千人の交響曲を聴く
滅多に演奏されることのない「マーラー千人の交響曲」を聴く機会に恵まれました。
(名フィル第461回定期演奏会 2018・10・12 日本特殊陶業市民会館 満席)
10代の頃、レコードで初めて聴いた時は、「音の洪水」としか感じませんでしたが、その後何度も聴くうちに、壮大な宇宙観に興奮し、マーラー独特の天上の調べに酔いしれました。
今回の演奏も、オーケストラの咆哮、大合唱の圧倒的な迫力、存在感を見せつけた独唱陣、的確な棒さばきなど、音楽史上に残る力演であったと思いました。
特に長大な歌詞(一部はラテン語、二部はドイツ語)を歌い切り、清澄かつエネルギッシュな演奏を聴かせた合唱団は見事でした。
さて少し余談ですが、この曲は約百年前のミュンヘン万博で、マーラー自身の指揮で初演された際は、本当に1000人で演奏されたそうです。
我が国でも1985年にコシュラー/東京都響で1000人規模の演奏会が行われています。東京文化会館の特設ステージは演奏者で溢れ、ラッシュアワー並みの混雑ぶりだったとのこと。
都響創立20周年記念演奏会(1985年10月1・2日/東京文化会館)©木之下晃
今回の演奏は、オーケストラ(名フィル+中部フィル)133名、合唱(7団体)355名、ソリスト・指揮者合わせて約500名でしたが、実際にはこの規模が限界だと思います。
貴重な演奏を聴くことが出来て感激でした。児童合唱を含む500名の演奏者と多くのスタッフ関係者に感謝したいと思います。
※ 後日調べてみると、1981年に朝比奈隆/大阪フィルでも1000人規模の演奏会が行われていました。(CD化もされているようです)また2012年には名古屋マーラー音楽祭(井上道義指揮)で1000人規模の演奏会が挙行されています。まだあると思いますが調査中です。
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