世界トイレの日(World Toilet Day)
11月19日は「世界トイレの日」だそうです。
©UNICEF Video
そこで、トイレの歴史に触れながら、この問題について考えてみることにしました。
■ 昔は「厠(かわや)」とも言った
トイレの呼び名はいくつもあり、「便所」とか、「お手洗い」、昔は「はばかり」とか「ごふじょ(御不浄)」と言ったりもしましたが、その昔は「厠(かわや)とも言いました。年配の方ならご存知でしょう。
「かわや」の語源は「川屋」であり、流れている川の上に小屋を建て排泄した風習からきていると言います。昔の農家で良く見られたのではないでしょうか。
日本のトイレ事情が本格的に改善されたのは、やはり戦後になってからだと思いますが、調べてみると弥生時代頃にはトイレらしき施設はあったようです。
■ トイレの進化
下水道が普及するまでは、多くの家庭は「汲み取り式」のトイレでした。その頃は、バキュームカーと呼ばれる車が街中を走っていましたが、今ではほとんど見かけなくなりました。
そして、便器も和式から洋式になりました。さらにウォシュレットが付いてトイレは革命的に進化しました。日本人のおしりは世界一清潔だと言われる所以です。
しかし、そんな快適なトイレライフを満喫しているのは日本人だけといわれ、世界ではあまり普及していません。海外は硬水でメンテが大変だったり、水質が日本ほどキレイでなかったり、治安が悪くウォシュレットが盗まれたりするからです。
■ 世界では、3人に1人がトイレのない生活をしている
ウォシュレットは無理にしても、誰もがトイレのある生活をしていると思っていましたが、何と!世界ではトイレがない人が3人に1人もいるのです。
下記のサイトによると、世界で23億人がトイレのない生活を送っており、8億9200万人が屋外(道端や草むら)で排泄を行っているのです。
ペットでもトイレがある時代です。何という悲惨な現状でしょうか。
■ さまざまな取り組み
世界の富の半分は、世界のたった62人の大富豪が持っています。バス1台に乗れる一握りの人たちに富みが集中しているのです。問題であることは確かですが、それが現状なのです。
しかし、そんな大富豪のひとり ビル・ゲイツ氏はトイレ開発プロジェクトに4200万ドルを拠出しました。今後さらに善意の資金が集まるかも知れません。
そして、ある日本のメーカーでは、排泄物を流すための水が不要という画期的な「バイオトイレ」を開発し、上下水道がなくても使用できるトイレを設置することに成功しています。
出典 https://mikalet.jp/column/20170130165849/
また、「ネピア」でお馴染みの王子ネピア株式会社は、 東ティモールなどでトイレ設置支援活動を行っています。
さらに、住宅建材のLIXIL(リクシル)もユニセフとグローバルパートナーシップの締結を発表しました。
■ 2030年までに、すべての人がトイレを利用できる状況を実現(目標)
ユニセフなどの国際機関や、各国政府、ボランティア、サポート企業などの努力で、2030年までに衛生的なトイレが行き渡り、すべての人にトイレが使える日が来ることを願うばかりですが、私たちに出来ることは何か?を考えることにも意義があると思います。
日々、世界一のトイレが使えることに感謝しながら、「世界トイレの日」を過ごそうと思います。
« 秋の琵琶湖 | トップページ | 譜面台に楽譜がない »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- チャイコフスキーコンクール国別出場者(2023.06.18)
- 書を再開しました(2023.05.14)
- チャイコフスキーコンクール に ウクライナが参加 ?(2023.05.01)
- テロメアとは(2022.07.26)
- 東洋文庫ミュージアムへ行く(2022.07.19)