「心で見る」一年に
年賀状を書き終えてテレビを付けると、どのチャンネルも貴乃花親方の処分をめぐる話題で一色である。
この一年が終わろうとしているが、年ごとに騒々しくなる世の中に辟易としている人も多いと思う。
週刊誌が火を付け、テレビのワイドショーが連日のように特集して、政治家や芸能人の不祥事が日本中を駆け回る。
騒々しくしているのは誰なのか。
不祥事を起こした当事者なのか、面白おかしく報道するテレビなのか。そんな話題に飛びつく我々なのか。
情報が濁流の如く流れていく中で、何か大事なものが見落とされていないだろうか?考える力が衰えていかないだろうか。
サン=テグジュペリの「星の王子様」に出てくる、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」 (Le plus important est invisible) という言葉を思い出した。
金子みすゞの詩にも、
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきにだァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。 (「星とたんぽぽ」一部)
来年は、たんぽぽの根っこを 「心で見て」、美しい花を愛でたいと思いました。
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