どうせ生きるなら「バカ」がいい(本の紹介No.40)
筑波大名誉教授で遺伝子研究の第一人者 村上和雄氏と、薬を使わない精神科医 宮島賢也氏の共同著書『どうせ生きるなら「バカ」がいい』
(水王舎 2015・7・10発行 1000円+税)
科学者と精神科医の二人が解き明かす人生の極意が満載の本ですが、次の「言葉の力」に着目した見解には大いに共感した次第です。
日本人の死因のトップである「がん」。この名前を変えてみたらどうかと、産婦人科医で「日本笑い学会」 副会長 昇幹夫先生がおっしゃっていました。「癌(がん)」ではあまりに名前が悪い。いっそ「ポン」にしたらどうだろうか、と。
不謹慎だと言われるかも知れませんが、この話は大真面目です。「肝臓ポン」だと、そこにはなぜか深刻さがあまりなくなってきます。
しかも「がん」だけは、何故か「告知」という言葉が使われます。他の病気では告知なんて言いません。
ですから、もう「告知」なんて言わずに「お知らせ」にすればいいのです。(本文より一部転記)
確かに「癌(がん)」と言わず、「ぽん」と言ったら、受ける印象が違います。
この世界には、病名が4万種類もあり、やたら難しい名前が多いのですが、聞いただけで気が病んでしまいます。
野生の生き物は明日をわずらうことはありません。
「がん」を「ぽん」にする。
こんな「バカ」なことを考えることが、明るい社会を作るのだと思います。
世渡りの上手い人が増え、「バカ」な人が減っていますが、世の中は対立に満ち、不健康な人が急増しています。
時には「バカ」になって人生を楽しく生きる、そこに「真実」が隠されていると感じました。
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