ジャクリーヌの涙
春の運動会シーズンです。
運動会で良く使用されるクラシック曲に、「天国と地獄 」序曲(オッフェンバック曲)があります。誰もが聞いたことがあるでしょう。
オペレッタなどで有名な作曲家オッフェンバック(独1819-1880)は、実は高名なチェリストでした。
彼のチェロ曲に、「ジャクリーヌの涙」という哀愁を帯びた名曲があります。寝る前に聴くと気分が落ち着き優しい気持ちになります。精神安定剤などより余程効果があると思います。
知られざるオッフェンバックの一面をこの曲を聴いて知ることができます。(さわりだけでも聴いてみて下さい。)
ジャクリーヌという女性が誰を指すのか分かりません。オッフェンバックの娘にジャクリーヌという名前がありますので、その女性と考えるのが普通ですが、どうも定かでないようです。
また、オッフェンバックは、「シャンゼリゼのモーツァルト」と評されるほどの社交家でしたが、ジャクリーヌは、パリの社交界のマドモアゼルだったかも知れません。しかし、これも定かではありません。
では、夭折の天才チェリスト ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)のことかと思ったのですが、当然、時代が違うので、オッフェンバックが、現代のチェリスト ジャクリーヌ・デュ・プレのことを知る由もありません
しかし、よくよく調べてみると、この曲を編曲したヴェルナー・トーマス=ミフネ (Werner Thomas-Mifune 1941- ) が、ジャクリーヌ・デュ・プレの追悼のために演奏したことが分かりました。
たまたま曲の題名が「ジャクリーヌの涙」でしたが、作曲者のオッフェンバックは、別の女性を想い、編曲者のミフネが、チェリストのジャクリーヌ・デュ・プレのことを想って演奏した、ということでしょうか。少し分かりにくい話でした。
尚この曲は、オッフェンバックが、アルセーヌ・ウーセイ(1815-1896 男性、フランスの小説家、詩人)に捧げたとされています。
ただ、オッフェンバックにとってジャクリーヌという女性がどんな女性だったのか、誰のことなのか・・・謎に包まれたままです。
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