どこの国の総理ですか?
昨日行われた 「長崎平和祈念式典」。 毎年テレビで拝見していますが、いつも被爆者の悲痛な叫びを聞いて心が痛みます。
原爆投下から72年。今あらためて平和の尊さをかみしめ、17万人余の犠牲者を追悼したいと思います。
本年(2017年)7月7日、 国連で122か国・地域の賛成多数により採択された「核兵器禁止条約」。
本来なら率先して採択に賛成すべき日本政府は不参加でした。
昨年の国連総会第1委員会(軍縮)で、「2017年に核兵器禁止条約交渉のための会議を開催する」 決議が賛成多数で採択された時も、日本政府は反対しました。
「あなたはどこの国の総理ですか。」 川野浩一さん(77)は被爆者団体からの要望書を安倍首相に手渡した際に迫った。
「ヒバクシャの願いがようやく実り、核兵器禁止条約ができた。私たちは心から喜んでいます。私たちをあなたは見捨てるのですか」
通常は冒頭で静かに要望書を手渡すが、川野さんは 「子や孫に悲惨な体験をさせてはならないというナガサキの72年間の訴えが裏切られたという思いがあった」 と異例の行動に出た理由を話す。
川野さんは安倍首相に 「今こそ日本が世界の先頭に立つべきだ」 とも訴えたが、明確な返答はなかった。 (報道各社の記事より)
しかし、昨年も日本政府は核廃絶などを求める独自の決議案を国連に提出し、本会議では米国など167ヵ国の賛成多数で採択されています。 外務省報道発表
日本政府は同様の決議案を例年提出しており、今回で23年連続の採択となりました。この事は意外と知られていません。
日本政府は、核の廃絶は訴えているものの、核兵器の禁止条約には参加していません。アメリカの核の傘の下にいる日本は、アメリカの核兵器によって守られているからです。
ロシア、中国、北朝鮮の核に脅え、アメリカの核の傘の下にいる日本。福島原発事故が収束しないまま原発再稼働を進める日本。
唯一の被爆国なのに、核兵器禁止条約に賛成できない日本。
大きな矛盾を抱えたまま、日本は漂流するしかありません。「私は漂流国家 日本の総理大臣です。」
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