医師 と ピアニストを両立させた男
誰もがなりたい医師、誰もが憧れるピアニスト。
どちらも高度な専門領域の職業です。両立は神業に近いでしょう。
しかし、その両方の夢を実現させ、見事に両立させている人がいます。
上杉春雄氏 。 職業は、「札幌山の上病院」 院長、そして プロのピアニストです。
以前より注目していましたが、この度、氏が出演する 「脳と音楽」 と題したコンサートを聴く機会に恵まれました。
前半はトークで、後半がコンサート。共演はヴァイオリニストの前田朋子さんでした。
ピアノは滑らかで柔らかいタッチ、落ち着いた音色で品の良さを感じました。特に、「アヴェマリア」 の伴奏(平均律クラヴィア第1巻第1曲)は、神秘的ともいえる深淵な美しさが印象的でした。
ヴァイオリンは、とても音楽的で表情豊か、香り立つような 「スプリングソナタ」 に魅了されました。また、TV番組 「劇的 ビフォーアフター」 の音楽で有名な 「ルーマニア民族舞曲」 は楽しく聴かせていただきました。
アンコールは、定番 「タイスの瞑想曲」、情感たっぷりの演奏に会場も静まり返って聴き入っていました。
残念なことに・・・
曲が終わるか終わらないかのうちに、すぐ 「バチバチバチ!」 と拍手をするお客がいます! この客は、「音楽」 を聴きに来たのか、「音」 を聞きに来たのか、全く理解できません! あまりに 「無神経」 です。
「アヴェマリア」 も 「タイス」 も、余韻を楽しむことなくコンサートは終わりました。
しかし席を立つと、身体が軽くなったような爽快感がありました。多分、コンサートで脳が活性化して5歳くらい若返ったのではないでしょうか。お医者さんの作るコンサートは格別です。
次回に期待が膨らみますが、前述のような 「無神経な客」 がいないことを望みます。
■ 当ブログ参考記事→ 沢田蒼梧 挑戦するピアニスト
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