溢れる激情 沢田蒼梧ピアノリサイタル
今回も、楽しみにしていた「沢田蒼梧ピアノリサイタル」に出掛けました。(2018・9・14 ザ・コンサートホール)
沢田さんは、世界15か国から精鋭50名のコンテスタントが集まる「第73回ジュネーブ国際音楽コンクール」に出場が決まり、その関係でプログラムが一部変更されましたが、魅力的なプログラムに変わりはなく、会場はsold-out(
ショパンのト短調のバラードから始まったコンサート、いつもの絶妙のトークを交え切れの良い演奏を聴かせてくれました。
このホールは最近リニューアルしたばかりですが、ステージの床を「縦張り」にしたことで、音の伝搬がよりストレートになったせいか、音量が大きく感じました。
※床の「縦張り」「横張り」については諸説あります
際立って美しい音色のスクリャービン、より表現力が進化したドビュッシー。人気の英雄ポロネーズで前半は終わりましたが、どの演奏も澱みがなく明晰で流れる様な推進力がありました。
リストの大曲ピアノソナタロ短調S.178/R.21は、オーケストラを思わせる圧倒的な色彩感と迫力、ドラマティックな構成に魅了されました。
彼の溢れる激情が会場を揺さぶり、その大きな波にのまれて我を忘れて聴き入りました。感情の起伏が本当に素晴らしい!
全く期待を裏切らない演奏、これだから次も聴きたくなるのです。これからも微力ながら応援します。
アンコールは3曲、これだけのリストを弾いた後にスケルツォ2番を弾くなど、パワーを出し切るという、彼のスタンスには感心します。今回も全身全霊のリサイタル、ありがとうございました。
■ 予告
沢田蒼梧ピアノリサイタル 2018年10月21日 ナゴヤピアノコンサートサロン
■ ご参考 ジュネーブ国際音楽コンクール公式サイト
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