原点は家庭環境にあり
早朝のNHKマイあさラジオ 「きょうは何の日」 を聞いていたら、10月2日(昭和23年)は、「子供のための音楽教室」 が開設された日だと紹介していました。
少し調べてみることにしました。
■ 子供のための音楽教室(昭和23年開設)
何と、一期生には小澤征爾、中村紘子、堤剛が名を連ね、初代室長は吉田秀和氏です。当初は30名位からスタートし、一貫した音楽教育システムの必要性から、今日の桐朋学園大学音楽学部へと発展していきました。
この教室が、日本の最初の音楽教室だったようです。その後の卒業生には、ピアニスト内田光子さん、最近では 小林愛実さんもいます。(一例)
■ ヤマハ音楽教室(昭和29年開設)
1954年、専門家の養成機関ではなく、純粋に音楽を楽しめる人の育成を目指した教室としてスタート。
当初は150人規模でしたが、日本の高度成長と共に発展し、世界中に展開、現生徒数は32万人、卒業生は500万人を超え、世界最大規模の音楽教室を誇っています。卒業生にはチャイコフスキーコンクール覇者の上原彩子さんがいます。 (一例)
■ カワイ音楽教室(昭和31年開設)
1956年スタートの、カワイ音楽教室は2016年に開設60周年を迎えました。ヤマハと共に、子供の音楽教育を支えながら著名な音楽家を輩出しました。
■ スズキメソード
戦後間もない昭和21年、ヴァイオリニスト 鈴木鎮一氏によって松本市に設立されました。やがて、才能教育研究会(スズキメソード)に発展し、多くの優れた弦楽器奏者、指導者を輩出しました。世界的なメソードとして高い評価を得ています。
さて、今日活躍している音楽家の原点はどこにあるのか考えてみることにしました。
1.上記の音楽教室に学んだことが、音楽家への道を歩むきっかけになった人は多いでしょう。
2.また、音楽大学で専門教育を受けたり、海外留学したことが音楽家になるきっかけになった人も多いと思います。
3.素晴らしい指導者にめぐり会ったことで音楽を志した人もいると思います。
4.国内外の音楽コンクールに入賞して音楽家になった人もいるでしょう。
しかし、本当の意味での原点 「音楽の芽生え」 は、実は幼少期の家庭環境にあるケースが多いのではないでしょうか。
鈴木鎮一氏の言葉にも、「人は環境の子なり」 とあります。
親が音楽好きだったとか、ピアノの先生だったとか、家に楽器があったとか、いつも音楽が流れていたとか・・・ そして、DNAも環境と言えます。
もし、音楽に縁のない親であっても、子供に音楽を習わせようと考えたなら、それも親が作った環境と言えます。
要は、環境がすべてを決めると言っても良いかも知れません。
音楽に限らず、スポーツの世界でも同じです。 体操の内村航平選手も、卓球の福原愛選手も、本人の努力と家庭環境がプロのメダリストを作ったのです。
もちろん、恵まれた環境がなくても立派にプロになった人もいますが、少数だと思います。
温かくなると、桜の花が咲くように、子供の才能を開花させるのは家庭の環境作りにあると思います。
音楽教室の話題から少し発展し過ぎましたが・・
可能性は、すべての子供たちに等しくあるはずです。(結論)
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