平成のクラシック音楽界10大ニュース
令和元年5月1日、平成のクラシック音楽界を10大ニュースとして振り返ってみました。
1.諏訪内さん優勝
諏訪内晶子が、史上最年少で「第9回チャイコフスキー国際コンクール」ヴァイオリン部門で優勝しました。1990年(平成2年)
2.日本でも三大テノールブーム
ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの3人のテノール歌手が一堂に会する大規模コンサートは世界中でヒットし、日本公演(国立競技場、東京ドームなど)も行われました。ちなみに、東京ドームのアリーナ席は8万5千円、国立競技場の最上席は7万5千円でした。この活動は、2007年にパヴァロッティが死去するまで17年間続きました。 1990~2007年(平成2~19年)
画像 映画「三大テノール 夢のコンサート」公式サイトより
3.第九の普遍性 日本でも
東西を分断していたベルリンの壁が崩壊し、同年バーンスタイン指揮でベートーヴェンの「第九」が演奏されました。1991年(平成3年)
この時、“Freude”(歓喜)を“Freiheit”(自由)に置き換えて歌ったことは有名です。日本でも平成時代に入り高齢化が進み、定年退職者の多くが趣味で合唱団に入り、より多く「第九」が歌われるようになりました。
4.熱狂の日
ラ・フォル・ジュルネは、1995年(平成5年)に創設された世界最大級のクラシック音楽祭です。日本でも2005年(平成15年)から行われ本年で15周年となり、延べ来場者は800万人を超えました。誰もが気軽に楽しめるクラシック音楽として定着し、クラシックの聴き方を変貌させました。
5.小澤征爾が音楽監督に
指揮者の小澤征爾が、アジア人で初めて、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任しました。2002年~2010年(平成14~22年)
6.上原さんが快挙
上原彩子が、「第12回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門」にて優勝。日本人として初めて、かつ女性として世界で初めての快挙でした。2002年(平成14年)
画像 ヤマハCFXサイトより
7.訃報相次ぐ
著名な音楽家の訃報が相次ぎました。日本人では武満徹、朝比奈隆、中村紘子さん、日本で人気の、カラヤン、バーンスタイン、リヒテル、ロストロポーヴィチなど全て平成時代に亡くなりました。ご冥福を祈ります。1989~2018年
8.辻井さんが優勝
盲目のピアニスト辻井伸行さんが、「第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(米国)」で優勝しました。2009年(平成21年)
9.現代のベートーヴェン
佐村河内守氏のゴーストライター事件が発覚しました。氏の作とされる「交響曲第1番」は空前のヒット、全国ツアーも展開されました。その後、新垣隆氏が大ブレイクしました。2014年(平成26年)
10.巨匠時代の終焉 新しいクラシックの風
平成時代は、クラシックの巨匠が相次いで亡くなり、特に平成後半には、新たなエネルギーが旋風を巻き起こしました。既成概念にとらわれない指揮者ドゥダメル、クルレンツィスの登場、復古的演奏スタイルの確立、SNSの活用、予測不能のAI技術、バーチャル技術、IT化、クラシックと他のジャンルの融合、ライブ化、大型化、イベント化(参加型)など多彩です。新時代の風が吹き始めたのが平成でした。
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