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  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2018年8月 7日 (火)

異色のピアニスト/月光ソナタ

残暑お見舞い申し上げます。

本日は立秋。暦の上では「秋」となりました。

涼しげなYouTube動画を見つけました。少しは暑さが和らぐでしょうか、

">
  LoLa & Hauser - Moonlight Sonata

すでに1000万回以上再生されているようです。

チェロも素晴らしいのですが、異色のピアニスト ローラ・アスタノヴァさんの音楽観にハッとさせられました。以下に要約すると─


クラシック音楽は、ある種の「美術館」に展示され、ガラスで密閉保存して管理されるようになりました。

リストやショパンの時代は、彼らはロックスターのような存在であり、もっと自由で情熱的なミュージシャンでした。

しかし、いつしか彼らの音楽はガラス容器の中で自由を失い窒息状態に置かれているのです。

今日の演奏家は、自分たちだけが偉人の名を持って語る権利を持ち、自分たちだけがその音楽をいかに演奏すべきかを知っていて、自分たちだけが「良い趣味のマスターサンプル」であるという幻想とともに生きており、全ての人々にこのナンセンスを押し付けるのです。

植物の標本を吟味することが好きな人がいるように、これを好む人もいますが、私にそれは一切関係ありません。

私は脈拍と呼吸、直感、感情、思考を持つ生きた芸術に携わっています。私に「ステレオタイプを破壊する」という特別な任務はなく、ただ感じる通りに好きなことをしているだけです。

これが多くの人々を感動させてインスピレーションを与えることが嬉しいのです。好みでない人々は、植物の標本を楽しみ続けることもできます。
出典 https://jp.sputniknews.com/opinion/201712274425336/


今日のクラシック音楽(演奏)を、「植物の標本」と例える
ローラ・アスタノヴァさんの意見は一理あると思います。一部の音楽家や愛好家が、クラシック音楽を、高尚でレベルの高い芸術品としてガラス容器に密閉していることも事実です。

一方、クラシック音楽にはアカデミックな源流と長い歴史が存在します。楽器の変遷や演奏技法の進化、社会情勢の変化を織り込んで今日のクラシック音楽が成り立っている以上、これを否定することはできないでしょう。

生きた芸術を感じる通りに表現する ローラ・アスタノヴァさんに共感しつつも、伝統を重んじ、権威的でアカデミックな演奏に憧れる音楽ファンとしては、大いに考えさせられる映像(動画)でした。

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