「復活」に捧げた人生、所有楽譜が6億円で落札
このほど、マーラー交響曲第2番 「復活」 の自筆楽譜(全232ページ)が、ロンドンのサザビーズにおいて、455万ポンド(約6億4千万円)で落札されました。 (報道各社)
この金額は、楽譜としては史上最高値です!(この記事の時点)
(※)過去の例 モーツァルトの交響曲の直筆楽譜250万ポンド(約3億5千万円) シューマンの交響曲第2番の直筆楽譜150万ポンド(約2億1千万円)
大半は黒インクで力強く書かれており、修正の跡も多数存在します(写真はサザビーズより)
競売には4人が電話で参加したそうですが、匿名の入札者が落札したとのことです。
そもそもこの楽譜は、米国の実業家 ギルバート・キャプラン(Gilbert Kaplan) さんが所有していたものです。 (本年元旦 2016・1・1 に、74歳で死去)
キャプランさんは、音楽教育を受けていませんでしたが、ただ 「復活」 の指揮をすることだけを夢見て、指揮者ゲオルグ・ショルティ氏に師事して猛勉強しました。
やがて、氏の演奏は絶賛を浴びることとなり、全世界の一流オーケストラから客演の依頼が殺到し、「復活」 のみを専門に振る指揮者として知られるようになりました。ロンドン交響楽団やウィーンフィルとの録音も残しているほどです。
ちなみに、「復活」 以外の曲は全く指揮したことはないそうです。世界でも例を見ない 「復活」 専門の指揮者だったわけです。
マーラー 「復活」 に人生を捧げたキャプランさんが愛蔵していた自筆楽譜は、匿名氏の手に渡ってしまいましたが、彼の残した 「復活」 の演奏は永遠に聴くことが出来ます。
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