絶品のピアノトリオを聴く
開場を待つ人の列にトンボが近づいてきました・・・
林の中に建つコンサートホールは、もう秋の気配に包まれているようです。
土曜日の夕刻から始まるいつものコンサートに出掛けました。
NBKコンサートホール 2018・9・22 矢部達哉(Vn)、山本裕康(Vc)、諸田由里子(Pf)
前半のブラームス「弦楽六重奏第1番」は、何度も聴いている曲ですが、今夜はピアノトリオ版(キルヒナー編曲)です。大変興味深く聴かせていただきました。
冒頭からその新鮮な響きに聴き入ってしまいましたが、旋律美が有名で、映画(ルイ・マル監督「恋人たち」)にまで使われた第2楽章が素晴らしく・・・
ブラームスらしい重厚な雰囲気の中に、ピアノが美しく語りかけ、チェロの旋律が情感たっぷりに表現され、洗練されたヴァイオリンが歌う ─ まさに絶品でした。
ある意味、弦楽六重奏で聴くより音楽の流れが自然に聴こえました。
後半のベートーヴェンピアノ三重奏曲第7番「大公」は、ピアノトリオの最高傑作と評されていますが、堂々たる響きと気迫、豊かな音楽性に貫かれた演奏は素晴らしく、至福の時間が流れました。アンコールはバッハのカンカータBWV106(編曲版)、「弾く喜び」と「聴く喜び」が、演奏家と観客の両者の心を満たしたコンサートでした。
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