ホームレスは何人?
厚生労働省は7月13日、日本のホームレスの数は今年1月時点で4977人だったと発表しました。 2003年の調査開始以来最も少なく、5000人を下回ったのは初めてとのこと。 (報道各社)
ホームレスが60万人いるといわれているアメリカと比べると、日本がいかに少ないかが分かります。
しかし、この数字だけで喜ぶのはまだ早いようです。
出典 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/12003000/000330962.pdf
■ 定義の違い
ホームレスとは、文字通り 「住む家の無い人」 のことを指すと思っていましたが、実際に、日本の法律上の定義では─
「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」をホームレスと定義しています。 (Wikipediaより)
すなわち、日本のホームレスは、公園や河川敷、路上、駅を寝起きの場として生活している人を指します。いわゆる路上生活者です。
一方アメリカの法律(McKinney-Vento Homeless Assistance Act)では、
固定され定常的で十分な機能を持つ夜間の宿泊場所を持たず、夜間の主たる宿泊場所が─
1.公的主体又は民間主体により運営されている一時宿泊施設、
2.収容することが必要な者に一時的に宿泊場所を提供する各種施設、
3.人間が定常的に寝起きする場所としてデザインされていない、または、通常使用されない公共及び民間施設
のいずれかの者をホームレスと定義しています。
アメリカでは、固有の家がなく、一時宿泊施設にいる人もホームレスと定義しているのです。
この定義の違いは大きいですが、日本には別のホームレスもいるのです。
画像出典 https://www.businessinsider.jp/post-163287
■ ネットカフェ宿泊者1日4000人(東京都調査 2018・1・29発表)
東京都が初めて行った調査で、住居が無くインターネットカフェなどに泊まる 「ネットカフェ難民」 が都内で1日当たり約4000人に上るとみられることが判明しました。
※東京都の調査結果 は、ここ(PDF)
もちろん、この4000人は日本のホームレスにはカウントされません。路上生活者と違って、雨風がしのげる環境にいるからです。
しかし、全国のネットカフェも含めると、このような施設に泊まっている人は何人いるか見当もつきません。
24時間営業のネットカフェや漫画喫茶、簡易宿泊所、一時宿泊施設(シェルター)、車上生活者も加えると、日本の事実上のホームレスは何人いるのでしょう。
無関心ではいられない問題が横たわっています。
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