未来の年表 (本の紹介No.031)
久し振りに新刊を読みました。
心に余裕がないと本を読む気がしません。新聞すら数か月まともに読んでいませんでした。
若い頃、「 もう3か月本屋に行っていない 」 と言ったら、友人にすごく怒られました。本は、文化や社会のバロメーターだと言うのです。
大事な本と遠ざかっていた自分を反省しながら、今回手にした本は・・・
「未来の年表」 人口減少日本でこれから起きること 河合雅司著
未来は明るいものだ、と漠然と思っていましたが、とんでもないことが起きようとしています。
未来の年表 (講談社現代新書) すでに36万部売れています。
人口が激減する日本の未来を年表形式で示しています。
その内容は、①人口減少カレンダーと、②日本を救う10の処方箋 から成っています。その一部を紹介すると、
第1部 人口減少カレンダー
2017年 「おばあちゃん大国」に変化
2018年 国立大学が倒産の危機へ
2019年 IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ
2020年 女性の2人に1人が50歳以上に
2021年 介護離職が大量発生する
2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化する
2023年 企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる
2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ
2025年 ついに東京都も人口減少へ
2026年 認知症患者が700万人規模に
2027年 輸血用血液が不足する
2030年 百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える
2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
・・・ほか
第2部 日本を救う10の処方箋 ――次世代のために、いま取り組むこと
「高齢者」を削減/24時間社会からの脱却/非居住エリアを明確化/中高年の地方移住推進/第3子以降に1000万円給付
・・・ほか
先の当ブログ記事で、出生数の減少を書きましたが、本書を読む限り、急激に人口が減少する日本の近未来は、想像を絶する悲惨な社会の到来を意味します。
事実このままでは日本の人口減少は止まりません。 (以下グラフ参照)
国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」2017年より
政治家や官僚に任せるだけでなく、私たち国民の一人一人が問題意識を持ってこの難局に立ち向かわなければなりません。
本書は、日本の未来に警鐘を鳴らすと同時に、未来を担う若者への問題提起と提言でもあります。 特に若い世代の人たちにお勧めしたい本ともいえます。
■ 追記
最近(2018・5・18) 未来の年表2が発売されました。目次だけ見てもショッキングな項目が並びます。
<目次抜粋>
人口減少カタログ/庄子家の一日に起きたこと
第1部 人口減少カタログ
序 国民の5人に1人が、古希を超えている
◎伴侶に先立たれると、自宅が凶器と化す
◎亡くなる人が増えると、スズメバチに襲われる
◎東京や大阪の繁華街に、「幽霊屋敷」が出現する
◎高級タワマンが、「天空の老人ホーム」に変わる
◎80代が街を闊歩し、窓口・売り場は大混乱する
◎老後資金が貯まらず、「貧乏定年」が増大
◎オフィスが高年齢化し、若手の労働意欲が下がる
◎親が亡くなると、地方銀行がなくなる
◎若者が減ると、民主主義が崩壊する
◎ネット通販が普及し、商品が届かなくなる
◎オールド・ボーイズ・ネットワークが、定年女子を「再就職難民」にする ほか
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