グレン・グールド 変人ぶりランキング10
24年前の今日、異端のピアニスト グレン・グールドが50歳で亡くなりました。
カナダ トロントにある グールドの墓石、バッハ ゴールトベルク変奏曲 BWV988 アリアの冒頭2小節が刻まれている。
グールドは、奇人・変人と言われました。 命日に因み、その奇々怪々な行動を、当ブログがランキングしてみました。
■ グールド変人ぶりランキング10
1.演奏中にメロディの一部を歌ったり、時々唸ったりした
2.ピアノを弾きながら、あいた片手で指揮をする癖があった
3.極端に低いピアノ椅子で弾いた(父親が作った折り畳み椅子を持ち歩いた)
4.演奏前に30分間お湯に手を入れて温めた
5.人気の絶頂期に突然コンサート活動を止め、スタジオにこもる
6.ピアニストなのに、生涯ショパンを1曲も弾かなかった(←これは間違い、1970年7月23日 、1950年9月1日 に弾いた記録あり)https://www.youtube.com/watch?v=cx0pQBxBiX8
7.夏でも、コート、マフラー、帽子(手袋も)を身に着けていた
8.食事はビスケットとフルーツジュース、大量のサプリメントだった
9.生涯独身で愛犬と暮らし、遺産の多くを動物愛護団体に寄付した
10.夏目漱石の小説 「草枕」 を愛読していた
変人と言われながらも、デビューアルバム 「バッハ/ゴールドベルク変奏曲」 が衝撃的な演奏で世界の注目を集め、当時クラシック・レコードのベストセラーになりました。
その後は、神がかり的なバッハの演奏で名声を高め、稀代の天才ピアニストと評されるようになるのです。
1982年10月4日、亡くなったグールドの枕もとに、夏目漱石の小説 「草枕」 が置いてあったと聞いたことがあります。
智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 (草枕の有名な冒頭の一節)
強烈な個性で人と交わらず、芸術のために妥協を許さなかったグールドは、周囲との意見の相違でいつも対立が絶えませんでした。
~ とかくに人の世は住みにくい ~ 草枕の言葉が身に沁みたことでしょう。
しかし、ピアノに向かって音楽に没頭している時、グールドは安らぎを得ていました。
聞く者にこの世(人の世)のことを忘れさせてくれない音楽は、それができる音楽より本質的に劣っていると私は思う。 グレン・グールド
グールド自身もまた 「この世(人の世)」 を忘れて弾いていました。 聴いている私たちも、「この世(人の世)」 を忘れ、至福の時間をグールドと共有していたのだと思います。
~ とかくに人の世は住みにくい ~
この日、永遠の安息がグールドに訪れました。 安らかにお眠りください。
バッハ ゴールトベルク変奏曲 「アリア」 が、心の中で聴こえる夜に・・・
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