国家として自由で健全な国であったと再認識できた。対立から学んだ最大の点は、両国とも「言論や思想の自由」が保障された国家であるということである。
もちろん南北統一は歓迎すべきことだが、韓国(文政権)がそのことを急ぐあまり、「日米」と離れて「中露」と接近してしまっては、韓国に未来はないだろう。一般の韓国民はそのことを本能的に感じているかも知れない。
対立から協調へのカギは、実は韓国の国民が握っている。
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