2019年がメモリアルイヤーの作曲家
当ブログでは、クラシック音楽に的を絞り、生誕又は没後が50年単位でキリのいい数字になった作曲家をメモリアルイヤーとしてご紹介してきました。
そして、2015年は 「シベリウス」、2016年は 「サティ」、2017年は 「グラナドス」 、2018年は 「グノー」 を選んできました。
本2019年は、クララ・シューマン(生誕200年)に焦点を当てたいと思います。
クララ・シューマンは言うまでもなく、作曲家 ロベルト・シューマンの奥さんです。ピアニストとして、作曲家として、また当時は珍しい音楽評論家・指揮者としても活躍しました。
100マルク紙幣(表)
100マルク紙幣(裏)
通貨がユーロに統一される前のドイツでは、100マルク紙幣にクララ・シューマンの肖像画が使われていました。(同時にピアノなどの楽器が描かれていますが、このような紙幣は他にないと思います)
それほど、クララ・シューマンはドイツ人の誇りであり、歴史上の人物だったわけです。
16歳でロベルト・シューマンとの恋に落ちますが、ピアニストとしての名声は高まり、19歳でオーストリア皇帝の御前演奏に臨んでいます。
その後父の反対を押し切って二人は結婚しました。クララ20歳、ロベルトは30歳でした。そして8人の子に恵まれ、妻として母として音楽家として多忙な日々を送りました。
しかし、夫のロベルトは極度の神経衰弱からライン川へ飛び込み、入水自殺を図ったのです。入院生活の後、ロベルトはクララを残して46歳の生涯を閉じました。クララは36歳、まさに波乱の人生を生きていました。
さらに、クララには自分に密かな恋心を抱くブラームスの存在がありました。その関係は想像しか出来ませんが、ある信頼以上の関係だったと言われています。
その辺は、映画「クララ・シューマン 愛の協奏曲」ツタヤ レンタルDVDで借りて見ることが出来ます。
尚、夫のロベルト・シューマンは有名な「トロイメライ」をはじめとして、交響曲から協奏曲、ピアノ曲、室内楽、声楽曲まで幅広いジャンルで著名な作品を残しましたが、クララも作曲家として素晴らしい作品を残し、今日では多くの演奏会で取り上げられています。
クララ・シューマンは、夫を支えながら、音楽に生き、愛に生きたピアニスト・作曲家として音楽史を彩っています。その意味で生誕200年のメモリアルに相応しいと考えました。
そしてもう一つ、クララ(Clara)とは、ラテン語で「光輝く」と言う意味です。
2019年が光り輝く一年になるよう願いを込めて、今年のメモリアルイヤーの作曲家をクララ・シューマンとしました。機会がありましたら、是非彼女の作品に耳を傾けて下さい。
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