秋の一句/山頭火
「踏み分ける 萩よすすきよ」 種田 山頭火(たねだ さんとうか)
■ 種田 山頭火(俳人)
大地主の長男に生まれるも父の放蕩から母は自殺、その後生家は没落、やがて父は家出する。弟も自殺、山頭火は仏門に入り生涯にわたる放浪の旅に出る。
托鉢生活のなかで独特な自由律俳句に没頭し、晩年は草庵で作句した。昭和15年10月11日松山市 「一草庵」 にて59歳の生涯を終える。有名な酒豪だった。
山頭火は17歳年下の大山澄太(俳人:山頭火を世に出した人物として知られる)に、次のように語っています。
「澄太君、日本の秋は結局 萩とすすきだね。萩の花からこぼれる露をふんで山路を歩き、すすきの原に沈む大きな夕日を眺めると、わしのような孤独な漂泊者は、いつ死んでもよいとさえ思うよ。」
俳人 山頭火(さんとうか)は、日本の秋には 「萩」 と 「すすき」 が一番似合うと思っていたようです。
「踏み分ける 萩よすすきよ」
自然を愛し、秋を好んだ 山頭火の素直な喜びが伝わる一句です。
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