人生のハーモニー
先週から4本のコンサートを聴く機会に恵まれました。歌あり、ピアノあり、オーケストラあり、それぞれ楽しめる素敵なコンサートばかりでしたが、その中から昨日の「コール・ファーテル演奏会」をピックアップして感想を述べたいと思います。
男声合唱団 コール・ファーテル第12回演奏会 指揮/吉田雅博 ピアノ/安田万里子(2019・7・15 サラマンカホール)
会場は満員御礼の盛況ぶりでした。毎回立ち見が出るほどですが、よほど団員の人脈があるのか固定ファンがいるのか知りませんが、私もやっとバルコニー席に座って聴くことが出来ました。
この合唱団、結成から28年、平均年齢は還暦を超えているとのことですが、白いブレザー姿でステージ上に凛々しく並んだ姿は若々しくみえます。
プログラムは3部構成、懐かしい童謡や歌曲を中心に彩り豊かに歌われた「愛唱歌集」の第1ステージ。
続いて第2ステージは、多田武彦/北原白秋の男声合唱組曲「白き花鳥図」全6曲、多彩な表現力を要求される難度の高い曲ですが、白秋の幽玄とも言える詩編に、多田武彦が深い情趣を紡いで作られた余情あふれる佳作です。
その意味で、ファーテルの柔らかな響きと細やかな表情が際立って美しく、音楽の内面に迫る指揮者との一体感が素晴らしい好演でした。終曲の「白鷺」を聴き終わっても(余韻に浸っていたら)つい拍手を忘れるほどでした。
最後は、ニューミュージックから6曲、さだまさしやユーミン、中島みゆきなど、どの曲も私たち(60歳~70歳代)に取っては青春時代の思い出の曲ばかりです。それぞれに趣の違う3つのステージで男声合唱の醍醐味を味わうことが出来ました。
アンコールは中島みゆきの「糸」、そしてこの合唱団定番の「遥かな友に」が会場の照明が次第に落とされる中、静かに歌われました。
サラマンカホールの響きと相まって豊かな人生のハーモニーを堪能した一日でした。
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