~風に吹かれ陽に揺られ~花の街を散策する
藤の花は、風に吹かれ陽に揺られ・・・
藤の名所 「竹鼻別院」 に出掛けました。樹齢300年の藤の名木からは薄紫の花が見事に咲き揃い、境内には甘い香りが漂っていました。
詩人 大木実(おおき みのる 1913-1996)の詩に、「花は風に吹かれ陽に揺られ・・・」 とありますが、薄紫の花が房となってつながり、風に吹かれ陽に揺れる姿は実にあでやかです。
藤の花 大木実
藤の花が咲いてゐる
とほいおもひでが
ゆふぐれどきの燈火(あかり)のやうにかへつてきて
こころを濡らすのである
あきらめたはず
あとはそのまま忘れてしまひたい
花は風に吹かれ陽に揺られ
咲いては散り
あれから幾年(いくとせ)かは経つていつた
藤のシャワーを浴びて
この詩に作曲家の團伊玖磨(だん いくま)が曲を付けた日本歌曲もあります。
日本歌曲「藤の花」(リンク切れはご容赦下さい)
藤は、日本の固有種で、古くは平安時代や鎌倉時代から日本人に親しまれてきました。歌舞伎舞踊の演目 「藤娘」 は有名です。
この日も、花序は長くしだれて風に揺れ、そよそよと靡く花姿が日本的な情緒を醸し出していました。
百花のさきがけ 「梅」 から始まった春の花のラリーは、「桜」 「チューリップ」 「花桃」 「ハナミズキ」 「コブシ」 そして 「藤」 と続いています。次の主役は 「バラ」 でしょうか、「ユリ」 でしょうか。
季節と共に歩もうと決めた今年、「花の街」 の散策は続きます。
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