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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

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壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2018年6月22日 (金)

ひまわりは枯れてこそ実を結ぶ(本の紹介No,034)

■ 白寿(99歳)の画家

安全な道には驚きはない。

画家の堀文子氏は、42歳でご主人を亡くされ、47歳で初の個展を開催、49歳で自然豊かな大磯町に転居、56歳で多摩美術大学教授に就任、61歳で軽井沢にアトリエを開き、69歳で単身イタリアへ、5年間滞在後、アマゾン、メキシコ(77歳)、ぺルー(80歳)、そして81歳でヒマラヤ山麓を取材旅行されました。

86歳で雑誌「サライ」に連載開始、97歳兵庫県立美術館、99歳神奈川県立現代美術館で展覧会、来月(2018年7月)100歳を迎える 現役の日本画家であります。

大正7年生まれの堀さんは、関東大震災、二・二六事件、太平洋戦争を体験されましたが、時代に翻弄されることなく、自然を師として学び、刻々に移ろう命の不思議を描き続けて来られました。

貪(むさぼ)らず奢(おご)らず命を全うする草木を見つめ、生きる者の心得をどれ程学んだことか。

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ひまわりは枯れてこそ実を結ぶ 堀文子(小学館2017・11・27発売)

私はその日その日の現在(いま)に熱中し
無欲脱俗(むよくだつぞく)を忘れず
何物にも執着せず
私流の生き方を求めて歩き続けて参りました。
これが私の生きた道です。 
(本文より)

死は終わりではなく次の生命の始まり。

ひまわりの畠の終焉は、その時の私の何かを変える程の衝撃だった。ひまわりは頭に黒い種をみのらせ、生涯の栄光の時を迎えていたのだ。

大地を見つめる顔は敗北ではなく、そのやせた姿にも解脱の風格があった。その顔一杯の種は、次の生命を宿し充実していた。 (本文より)

 

人生に日々感動を求め、あえて困難な道を選び、放浪を楽しみ、死は終わりではなく次の生命の始まりだとの境地に至った作者。

私の母も生きていたら99歳。喜びと悲しみが交錯したその人生にそっと手を合わせました。

 

■ 堀文子氏は 2019年2月5日にお亡くなりになりました(没年100歳)。ご冥福をお祈りいたします。

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